JPH04122456U - 遊離砥粒噴射加工装置 - Google Patents
遊離砥粒噴射加工装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【目的】固気2相混合流をビーム状にすることによっ
て、微細加工が可能にし、しかも被加工面からの加工後
の遊離砥粒及び加工粉塵を迅速に分離して回収すること
が可能のため加工効率を向上した遊離砥粒噴射加工装置
を提供する。 【構成】遊離砥粒と気体の固気2相混合流27を被加工物
23に噴射してその加工を行うようにした装置において、
前記固気2相混合流を噴射するノズル7から被加工物ま
での噴射経路に複数の包囲体2、3を設ける。
て、微細加工が可能にし、しかも被加工面からの加工後
の遊離砥粒及び加工粉塵を迅速に分離して回収すること
が可能のため加工効率を向上した遊離砥粒噴射加工装置
を提供する。 【構成】遊離砥粒と気体の固気2相混合流27を被加工物
23に噴射してその加工を行うようにした装置において、
前記固気2相混合流を噴射するノズル7から被加工物ま
での噴射経路に複数の包囲体2、3を設ける。
Description
【0001】
本考案は、遊離砥粒と気体の固気2相混合流を被加工物に噴射してその加工を
行う遊離砥粒噴射加工装置に関する。
【0002】
砥粒を用いて力学的エネルギによる加工を行う加工法として、固定砥粒による
加工と遊離砥粒による加工とがある。固定砥粒による加工としては、研削、ホー
ニング、超仕上げ、研磨布紙加工等がある。また、遊離砥粒による加工としては
、ラッピング、バフ加工、バレル加工、超音波加工、噴射加工等がある。更に、
噴射加工の1つとしてサンドブラスト法がある。例えば、特開昭63-22272号公報
には、ビル等のコンクリート構造物の風化した表面や金属構造物の錆を除去する
のに有効なサンドブラスト装置が開示されている。即ち、従来のサンドブラスト
法は遊離砥粒を用い、高圧で噴射して被加工物のバリを取ったり、面取りを行っ
たり、装飾用にガラスや金属等の彫刻を行ったり、或いは前記公報に開示されて
いるようにペイントや錆落としの用途に用いられていた。
【0003】
従来のこのようなサンドブラスト装置等の遊離砥粒噴射加工装置の欠点は遊離
砥粒の直径が大きく、被加工物の被加工面の表面粗さ、表面寸法精度等の表面構
造や、加工歪等の表面性状が悪いという欠点があった。また、加工エッジ部が研
削ダレ(研磨ダレ)を生ずる欠点があった。従って、バリ取りや装飾加工、或い
は寸法精度、表面粗さのあまり厳しくないものに用いられており、半導体や磁気
ディスク等の電子デバイスの微細加工を行うことが出来ない欠点があった。また
、従来のサンドブラスト装置等の遊離砥粒噴射加工装置によれば、加工量の制御
が難しかった。これは遊離砥粒(パウダー)をビーム化していないことによるも
のである。また、噴射ノズルから高圧で遊離砥粒を固気2相混合流として、噴射
するのであるが、圧力分布や流速分布の一様化が行われておらず、乱れが大きか
った。更には、被加工物上に形成するレジストマスクの厚さが厚いために加工精
度が出にくく、また、微細加工に必要となる解像度が低いという問題点を有して
いた。
【0004】
また、遊離砥粒噴射加工において、噴射ノズルと被加工物を固定位置で動かさ
ずに噴射ノズルから遊離砥粒を噴射させた場合、加工がある程度まで進むと、被
加工面に遊離砥粒がたまってしまい、これが噴射ノズルから遊離砥粒を噴射する
噴射の邪魔をして、噴射加工を妨げ、いくら噴射加工をしても、加工が進まない
場合が生じた。また、これが加工精度に影響を与えた。また、噴射加工後の被加
工物から遊離砥粒とか加工粉塵を迅速に回収することが難しい。等々の欠点があ
った。
【0005】
本考案は、このような従来の欠点及び問題点を解消するためになされたもので
あって、遊離砥粒と気体の固気2相混合流を被加工物に噴射してその加工を行う
ようにした装置において、固気2相混合流をビーム状にすることにより微細加工
