JPH04120098A - 細胞増殖制御物質 - Google Patents

細胞増殖制御物質

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JPH04120098A
JPH04120098A JP2238944A JP23894490A JPH04120098A JP H04120098 A JPH04120098 A JP H04120098A JP 2238944 A JP2238944 A JP 2238944A JP 23894490 A JP23894490 A JP 23894490A JP H04120098 A JPH04120098 A JP H04120098A
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cells
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pdgi
approximately
tgf
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敏一 中村
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は細胞増殖制御物質に関する。
(従来の技術) 細胞増殖を制御する因子としては、従来からトランスフ
ォーミング増殖因子β(Transforming  
growth  factor−β、以下rTGF−β
」という)が知られていた。TGFβは1978年にM
uSV(マウスRNA肉腫ウィルス)で形質転換した細
胞の培養上清から発見された蛋白質であって、正常ラッ
ト腎臓由来のNRK細胞の軟寒天中における増殖を促進
する因子である。
TGF−βは、形質転換(トランスフォーメーション)
に関連することがら、トランスフォーミング増殖因子と
名つけられ、腫瘍細胞に特異的に存在する物質と考えら
れていた。
しかし、その後の研究成果により、TGF−βは正常組
織、とくに血小板に多く存在することが解明され、形質
転換のみならず生体内における多様な生理現象に関与す
ることか明らかとなった。
ヒト血小板から最初に純化されたTGF−βは現在TG
F−β1と命名され、TGF−β類縁物質としては、こ
れまでもヒト、ラット、ブタ、ニワトリ等からβ1〜β
5の5種類が発見されている。
TGF−βは哺乳動物のほとんど全ての細胞に対して何
らかの作用を示し、また種々の疾患に対しての治療的応
用が期待されている。TGF−βの主な作用として、正
常培養線維芽細胞など間葉系の細胞に対する増殖促進、
肝細胞など上皮系細胞に対する増殖抑制、細胞分化の制
御、T細胞など免疫系細胞に対する増殖抑制、造血系細
胞に対する増殖制御などがin  vitroで確認さ
れており、生体中での活性としては、創傷治癒の促進、
骨代謝、肝再生停止などへの関与が見いだされている。
他方、TGF−β1の構造についての研究も進められ、
これまでの研究では、TGF−β1は390個のアミノ
酸からなる前駆体く潜在型)として作られ、C末端側の
112個のアミノ酸に切断されたポリペブタイトが2分
子てダイマーとなり、活性型となることが解明されてい
る。
TGF−βまたはその部分ペプタイドは動物細胞からの
精製や遺伝子組換え細胞での発現によって製造すること
ができ、臨床面への応用としては、例えば上皮系細胞の
増殖促進活性を利用した火傷、手術後などの創傷治癒剤
、湿疹治療剤、骨形成への関与から骨粗しよう療治療剤
、免疫系細胞の増殖抑制から臓器移植や免疫疾患におけ
る免疫制御などへの利用が試みられている。
しかし、TGF−βの臨床応用には重大な問題が伴って
いた。すなわち、TGF−βが、その名の由来のとおり
正常細胞をガン化させる作用、すなわちトランスフォー
メーション活性を有するという重大な欠陥である。TG
F−βを人体に投与するとガンを誘発する危険が大きく
、この点がTGF−βの実用化に対する大きな障害とな
っていた。
(発明が解決しようとする課題) TGF−βは上記のように種々有効な作用効果をもち、
臨床への応用が期待されているにもかかわらず、ガン化
作用を有することか大きな障害となっていた。
したかって、TGF−βの有する有効な作用効果を保持
しながら、ガン化活性(トランスフォーメーション活性
)を有しない物質は、TGF−βの最大の欠点を除去し
、医薬品として理想的な物質としてその開発が待望され
ていた。
待望される活性としては、 ■in  vitroにおける正常培養線維芽細胞など
間葉系の細胞に対する増殖促進、肝細胞など上皮系細胞
に対する増殖抑制、細胞分化の制御、T細胞など免疫系
細胞に対する増殖抑制、造血系細胞に対する増殖抑制な
どの活性を有すること、■iHvivoにおける創傷治
癒の促進、並びに骨代謝、肝再生停止への関与などの活
性を有すること、                 
 かつ、■トランスフォーメーション活性(正常ラット
腎臓由来ファイフロブラストNRK−49F細胞の軟寒
天中でのコロニー形成誘導に代表される)を有しないこ
と、 の全てを充足する生理活性物質を製造することが課題と
されていた。
(課題を解決するための手段) 本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を続け
、本発明を完成するに至った。
本発明は、 (1)下記物性を有するヒト血小板由来細胞増殖制御物
質PDGI−α。
記 ■IN酢酸水溶液においてバイオゲルP60に吸着せず
、pH8条件下でS−セファロースに吸着する。
2100℃、3分間処理によって約50%失活し、0.
