JPH0412095Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、例えば発電所等の冷却水として取入
れられる海水又は河川水の取水路に設置されて海
水又は河川水中に浮遊する藻、水母、貝類等の水
成物、その他の塵芥類を水中より掬い上げて水路
上部へ取出し除去するためのバー回転式スクリー
ン装置に関する。

先行技術 エンドレスにした左右２列のキヤリングチエー
ンに、バースクリーン又はネツトスクリーンを設
けた多数のバケツトフレームを連続的に取付けて
水路内において回送駆動させることにより水路を
流れる海水、或いは河川水中に浮遊している塵芥
等を掬い上げ上部リタン側においてシユートを介
して排出除去させるようにした謂ゆるトラベリン
グスクリーン型の水路除塵装置は従来から知られ
ているが、発電所の海水取水路に対しては水母
（くらげ）が大量且つ集中的に押寄せてスクリー
ンを破損させる場合があるので、それを分散させ
て安全且つ確実に除塵を行う必要性から水路の上
流側にバー回転式スクリーンの除塵装置を、又下
流側に金網式スクリーンの除塵機を設けて２台の
除塵機で除塵作業を行うことが実施されている。

ところで、現在バー回転式スクリーンの処理能
力は、金網式除塵機との比率として５′，５又は
６′，４程度に決められているが、一時的に大量
に水母が発生したような場合は上流側除塵機のバ
ーの間隙を縫つて水母等が下流側に位置する金網
式除塵機に集中して異常水位を発生させ、除塵機
の停止、損傷及び発電量の低下を引き起す等の事
態が生じており、必らずしも上記した当初の比率
になつていないのが現状である。その為に例えば
バースクリーンのバー間隔を一様に小さくするこ
とが考えられるが、単純にバー間隔を小さくする
と、掻揚物の性状によつては上流側除塵機の負荷
だけが大きくなり過ぎて、円滑且つ効率のよい運
行を行うことが困難となる。

考案の目的 本考案は、従来の技術の有するこのような問題
点に鑑みてなされたものであり、その目的とする
ところは、繊維質の附着や絡み付きを少なくして
バースクリーンに対する小クラゲ等の通過を適正
に制限するとともに、簡単な構成で水圧に対する
強度が高く、耐久性があり、コスト的にも有利な
バー回転式スクリーン装置を提供しようとするも
のである。

考案の構成 上記目的を達成するために本考案におけるバー
回転スクリーン装置は、左右２列のキヤリングチ
エーン１にバースクリーン７を取付けたバケツト
フレーム６を上下に連らなるようにリンク結合し
てバー回転式スクリーン１０となし、このバー回
転式スクリーンを上下スプロケツトホイール間に
引掛して回送するように水路に配備した水路用自
動除塵機において、前記バケツトフレーム６のバ
ースクリーン７の下半分に全長より短かいバー
７′を介装してバースクリーンの上半分７ａは大
きいバー間隔ａに、また下半分７ｂを上半分のバ
ー間隔より小さいバー間隔ｂに形成してなるもの
である。

実施例 以下実施例を図面について説明する。

第５図は本考案を実施した除塵機全体を示す。

同図において、キヤリングチエーン１は、水路
の左右両側に位置するよう水上部の台枠２軸支し
た駆動側のスプロケツト３と水中底部に軸支した
下部スプロケツト４との間に張掛されてモータ５
により一定の速度で矢印イの方向へ回送される。

バケツトフレーム６はこの左右２列のキヤリン
グチエーン１に上下に隣接するもの同志が隙間を
生じないように結合して一つの無端帯状の回転式
スクリーン１０となす。

各バケツトフレーム６には、その背面に櫛状の
バーを一定間隔に列設したバースクリーン７を取
付けるが、そのバーの間隔は第１図に示すように
上半部７ａと下半部７ｂとで大小異つた間隔ａ，
ｂとなす。

バースクリーンのバー間隔は通常40mm程度が標
準とされ、それを従来は全部のバケツトフレーム
６，６……に取付けるものであるが、本実施例で
は上半部７ａの間隔ａを40mm、下半部７ｂの間隔
ｂをその約２分の１又は第４図の実施例のように
３分の１程度とする。

下半部７ｂには短かいバー７′を従来の長いバ
ーの間にデイスタンスピース１５にて取付けるよ
うにする。

作用及び効果 モータ５の駆動によりキヤリングチエーン１と
共に各バケツトフレーム６，６……を所定方向に
駆動すると、上昇側（第４図の左側）を上向きに
移動するバケツトにより水中に浮遊する水母その
他の塵芥物を掬い上げそれを水上部のリタン側で
反転することによりシユート９を経て排水溝１１
へ排出せしめられる。

上昇側の各バケツトフレーム６，６で掬い上げ
られた水母等はバースクリーン７で受け止められ
るが、上半部７ａのバー間隔ａが大きく、下半部
７ｂのバー間隔ｂが小さいので小水母や小魚等、
従来目開の大きいバースクリーンからは通り抜け
ていたようなものが下半部７ｂで掬い取られる。

本考案は上述のように、バケツトフレーム６に
取付けられるバースクリーン７のバー間隔を上半
部７ａは大きく、下半部７ｂは小さいバー間隔
ａ，ｂに形成されているのでスクリーン下半部の
通水抵抗を小さくして小クラゲや小魚等の通り抜
けを制御するとともに、バケツトとして作用する
下半部分の構造をバーの間隔を狭くして縦に並べ
ることによつて強度梁として機能し、その為水圧
に対する強度が著るしく高められ、簡単な構成で
耐久性があり、コスト的にも有利であるという実
用的効果が期待できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示すバー回転式スク
リーンの右側一部の正面図、第２図は第１図Ａ−
Ａ線の断面図、第３図及び第４図はバースクリー
ンの第１第２実施例の一部拡大正面図、第５図は
本考案を実施したロータリ式水路除塵機全体の側
面図である。 １……キヤリングチエーン、３，４……スプロ
ケツト、５……モータ、６……バケツトフレー
ム、７……バースクリーン、７ａ……上半部、７
ｂ……下半部、ａ，ｂ……バー間隔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右２列のキヤリングチエーン１にバースクリ
   ーン７を取付けたバケツトフレーム６を上下に連
   らなるようにリンク結合してバー回転式スクリー
   ン１０となし、このバー回転式スクリーンを上下
   スプロケツトホイール間に張掛して回送するよう
   に水路に配備した水路用自動除塵機において、前
   記バケツトフレーム６のバースクリーン７の下半
   分に全長より短かいバー７′を介装してバースク
   リーンの上半分７ａは大きいバー間隔ａに、また
   下半分７ｂを上半分のバー間隔より小さいバー間
   隔ｂに形成してなることを特徴とするバー回転式
   スクリーン装置。