JPH04128057U - 電機子用リボンコイル - Google Patents

電機子用リボンコイル

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JPH04128057U JP1991044133U JP4413391U JPH04128057U JP H04128057 U JPH04128057 U JP H04128057U JP 1991044133 U JP1991044133 U JP 1991044133U JP 4413391 U JP4413391 U JP 4413391U JP H04128057 U JPH04128057 U JP H04128057U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電機子用リボンコイルにおいて、導体箔の端
末処理を容易化し、熱の逸散のない良好なハンダ付けを
可能にした構造を提供する。 【構成】 リボンコイル1の巻き初め側の端末部3を折り
返すと共に、その折り返し部分3aの先端側3bをコイルの
内周側に巻き込ませてループ状に構成させ、且つ予め端
末部3の絶縁層を一部分除去しておくことにより、端末
部3の一部をそのまま一方の電極5とする。また、外周側
の端末部6も折り返し、折り返し部分6aを外周面に溶着
させて電極7を構成する。 【効果】 巻回後の端末部に対する切断や絶縁層の除去
等の処理工程がなくなり、且つ巻回部から離隔した部分
に電極が位置するため、熱が巻回部側へ逸散せずに常に
良好なハンダ付けが可能になる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はブラシレスモータの固定子等に用いられる電機子用リボンコイルに係 り、巻き初め及び巻き終りの端末部の処理が容易となる構成を提供することを目 的とする。
【0002】
【従来の技術】
映像機器や音響機器におけるヘッドシリンダやキャプスタンの駆動用モータに はDCモータが使用されているが、ブラシによるノイズの発生やコアとマグネット の吸引反発による回転ムラ等の欠点をなくすために、コアレス方式のブラシレス モータが採用されている。 そして、その種のブラシレスモータの駆動用コイルには、比較的製造が容易で 小型化を図ることが可能なリボンコイルが使用されていることが多い。
【0003】 一般に、リボンコイルは、表面に絶縁層と溶着層を施した帯状の導体箔を渦巻 状に巻回することにより、図8に示すようなコイルに構成されるが、後で行われ る端末部の処理作業を考慮して、予め端末部を側方へ引き出した態様に製造され る場合もある。 何れにしても、巻回後のコイルはその端末部を電極とするために、端末部の溶 着層や絶縁層を除去してリード線のハンダ付けが可能な状態に処理される。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、図8に示すように、端末部51,52を引き出すことなく巻回表面に密 着させた状態のままであると、小さなコイルではカッターやヤスリ等の工具を内 径側53へ挿入することが困難になり、電極作成のための作業性が極めて悪くなる 。また、リード線のハンダ付けを行う際にも、熱が巻回部54側へ逸散するために その温度管理が難しくなり、脆弱化や接合強度の不足等が生じて接続不良や断線 事故の原因となる。 更に、端末部51,52が巻回表面に密着していると、コイルの表裏判別が困難に なり、取付けミス等を招くことが少なくない。
【0005】 一方、図9に示すように、予め端末部が引き出されているものについては、前 記のような問題を生じないが、端末部55,56を適当な長さに切断し、絶縁層を除 去する等の処理工程が面倒になる。特に、部品としてのコイルを小さくまとめる ために端末部55,56をあまり長く引き出しておくことができないため、電極作成 を含む巻き初め側の処理は非常に困難な作業を伴う。
【0006】 そこで、本考案は、コイルの巻き初め及び巻き終り側の端末部に工夫を施すこ とにより、前記の問題を解消したリボンコイルを提供することを目的として創作 された。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の考案は、絶縁層を施した帯状の導体箔を渦巻状に巻回した電機子用リボ ンコイルにおいて、予め絶縁層を一部分除去した巻き初め側の端末部を折り返し 、その折り返し部分をコイルの内径面側に巻き込ませたことを特徴とする電機子 用リボンコイルに係る。 第2の考案は、絶縁層を施した帯状の導体箔を渦巻状に巻回した電機子用リボ ンコイルにおいて、巻き終り側の端末部を折り返し、その折り返し部分をコイル の外周面に固着させたことを特徴とする電機子用リボンコイルに係る。
【0008】
【作用】
第1の考案のリボンコイルでは、巻き初め側の端末部が折り返した状態で、且 つその折り返し部分がコイルの内周側の巻回部に巻き込まれているため、端末部 はコイルの内径面の内側にループ状の態様で固定される。 また、予め端末部の絶縁層が一部分除去されているため、その巻き初め側の端 末部はそのままの状態で電極となり、リード線のハンダ付けを直接行うことがで きる。 更に、前記のように端末部がループ状になっているため、ハンダ付けの際に熱 が巻回部側へ逸散してしまうことがなく、常に良好なハンダ付けを行うことが可 能になる。 第2の考案は、巻き終り側の端末部を折り返したものであり、その折り返し部 分をコイルの外周面に固着させたことによって、前記の考案と同様に端末部をル ープ状に構成できる。尚、この場合にも予め端末部の絶縁層を除去しておいても よいが、巻き終り側の端末処理は比較的容易であることから、後で絶縁層を除去 して電極を構成させることもできる。
【0009】
【実施例】
以下、本考案の一実施例を図1から図7を用いて説明する。 図1は実施例に係る電機子用リボンコイルの斜視図を示し、そのリボンコイル 1は絶縁層と溶着層を施した帯状の導体箔2に対して溶剤を添加するか又は加熱し て、溶着層を溶かしながら渦巻状に巻回することにより一体化構成したものであ る。 そして、少なくともその巻き初め側の端末部3の絶縁層と溶着層は予め一部分 除去されていると共に、コイル1の内径面の内側で折り返されており、その折り 返し部分3aの先端側3bがコイル1の内周側の巻回部に巻き込まれた状態になって いる。
【0010】 その結果、巻き初め側の端末部3はコイル1の内径面4の内側でループ状となり 、端末部3はその一部が内径面4から離隔せしめられた状態で内装固定されること になる。 また、前記のように端末部3の一部の絶縁層と溶着層が予め除去されているた め、そのままの状態でその一部に電極5を構成させることができ、リード線を直 接ハンダ付けすることができる。
【0011】 更に、このコイル1は巻き終わり側の端末部6についても折り返されており、そ の先端側6aを外周面に溶着剤で固定させることによりループ状に構成されている 。当然に、この端末部6にも電極7を構成する必要があるが、外周側の処理は比較 的容易であるため、必ずしも先に絶縁層と溶着層を除去しておく必要はなく、後 でそれらを除去するようにしてもよい。
【0012】 次に、このリボンコイル1の製造工程を図2から図7を参照しながら説明する 。各図において、11は帯状の導体箔2を案内するガイドローラ、12は前記の導体 箔2の先端部を把持するクランパ、13は2本の係合部13a,13bを有すると共に回転 駆動される巻枠を示す。また、図2に示した14は絶縁層及び溶着層を除去するた めの剥離用ヤスリである。
【0013】 先ず、クランパ12はガイドローラ11と巻枠13の間に位置せしめられ、クランパ 12で導体箔2の端部を把持した後、剥離用ヤスリ14を回転させて導体箔2の表面を 擦過することにより、図1における電極5の構成領域に対応する絶縁層と溶着層 を除去しておく(図2)。次に、クランパ12を巻枠13の背後へ移動させて、導体箔 2を巻枠13の各係合部13a,13bの間に挿通させる(図3)。
【0014】 ここで、巻枠13を回転させると、図4に示すように、各係合部13a,13bが帯状 の導体箔2に係合し、導体箔2がガイドローラ11側から供給され始める。 そして更に、クランパ12で導体箔2の端部を把持したまま巻枠13を回転させる と、図5及び図6に示すように、帯状の導体箔2がガイドローラ11側から供給さ れながら、その導体箔2が巻枠13の両係合部13a,13bの外周側に巻回されてゆく。 また、図6の段階で、巻枠13の両係合部13a,13bの間で引張状態にある導体箔2 の部分は、図1における折り返し部分3aの手前に位置する部分に相当し、初期に 絶縁層等を除去した電極5の構成領域が含まれていることになる。
【0015】 ところで、図6の段階に至ると、図7に示すようにクランパ12の把持状態が解 除され、巻枠13の回転はそのまま継続される。尚、この解除によっても、巻枠13 の係合部13bの外周側で既に導体箔2が2層分密着されているため、その挾圧状態 によって巻枠13への巻回状態が弛緩することはない。
【0016】 以降、溶剤の添加状態又は加熱状態の下で帯状箔2の溶着層を溶かしつつ、巻 枠13をリボンコイル1の巻数分だけ回転させる。その結果、完成したコイルを巻 枠13から取り外すと図1に示したリボンコイル1が得られ、その巻き初め側の端 末部3の電極5に対してそのままリード線のハンダ付けが可能になる。また、その 電極5はコイル1の内径面4から離隔した部分に構成されているため、熱の逸散が ない良好なハンダ付けが可能になる。 尚、外周側の端末部6については、前記のように所定巻数分だけ帯状箔2を巻回 させた後に、その端末部6の折り返し部分6aを外周面に溶着させるだけで構成で き、電極7はその折り返し部分6aの絶縁層と溶着層をヤスリ等によって除去する だけで作成できる。
【0017】
【考案の効果】
本考案の電機子用リボンコイルは、以上の構成を有していることにより、コイ ルの端末処理に係る工数を削減し、且つ電極へリード線をハンダ付けする際の熱 の逸散をなくして常に良好なハンダ付けを可能にする。 特に、小さなリボンコイルでは、工具が挿入できないなどの理由から内周側で の端末処理が困難になる場合が多いが、本考案のリボンコイルではそのままリー ド線をハンダ付けできる電極が構成されているため、小さなリボンコイルの端末 処理工程において極めて有効となる。 また、折り返し部分が構成されていることにより、コイルの表裏の判別、即ち 巻き方向の判別が容易になり、取付けミス等を防止できるという利点も有してい る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る電機子用リボンコイルの斜視図で
ある。
【図2】前記のリボンコイルの製造工程を示す図であ
る。
【図3】前記のリボンコイルの製造工程を示す図であ
る。
【図4】前記のリボンコイルの製造工程を示す図であ
る。
【図5】前記のリボンコイルの製造工程を示す図であ
る。
【図6】前記のリボンコイルの製造工程を示す図であ
る。
【図7】前記のリボンコイルの製造工程を示す図であ
る。
【図8】従来のリボンコイル(端末部をコイル面に密着
させたもの)の斜視図である。
【図9】従来のリボンコイル(端末部を引き出したもの)
の斜視図である。
【符号の説明】
1…リボンコイル、2…帯状の導体箔、3,6…端末部、3a,
6a…端末部の折り返し部分、3b…折り返し部分の先端
側、4…内径面、5,7…電極。

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁層を施した帯状の導体箔を渦巻状に
    巻回した電機子用リボンコイルにおいて、予め絶縁層を
    一部分除去した巻き初め側の端末部を折り返し、その折
    り返し部分をコイルの内径面側に巻き込ませたことを特
    徴とする電機子用リボンコイル。
  2. 【請求項2】 絶縁層を施した帯状の導体箔を渦巻状に
    巻回した電機子用リボンコイルにおいて、巻き終り側の
    端末部を折り返し、その折り返し部分をコイルの外周面
    に固着させたことを特徴とする電機子用リボンコイル。
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