065Mジチオスレイトールによって100%失活する
が、IN酢酸には安定である。
■5DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による分子
量の測定において、非還元条件下で約26kDの単一バ
ンドを、還元条件下で約13kD、約8kD、約5kD
の3本のバンドを示す。
■C4逆相ゲルカラムにおいて、35〜50%アセトニ
トリル水溶液傾斜溶出法でほぼ37〜39%フラクショ
ンに溶出する。
■ラット肝細胞を含む正常動物上皮系組mMA胞の増殖
を抑制し、正常線維芽細胞の増殖を促進するが、しかし
軟寒天中においてNRK−49F細胞のコロニー形成を
促進する活性を示さない。
(2)下記N末端アミノ酸配列を有し、かつ、還元条件
下5DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動における分
子量が下記である3個のサブユニットからなるヒト血小
板由来細胞増殖制御物質PDGI−α。
a、ALDTNYCFSSTE、約13kDb、ALD
TNYCFSSTE、約8kDc、NQHNPGASA
APC,約5kD(3)下記アミノ酸配列を有する3個
のサブユニットからなり、S−8結合してなるヒト血小
板由来細胞増殖抑制物質PDGI−α。
記 a、ALDTNYCFSS YIDFRKDLGW ANFCLGPCPY VLALYNQHNP QALEPLPIVY LSNM I VR8CK b、ALDTNYCFSS Y I DFRKDLGW ANFCLGPCPY LALY c、NQHNPGASAA LP I VYYVGRL PCCVPQALEP PKVEQLSNM I TEKNCCVRQL KW I HE PKGYH IWSLDTQYSK GASAAPCCVP YVGRLPKVEQ TEKNCCVRQL KW I HE PKGYH IWSLDTQYSK VR3CKC3 の発明である。
本発明のポリペブタイドにおいて、Aはアラニン、Cは
システィン、Dはアスパラギン酸、Eはグルタミン酸、
Fはフェニルアラニン、Gはグリシン、Hはヒスチジン
、■はインロイシン、Kはリジン、Lはロイシン、Mは
メチオニン、Nはアスパラギン、Pはプロリン、Qはグ
ルタミン、Rはアルギニン、Sはセリン、Tはスレオニ
ン、■はバリン、Wはトリプトファン、Yは千ロジンの
各アミノ酸を示す。
本発明を完成するに至った経緯は次のとおりである。
本発明者は、まず、動物組繊細胞に由来し成熟ラット初
代培養肝細胞のiHvitroにおける増殖を促進する
因子である生理活性ポリペブタイドを発見し、成熟肝細
胞増殖因子(Hepat6cyto  Growth 
 Factor、HGF)と命名しくBiochem 
 Biophys  Res  Commun、122
,1450.1984)、その構造を解明する事に成功
したくヒトHGF : Nature、342,440
.1989)。
つぎに、HGFを研究する課程において、HGFと同様
ヒト血小板中に存在するある種のベグタイド群が、HG
Fと逆に培養肝細胞の増殖を強く抑制する作用を持つ事
を発見したが、そのひとつがTGF−βであった。
本発明者はさらに研究を重ね、TGF−βに近い構造を
持ち、培養肝細胞の増殖を抑制する作用を有しながら、
TGF−βとは全く異なり、トランスフォーメーション
活性、すなわちNHK−49F細胞の軟寒天中でのコロ
ニー形成を誘導する活性を全く示さない物質が存在する
事を発見した。さらにその構造を解明し、これを蛋白質
として得る事に成功し、本発明を完成するに至った。
本発明の蛋白質は次のようにして得ることができる。
例えば、ヒト血小板由来トランスフォミング増殖因子T
GF−βに、チロシンのカルボニル側ペプチド結合を特
異的に切断する酵素、例えば、キモトリプシンまたペプ
シンを低温(約0〜2℃)下で約1週間にわたり作用さ
せることによって得ることかてきる。
