JPH04121886U - 洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 気泡吹出口に付着した異物による泡洗浄の効
率低下を防ぐ。 【構成】 最終すすぎ運転中に、エアポンプ１３を駆動
する。エアポンプ１３から送り出された空気が、気泡吹
出口１２内に付着した洗剤カスや汚れ等の異物を除去す
る。異物が空気とともに気泡吹出口１２から吐き出され
る。吐き出された異物は、すすぎ液とともに排水され
る。 【効果】 気泡吹出口内は常にきれいになり、空気の吐
出量は経年的に変化しない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、泡洗浄機能を付加した洗濯機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の全自動洗濯機は、図９の如く、洗濯機本体１に脱水槽２および水槽３が 内装されており、脱水槽２の底部にはパルセータ４が設置され、脱水槽２とパル セータ４とはモータ５を動力源にして、クラツチや減速装置からなる駆動切替機 構６により、別々に回転駆動される。

【０００３】 すなわち、洗濯やすすぎの時は脱水槽２は固定されていて、パルセータ４のみ が回転して、うず巻き形の水流ができ、洗濯やすすぎを行う。脱水の時は、脱水 槽２が高速で回転して脱水を行う。

【０００４】 なお、図中、７は水槽３の支持機構、８は上面板、９は排水経路、１０は排水 弁である。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、パルセータ４の回転でうず巻形水流を起こして、洗濯やすすぎをした り、脱水時に脱水槽２を高速回転させると、それによつて洗濯される布が、互い に絡み合うことになり、布絡みを生じる。また、それを繰り返すことによつて、 縮み、破れ、しわ等の布傷みが生じる。特にシルク、ウール製の衣類は苛酷な条 件となる。また、布傷みのために回転数を落とすと、充分な洗浄力が得られない といつた問題がある。

【０００６】 本考案は、布傷みが少なく、かつ洗浄力を損なうことなく洗濯できる洗濯機の 提供を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案請求項１による課題解決手段は、図１，２の如く、水槽３の下部に内装 された気泡吹出口１２と、該気泡吹出口１２に空気を供給して気泡吹出口１２か ら気泡を発生させるエアポンプ１３と、該エアポンプ１３を駆動制御して泡洗浄 を行う泡洗浄制御装置１５とが設けられ、該泡洗浄制御装置１５は、すすぎ運転 中にエアポンプ１３を作動させて気泡吹出口１２内部を洗浄する吹出口洗浄手段 １６を有せしめられたものである。

【０００８】 請求項２による課題解決手段は、図６〜８の如く、水槽３の下部に内装された 気泡吹出口１２と、該気泡吹出口１２に空気を供給して気泡吹出口１２から気泡 を発生させるエアポンプ１３とが設けられ、前記気泡吹出口４０は環状に形成さ れ、該気泡吹出口４０の全周に気泡吹出用小孔４１が設けられたものである。

【０００９】

【作用】

上記請求項１による課題解決手段において、すすぎ運転中に、エアポンプ１３ が駆動され、エアポンプ１３から送り出された空気が、気泡吹出口１２内に付着 した洗剤カスや汚れ等の異物を除去する。そして、異物が空気とともに気泡吹出 口１２から吐き出される。

【００１０】 請求項２において、エアポンプ１３を駆動させることにより、空気が気泡吹出 口４０の小孔４１から吐き出される。この気泡が脱水槽２全体に広がり、被洗濯 物への気泡の付着が偏ることなく均一になる。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案を全自動洗濯機に適用した実施例を図面に基づいて説明する。

【００１２】 （第一実施例） 図１は本考案の第一実施例を示す全自動洗濯機の概略図、図２は同じく気泡吹 出口の断面図、図３は水槽の断面図、図４は洗濯機の機能ブロツク図、図５は洗 濯機の運転チヤートである。なお、従来と同じ構成部品には同一符号を付してい る。

【００１３】 本実施例の全自動洗濯機の構造は、図９に示した従来のものと同じであるが、 洗剤の溶解度を促進させ、洗浄効率（時間当たりの洗浄度）を向上させる方法と して、水槽内溶液中に空気を送り込み、気泡を発生させることでその効果が得ら れることは、科学的に立証されている。

【００１４】 そこで、脱水槽内に空気を送り込む方法として、技術的および経済的視点から 、水槽３の下部に空気送込孔１１が形成され、該空気送込孔１１に気泡を発生さ せるための気泡吹出口１２が挿着され、該気泡吹出口１２に空気を供給するため のエアポンプ１３が供給パイプ１４を介して接続されている。

【００１５】 ここで、供給パイプ１４内部には洗濯溶液が浸入してくるため、洗剤カスや汚 れの付着が懸念され、経年的に管路が狭くなる、またはふさがる等で空気の供給 に支障をきたす。そのため、該エアポンプ１３を駆動制御して泡洗浄を行う泡洗 浄制御装置１５に、すすぎ工程の最終すすぎ運転中にエアポンプ１３を作動させ て気泡吹出口１２内部を洗浄する吹出口洗浄手段１６を有せしめている。

