JPH0412834B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［技術分野］ 本発明は、超音波を利用して物体や人体などの
被検知物体の存在を検知する超音波センサに関す
るものである。

［背景技術］ 従来、この種の超音波センサとしては、第３図
に示すパルス反射方式の超音波センサがある。こ
の超音波センサは、超音波パルス信号を間欠的に
送波して、物体や人体などの被検知物体からの反
射波を受波することにより、検知エリア内にある
被検知物体を検知するものである。上記検知エリ
アの距離方向の範囲は、超音波の伝搬する速度に
よつて限定され、幅方向の範囲は超音波振動子の
指向性によつて限定される。

ところが、上記検知エリアは、種々の環境条件
によつて変動する。たとえば、検知エリアの距離
方向の範囲は温度変化によつて超音波の伝搬速度
が変化するために変動し、また幅方向の範囲は温
度変化によつて超音波の指向性が変化するために
変動したり、また風などにより指向方向の揺らぎ
が生じて変動したりする。さらに、幅方向の範囲
は増幅回路の増幅率の変化等の感度の変動などに
も影響を受ける問題があつた。

そこで、従来では、第４図に示すように、本来
超音波センサＳにて被検知物体の検知を行う検知
エリアＡが変動すると予測されるエリアB′を電
源投入時に検知するようにしたものがある。この
超音波センサＳは、第３図に示すように、送受波
兼用の超音波振動子１を備え、この超音波振動子
１は送波周波数の信号を発振する基準周波数発振
回路４の発振周波数に基づいて超音波を送波する
ものであるが、このとき基準周波発振回路４出力
は一旦ゲート信号作成回路３′に入力され、間欠
的な信号に変換され、増幅回路２を介して超音波
振動子１に入力される。従つて、超音波振動子１
からは超音波パルス信号が間欠的に送波されるこ
とになる。この超音波振動子１から送波された超
音波は、物体や人物などの被検知物体（図示せ
ず）にて反射されて超音波振動子１にて受波され
る。この受波信号は受波部１１の増幅回路５に入
力され、検波回路６にて検波され後に、信号処理
回路７に入力される。ここで、この信号処理回路
７には基準周波数発振回路４出力に基づいてゲー
ト作成回路３′にて作成されたゲート信号が入力
されており、このゲート信号は信号処理回路７が
備えたゲート回路（図示せず）のゲートを開くよ
うに制御する。つまり、ゲート信号が、検知エリ
アＡの距離方向の範囲を決定する。このゲートの
開いている間に検知回路６出力が信号処理回路７
に入力されたとき、被検知物体が検知エリアＡ内
に存在すると判定し、出力回路８にて表示装置等
の外部装置を駆動する。

以上は通常の被検知物体の検知するための構成
及び動作の説明である。次に超音波センサＳの検
知エリアＡが変動すると予測されるエリアB′の
ための構成及び動作について説明する。この従来
回路においては、電源１０が投入された直後、一
時的にエリアB′を検知するようにしたものであ
る。したがつて電源１０が投入されたときから限
時動作を行うとともに、この限時動作期間中は増
幅回路５の増幅率を上げるタイマ９を備えてい
る。つまり増幅回路５の増幅率を上げることによ
り、第４図に示すように検知エリアＡの幅方向の
範囲を広くできる。

しかし、上述の超音波センサＳでは電源投入
時、すなわち施工時にしか検知エリアＡが変動す
ると予測される範囲のエリアB′の確認をするこ
とができず、施工後は検知エリアＡとエリア
B′との区別ができず、誤報を恐れるあまりにエ
リアB′以上の広い範囲に渡つて物を置くことが
できなくなるといつた不都合があつた。さらに上
述の回路構成では検知エリアＡの距離方向の範囲
の変動が考慮されていない問題があつた。つま
り、上述の従来回路では、信号処理回路７のゲー
トが開いている時間が一定であるから、このゲー
トの開いている時間により規制される検知エリア
Ａの距離方向の範囲は可変できない。

