JPH04127807U - カムキヤツプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カムシャフトに供給されるオイルのブローバ
イガスによる劣化及び消費量を少なくする。 【構成】 オーバヘッドカム型のシリンダヘッド２に設
けられたカムジャーナル３に載置固定されて当該カムジ
ャーナルと協働してカムシャフト１を軸支するカムキャ
ップ７に、カム１ａの上方を覆うカバー７ａを一体に設
けてカムシャフトの回転により飛散するオイルを取り込
む。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、オーバヘッドカム型のシリンダヘッドに設けられたカムジャーナル と協働してカムシャフトを軸支するカムキャップに関する。

【０００２】

【従来の技術】

図４に示すようにオーバヘッドカム（ＯＨＣ）型のエンジンの動弁機構のカム シャフト１は、ジャーナル部（図示せず）がシリンダヘッド２に設けられたカム ジャーナル３と、当該カムジャーナル３に載置固定されるカムキャップ４とによ り回転可能に軸支されている。このカムシャフト１は、複数箇所に設けられたジ ャーナル部を介してシリンダヘッド２に複数箇所で支持されている。そして、エ ンジンの回転に伴いカムシャフト１の各ジャーナル部とシリンダヘッドのカムジ ャーナルとの間、各カム１ａのカム面と各ロッカアームとの間の各摺動面にオイ ルが供給されて潤滑されるようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、エンジンの高回転に伴い動弁系に供給されるオイルの量が増え 、この結果、カム１ａに附着した多量のオイルが遠心力により飛散してロッカカ バー内に微粒子となって充満する。一方、ロッカカバー内に漏洩したブローバイ ガスは、エンジン負圧により吸気系に還流され再び燃焼される。このときロッカ カバー内に充満したオイルの微粒子がブローバイガスと共に持ち去られ易く、こ れに伴いオイルの消費量が増し、また、ブローバイガスに接するためにオイルが 劣化し易くなり、更にブローバイガスと共に持ち去られたオイルによりエンジン の排気ガス性能が低下し、或いは各部品が汚れる等の問題がある。

【０００４】 本考案は上述の点に鑑みてなされたもので、カムシャフトの回転により飛散す るオイルをブローバイガスと接し難くして劣化を防ぐ共に、ブローバイガスに持 ち去られ難くしてオイルの消費量を少なくするようにしたカムキャップを提供す ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案によれば、オーバヘッドカム型のシリンダヘ ッドに設けられたカムジャーナルに載置固定されて当該カムジャーナルと協働し てカムシャフトを軸支するカムキャップに、カムの上方を覆うカバーを一体に設 けた構造としたものである。

【０００６】

【作用】

カムシャフトの回転に伴い遠心力によりカムから上方に飛散し、微粒化したオ イルは、カムキャップのカバー内に取り込まれてその内面に附着し、或いは当該 カバー内で集合して大粒化して落下する。これにより飛散せるオイルがブローバ イガスと接し難くなりブローバイガスによるオイルの劣化が防止され、また、ブ ローバイガスと共に持ち去られ難くなり、オイルの消費量が少なくなる。

【０００７】

【実施例】

以下本考案の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。尚、図５と同一部材に には同一の符合を付してある。 図１乃至図３において、オーバヘッドカム（ＯＨＣ、ダブルオーバヘッドカム （ＤＯＨＣ）を含む）型のリンダヘッドのカムシャフト１は、複数箇所に設けら れたジャーナル部がシリンダヘッド２に対応して設けられた各カムジャーナル３ に支持され、これらのカムジャーナル３と、各カムジャーナル３に載置固定され たカムキャップ７とにより回転可能に軸支されている。

【０００８】 カムシャフト１は、各ジャーナル部の両側に夫々カム１ａ、１ａ’が設けられ ており、従って、これらのカム１ａ、１ａ’は、各カムジャーナル３の両側に位 置している。カムキャップ７は、その両端面の各上端にカムシャフト１の長手方 向に沿って突出されカム１ａ、１ａ’を覆うカバー７ａ、７ａ’が一体に形成さ れている。

【０００９】 一側のカバー７ａは、図２及び図３に示すように下方が開口する箱形をなし、 端面１ｂは、カム１ａの端面から僅かな間隔を存して離隔しており、開口端（下 端）１ｃは、略カムシャフト１の上面の高さに位置している。そして、端面１ｂ の開口端中央にはカムシャフト１との干渉を防ぐための円弧状の切欠１ｄが設け られている。他側のカバー７ａ’も前記カバー７ａと対称に形成されている。

【００１０】 そして、カムキャップ７は、カムジャーナル３に載置固定されて当該カムジャ ーナルと協働してカムシャフト１のジャーナル部を軸支した状態において、カバ ー７ａ、７ａ’がカム１ａ、１ａ’の上方を覆い、これらのカム１ａ、１ａ’は 、カムシャフト１の回転に伴いカバー７ａ、７ａ’内をその内面と僅かな距離を 存して回転可能とされている。

【００１１】 以下に作用を説明する。 図１及び図３においてカムシャフト１のカム１ａ、１ａ’に附着したオイルは 、当該カムシャフト１の回転に伴いその遠心力により飛散する。飛散したオイル のカム１ａ、１ａ’の上方に飛散した大部分は、カバー７ａ、７ａ’内に取り込 まれてその内面に附着し、或いはこれらのカバー７ａ、７ａ’内で微粒化し、集 められて落下する。この滴下するオイルは、大粒化しており、ブローバイガスと 共に持ち去られることが少なくなる。また、飛散されたオイルの大部分がカバー ７ａ、７ａ’内に取り込まれるためにブローバイガスと接触するオイルが少なく なり、オイルが劣化し難くなる。

【００１２】 図４は本考案の他の実施例を示し、隣合う各カムキャップ８、８、の両端のカ バーを連設してカバー８ａを一体に形成し、カムシャフト１全体を覆うようにし たものである。このように各カムキャップ８とカバー８ａとを一体に連設して形 成すると、カムキャップの剛性が高くなり、また、脱着によるカム孔同士の真直 度の低下が防止できる等の利点がある。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、オーバヘッドカム型のシリンダヘッドに 設けられたカムジャーナルに載置固定されて当該カムジャーナルと協働してカム シャフトを軸支するカムキャップに、カムの上方を覆うカバーを一体に設けたこ とにより、カムシャフトの回転に伴い飛散したオイルがブローバイガスと共に持 ち去られることが少なくなりオイルの消費量を減らすことができる。また、飛散 したオイルがブローバイガスと接触し難くなり、オイルが劣化し難くなる等の効 果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るカムキャップの一実施例を示す一
部切欠側面図である。

【図２】図１の矢印ＩＩ方向端面図である。

【図３】図２の矢線ＩＩＩ−ＩＩＩに沿う断面図であ
る。

【図４】本考案のカムキャップの他の実施例を示す一部
切欠側面図である。

【図５】従来のカムキャップの側面図である。

【符号の説明】

１ カムシャフト １ａ、１ａ’ カム ２ シリンダヘッド ３ カムジャーナル ７、８ カムキャップ ７ａ、７ａ’、８ａ カバー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 オーバヘッドカム型のシリンダヘッドに
   設けられたカムジャーナルに載置固定されて当該カムジ
   ャーナルと協働してカムシャフトを軸支するカムキャッ
   プに、カムの上方を覆うカバーを一体に設けたことを特
   徴とするカムキャップ。