を行い得るようにしたことと、被加工面からの加工後の遊離砥粒及び加工粉塵を
迅速に分離して回収することにより加工効率を高めるようにした遊離砥粒噴射加
工装置を提供することを課題にしている。
【0006】
本考案は遊離砥粒と気体の固気2相混合流を被加工物に噴射してその加工を行
うようにした装置において、前記固気2相混合流を噴射する噴射ノズルから被加
工物までの噴射経路を2重の包囲体によって囲うようにしたものである。
【0007】
従って、噴射ノズルから被加工物までの噴射経路を2重の包囲体によって囲う
ようにし、2重の包囲体によって囲った雰囲気を負圧化し、固気2相混合流の噴
射を安定化させることにより被加工物の加工を精密に行い得るようにすると共に
、微細加工を可能にすることになる。
【0008】
また、2重の包囲体の一方の包囲体から被加工物の加工後の遊離砥粒を回収し
、もう一方の包囲体から被加工物の加工後の加工粉塵を被加工面から迅速に除去
回収させることによって被加工物の加工を精密に行い得るようにすると共に、微
細加工を可能にすることになる。また、被加工面から遊離砥粒及び粉塵を迅速に
回収除去することにより、加工効率を高めることが可能になる。
【0009】
図1、図2は本考案の一実施例に係る遊離砥粒噴射加工装置を示したものであ
り、図1は正面断面図で、図2は底面図である。1は遊離砥粒を含む固気2相混
合流管であり、2は円管形状の第1の包囲体、3はこの第1の包囲体2の外側に
設けられた、円管形状の第2の包囲体である。
【0010】
固気2相混合流管1、第1の包囲体2及び第2の包囲体3は、それそれ先端部
に噴射孔4、吸引孔5及び吸引孔6を有する噴射ノズル7、吸引ノズル8及び吸
引ノズル9を備えている。固気2相混合流管1の上流側には遊離砥粒を含む固気
2相流26(遊離砥粒が主で気体の含有量が少ない)と高圧気体25を混合する混合
部10を有している。この混合部10のそのすぐ上流には高圧気体を噴射する噴射ノ
ズル11を有する高圧気体供給管12が接続され、この高圧気体供給管12の間に高圧
気体調整開閉バルブ13が配設されていて、高圧気体供給管12には、図示していな
い高圧気体ドライヤと高圧気体供給源であるコンプレッサに接続されている。ま
た、混合部10で、噴射ノズル11近傍に垂直或いはある程度傾斜を有して遊離砥粒
供給管14が接続され、その上流には、遊離砥粒を含む固気2相流調整開閉バルブ
15を介して遊離砥粒供給管14が接続され、図示していない遊離砥粒を均一に分散
化させる固気2相混合タンクに接続されている。即ち遊離砥粒を主とする固気2
相流26は均一分散されて、調整開閉バルブ15が開いていると混合部10に固気2相
流26を送り出し、加工に必要な遊離砥粒と気体の固気2相混合流27とする。
【0011】
次に、第1の包囲体2の先端部には、吸引ノズル8を有し、吸引孔5を配して
いるが、この吸引ノズル8はテーパ状をしたテーパ管であり、吸引孔5は円筒状
である。また、第1の包囲体2の他端はこの第1の包囲体2の密閉蓋16により密
閉され、第1の回収管17に接続される。この第1の回収管17は第1の開閉バルブ
18を介して集塵装置に接続されている。この第1の回収管17は主に吸引孔5から
第1の包囲体2を経由して被加工物23の加工粉塵を主に回収する管(無論、遊離
砥粒も含む)であり、被加工物23の加工粉塵を迅速に除去するため、大気より負
圧化された真空度を有して図示矢印28方向に加工粉塵を吸引する。
【0012】
また、第2の包囲管3の先端には吸引ノズル9を有し、吸引孔6が配されてい
る。ここで吸引孔6の先端部は、円形であるが、ナイフの先のように吸引ノズル
9はクロロプレン等の合成ゴムを用いる。この場合、被加工物23に吸引ノズル9
を押し付ける圧力が加わっても被加工物23に傷がつかないことと、第2の包囲体
3内部の負圧の雰囲気を保持することが出来、また、遊離砥粒とか加工粉塵(図
示矢印29) を外部に洩らすことがない等の効果がある。この第2の包囲体3は主
