JPH0412461Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この考案は自動分析装置、特に生化学自動分析
装置に関し、詳しくは割込検体を優先的に分析で
きるように改良した生化学自動分析装置に関す
る。

(ロ) 従来技術 従来の生化学自動分析装置は、多数の検体容器
（サンプルカツプ）を保持するターンテーブル、
ラツクなどのサンプラーと、各サンプルカツプ内
の検体を吸引して反応部に分注するピペツターと
備え、サンプラーをそのサンプルカツプが順次ピ
ペツターの吸引位置に位置するように移動させて
各サンプルカツプ内の検体をルーチン分析してい
た。

しかし、この装置では、サンプラーに割込検体
収納用のサンプルカツプが装着されていないた
め、割込み検体がきた場合には、サンプラー外か
らノズル吸引位置に割込検体用のサンプルカツプ
を保持して行わなければならなかつた。そのた
め、割込検体を１検体しかできなかつたり、ま
た、複数の割込検体を行うためには、別に割込検
体保持体を設けるとともに、これを駆動する駆動
ユニツトがあらたに必要になりコスト高になる不
都合があつた。

(ハ) 目的 この考案は以上の事情に鑑みなされたもので、
その主要な目的は、サンプラーに複数の割込分析
用のサンプルカツプを備えたラツクを取付けて、
新たに駆動ユニツトを設けることなく、従来のサ
ンプラー駆動ユニツトを用いて複数の割込検体を
優先的に分析できるようにすることにある。

(ニ) 構成 この考案は、複数のルーチン分析検体容器を順
次所定位置に間欠移動させて当該位置に位置づけ
られた検体容器の検体をピペツターにより反応部
に供給して分析するよう構成した分析装置にお
て、前記複数のルーチン分析用検体容器を保持す
る移動台に、複数の割込分析用の検体容器を保持
できるラツクを着脱自在に取付けると共に、移動
台の駆動ならびにピペツターの作動を制御する制
御手段を備えてなる自動分析装置である。

(ホ) 実施例 以下図に示す実施例に基づいてこの考案を詳述
する。なお、これによつてこの考案が限定される
ものではない。

第１〜３図において、血清などの分析する生化
学自動分析装置１は、移動台２、ピペツター３及
び制御手段４から主として構成される。

移動台２は、サンプラーと称されるものでター
ンテーブルからなり、その下方の移動台駆動ユニ
ツト８によつて時計方向に回転される。移動台２
の上面には、その回転軸９を中心として２重の円
状にルーチン分析用の検体容器（サンプルカツ
プ）１０が20個上向きに保持されており、この内
側の13〜20番目のサンプルカツプ１０は約3/4円
状に配設されている。この3/4円の残りの1/4円部
は扇形帯状に開口されており、この開口部１１に
開口部１１と同型のラツク１２が嵌合される。こ
のラツク１２には、ラツク１２を移動台２に嵌合
させたときに、13〜20番目のサンプルカツプ１０
と同一円状に位置するように４つの割込分析用の
サンプルカツプ１３が上向きに保持されている。

ピペツター３は、移動台２と移動台２外に設け
られた反応部（反応ライン）１４との間に設置さ
れ、サンプルカツプ１０，１３内の検体を吸引し
て反応ライン１４の各反応管１５に分注するもの
で、ピベツタノズル１６、ノズル作動手段１７及
びノズル洗浄槽１８からなる。上記反応ライン１
４は、例えば島津自動生化学分析装置CL−20の
反応ラインが用いられる。

制御手段４は記憶手段５、割込手段６及び復帰
手段７からなり、マイクロコンピユータで構成さ
れる。

記憶手段５はノズル作動手段１７に電気的に接
続され、ノズル作動手段１７から出力される吸引
開始信号に基づいてルーチン検体の吸引検体数を
カウントしてそのカウント数ｎより１大きい数を
記憶するように構成されている。

割込手段６は、記憶手段５及び移動台駆動ユニ
ツト８に電気的に接続され、移動台駆動ユニツト
８に割込信号を出力するとともに、割込検体の吸
引検体数をカウントするように構成されている。

復帰手段７は、前記割込信号出力時に、割込手
段６から出力されるカウント信号と予め設定した
割込検体数とを比較し、これらが一致したときに
移動台駆動ユニツト８に復帰駆動信号を出力する
手段で、移動台駆動ユニツト８に電気的に接続さ
れている。

次に上記装置１の割込作動について説明する。
なお、以下、移動台２をサンプラーと称す。

ルーチン分析では、第１図のごとくサンプラー
２が回転して各サンプルカツプ１０からピペツタ
ノズル１６によつて検体を吸引してこれらの検体
を反応ライン１４の各反応管１５へ分注して分析
を行う。ここで、第１図に示すようにポジシヨン
３（小文字３）のサンプルカツプ１０から検体を
吸引しているときに、割込検体が入つてきたとす
ると、まず、サンプラー２の回転を停止させる。
次いで、第４図ａのごとくサンプラー２の開口部
１１にラツク１２を嵌め込み、そしてサンプラー
２を再び第４図ｂの矢印のごとく回転させてラツ
ク１２の１〜４のサンプルカツプ１３内の割込検
体を上記のごとく各反応管１５へ分注して分析を
行う。ここで、割込検体の反応ライン１４への分
注が終ると、再度サンプラー２はポジシヨン４の
サンプルカツプ１０位置に戻りルーチン分析を行
う。

以上のように従来の移動台駆動ユニツト８を用
いてラツク１２を割込移動させることができるた
め、安価な構造で割込検体を優先的に分析するこ
とができる。

また、ラツク１２ａを第５図に示すようにサン
プラー２ａの外周面に付設してもよい。さらに、
ラツクの寸法を大きくして、ラツクに保持される
サンプルカツプの数を多くすれば多数検体割込が
可能となる。その上、ラツクを色分けなどによつ
て識別できるようにすれば、色々な種類の形状の
ラツクが使用でき、それによつてラツクを緊急検
査（STAT）精度管理、再検用などに分類する
ことができる。なお、サンプラーはラツク形状の
ものでもよい。

(ヘ) 効果 この考案は多数のルーチン分析用の検体容器を
間欠搬送する移動台に割込分析用の検体容器を複
数保持するラツクを着脱可能に取付け、割込分析
時に移動台およびピペツターを自動的に制御作動
させるようにしたものであるから、新たに移動台
駆動手段を設けることなく安価な構造で割込検体
を優先的に分析でき、しかも割込検体数を可変で
き、その上種々のラツクが使用でき、それによつ
てラツクを緊急検査、精度管理、再検用などに
種々分類することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る生化学自動分析装置の
一実施例を示す要部平面部、第２図はこの要部正
面構成図、第３図はこのラツクの平面図、第４図
ａ，ｂはその割込分析を説明するサンプラーの平
面図、第５図はこの考案の他の実施例のラツク取
付状態を示すサンプラーの平面図である。 １……生化学自動分析装置、２……サンプラー
（移動台）、３……ピペツター、４……制御手段、
８……移動台駆動ユニツト（駆動手段）、１０，
１３……検体容器、１２……ラツク、１４……反
応ライン（反応部）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数のルーチン分析用検体容器を順次所定位置
   に間欠移動させて当該位置に位置づけられた検体
   容器の検体をピペツターにより反応部に供給して
   分析するよう構成した分析装置において、前記複
   数のルーチン分析用検体容器を保持する移動台
   に、複数の割込分析用の検体容器を保持できるラ
   ツクを着脱自在に取付けると共に、移動台の駆動
   ならびにピペツターの作動を制御する制御手段を
   備えてなる自動分析装置。