JPH0412146Y2

JPH0412146Y2 -

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Publication number: JPH0412146Y2
Application number: JP1986095932U
Authority: JP
Priority date: 1986-06-25
Filing date: 1986-06-25
Publication date: 1992-03-25
Also published as: JPS635093U

Description

【考案の詳細な説明】（技術分野）本考案は、シールド型トンネル掘削機に関し、
特に管推進工法での使用に好適なシールド型トン
ネル掘削機に関する。

（従来技術）管推進工法では、推進される複数の管の最前部
にシールド型トンネル掘削機が配置される。切羽
は掘削機に設けられたカツタヘツドの作動により
掘削され、その間前記管および掘削機は最後部の
管に隣接する推進ジヤツキによる推力を受け、こ
れにより管および掘削機はカツタヘツドの作動に
より掘削された地盤中を推進される。カツタヘツ
ドはシールド本体を横切る隔壁の前方に該隔壁か
ら間隔をおいて配置されている。

掘削機および管の推進中、切羽での掘削物すな
わちずりは前記カツタヘツドを経て該カツタヘツ
ドと前記隔壁との間の圧力室すなわち隔壁前方域
に入り、該隔壁前方域を満たす。前記隔壁前方域
を満たすずりは、切羽の土圧をシールド本体の隔
壁に伝え、また該隔壁による反力を切羽に伝える
作用をなし、この反力と、土圧との均衡により切
羽は崩壊または隆起なしに安定に維持される。

この種のシールド型トンネル掘削機の一つとし
て、シールド本体と、該シールド本体内に設けら
れた隔壁と、該隔壁に回転可能に支持された軸
と、該軸の先端部に支承され、掘削されたずり中
の礫を破砕するロータリヘツドと、該ロータリヘ
ツドに支承されたカツタヘツドと、前記軸を回転
させる回転源と、ずりを隔壁前方域から隔壁後方
域へ排出する手段とを含む装置がある。

しかし、従来のこの種の掘削機では、隔壁、ロ
ータリヘツド、カツタヘツド回転源および回転軸
を筒状の一つのシールド本体内に配置しているた
め、掘削機の組立、分解、点検、修理等の作業を
行うときに、シールド本体内に配置される各種の
機構組立順序、分解順序に制限があり、修理等の
作業性が著しく悪い。また、掘削機は所定の掘削
作業の終了後に到達竪坑から地上に取り出される
が、従来の掘削機では、シールド本体が分解不能
の構造であるため、直径寸法の大きな到達竪坑が
必要である。

（考案の目的）上記の課題を解決すべく、シールド本体を隔壁
より前方の第１の本体部と、隔壁を有する第２の
本体部とに分割し、第２の本体部を第１の本体部
の後部に分離可能に連結し、カツタヘツドを回転
させる回転機構を隔壁に支承させ、カツタヘツド
を回転機構に該回転機構とカツタヘツドとをシー
ルド本体の軸線方向へ相対的に移動させることに
より解除可能に結合させたシールド型トンネル掘
削機が提案されている（実開昭59−89193号公
報）。

しかし、この公知の掘削機では、カツタヘツド
を第２の本体部に支承された部材に支承させてお
り、しかも、第１および第２の本体部をシールド
本体の内側おいて連結しているから、第１および
第２の本体部の結合作業または分離作業と、カツ
タヘツドおよび回転機構の結合作業または分離作
業とを別々に行わなければならず、したがつてカ
ツタヘツドおよび回転機構の結合作業および分離
作業が面倒である。

（考案の目的）本考案の目的は、第１および第２の本体部の結
合または分離と、カツタヘツドと回転機構との結
合または分離とが同時に行われるようにすること
にある。

（考案の構成）本考案のシールド型トンネル掘削機は、第１の
本体部および該第１の本体部の後端に突き合わさ
れた第２の本体部を有するシールド本体と、前記
第１の本体部内に設けられた隔壁と、該隔壁を前
記シールド本体の軸線方向へ貫通し、前記隔壁に
前記シールド本体の軸線の周りに回転可能に支承
された軸と、前記隔壁の前方にあつて前記軸の前
端部に支承されたロータリヘツドと、該ロータリ
ヘツドの先端部に支持されたカツタヘツドと、前
記第２の本体部内に配置され、前記軸を回転させ
る回転手段であつて前記軸に前記シールド本体の
軸線方向への相対的な移動により分離可能に結合
された回転手段と、前記第２の本体部内に設けら
れ、前記回転手段を支承する支持手段とを含む。