また、例えば、実施例1に示した方法にしたがって、ヒ
ト血小板から抽出精製することができる。すなわち、ヒ
ト血小板を超音波粉砕したのち遠心分離し、セファクリ
ルS−300,バイオケルP−60、S−セファロース
の各ゲルカラムで精製した後、C4逆相シリカゲル高速
液体クロマトグラフィーにより精製品を得ることができ
る。
また、本発明の物質は、サブユニットa、b、cからな
り、このうちサブユニットbおよびCは、サブユニット
aのポリペブタイトが65番目と66番目の間で切断さ
れた配列と一致する事から、サブユニットaのポリペブ
タイドをコートする塩基配列を有する遺伝子を宿主細胞
に組み込んで発現させ、夕“イマーを形成させた後、適
切な酵素を用いて切断し、得ることができる。
さらに具体的には、通常用いられる遺伝子工学的な手法
、例えば次のような手順によって各サブユニットを製造
することができる。すなわち、0人の組m細胞や血液、
血漿から抽出したmRNAを鋳型としてcDNAを合成
し、大腸菌由来プラスミドp BR322、あるいはバ
クテリオファージλgt11などの組み換えベクターに
組み込む。
■大腸菌E、coli  NM514などの宿主細胞に
組み込んでcDNAライブラリーを作成する。
■本発明のPDGI−αのアミノ酸配列をコードする塩
基配列に基づいて合成した部分オリゴヌクレオチドを3
2pなどの放射性元素でラベルしたプローブを用いてコ
ロニーハイブリダイゼーション法またはプラークハイブ
リダイゼーション法など゛によって目的のcDNAを選
択する。
■マクサムとギルバートの化学法(Proc  Nat
l  Acad  Sci、74,560.1977>
などによりcDNA配列を決定し、 ■PDGI−αのサブユニットaの全アミノ酸配列をコ
ードするcDNAを含有するベクターから制限酵素によ
ってcDNAを切り出し、 ■適切な発現ベクター、例えば大腸菌由来のプラスミド
pBR322、あるいは腫瘍ウィルスSV40などに制
限酵素とDNAリガーゼを用いて組み込み、■マウスC
127細胞やサルC03i胞に導入して発現させて得る
ことができる。
つぎに、こうして得られたa、b、c、3種のサブユニ
ットを化学的、または酵素的に結合させることによって
PDGI−αを得ることができる。
あるいは、サブユニットaのみを化学的、または酵素的
に結合させてダイマーとした後、セリンプロテアーゼな
どの適切なエンドプロテアーゼにより一方のサブユニッ
トのN末端から65番目の千ロジンと66番目のアスパ
ラギンの間に切断を入れることによりPDGI−αを得
ることがてきる。
(実施例) 以下、本発明の実施例について述べるが、もとより本発
明がこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1 (1)ヒト血小板からのPDGI−αの単離・精製。
本発明のPDGI−αは以下の手順に従ってヒト血小板
から単離・精製した。
ヒト血小板濃厚溶液2,000人分を30QXg、5分
間遠心分離し、赤血球を除去した。上清を回収し、10
,000Xg、15分間遠心分離し、得られた沈澱を約
8,000m1の水冷リン酸生理食塩水(以下rPBS
、という)(10mM  EDTA添加、pH7,4)
で2回遠心洗浄した後、約2,500m1の氷冷PBS
 (10mll  EDTA、pH7,4で懸濁し、2
5,000Xg、40分間遠心分離した。
得られた沈澱を約5.000m1の氷冷PBS (10
mll  EDTA、pH7,4)に懸濁し水冷しなが
ら超音波処理(インンネーター モデル200M、クボ
タ社)した。充分に粉砕した後105.O○0×g、6
0分間遠心分離し、上清を限外ろ過膜(ミニタン cu
t  off  10,000、ミリボア社)にて約1
0倍に濃縮した。PBS (6M  尿素、pH7,4
>にて28間透析後、尿素を8MG′ニー調整し、10