【００１６】 前記水槽３には、脱水槽２が回転自在に内装され、水槽３の底面中央に軸受を 介して中空の脱水軸１７が支持され、前記脱水槽２の底面に固定された取付フラ ンジ１８により脱水槽２は脱水軸１７に取付けられている。また、脱水軸１７の 内部には、パルセータ軸１９が挿通されており、パルセータ軸１９の上部にパル セータ４がねじ止めされている。なお、取付フランジ１８およびパルセータ４に は、気泡通過用孔が形成されている。

【００１７】 水槽３の底面に、排水口２０が形成され、該排水口２０に排水パイプ２１が接 続され、排水パイプ２１に排水ホース２２が接続され、排水パイプ２１に排水弁 １０が介装されている。

【００１８】 前記空気送込孔１１は、図２の如く、水槽３の側面で脱水槽２の底面よりも低 い位置に形成され、水槽３の外面側に円筒状のフランジ２５が突設されている。 そして、前記空気送込孔１１に、水槽３の内側と外側とを連通するジヨイント２ ６がＯリングを介して嵌着されている。

【００１９】 該ジヨイント２６は、前記空気送込孔１１の内径よりも小径のパイプ部２７の 外周に、前記空気送込孔１１のフランジ２５に嵌合させるための取付片２８が形 成されており、該取付片２８は水槽３の外側から空気送込孔１１に挿入され、接 着剤およびＯリングによりシールして嵌合される。

【００２０】 前記気泡吹出口１２は、内径が同一のほぼ真直なパイプからなり、その一端が 前記ジヨイント２６の水槽３内面側に外嵌され、他端の吐出口１２ａが脱水槽２ の取付フランジ１８の下方に位置している。そして、気泡吹出口１２は、水槽３ の底面にビス２９により固定支持されている。

【００２１】 前記エアポンプ１３は、上面板８に内装されており、その吐出側に供給パイプ １４が接続され、該供給パイプ１４は、水槽３の外周面に沿つて前記空気送込孔 １１まで達し、前記ジヨイント２６の水槽外面側に外嵌されている。また、エア ポンプ１３には、前記泡洗浄制御装置１５が接続されている。

【００２２】 該泡洗浄制御装置１５は、シルク製の衣類等を洗う場合に気泡洗浄を行うため に設けられた泡洗浄スイツチ３０のオンにより、洗い工程中およびすすぎ工程の 最終すすぎ運転中にエアポンプ１３を駆動するよう制御されている。

【００２３】 また、泡洗浄制御装置１５はスタートスイツチ３１のオンにより洗い、すすぎ 脱水工程を実行させる洗濯手段３２も有しており、該洗濯手段３２により給水弁 ３３、排水弁１０およびモータ５が予めプログラムされた順に従つて作動される 。そして、洗濯手段３２からの出力信号に応じて前記吹出口洗浄手段１６が作動 される。

【００２４】 上記構成において、スタートスイツチ３１のオンにより洗濯を開始すると、給 水弁３３が開いて水槽３に水が給水され、被洗濯物の量に応じた一定の水が入る 。その後、一定の時間（３０秒程度）パルセータ４を回転させて、水面上に浮い てしまつた被洗濯物を沈める。ただし、水流の強さは布傷みを起こす程度ではな い。

【００２５】 次に、洗濯手段３２によりモータ５が駆動されて、パルセータ４が反転しなが ら回転する。このとき、泡洗浄制御装置１５によりエアポンプ１３を駆動させ、 エアポンプ１３から送り出された空気が供給パイプ１４を通つて、気泡吹出口１ ２から吐き出される。

【００２６】 すると、空気は気泡となつて上昇し、取付フランジ１８およびパルセータ４の 気泡通過用孔から脱水槽２に侵入する。脱水槽２の底部に沈殿した洗剤の溶解が 気泡により促進され、気泡とともに洗剤が上昇して、被洗濯物に当たり付着する 。これにより、洗剤の界面活性剤の被洗濯物への付着が促進され、汚れが落ちや すくなり、洗浄効率を上げて時間短縮が図れる。

【００２７】 洗い工程が終了すると、排水弁１０が開いて中間脱水をしながら排水が行われ る。そして、すすぎ工程が開始される。すすぎ工程では、給水、すすぎ運転、排 水、中間脱水で１サイクルとなつており、このサイクルが所定回繰り返される。

【００２８】 ここで、最後のすすぎ運転が行われるとき、洗濯手段３２からの出力信号によ り、吹出口洗浄手段１６によつてエアポンプ１３が駆動される。このとき、気泡 吹出口１２および供給パイプ１４の内壁に付着した洗濯溶液中に含まれている洗 剤カスや汚れが、エアポンプ１３から送り出された空気により除去され、気泡吹 出口１２から空気とともに吐出される。

【００２９】 そして、最後のすすぎ運転が終了すると、気泡吹出口１２から吐出された異物 はすすぎ液とともに排水されて、その後脱水運転が行われる。

【００３０】 したがつて、エアポンプ１３を洗い運転中だけでなくすすぎ運転中にも駆動さ せることにより、洗濯を行う度に気泡吹出口１２内に付着した洗剤カスや汚れが 除去され、常に気泡吹出口１２内を正常な状態に維持できる。そのため、気泡吹 出口１２のつまり等による空気の吐出量の低下を防止して、気泡による洗浄効果 を経年的に保障することができる。