前記第１および第２の本体部の一方は、その他
方の側の端部に外周面に開口する第１の凹所を有
するとともに、該第１の凹所を経て前記軸線と平
行に伸びかつ前記第１および第２の本体部の他方
の側の端面に開口する第２の凹所を有し、前記第
１および第２の本体部の他方は、前記第２の凹所
に対面する箇所から前記軸線方向へ伸びるねじ穴
を有し、前記第１および第２の本体部は、前記第
２の凹所を伸びかつ前記ねじ穴に螺合されたねじ
棒と、前記第１の凹所に配置されかつ前記ねじ棒
に螺合されたナツトとにより結合されている。

（考案の作用、効果）ねじ棒の回転を阻止した状態でナツトを回転さ
せると、ねじ棒とナツトとはナツトの回転方向に
応じて定める方向へ相対的に移動する。また、軸
と回転手段とは、シールド本体の軸線方向へ両者
の相対的な移動により、結合または分離される。

このため、ねじ棒の回転を阻止した状態でナツ
トを一方向へ回転させると、第１および第２の本
体部は両本体部が互いに離れる方向へ移動され、
これにより第１の本体部に支持された軸と第２の
本体部に支持された回転手段とは該軸および回転
手段が互いに離れる方向へ移動される。その結
果、第１および第２の本体部は分離され、また軸
と回転手段とは分離される。

これに対し、ねじ棒の回転を阻止した状態でナ
ツトを前記と逆の方向へ回転させると、第１およ
び第２の本体部は両本体部が互いに接近する方向
へ移動され、これにより軸と回転手段とは該軸お
よび回転手段が互いに接近する方向へ移動され
る。その結果、第１および第２の本体部は結合さ
れ、また軸と回転手段とは結合される。

したがつて、本考案によれば、ねじ棒の回転を
阻止した状態でナツトを所定の方向へ回転させる
ことにより、第１および第２の本体部の結合また
は分離と、カツタヘツドと回転機構との結合また
は分離とが同時に行われ、結合作業および分離作
業が容易になる。

（実施例）以下、図面に示す本考案の実施例について説明
する。

第１図〜第３図に示すシールド型トンネル掘削
機１０は、相互に突き合わされる第１および第２
の本体部１４，１６を備える筒状のシールド本体
１２を含む。第１の本体部１４は、断面積が後方
へ向けて漸次減少する円錐形の圧力室すなわち第
１の空間１８を規定する第１の筒部１４ａと、第
１の空間１８の後部に続き、該第１の空間より広
い断面積を有する泥水室すなわち第２の空間２０
を規定する第２の筒部１４ｂとを備える。第１お
よび第２の筒部１４ａ，１４ｂは、第１の筒部１
４ａの後端と第２の筒部１４ｂの前端とを相互に
突き合わされ、また複数のボルト２２により相互
に連結されている。

第１の筒部１４ａの後端部内側には、第１およ
び第２の空間１８，２０を区画する内向きのフラ
ンジ状の窓部材２４が設けられている。窓部材２
４は、第１の筒部１４ａの後端部内面に沿つて伸
び、またずりおよび小さな礫が第１の空間から第
２の空間へ移動することは許すが、大きな礫が第
１の空間１８から第２の空間２０へ移動すること
は阻止すべく、第２図に示すように第１の筒部１
４ａの内面に沿つて相互に隔てられた複数の開口
２６を有する。窓部材２４は、第２の筒部１４ｂ
の前端部内側に設けてもよい。

第２の筒部１４ｂには隔壁２８が第１の筒部１
４ｂを横切つて設けられ、隔壁２８には該隔壁を
シールド本体１２の軸線方向へ貫通して伸びる筒
状のスリーブ３０が支承されている。スリーブ３
０は、隔壁２８に対し、シールド本体１２の軸線
方向へ滑動可能であるが、回転不能である。隔壁
２８の第１の筒部１４ａの側には、内歯歯車３２
が複数のボルト３４により固定されている。