に遊離砥粒を回収する。加工粉塵は、既に主に第1の包囲体2により回収されて
いるので、第2の包囲体3で回収出来る遊離砥粒は純度が良く、再利用が容易で
ある。尚、19は第2の包囲体3の密閉蓋、20は第2の回収管であり、21は第2の
開閉バルブである。
【0013】
固気2相混合流管1、第1の包囲体2及び第2の包囲体3は、超硬、ステンレ
ス鋼、セラミックス等の材料を用いる。第1の包囲体2の吸引孔5と第2の包囲
体3の吸引孔6とは同一直径とし、固気2相混合流管1の噴射孔4と吸引孔5、
6の関係は、吸引孔5、6の直径を噴射孔4の直径の6倍から10倍ににした。ま
た、噴射ノズル7の噴射孔4の先端部から被加工物23の被加工面24までの高さを
噴射ノズル7の噴射孔4の直径の4倍から10倍とした。即ち、今まで述べた寸法
仕様を式で表すと次のようになる。
【0014】
d5 =d6 =(6〜10)×d4
H =(4〜10)×d4
但し、 d4 :噴射孔4の直径
d5 :噴射孔5の直径
d6 :噴射孔6の直径
H :噴射ノズル先端から被加工物表面までの高さ
次に動作を説明する。高圧気体調整開閉バルブ13、調整開閉バルブ15、第1の
開閉バルブ18、第2の開閉バルブ21を開く。高圧気体供給管12から空気又はドラ
イ窒素等の高圧気体25を3〜10kg/cm2 の圧力で、噴射ノズル11から噴射させる
。一方、Al2 O3 、SiC等の1〜15μm粒径の遊離砥粒を含む含む固気2相
流26を遊離砥粒供給管14に流すと、噴射ノズル11で発生した負圧領域に固気2相
流26は吸引され、混合部10で高圧気体25と混合され、固気2相混合流27となって
噴射ノズル7の噴射孔4より高速で噴射され、X、Y、Z装着台22に装着された
被加工物23の被加工面24上に噴射され、遊離砥粒の衝撃エネルギにより、この加
工表面を除去加工する。第1包囲体2と第2の包囲体3により包囲された内部は
、負圧化されているため、即ち第1の回収管17及び第2の回収管20より、第1の
包囲体2と第2の包囲体3の内部を大気圧より少し低い程度に負圧に吸引してい
るため、第1の包囲体2の先端の吸引ノズル8の吸引孔5からは、固気2相混合
流27が被加工物23の被加工面24上に噴射され、被加工面の加工粉塵が浮遊してい
るため、矢印29方向にこの加工粉塵を主に吸引し、第1の回収管17より集塵装置
に集められる。第2の包囲体3の吸引ノズル9の吸引孔6からは、加工後の被加
工面24上の遊離砥粒を吸引し、第2の回収管20より回収装置に集められる。加工
を終了した遊離砥粒は被加工面24近傍に沿って流れ、被加工面にたまると、後の
加工の邪魔になるので、このように回収する。
【0015】
ここで第1の包囲体2の負圧と第2の包囲体3の負圧の程度は同程度で良く、
遊離砥粒と加工粉塵とは粒径が異なり、遊離砥粒は加工粉塵と比較すると格段に
大きく、被加工面24上での固気2相混合流27の流れの性質を利用することにより
、慣性力を有し、被加工面24に沿う遊離砥粒は第2の包囲体3へ、また、加工粉
塵は被加工面24の表面より上昇するため第1の包囲体2へそれぞれ回収すること
が可能となった。このため被加工面24に遊離砥粒とか加工粉塵がたまることがな
くなり、加工効率は高まり、被加工面の表面構造、表面性状を最適化し、微細加
工を容易に行えるようになった。また、遊離砥粒を加工粉塵と分離回収するため
、遊離砥粒の再利用が容易に行えるようになった。噴射ノズル8の噴射孔4から
遊離砥粒を含む固気2相混合流27を噴射させるが、この噴射速度は40〜80m/s
とした。半導体、ディスク記憶装置等の電子デバイス加工への応用、マイクロメ
カトロニックスのデバイス加工への応用等、その応用分野は広い。
【0016】
以上説明したように、本考案は、遊離砥粒と気体の固気2相混合流を被加工物
に噴射してその加工を行うようにした装置において、前記固気2相混合流を噴射
する噴射ノズルから被加工物までの噴射経路を2重の包囲体によって囲うように
し、2重の包囲体によって囲った雰囲気を負圧化することによって、被加工面に