5.000Xg、30分間遠心分離し上清を得た。
精製は、後記(2)に記載した方法に従って細胞増殖抑
制活性を指標として行った。
上記の試料をセファクリルS−300(ファルマシア社
)ゲルカラムにて精製しく第1図)、溶出された活性画
分を限外ろ過膜にて濃縮した。IN酢酸水溶液にて透析
した後、バイオゲルP−60ゲルカラムにて分離精製し
た。非吸着画分を凍結乾燥した後、IN酢酸水溶液にて
再溶解し、6M尿素を含む25mMTr i 5−HC
1g衝液(pH8,0)にて透析した。S−セファロー
ス(ファルマシア社)ゲルカラムに試料を添加し、非吸
着成分を同緩衝液にて洗浄した後、吸着画分をO−1M
NaC1水溶液のリニアグラジェントにて溶出しな(第
2図)。また、非吸着成分からTGF−β1を単離精製
した。
以下本発明の実施例では、このTGF−β1をTGF−
β標品として用いた。
得られたPDGI−α画分をダイアフローメンブレンY
M−10(cut  off  10,000、アミコ
ン社)にて濃縮後、0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に
てYMCC4HPLCカラムに流し非吸着成分を同溶媒
にて洗浄した。0−90%アセトニトリル水溶液のリニ
アグラジェントにて溶出し、得られたPDGI−α画分
から減圧によりアセトニトリルを除去した後、0.1%
へブタフルオロ酢酸水溶液にてYMCC4HPLCカラ
ム(C4逆相ゲルカラム)に流した。非吸着成分を同溶
媒にて洗浄した後、35〜50%アセトニトリル水溶液
のリニアグラジェントにて溶出し、37〜39%フラク
ションにおいて精製PDGI−αを得た(第3図)。
精製PDGI−α、および本実施例中で得たTGF−β
を5DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動にて分離し
、銀染色した結果を第4図に示す。PDGI−αは約2
6kD、TGF−βは約25kDの分子量を示した。
(2)成熟ラット初代培養肝細胞に対する増殖抑制作用
本実施例におけるPDGI−α細胞増殖抑制作用は、以
下の手法により成熟ラット初代培養肝実質細胞を用いて
測定した。
ウィスター系ラットからコラーゲン還流法により肝実質
細胞を分離精製した。得られた肝実質細胞を5%の仔ウ
シ血清を釜むウィリアムスE培地(フローラボラトリー
社)に2.5×405個/ mlの濃度で懸濁し、24
ウェルマルチブレートに0.5ml/ウェルづつ播いた
。5%C○2.30%02.65%N2の条件下、37
℃で20時間培養後、1×10−7Mインスリン(シグ
マ社) 、10ng/m1EGF(組換えヒトEGF、
アース化学社)を含む無血清ウィリアムスE培地に交換
すると共に、2.5■/m1のウシ血清アルブミンを含
むリン酸食塩緩衝液に所定量のサンプルを溶解した溶液
50μmを添加した。
12時間培養後1 、25μc i /mlの[3H]
デオキシチミジンを10μl/ウェル加え、コントール
群には[3H]デオキシチミジン添加15分前に5μg
/ mlのアフィディコリンを添加した。さらに24時
間培養してトリチウムラベルした後、細胞をPH7゜4
のリン酸食塩緩衝液で2回洗浄し、冷10%トリクロロ
酢酸水溶液で固定した。細胞を1ウエル当たり0.5m
lのIN水酸化ナトリウム水溶液で可溶化し、その放射
能をガンマカウンターにより測定した。
また放射能測定後の試料を一部をとってローリ−法に従
い蛋白質量を測定した。被検試料を添加したとき肝実質
細胞に取り込まれたトリチウムの量をコントロールとの
カウントの差として求め、これをラット肝実質細胞蛋白
質1■当たりに換算して、DNA合成活性(cpm/■
蛋白質)とした。
実施例2  PDGI−αのN末端アミノ酸配列の決定
実施例1で得られた精製PDGI−α、およびTGF−
β(実施例1のPDGI−α精製過程において得られた
)を2−メルカプトエタノール水溶液に溶解し、加熱処
理によって還元した後5DS−ポリアクリルアミドゲル
電気泳動にて分離した。その結果、第5図に示す如<T
GF−βは約13kDの単一のバンドを示すのに対して
、PDGI−αは約13kD、約8kD、約5kDの3
本のバンドを示した。これによりTGF−βが同じ分子
量を持つ2個のサブユニットからなるのに対して、PD
GI−αが異なる分子量を持つ3個のサブユニットから
なることが明らかとなった。以下各サブユニットをa(
約13kD>、b(約8kD>、C(約5kD>と呼ぶ
。PDGI−αを分離したケルから各ハントに相当する
部分を切り出し、PBS (pH7,4)にて抽出し、
ペプチドシークエンサ−(477、A型、アブライトバ
イオシステムズ社)を用いてN末端アミノ酸配列を決定
した。その結果、a : ALDTNYCFSSTE、
b : ALDTNYCFSSTE、c : NQHN
PGASAAPCであった。
実施例3  PDGI−αの全アミノ酸配列を次のよう
にして決定した。
実施例1で得られた精製PDGI−αを、2−メルカプ
トエタノール水溶液に溶解し加熱処理によってシスティ
ン結合を還元した後、各サブユニットペプチド鎖の極性
を下げるため塩化メタンスルフォニルによりN末端をメ
チルスルホン化した。Q 、  19,1゜トリフルオ
ロ酢酸水溶液にてYMCC4HPLCカラムに流し、0
−50%アセトニトリル水溶液のリニアグラジェントに
て3サブユニツトを分離した。
得られた各サブユニットをそれぞれキモトリプシン処理
し、再度HPLCにて分離し、得られた10〜30アミ
ノ酸残基のペプチド鎖断片をペプチドシークエンサーを
用いてN末端アミノ酸配列を決定した。
その結果、3サブユニツトのアミノ酸配列を次の通り決
定した。
a、ALDTNYCFSS  TEKNCCVRQLY
IDFRKDLGW  KWIHEPKGYHANFC
LGPCPY  IWSLDTQYSKVLALYNQ
HNP  GASAAPCCVPQALEPLPIVY
  YVGRLPKVEQLSNMIVR8’CK  
C3 b、ALDTNYCFSS  TEKNCCVRQLY
IDFRKDLGW  KWIHEPKGYHANFC
LGPCPY  IWSLDTQYSKLALY c、NQHNPGASAA  PCCVPQALEPL
PIVYYVGRL  PKVEQLSNMIVR3C
KC8 実施例4  PDGI−αのラット肝細胞に対する増殖
抑制作用およびNRK−49F細胞軟寒天中でのコロニ
ー形成に対する促進作用に関して、TGF−βとの比較
を行った。
実施例1で得られた精製品を用いて、本発明のPDGI
−αの作用効果をTGF−βと比較した。
細胞増殖抑制活性は、実施例1(2)記載の方法に従っ
て成熟ラット初代培養肝実質細胞に対する増殖抑制作用
により確認した。
トランスフォーメーション活性は以下の方法に従い、N
RK−49F細胞の軟寒天中でのコロニー形成に対する
促進作用の有無により確認した。
NRK−49FM胞は10%のウシ胎児血清を含むダル
ベツコのイーグル培地(フローラボラトリー社、米国:
以下DMEとする〉で前培養しトリプシン処理した後、
遠心により細胞を集めた。10%のウシ胎児血清を含む
DMEO13%寒天培地を40℃に保ち、NRK細胞を
3,000個/ mlの濃度となるよう添加し懸濁した
後、上皮細胞成長因子EGF(マウス顎下腺由来>2n
g/lnl相当にPDG IαとTGF−βを各々所定
量PBSに溶解したものを添加した。35ntm径のシ
ャーレに、10%ウシ胎児血清を含むDMEo、6%寒
天培地を2mlずつ播き、冷却固化後NHK細胞を懸濁
した0、3%寒天培地を1mlづつ播いた。室温にて固
化させた後、10%C○ 、 ’) 59602.65
%N2の条件下37°Cて10日間培養した。培養終了
後、10%フォルマリンを含むPBSを添加して固定し