［発明の目的］ 本発明は上述の点に鑑みて為されたものであ
り、その目的とするところは、環境条件などの変
動による誤報を防止することができる超音波セン
サを提供することにある。

［発明の開示］ 実施例 第１図及び第２図は本発明の一実施例を示す図
であり、第１図に示すように、本実施例では、従
来例の受波部１１と同様の構成である第１の検知
手段としての受波部１１₁の他に超音波センサＳ
の検知エリアＡの変動すると予測されるエリアＢ
の被検知物体の検知を行う第２の検知手段として
の受波部１１₂を備えたものである。この受波部
１１₂の構成は受波部１１₁の構成と同様である。
しかし受波部１１₂の増幅回路５₂の増幅率は増幅
回路５₁の増幅率より大きくなつている。また、
信号処理回路７₂のゲートの開いている時間が信
号処理回路７₁のゲートの開いている時間より長
いものである。なお、本実施例では表示装置とし
て発光ダイオードLD₁，LD₂を用いている。この
ため、ゲート信号作成回路３からはハイレベル期
間の異なる長短２種類のゲート信号が出力され
る。従つて、上記増幅率の大きな増幅回路５₂に
より、第２図中の破線にて示すように、検知エリ
アＡの幅方向の範囲を広くすることができ、しか
も信号処理回路７₂のゲートを開いている時間を
長くすることにより、距離方向の範囲を距離l′に
て示すように長くできる。このように本実施例で
は拡大されたエリアＢを常時検知することによ
り、従来のように施工後は検知エリアＡとエリア
Ｂとの範囲を区別できないといつたことがなく、
従つて検知エリアＡが変動して変化した検知エリ
アの範囲がどこまでか分からず、このため物を広
い範囲に渡つて置くことができないといつた不都
合がない。また、検知エリアＡとエリアＢとの区
別が容易であるから、動作の確認も容易となり、
結果として種々の環境条件の変動による誤報を防
止できる。しかも距離方向の範囲も拡大できるこ
とから、距離方向の検知エリアの変動範囲も識別
できる。

［発明の効果］ 超音波パルス信号を間欠的に送波する超音波パ
ルス送波手段と、上記超音波パルス信号の物体や
人体などの被検知物体による反射波を受波し、検
知エリア内にある被検知物体の存在を検知する第
１の検知手段と、上記超音波パルス送波手段の超
音波パルス信号の被検知物体による反射波を受波
し、上記第１の検知手段による通常の被検知物体
の検知エリアが環境条件により変動する上記検知
エリアより広いエリアの被検知物体の検知を常時
行う第２の検知手段を備えているので、従来のよ
うに施工後は検知エリアと、この検知エリアより
広い環境条件により検知エリアが変動するエリア
との範囲を区別できないといつたことがなく、従
つて検知エリアが変動して変化した検知エリアの
範囲がどこまでか分からず、このため物を広い範
囲に渡つて置くことができないといつた不都合が
なく、また検知エリアとエリアとの区別が容易で
あるから、動作の確認も容易となり、結果として
種々の環境条件の変動による誤報を防止でき、し
かも距離方向の範囲も拡大できることから、距離
方向の検知エリアの変動範囲も識別できるという
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す回路図、第２
図は同上の動作説明図、第３図は従来例を示す回
路図、第４図は同上の動作説明図である。 Ｓは超音波センサ、Ａは検知エリア、Ｂはエリ
アである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 超音波パルス信号を間欠的に送波する超音波
   パルス送波手段と、上記超音波パルス信号の物体
   や人体などの被検知物体による反射波を受波し、
   検知エリア内にある被検知物体の存在を検知する
   第１の検知手段と、上記超音波パルス送波手段の
   超音波パルス信号の被検知物体による反射波を受
   波し、上記第１の検知手段による通常の被検知物
   体の検知エリアが環境条件により変動する上記検
   知エリアより広いエリアの被検知物体の検知を常
   時行う第２の検知手段を備えて成ることを特徴と
   する超音波センサ。