スリーブ３０には、該スリーブをシールド本体
１２の軸線方向へ貫通するクランク軸３６が複数
の軸受３８により回転可能に支承されている。ク
ランク軸３６は、スリーブ３０に支承された軸部
分３６ａと、該軸部分から、前方へ伸びる軸部分
３６ｂとを備える。軸部分３６ａの軸線は、シー
ルド本体１２の軸線と一致されている。これに対
し、軸部分３６ｂの軸線は、第３図に示すよう
に、シールド本体１２および軸部分３６ａの軸線
から距離ｅだけ偏心されている。

軸部分３６ｂには、断面積が後部に向けて漸次
増大する外表面を有する円錐形のロータリヘツド
４０が複数の軸受４２により回転可能に支承され
ている。該ロータリヘツド４０は、第１の空間１
８内に配置されている。ロータリヘツド４０の後
端外面と第１の筒部１４ａの後端内面との間隔
は、シールド本体１２の直径方向における窓部材
２４の開口２６の寸法より小さい。なお、第１の
空間１８を規定する第１の筒部１４ａの内面およ
びロータリヘツド４０の外表面に、その周方向へ
伸びる複数の突出部または溝を設けてもよい。

ロータリヘツド４０の先端部にはカツタヘツド
４４が複数のボルト４６により固定されている。
カツタヘツド４４は、ロータリヘツド４０に固定
されたボス４４ａと、該ボスからシールド本体１
２の半径方向へ伸びる複数のアーム４４ｂと、ボ
ス４４ａおよびアーム４４ｂに固定された複数の
カツタ４４ｃとを備える。

ロータリヘツド４０の後端面には、内歯歯車３
２と噛合する外歯歯車４８が複数のボルト５０に
より固定されている。歯車４８は、歯車３２に対
し、クランク軸３６の軸部３６ａ，３６ｂの偏心
量と同一の距離ｅだけ偏心されている。このた
め、歯車３２，４８はその直径方向の一方で相互
に噛合し、両者が噛合する位置はクランク軸３６
の回転にともなつてスリーブ３０の周りを移動す
る。

ロータリヘツド４０と内歯歯車３２との間に
は、両者の間を液密的に閉鎖するシール機構５２
が配置されている。シール機構５２は、第５図に
示すように、ロータリヘツド４０の後端面に設け
られた環状の凹所５４と、該凹所に嵌合されたリ
ング５６と、該リングを内歯歯車３２の前端面に
向けて押圧する複数のばね５８とを備える。

凹所５４は、内歯歯車３２の側に開口し、また
クランク軸３６の周りに伸びる。リング５６は、
凹所５４にシールド本体１２の軸線方向へ滑動可
能に受け入れられた環状の主体部５６ａと、該主
体部の後端から外方へ伸びるフランジ５６ｂとを
備える。主体部５６ａおよびフランジ５６ｂの後
端面は、同一の平面にあり、またそれらは内歯歯
車３２の前端面から前方へ突出する突出部５９の
前端面と接触する。ばね５８は、圧縮コイルばね
であり、また凹所５４に連通する穴６２内に配置
されている。

なお、リング５６を外歯歯車３２の端面に接触
させる代りにリング５６を隔壁２８に直接あるい
は隔壁に設けられた他の部材に接触させてシール
作用を担わせてもよく、また内歯歯車４８、凹所
５４、リング５６およびばね５８を隔壁２８の側
に設け、外歯歯車３２をロータリヘツド４０の側
に設けてもよく、さらに凹所５４、リング５６お
よびばね５８を隔壁２８の側に設け、ロータリヘ
ツド４０の側にリング５６と接触するシール面を
設けてもよい。また、突出部５９は、クランク軸
３６の周りに伸びる。突出部５９は、第６図に示
すように、リング５６の側に設けてもよく、また
内歯歯車３２およびリング５６のいずれにも設け
なくてもよい。