たまる被加工面の加工後の遊離砥粒及び加工粉塵を迅速に回収することが出来る
。従って、被加工面の表面構造や表面性状が良好となる。また、被加工面にたま
った遊離砥粒、加工粉塵が迅速に除去されるため噴射される遊離砥粒が妨げられ
なくなるため、加工効率が向上し、しかも、遊離砥粒の再利用が簡単に行える。
【図1】本考案の遊離砥粒噴射加工装置の一実施例の正
面断面図である。
面断面図である。
【図2】図1の底面図である。
1 固気2相混合流管
2 第1の包囲体
3 第2の包囲体
4 噴射孔
5 、6 吸引孔
7 噴射ノズル
8、9 吸引ノズル
Claims (4)
- 【請求項1】 遊離砥粒と気体の固気2相混合流を被加
工物に噴射してその加工を行うようにした装置におい
て、前記固気2相混合流を噴射するノズルから被加工物
までの噴射経路に複数の包囲体を設けたことを特徴とす
る遊離砥粒噴射加工装置。 - 【請求項2】 前記複数の包囲体の内部を負圧にしたこ
とを特徴とする請求項1記載の遊離砥粒噴射加工装置。 - 【請求項3】 前記複数の包囲体を2重の包囲体で構成
し、それぞれの包囲体から外部へ排出する装置を設ける
と共に、前記固気2相混合流を噴射して、被加工物を加
工後の包囲体内部の主として遊離砥粒を外側の包囲体か
ら外部に排出し、また、主として加工粉塵をもう1方の
内側の包囲体から外部へ排出するようにしたことを特徴
とする請求項1記載の遊離砥粒加工装置。 - 【請求項4】 前記噴射ノズルの噴射孔の径と前記包囲
体の2重の包囲体の吸引ノズルの吸引孔の径が1対6〜
10倍の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の
遊離砥粒噴射加工装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991028817U JP2549510Y2 (ja) | 1991-04-24 | 1991-04-24 | 遊離砥粒噴射加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991028817U JP2549510Y2 (ja) | 1991-04-24 | 1991-04-24 | 遊離砥粒噴射加工装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04122456U true JPH04122456U (ja) | 1992-11-04 |
JP2549510Y2 JP2549510Y2 (ja) | 1997-09-30 |
Family
ID=31912839
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991028817U Expired - Fee Related JP2549510Y2 (ja) | 1991-04-24 | 1991-04-24 | 遊離砥粒噴射加工装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2549510Y2 (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02135164U (ja) * | 1989-04-12 | 1990-11-09 |
-
1991
- 1991-04-24 JP JP1991028817U patent/JP2549510Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02135164U (ja) * | 1989-04-12 | 1990-11-09 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2549510Y2 (ja) | 1997-09-30 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |