JPH04125041U - ホーマーへの線材自動供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コイル状の線材束から線材を引き出してホー
マーに供給する装置において、供給ユニットに対する線
材束の補給が無人化された全自動で行えるようにする。 【構成】 供給ユニット１に回転支軸６を設けると共
に、該回転支軸６に対しレール５にそって遠近移動する
補給ユニット２４を配置し、かつ該補給ユニット２４
を、台車２６に対して昇降可能に載架された線材束受け
台２７と、該受け台２７において線材束Ｘを保持する保
持アーム３２とから構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ボルトやナット、あるいはその他の各種パーツ類を粗から精へ至る 複数段の加工によって成形するホーマーへの線材供給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

たとえば圧造成形機のようなホーマーは線材を一定寸法に切断することにより 得られる素材を各組のダイとパンチとの間に順次供給して粗から精へ複数段の圧 造加工を行うことにより、所定形状の製品を成形するように構成されるもので、 通常、このホーマーには上記線材を自動供給するための線材供給システムが連設 されるが、該線材供給システムとしては、一定寸法の棒状線材（バー材）を用い るタイプと、コイル状に巻回された線材（以下、線材束と称す）を用いるタイプ とが存在する。その場合、後者の線材束のものでは、線材供給装置において支持 台から水平状に支軸を突出させて、該支軸に線材束を嵌合してぶら下げ、線材束 を回転させつつ線材を引きだして繰り出し用ピンチロールより線材矯正機構を通 して線材切断機に送り込む構造が採用されることになる。これによれば線材束と 同じ同円周上に上記ピンチロールが設けられるため、大径の線材をも容易に引き 出すことができ、該線材の引きだし、および供給がなめらかに行える利点がある 。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記の線材束は相当の重量物となるから、上記支軸への装填は、ク レーンで線材束を吊り上げ、かつ横移動させて回転支軸に嵌め、所定位置に吊り 下げる作業を必要とし、取り扱いが難しいため、迅速な装填がなされにくく作業 性に欠けるきらいがあり、また作業上の危険を伴うものであった。

【０００４】 そこで本考案は、線材束の補給を全自動化することができて、該補給が迅速に 行える供給装置の提供を課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

すなわち、本考案の請求項１にかかる考案（以下、第１考案と称す）は、ホー マーに線材を供給する装置において、線材束を支持する水平状の支軸を有すると 共に、該線材束から引き出した線材をホーマーに供給する線材矯正繰り出し機構 を備えた供給ユニットと、線材束を受け取って上記支軸に嵌合して装填する補給 ユニットとから構成されたことを特徴とする。

【０００６】 さらに、請求項２にかかる考案（以下、第２考案と称す）は、上記補給ユニッ トが上記支軸と同方向に移動するように設けられた台車と、該台車上に昇降可能 に載架された線材束受け台と、該線材束受け台の上に設けられると共に、それぞ れが下端部を支点として外方向に回倒可能とされた状態で線材束を左右から保持 する一対の保持アームとから構成されたことを特徴とする。

【０００７】

【作用】

上記の第１考案によれば、供給ユニットからホーマーに線材を供給している状 態で、該供給ユニットから離れた待機位置にある補給ユニットに線材束を収納さ せ、該供給ユニットの支軸に装填されている線材束が加工に使用されることによ ってなくなるか、一定量まで減少した際に、センサ等の信号を用いて補給ユニッ トを供給ユニットにむけて移動させて補給すべき線材束を支軸に嵌めることによ って線材束の補給が自動的に行える。

【０００８】 さらに第２考案によれば、線材束を支軸に嵌めた状態から線材束受け台を下降 させると共に、線材を保持していた左右の保持アームを外側に回倒させて線材束 に対する拘束を解くことによって、線材束の補給作業が完了し、このときの完了 信号で再び台車を待機位置に戻して次の線材束を補給ユニットに収納させること ができる。