第５図に示すように、スリーブ３０はその後端
部外周に沿つて伸びるフランジ５８を有し、隔壁
２８はその後端面に沿つて伸びるカラー６０を有
する。カラー６０は、複数のボルト６２により隔
壁２８の後端面に固定されており、またフランジ
５８をシールド本体１２の軸線方向へ移動可能に
受け入れる凹所を内側に有する。フランジ５８と
カラー６０とにより規定される空間６４は、スリ
ーブ３０の外周に沿つて伸びる。フランジ５８と
カラー６０との間およびカラー６０とスリーブ３
０との間は、それらの間に配置されたＯリングに
より液密的に閉鎖されている。

空間６４は、コネクタ６６，６８，７０、パイ
プ７２，７４を経てシールド本体１２の後部の圧
力計７６に連通されている。空間６４、コネクタ
６６，６８，７０およびパイプ７２，７４内に
は、土圧検出用の油が充満されている。圧力計７
６は、マノメータを用いた圧力計のように、機械
的な計測器であり、空間６４の圧力を指針により
アナログ的にまたは数字表示器によりデイジタル
的に表示する。圧力計７６に表示された値は、テ
レビジヨンカメラ７８により撮像されて、地上に
設置されたモニタに表示される。

隔壁２８はスリーブ３０を巡る環状の油室８０
を有し、該油室には潤滑油が収容されている。油
室８０は、第５図に示すように、隔壁２８に穿た
れた複数の穴８２、スリーブ３０の外周に形成さ
れた環状の溝８４およびスリーブ３０に形成され
た複数の穴８６を経て、クランク軸３６とスリー
ブ３０との間の空間およびクランク軸３６とロー
タリヘツド４０との間の空間に連通されている。
このため、クランク軸３６とスリーブ３０との間
の空間、クランク軸３６とロータリヘツド４０と
の間の空間、内歯歯車３２と外歯歯車４８とが噛
合する空間、隔壁２８とスリーブ３６との間の隙
間には潤滑油が満たされ、それらの接触部および
軸受３８，４２が潤滑される。

ロータリヘツド４０とカツタヘツド４４との接
触部、ロータリヘツド４０とリング５６との接触
部、隔壁２８と内歯歯車３２との接触部およびス
リーブ３０と隔壁２８との接触部には、それぞれ
シール用のＯリングが配置されている。また、ス
リーブ３０の後端部とクランク軸３６の後端部と
の間には、油切り８８および該油切りが外れるこ
とを防止する留め具８９が配置されている。

第２の筒部１４ｂの後端外周には、周方向へ伸
びるコ字状の溝９０が形成されており、また該溝
９０により第２の筒部１４ｂの後端縁を周方向へ
伸びるフランジ９２が形成されている。フランジ
９２の周方向へ間隔をおかれた複数箇所には、該
フランジをシールド本体１２の軸線方向へ貫通す
る第１の穴９４が形成されており、該第１の穴に
は第１の本体部１４と第２の本体部１６とを分離
可能に結合する複数のボルト９６が挿通されてい
る。

また、フランジ９２の周方向へ間隔をおかれた
他の複数箇所には、該フランジをシールド本体１
２の軸線方向へ貫通する第２の穴９８が形成され
ており、該第２の穴には第１の本体部１４を第２
の本体部１６に対しシールド本体１２の軸線方向
へ移動させるねじ棒１００が挿通されている。ね
じ棒１００は、第４図に示すように、その直径方
向の対向する二箇所が平坦面１００ａとされてい
る。第５図に示すように、第２の筒部１４ｂのフ
ランジ９２と対面する部分１０２には、第２の穴
９８と対面する箇所に穴１０４形成されている。
ねじ棒１００は、穴１０４から第２の穴９８を経
て第２の本体部１６の前端面に設けられたねじ穴
１０６にも挿通されている。ねじ棒１００は、溝
９０に配置されたナツト１０８と螺合する。

第２の本体部１６は、第２の筒部１４ｂの後端
にボルト９６により連結される第１の筒部１６ａ
と、該第１の筒部の後端部に受け入れられる第２
の筒部１６ｂとを備える。第１の筒部１６ａの前
端部には支持壁１１０が設けられており、該支持
壁にはスリーブ３０の後端部を滑動可能に受け入
れる穴１１２が設けられている。

支持壁１１０の後部には、クランク軸３６を回
転させる駆動機構１１４が複数のボルト１１６に
より固定されている。駆動機構１１４は、電動機
と減速機とを備え、またその出力軸１１８はクラ
ンク軸３６の後端部に設けられた穴１２０に挿入
されている。出力軸１１８とクランク軸３６と
は、キー１２２により、シールド本体１２の軸線
方向へ相互に移動可能であるが、相互に回転不能
に結合されている。

支持壁１１０には、また、第２の空間２０に泥
水を供給する管１２４と、第２の空間２０からず
りを泥水とともに排出する管１２６とが支承され
ている。管１２４，１２６は、その一方１２６を
代表して示すように、支持壁１１０をシールド本
体１２の軸線方向へ貫通して伸び、また隔壁２８
と支持壁１１０との間に配置された連結管１２８
および隔壁２８に設けられた穴１３０を経て第２
の空間２０に連通されている。連結管１２８は支
持壁１１０の前端面に複数のボルト（図示せず）
により固定されており、また隔壁２８の後端面に
押圧されている。管１２６の先端部は連結管１２
８に挿入されている。ズリ排出用の管１２６の中
空部の断面積は、窓部材２４の開口の面積より大
きい。

第１の空間２０の底部には、管１２４から供給
された泥水が管１２６へ直接達することを防止
し、かつ、前記泥水がスリーブ３０を巡る流路を
流れるように、第２の空間２０内における泥水の
流路を規定する仕切り１３２が設けられている。

第２の本体部１６の第１の筒部１６ａと第２の
筒部１６ｂとは方向修正用の複数のジヤツキ１３
４により相互に連結されている。第２の筒部１６
ｂの先端部は第１の筒部１６ａの後端部に挿入さ
れている。

トンネル掘削機１０の作動を説明する。駆動機
構１１４によりクランク軸３６が回転されると、
ロータリヘツド４０およびカツタヘツド４４は、
シールド本体１２の軸線に対しｅだけ偏心して旋
回される。この旋回方向は、クランク軸３６の回
転方向と同じである。ロータリヘツド４０の旋回
にともなつて、ロータリヘツド４０に固定された
外歯歯車４８の、隔壁２８に固定された内歯歯車
３２への噛み合い部位が順次移動するので、ロー
タリヘツド４０およびカツタヘツド４４は軸部分
３６ｂを中心として、クランク軸３６とは反対の
方向へ回転する。

この状態でシールド本体１２の後方に配置され
たジヤツキ（図示せず）によりコンクリート管を
経て推力が加えられると、トンネル掘削機１０は
カツタヘツド４４により切羽を掘削しつつ前進す
る。掘削されたずりは、第１の空間１８内へ受け
入れられ、次いで第１の空間１８から窓部材２４
の開口２６を経て第２の空間２０へ移動し、さら
に管１２４から第２の空間２０へ供給される泥水
とともにスラリーの形で管１２６を経て隔壁２８
の後方域へ排出される。掘削すべき地盤が軟弱で
あると、カツタヘツド４４はクランク軸３６から
取り除かれ、その代りにクランク軸３６にはカツ
タヘツド４４のボス４４ａに対応するキヤツプが
取り付けられる。

第１の空間１８に受け入れられたずり中の大き
な礫は、ロータリヘツド４０の回転旋回運動にと
もなつて、ロータリヘツド４０によりシールド本
体１２の第１の空間１８を規定する内面に押圧さ
れて破砕される。破砕された礫のうち、窓部材２
４の開口２６より小さい礫は該開口を経て第２の
空間２０へ移動する。しかし、開口２６より大き
い礫は、窓部材２４の前方に留まり、ロータリヘ
ツド４０の旋回回転運動にともなって、ロータリ
ヘツド４０の後端部外周面により、開口２６を通
過可能の大きさに破砕される。このため、礫が排
出用の管１２６に詰まることがない。