、顕微鏡観察により直径50μm以上のコロニー数をカ
ウントした。
結果を第6図に示す。肝細胞に対する増殖抑制作用は両
者とも用量依存的に作用し、はとんど差を認めない。他
方、NRK細胞のコロニー形成については両者に大きな
違いが認められる。すなわち、TGF−βは明らかにコ
ロニー形成の促進作用を有し、その用量依存性は肝細胞
増殖抑制作用の増大に一致しているのに対して、PDG
I−αはコロニー形成を促進せず、肝細胞増殖抑制がピ
ークに達する濃度の2倍量の添加によってもコロニー形
成は誘導されなかった。
これにより、本発明のPDGI−αは肝細胞に対する増
殖抑制作用に関してはTGF−βと同じ作用効果を有す
るが、トランスフォーメーション活性を有さないことが
明らかとなった。
また、本実施例におけるNRK−49F細胞の実験終了
時のコロニー形成状態について、顕微鏡観察した結果を
第7図に示す。
実施例5 上皮系細胞に対する本発明のPDG Iαの
増殖抑制効果についてTGF−βとの比較を行った。
本発明のPDGI−αの細胞増殖抑制効果を、株化され
た上皮系細胞であるA431とBRL−3Aについて検
討した。A431細胞、B RL −3A細胞はガン研
究振興財団のce 11  bank (JCRB)よ
り入手した。各細胞を10%のウシ胎児血清を含むDM
E培地で前培養し、遠心により細胞を集めた。各細胞を
同培地で1.0XIO’個/mlに懸濁し、0.5ml
ずつウェルに播いた。24時間培養後、所定量のPDG
I−αおよびTGF−βを添加した同培地に移した。2
0時間培養後、0.5μCiの[125I]デオキシウ
リジンを各ウェルに添加した。さらに4時間培養して細
胞に[125I]を取り込ませた後、細胞をpH7,4
のPBSで2回洗浄し、冷10%トリクロロ酢酸水溶液
で固定し、1ウエル当たり0.5mlのIN水酸化ナト
リウム水溶液で細胞を可溶化し、その放射能をカンマカ
ウンターにより測定した。結果は1ウエル当たりのカウ
ント(c pm/we l 1 )で表示した。
その結果、第8図に示す如<A431細胞(第8図−a
)に対する増殖抑制作用は、PDGI−αとTGF−β
との間に全く差を認めず、BRL−3A細胞(第8図−
b)についても作用濃度にやや差はあるが、同様の増殖
抑制作用を示した。
(発明の効果) 本発明のPDGI−αは、TGF−βと同じように肝細
胞の増殖を抑制する作用効果を有する。他方、TGF−
βとは異なって、ガン化活性(トランスフォーメーショ
ン活性)をもたないという重要な作用効果を有する。
このため、細胞ガン化の副作用を有しない安全な細胞増
殖抑制効果として、湿疹治療剤、骨粗しよう療治療剤、
免疫制御薬剤等への応用が期待される。
【図面の簡単な説明】
第1図はセファクリルS−300ゲルカラム精製におけ
る、蛋白質の溶出パターン。実施例1(1)。 連続する実線は492rvnにおける吸光度を示し、他
方、・はDNA合成量を表し、折線で結んだ。 第2図はS−セファロース精製における、蛋白質の溶出
パターン。実施例1(1)。連続する実線は492rt
ITlにおける吸光度を示し、他方、・はDNA合成量
を表し、折線で結んだ。破線は溶出溶媒のNaC1濃度
を表す。 第3図はC4逆相ゲルカラム精製における、蛋白質の溶
出パターン。実施例1(1)。実線は492訓における
吸光度、破線は、溶出溶媒のアセトニトリル濃度を表す
。 第4図は非還元条件下における、本発明のPDG I−
αとTGF−βの5DS−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動のパターン。実施例1(1)。 第5図は還元条件下における、本発明のPDG I −
αとTGF−βの5DS−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動のパターン。実施例2゜ 第6図は本発明のPDGI−αとTGF−βの、肝細胞