【０００９】

【実施例】 次に、本考案の実施例を図面に基づき説明する。

【００１０】 図１および図２はホーマーに連設されている線材自動供給装置を示し、該線材 自動供給装置は線材束Ｘから線材ｘを引き出してホーマーに繰り出す供給ユニッ ト１を備え、該供給ユニット１においては、床２上に支持台３が立設され、該支 持台３の表側に水平状に突出して受け枠４が取りつけられると共に、この受け枠 ４上に、一端が受け枠先端の軸受け部材５によって支持され、かつ他端が支持台 ３によって支持された回転支軸６が回転可能に支持され、かつ該回転支軸６が図 示しない駆動モータによって回転されるようになされている。上記線材束Ｘは１ 本の長尺の線材ｘをコイル状に束ね、かつ要所をワイヤＹによって結束させたも のである。

【００１１】 さらに、上記の供給ユニット１においては、受け枠４の両側にそれぞれが回転 アーム９，９に取りつけられたガイドロール１０，１０が配置され、回転アーム ９，９を回転軸１１，１１を中心に回動させることによって、これらガイドロー ル１０，１０を受け枠４に接近する位置（図２参照）と、受け枠４から離れる位 置とにわたって移動させることができるように構成されている。そのため支持台 ３の内部には図示しないが、回転軸１１，１１を駆動するシリンダ等の手段が設 けられる。

【００１２】 また、供給ユニット１は回転支軸６に装填された線材束Ｘから引き出した線材 ｘを図２の左方向に搬送すると共に、自動端末切断機７により不良先端、後端部 を自動切断除去してホーマー８に供給するように構成され、そのため支持台３に 引き出された線材ｘを挟持してホーマー８側に繰り出す一対の繰り出し用ピンチ ロール１２ａ，１２ｂが取りつけられると共に、繰り出された線材ｘの通過経路 の上下と、その先の両側とにそれぞれ複数ずつの矯正ロール１３〜１３、１４〜 １４が千鳥状に配置される。また、線材束Ｘから引き出した線材ｘを巻き掛けて 繰り出し用ピンチロール１２ａ，１２ｂに案内するためのガイドロッド１５ａ， １５ｂが設けられる。これらガイドロッドのうち、引き出された線材ｘが最初に 巻き掛けられるガイドロッド１５ａは回転支軸６を挟んで繰り出しロール１２ａ ，１２ｂとは反対側に位置すると共に、上端が次のガイドロッド１５ｂ側に傾斜 して取りつけられ、これによって線材ｘの方向転換が円滑になされるようにして いる。

【００１３】 加えて、上述の支持台３の上端に、線材ｘを拘束することにより線材束Ｘを形 成しているワイヤＹを切断するためのカッター手段１６が備えられる。このカッ ター手段１６は回転軸１７を中心として旋回するガイドレール１８を有し、該ガ イドレール１８に台車１９が走行可能に取り付けられ、かつ該台車１９に流体圧 シリンダ２０ａによって昇降するカッター台２１が取りつけられる。そして、図 ３に示すように該カッター台２１に着脱可能な固定刃２２と、この固定刃２２に 対して流体圧シリンダ２０ｂの作動によって進退される移動刃２３とが設けられ 、固定刃２２を前記ワイヤＹに挿入させた状態から移動刃２３を働かせ、両刃２ ２，２３により切断するように構成されている。

【００１４】 以上のような供給ユニット１に対して、線材束Ｘを該供給ユニット１に補給す る補給ユニット２４が設けられる。この補給ユニット２４は床２に設けたレール ２５にガイドされて回転支軸６の軸方向と同方向に往復移動する台車装置から構 成されており、図４および図５に示すように台車２６と、その上の線材束受け台 ２７と、該線材束受け台２７の上に設けられた線材束保持バケット２８とを有す る。その場合、台車２６と線材束受け台２７とは周知のＸ形リンク２９によって 連結され、該Ｘ形リンク２９を流体圧シリンダ３０によって駆動することによっ て線材束受け台２７が昇降可能とされていると共に、上記Ｘ形リンク２９および 流体圧シリンダ３０からなる昇降機構３１が、台車２６と線材束受け台２７とを つなぐジャバラ４１によって覆われている。

【００１５】 また、上記線材束保持バケット２８は横断面がコ字形状を呈する左右一対の保 持アーム３２，３２を備え、これら保持アーム３２，３２の間に線材束Ｘが嵌め 込まれるようになされており、それぞれの保持アーム３２，３２は線材束受け台 ２７に軸支された回転軸３３，３３に下端が取りつけられ、図５に示す線材束保 持状態から図６に示すように外側に回倒可能とされている。そのため、回転軸３ ３，３３から下方にレバー３４が延出され、線材束受け台２７に装備されている 流体圧シリンダ３５が該レバー３４に連結され、流体圧シリンダ３５の作動で保 持アーム３２，３２の姿勢が制御されるようになされている。また、各保持アー ム３２，３２の支持台３側の面には線材押しつけ部材３６が取り付けられている 。なお、保持アーム３２，３２を貫通している回転軸３３，３３には、該保持ア ーム３２，３２の内部において回転ローラ３７，３７が装着され、バケット２８ 内に嵌め込まれた線材束Ｘを下方から支えるように構成されている。

【００１６】 さらに、前述の供給ユニット１における支持台３には流体圧シリンダ３８が取 りつけられ、このシリンダ３８のピストンロッド３９を台車２６の連結板４０（ 図５に示す）に連結させることによって、該シリンダ３８の作動によって補給ユ ニット２４が支持台３に対して遠近移動されるようになされている。

【００１７】 次に、線材束Ｘの補給手順を説明すると、補給ユニット２４が供給ユニット１ から離れた図１の実線位置に待機している状態で、予め線材束Ｘが線材束保持バ ケット２８に嵌め込まれる。その場合、補給ユニット２４においては、該ユニッ ト２４の走行によってバケット２８内の線材束Ｘが回転支軸６にスムースに嵌ま るように昇降機構３１によってバケット２８の高さが調節されている。そして、 回転支軸６に装填されていた線材束がなくなると、これを検出したセンサの信号 によって流体圧シリンダ３８が作動され、補給ユニット２４が供給ユニット１側 に引かれる。その場合、補給ユニット２４の走行に先立ち、ガイドロール１０， １０を受け枠４に引きつけて線材束Ｘの装填に支障をきたさないようにすると共 に、カッター手段１６においてもガイドレール１８を図２の鎖線に示すように支 持台３の上に退避させておくものとする。

【００１８】 補給ユニット２４が図１に矢印Ａで示す鎖線位置まで走行してバケット２８内 の線材束Ｘが回転支軸６に嵌め込まれると、昇降機構３１によって線材束受け台 ２７およびバケット２８を下げて線材束Ｘを回転支軸６にぶら下げると共に、図 ６のように両側の保持アーム３２，３２を外側に回倒させ、流体圧シリンダ３８ を逆動させ、補給ユニット２４を待機位置側に後退させ、図１において矢印Ｂで 示す位置に線材押しつけ部材３６が来たところで一旦途中停止させる。このとき は線材束Ｘが回転支軸６にぶら下がっていると共に、保持アーム３２，３２が下 降し、かつ外側に傾いているので、線材束Ｘと干渉することなく補給ユニット２ ４を後退させることができる。

【００１９】 次に、ガイドロール１０，１０を線材束Ｘの内側に当てて該線材束Ｘを支えた 状態で、カッター手段１６を線材束Ｘの直上にまわし、カッター台２１を下げ、 線材ｘを拘束しているワイヤＹを切断する。この切断によって拘束されていた線 材ｘがばらけることになるが、上記途中停止している補給ユニット２４の線材押 しつけ部材３６によって線材束Ｘのばらけた幅が規制されることになって、回転 支軸６から線材束Ｘが不測に外れることが防止される。また、ワイヤ切断により 線材ｘがばらけた際、線材ｘの端部が支持台３に勢いよく当たって、該端部がガ イドロッド１５ａに係合するか、その近傍にくる。このため、線材ｘを繰り出し 用ピンチロール１２ａ，１２ｂにて矯正ロール１３〜１３、１４〜１４に自動的 に送り込むことができる。なお、補給ユニット２４は上記ワイヤ切断後に元の待 機位置に戻される。

【００２０】 なお、上記の説明は回転支軸６に先行して装填されていた線材束がなくなった 状態での補給動作であるが、回転支軸６の線材ｘが残り少なくなった時点で補給 することもでき、その場合は補給ユニット２４を供給ユニット１側に引き寄せる に伴い、保持アーム３２，３２に取りつけている線材押しつけ部材３６が残り少 なくなった回転支軸６上の線材ｘを支持台３側に押しつけて新たな線材束Ｘの装 填スペースを確保することになる。

【００２１】 このように、重量物の線材束Ｘを台車装置からなる補給ユニット２４を前進さ せることによって回転支軸６に自動装填するのであり、クレーン等による線材束 Ｘの吊り上げを必要としないので、補給が簡単に、かつ迅速に行え、また補給作 業上の危険をなくすことができると共に、線材束Ｘの自動補給が行える。なお、 待機位置での線材束Ｘのバケット２８へのセットは、ホストコンピュータの指令 により該線材束Ｘをクレーンまたは無人搬送車にて自動化された線材倉庫から搬 出することで行え、完全無人供給が容易に行える。

【００２２】

【考案の効果】

以上の記載によって明らかなように、本考案の第１考案は、線材束を支持する 水平状の支軸を有すると共に、該線材束から引き出した線材をホーマーに供給す る線材矯正繰り出し機構を備えた供給ユニットと、線材束を受け取って上記支軸 に嵌合して装填する補給ユニットとからなるから、供給ユニットからホーマーに 線材を供給している状態で、該供給ユニットから離れた待機位置にある補給ユニ ットに線材束を収納させ、該供給ユニットの支軸に装填されている線材束が圧造 加工に使用されることによってなくなるか、一定量に減少した際に、補給ユニッ トを供給ユニットにむけて移動させて補給すべき線材束を支軸に嵌めることによ って線材束の補給ができる。したがって、線材束を直接クレーンで吊り上げて回 転支軸に装填する作業が不要となり、作業上の危険なく全自動化された無人供給 が可能となる。

【００２３】 さらに第２考案によれば、線材束を支軸に嵌めた状態から線材束受け台を下降 させると共に、線材を保持していた左右の保持アームを外側に回倒させて線材束 に対する拘束を解くことによって、線材束の補給作業が完了すると共に、再び台 車を待機位置に戻して次の線材束を補給ユニットに収納させることができる。し たがって、供給ユニットからホーマーに線材を供給している状態で、補給ユニッ トに次の線材束を吊り込んで準備しておくことができて、補給作業の能率的よい 無人化が行えることになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の実施例にかかる線材供給装置の側
面図

【図２】 上記線材供給装置の正面図。

【図３】 カッター手段の要部拡大図。

【図４】 補給ユニットの側面図。

【図５】 補給ユニットの一部破断正面図。

【図６】 線材束の補給動作説明図。

【符号の説明】

１ 供給ユニット ３ 支持台 ８ ホーマー ６ 回転支軸 ２４ 補給ユニット ２６ 台車 ２７ 線材束受け台 ３２ 保持アーム Ｘ 線材束

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲 】
1. 【請求項１】 ホーマーに線材を供給する装置であっ
   て、線材束を支持する水平状の支軸を有すると共に、該
   線材束から引き出した線材をホーマーに供給する線材矯
   正繰り出し機構を備えた供給ユニットと、線材束を受け
   取って上記支軸に嵌合して装填する補給ユニットとから
   構成されたことを特徴とするホーマーへの線材自動供給
   装置。
2. 【請求項２】 ホーマーに線材を供給する装置であっ
   て、線材束を支持する水平状の支軸を有すると共に、該
   線材束から引き出した線材をホーマーに供給する線材矯
   正繰り出し機構を備えた供給ユニットと、線材束を受け
   取って上記支軸に嵌合して装填する補給ユニットとから
   なり、該補給ユニットが上記支軸と同方向に移動するよ
   うに設けられた台車と、該台車上に昇降可能に載架され
   た線材束受け台と、該線材束受け台の上に設けられると
   共に、それぞれが下端部を支点として外方向に回倒可能
   とされた状態で線材束を左右から保持する一対の保持ア
   ームとから構成されたことを特徴とするホーマーへの線
   材自動供給装置。