切羽を掘削する間、第１および第２の空間１
８，２０は、前記切羽の崩壊および隆起を防止す
べく、所定の圧力に維持される。また、リング５
６には、第２の空間２０内の泥水による圧力が作
用する。この圧力は、リング５６のフランジ５６
ｂの背面すなわちロータリヘツド４０の側の面が
常時第２の空間２０に露出していることから、ば
ね５８の力と同一方向への力、すなわちリング５
６を内歯歯車３２へ向けて押圧する力としてリン
グ５６に作用する。

ロータリヘツド４０の回転旋回運動にともなつ
て、リング５６が内歯歯車３２に対し旋回運動を
するが、リング５６がばね５８の力および第２の
空間２０の圧力により内歯歯車３２に押圧されて
いることから、リング５６と内歯歯車３２との間
の液密性は維持される。また、ロータリヘツド４
０の回転旋回運動にともなつて、リング５６の内
歯歯車３２の側の端面が第２の空間２０に露出す
るが、この露出した部分に作用する力は第２の空
間２０の圧力によりフランジ５６ｂの背面に作用
する力と相殺される。

第２の空間２０の圧力により、リング５６の内
歯歯車３２の側の端面に作用する力とフランジ５
６ｂの背面に作用する力とを相殺させるには、第
５図に示すように、突出部５９のリング５６との
接触面の最大直径をD₁、フランジ５６ｂの突出
部５９との接触面の最大直径をD₂、主体部５６
ａの外径をD₃および偏心量をｅとしたとき、 D₂≦D₁＋2_e D₃≦D₂−4_e とすればよい。このようにずれば、リング５６の
内歯歯車３２との接触面が第２の空間２０に露出
しても、フランジ５６ｂのシール面に作用する力
は、フランジ５６ｂの背面に作用する力と相殺さ
れ、リング５６には該リングを凹所５４内に後退
させる力が作用しない。

第１の空間１８の土圧は、カツタヘツド４４お
よびロータリヘツド４０からスリーブ３０に加わ
り、さらにスリーブ３０のフランジ５８から空間
６４内の油を経て隔壁２８に加わる。これにより
空間６４内の油は圧縮され、その圧力はパイプ７
２，７４を経て圧力計７６で測定され、該圧力計
に表示される。表示された値は、テレビジヨンカ
メラ７８により撮像され、地上に設置されたモニ
タに表示されて、作業者によりトンネル掘削機１
０の推進速度の制御に利用される。

トンネル掘削機１０の修理、点検時には、ボル
ト９６を外した後、任意な工具によりねじ棒１０
０の回転を阻止した状態でナツト１０８を回し、
該ナツトをねじ棒１００に対し第１図において左
方へ移動させればよい。このようにすれば、ナツ
ト１０８が第２の筒部１４ｂのフランジ９２と対
面する部分１０２を第１図において左方へ押すた
め、第１の本体部１４が第２の本体部１６に対し
同方向へ移動し、それにより第１の本体部１４と
第２の本体部１６とが分離される。

第１および第２の本体部１４，１６が分離され
ると、トンネル掘削機１０ではスリーブ３０が支
持壁１１０の穴１１２に、また駆動機構１１４の
出力軸１１８がクランク軸３６の穴１２０に、そ
れぞれシールド本体１２の軸線方向へ滑動可能に
挿入されているため、スリーブ３０と支持壁１１
０との係合およびクランク軸３６と駆動機構１１
４の出力軸１１８との係合が解除され、トンネル
掘削機１０は第１の本体部１４および該第１の本
体に支承された各部材の組と、第２の本体部１６
および該第２の本体部に支承された各部材の組と
に分割される。

トンネル掘削機１０を組み立てるときは、前記
とは逆に、先ずねじ棒１００の回転を阻止した状
態でナツト１０８を回し、該ナツトをねじ棒１０
０に対し第１図において右方へ移動させる。これ
により、ナツト１０８が第２の筒部１４ｂのフラ
ンジ９２を第１図において右方へ押すため、第１
の本体部１４が第２の本体部１６に対し同方向へ
移動し、それにより第１の本体部１４と第２の本
体部１６とが結合される。

第１および第２の本体部１４，１６が結合され
ると、スリーブ３０が支持壁１１０の穴１１２
に、また駆動機構１１４の出力軸１１８がクラン
ク軸３６の穴１２０にそれぞれ挿入され、それに
よりスリーブ３０と支持壁１１０およびクランク
軸３６と駆動機構１１４の出力軸１１８とがそれ
ぞれ結合される。この後、ボルト９６をねじ穴１
０６にねじ込めばよい。

このように、第１の本体部１４および該第１の
本体に支承された各部材の組と、第２の本体部１
６および該第２の本体部に支承された各部材の組
とに分割可能であると、組立、修理、点検を前記
組毎に行うことができ、従つて、第１および第２
の本体部１４，１６に支承された部材の修理点検
が容易になる。また、第７図に示すように、掘削
作業の終了時、第１の本体部１４をクレーンから
伸びるロープ１３６により、地盤１３８に穿たれ
た到達竪坑１４０内に吊下げた状態で、第１の本
体部１４を第２の本体部１６から分離し、到達竪
坑１４０から除去し、その後第２の本端部１６を
到達竪坑１４０除去することができ、従つて到達
竪坑１４０の直径寸法を小さくすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のシールド型トンネル掘削機の
一実施例を示す縦断面図、第２図は第１図の２−
２線に沿つて得た断面図、第３図は第１図の３−
３線に沿つて得た断面図、第４図はねじ棒の一実
施例を示す拡大断面図、第５図は第１の本体部に
配置された各部材を示すべく、第１の本体内を拡
大して示す縦断面図、第６図はシール機構の他の
実施例を示す断面図、第７図はトンネル掘削機を
到達竪坑から除去する状態を示す断面図である。１０……シールド型トンネル掘削機、１２……
シールド本体、１４……第１の本体部、１６……
第２の本体部、２８……隔壁、３６……クランク
軸、４０……ロータリヘツド、４４……カツタヘ
ツド、９０……溝（第１の凹所）、９８……第１
の穴（第２の凹所）、１００……ねじ棒、１０４
……第２の穴（第２の凹所）、１０６……ねじ穴、
１１０……支持壁、１１４……駆動機構。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) 第１の本体部および該第１の本体部の後端に
突き合わされた第２の本体部を有するシールド
本体と、前記第１の本体部内に設けられた隔壁
と、該隔壁を前記シールド本体の軸線方向へ貫
通し、前記隔壁に前記シールド本体の軸線の周
りに回転可能に支承された軸と、前記隔壁の前
方にあつて前記軸の前端部に支承されたロータ
リヘツドと、該ロータリヘツドの先端部に支持
されたカツタヘツドと、前記第２の本体部内に
配置され、前記軸を回転させる回転手段であつ
て前記軸に前記シールド本体の軸線方向への相
対的な移動により分離可能に結合された回転手
段と、前記第２の本体部内に設けられ、前記回
転手段を支承する支持手段とを含み、前記第１および第２の本体部の一方は、その
他方の側の端部に外周面に開口する第１の凹所
を有するとともに、該第１の凹所を経て前記軸
線と平行に伸びかつ前記第１および第２の本体
部の他方の側の端面に開口する第２の凹所を有
し、前記第１および第２の本体部の他方は、前
記第２の凹所に対面する箇所から前記軸線方向
へ伸びるねじ穴を有し、前記第１および第２の
本体部は、前記第２の凹所を伸びかつ前記ねじ
穴に螺合されたねじ棒と、前記第１の凹所に配
置されかつ前記ねじ棒に螺合されたナツトとに
より結合されている、シールド型トンネル掘削
機。 (2) 前記第１の凹所は前記第１の本体部の後端部
外周面を周方向へ伸びる溝であり、前記第２の
凹所は、前記第１の本体部をこれの後端面の側
と前記溝とを連通する第１の穴と、前記第１の
本体部を前記溝から前方へ伸びかつ第１の穴と
対向する第２の穴とを有し、前記ねじ穴は前記
第２の本体部をこれの前端面から後方へ伸び
る、実用新案登録請求の範囲第(1)項に記載の掘
削機。