【００３１】 （第二実施例） 図６は本考案の第二実施例を示す全自動洗濯機の概略図、図７は水槽の縦断面 図、図８は水槽の横断面図である。

【００３２】 第一実施例において、気泡吹出口１２の形状は直線形状になつており、この状 態では泡は先端の一点からしか吹き出ず、水槽全体へ泡が広がりにくいため、本 来の泡洗浄の効力が充分引き出すことができず、洗浄率はあまり良くないという 問題がある。

【００３３】 そこで、本実施例の気泡吹出口４０は環状に形成され、該気泡吹出口４０の全 周に気泡吹出用小孔４１が設けられている。

【００３４】 前記気泡吹出口４０は、図８の如く、空気送込孔１１から水槽３内に挿通され 、その先端側がパルセータ軸１９を中心にした円形とされている。そして、気泡 吹出口４０の上面に、複数の前記小孔４１が形成され、脱水槽２の底面に均一に 気泡が広がるようになつている。また、脱水槽２の底面にも、これに対応して気 泡通過用孔が形成されている。

【００３５】 なお、図６中、４２は洗濯機本体１の底開口部を開閉自在に閉じて内部で発生 する音を遮音する遮音板、４３は輸送アングルで水槽３底部に設けられ、輸送時 に水槽３が本体に激しく当たらないように固定するためのものである。

【００３６】 また、他の構成は、上記第一実施例と同じである。

【００３７】 そして、エアポンプ１３を駆動させることにより、空気が気泡吹出口４０の小 孔４１から吐き出される。この気泡が、脱水槽２の底面の気泡通過用孔を通つて 上昇して、脱水槽２全体に広がる。そのため、被洗濯物への気泡の付着が偏るこ となく均一になり、洗剤の洗浄効率をより一層向上させることができる。特に、 シルク製の被洗濯物に対しては、気泡吹出口４０を環状に形成することにより、 シルク全体へ泡が浸透して、パルセータ４の撹拌力を必要以上多くすることなく 洗濯ができるので、生地の傷みを防止できる。

【００３８】 なお、本考案は、上記実施例に限定されるものではなく、本考案の範囲内で上 記実施例に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。

【００３９】 本実施例では、全自動洗濯機に適用した例を示したが、二槽式洗濯機にも適用 できる。

【００４０】

【考案の効果】

以上の説明から明らかな通り、本考案請求項１によると、水槽の下部に内装さ れた気泡吹出口と、該気泡吹出口に空気を供給して気泡吹出口から気泡を発生さ せるエアポンプが設けられ、エアポンプを洗い運転中だけでなくすすぎ運転中に も駆動させることにより、洗濯を行う度に気泡吹出口内に付着した洗剤カスや汚 れが除去され、常に気泡吹出口内を正常な状態に維持できる。そのため、気泡吹 出口のつまり等による空気の吐出量の低下を防止して、気泡による洗浄効果を経 年的に保障することができる。

【００４１】 請求項２によると、気泡吹出口は環状に形成され、該気泡吹出口の全周に気泡 吹出用小孔が設けられているので、気泡が脱水槽全体に広がる。そのため、被洗 濯物への気泡の付着が偏ることなく均一になり、洗剤の洗浄効率をより一層向上 させることができる。

【００４２】 特に、シルク製の被洗濯物に対しては、シルク全体へ泡が浸透して、パルセー タの撹拌力を必要以上多くすることなく洗濯ができるので、生地の傷みを防止で きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案の第一実施例を示す全自動洗濯機
の概略図である。

【図２】図２は同じく気泡吹出口の断面図である。

【図３】図３は水槽の断面図である。

【図４】図４は洗濯機の機能ブロツク図である。

【図５】図５は洗濯機の運転チヤートである。

【図６】図６は本考案の第二実施例を示す全自動洗濯機
の概略図である。

【図７】図７は水槽の縦断面図である。

【図８】図８は水槽の横断面図である。

【図９】図９は従来の全自動洗濯機の概略図である。

【符号の説明】

１２，４０ 気泡吹出口 １３ エアポンプ １５ 泡洗浄制御装置 １６ 吹出口洗浄手段 ４１ 小孔

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 水槽の下部に内装された気泡吹出口と、
   該気泡吹出口に空気を供給して気泡吹出口から気泡を発
   生させるエアポンプと、該エアポンプを駆動制御して泡
   洗浄を行う泡洗浄制御装置とが設けられ、該泡洗浄制御
   装置は、すすぎ運転中にエアポンプを作動させて気泡吹
   出口内部を洗浄する吹出口洗浄手段を有せしめられたこ
   とを特徴とする洗濯機。
2. 【請求項２】 水槽の下部に内装された気泡吹出口と、
   該気泡吹出口に空気を供給して気泡吹出口から気泡を発
   生させるエアポンプとが設けられ、前記気泡吹出口は環
   状に形成され、該気泡吹出口の全周に気泡吹出用小孔が
   設けられたことを特徴とする洗濯機。