に対する増殖抑制作用(・実線)とNRK−49F;l
ff1胞の軟寒天中におけるコロニー形成誘導作用(○
破線)を表す。実施例4゜本発明のPDG Iαは肝細
胞に対する増殖抑制作用を有するが、NRK−49F細
胞の軟寒天中におけるコロニー形成誘導作用を示さない
。 第7図は本発明のPDGI−αとTGF−βの、NRK
−49F細胞の軟寒天中におけるコロニー形成誘導作用
を顕微鏡観察した写真。実施例4゜(1)はコントロー
ルとしてEGF (上皮細胞成長因子)2 pg / 
mlを添加し、(2)はEGF  2ng/mlととも
にTGF−β1 2ng/mlを添加した。(3)はE
GF  2ng/mlとともに本発明のPDG I−β
3 ng / tnlを添加した。(2)では直径50
μm以上のコロニーが形成されたが、(3)では形成さ
れなかった。 第8図は本発明のPDGI−αとTGF−βの、A43
1細胞(第8図−a〉とBRL−3A細胞(第8図−b
)に対する増殖抑制作用を表す。実施例5゜PDGI−
α(・実線)、TGF−β(○破線)とも増殖抑制作用
を示す。コントロールとして、l○%牛脂児血清のみ添
加〈△)したものは増殖を抑制せず、他方1026牛脂
児血清無添加(ム)のものは増殖を示さなかった。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 [1]下記物性を有するヒト血小板由来細胞増殖制御物
    質PDGI−α。 記 (1)1N酢酸水溶液においてバイオゲルP60に吸着
    せず、pH8条件下でS−セファロースに吸着する。 (2)100℃、3分間処理によって約50%失活し、
    0.065Mジチオスレイトールによって100%失活
    するが、1N酢酸には安定である。 (3)SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による
    分子量の測定において、非還元条件下で約26kDの単
    一バンドを、還元条件下で約13kD、約8kD、約5
    kDの3本のバンドを示す。 (4)C4逆相ゲルカラムにおいて、35〜50%アセ
    トニトリル水溶液傾斜溶出法でほぼ37〜39%フラク
    ションに溶出する。 (5)ラット肝細胞を含む正常動物上皮系組織細胞の増
    殖を抑制し、正常線維芽細胞の増殖を促進するが、しか
    し軟寒天中においてNRK−49F細胞のコロニー形成
    を促進する活性を示さない。 [2]下記N末端アミノ酸配列を有し、かつ、還元条件
    下SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動における分
    子量が下記である3個のサブユニットからなるヒト血小
    板由来細胞増殖制御物質PDGI−α。 記 a、ALDTNYCFSSTE、約13kDb、ALD
    TNYCFSSTE、約8kD c、NQHNPGASAAPC、約5kD [3]下記アミノ酸配列を有する3個のサブユニットか
    らなり、S−S結合してなるヒト血小板由来細胞増殖制
    御物質PDGI−α。 記 a、ALDTNYCFSSTEKNCCVRQLYID
    FRKDLGWKWIHEPKGYHANFCLGPC
    PYIWSLDTQYSKVLALYNQHNPGAS
    AAPCCVPQALEPLPIVYYVGRLPKV
    EQLSNMIVRSCKCS b、ALDTNYCFSSTEKNCCVRQLYID
    FRKDLGWKWIHEPKGYHANFCLGPC
    PYIWSLDTQYSKVLALY c、NQHNPGASAAPCCVPQALEPLPI
    VYYVGRLPKVEQLSNMIVRSCKCS
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