JP2003516110A - Comp/tsp−1、comp/tsp−2および他のtspキメラタンパク質 - Google Patents

Comp/tsp−1、comp/tsp−2および他のtspキメラタンパク質

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JP2003516110A
JP2003516110A JP2000596148A JP2000596148A JP2003516110A JP 2003516110 A JP2003516110 A JP 2003516110A JP 2000596148 A JP2000596148 A JP 2000596148A JP 2000596148 A JP2000596148 A JP 2000596148A JP 2003516110 A JP2003516110 A JP 2003516110A
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tsp
comp
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chimeric protein
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JP2000596148A
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ローラー,ジョン,ダブリュ.
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ベス イスラエル ディーコネス メディカル センター
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Abstract

(57)【要約】 腫瘍は、成長するための血管を血管形成と呼ばれるプロセスにより誘引する。刺激物質と阻害物質の相対量が血管形成の開始の重要な決定因子である。トロンボスポンジン−1と−2は、血管形成を阻害する能力を有する接着糖タンパク質である。この阻害活性は、TSP−1とTSP−2のタイプ1リピートに位置付けられている。本発明は、5量体の形成が可能なヒトカータリジオリゴメリックマトリックスプロテイン(cartilage oligomeric matrix protein)(COMP)のN−末端領域の一部に連結された、TSP−1、TSP−2、エンドスタチン、アンジオスタチン、血小板第4因子、またはプロラクチンの抗血管形成部分を含むキメラタンパク質を包含する。本明細書にはまた、これらのキメラタンパク質の発現および生産のための、核酸分子、ベクター、および宿主細胞が記載されている。本発明のさらなる態様は、ヒトまたは他の哺乳動物を抗血管形成タンパク質で処置し、腫瘍の大きさまたは成長速度を減少させる方法を包含する。TSP−1とTSP−2のタイプ1リピート領域はHIV感染を阻害することが報告されているので、これらのリピートを含むキメラタンパク質はまた、この目的のため、ならびに血管形成を阻害するために使用してよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 関連出願 本願は、1999年2月1日に出願された米国仮出願第60/118,053
号の利益を主張するものであり、その全教示は参照により本明細書に組み込まれ
る。
【0002】 発明の背景 トロンボスポンジンは、種々の細胞型により分泌され、発生的に調節される細
胞外マトリックス成分であるカルシウム結合多機能性糖タンパク質の1つのファ
ミリーである(Bornstein, P., FASEB J., 6:3290-3299, 1992; Bornstein, P.,
J. Cell Biol., 130:503-506, 1995)。それらの機能としては、細胞接着、細
胞移動および細胞増殖の調節がある。
【0003】 このファミリーのメンバーの1つであるカータリジオリゴメリックマトリック
スプロテイン(cartilage oligomeric matrix protein)(COMP)は5量体
であり、多量体化(multimerization)は鎖間ジスルフィド結合を形成するシス
テイン残基の前または後に位置する(アミノ酸配列において)α−ラセンセグメ
ントにより指向されるようである。COMPはこれまでに精製されている(Proc
hownik, E. V. ら、J. Cell Biol. 109:843-852 (1989)) 。骨成長の未成熟な停
止の結果としてかなり低い身長を有する、偽軟骨形成不全に罹患した個体はCO
MPタンパク質のエキソン17Bに変異を有することが示されている(Nature G
enetics 10:325-329 (1995))。
【0004】 インビトロアッセイでは、血小板トロンボスポンジン−1は血栓症、フィブリ
ン溶解、創傷治癒、炎症、腫瘍細胞転移および血管形成(angiogenesis)に関与
することが示されている。血小板および内皮細胞により分泌されるトロンボスポ
ンジンの主な形はTSP−1である。トロンボスポンジン−1(TSP−1)は
腫瘍成長を減少させる血管形成阻害物質である。トロンボスポンジン−2(TS
P−2)は類似の構造と特性を有する関連する糖タンパク質である。
【0005】 トロンボスポンジン タイプ1リピートは(TSR;本明細書では「繰り返し
領域」ともいう)血管形成とHIV感染を阻害することが示されている。しかし
ながら、該タンパク質の他の部分は内皮細胞成長に対し正の効果を有することが
示されている。トロンボスポンジン−1と−2はそれらの分子構造の点で類似し
ている。トロンボスポンジン−1とトロンボスポンジン−2は各々TSRの3つ
のコピーを有する。TSP−1とTSP−2は3量体分子である。従って、完全
に会合した各々のタンパク質は9つのTSRを含む。
【0006】 TSP−1とTSP−2は抗血管形成性であるが、これらのタンパク質は、抗
血管形成活性を消去するさらなる活性を有する他のドメインを含む。単離された
TSRは天然の分子よりも強力な血管形成阻害物質である。
【0007】 発達途上の腫瘍内への新たな毛細管ネットワークの成長は癌の進行に必須であ
る。従って、血管形成のプロセスを抑制する医薬品の開発は重要な治療上の目標
である。フォークマン(Folkman)による総説(Folkman, J., Proc. Natl. Acad
. Sci. USA 95:9064-9066, 1998) において指摘されるように、抗血管形成治療
は毒性がほとんどなく、腫瘍細胞に入るまたは血液脳関門を通過する治療剤を必
要とせず、腫瘍細胞の成長の不均一性とは独立に腫瘍成長を制御し、ならびに薬
物耐性を誘発しない。
【0008】 発明の概要 本発明は:(1)ヒトTSP−1の第2および第3のタイプ1リピートを含み
、また、TSP−1のプロコラーゲン相同領域を含んでもよいキメラタンパク質
;(2)ヒトCOMPの多量体化ドメイン、ヒトCOMPの第1のタイプ2リピ
ート、ならびにヒトTSP−1の第2および第3のタイプ1リピートを含むキメ
ラタンパク質;(3)ヒトCOMPの多量体化ドメイン、ヒトCOMPの第1の
タイプ2リピート、ならびにヒトTSP−1の第2および第3のタイプ1リピー
トを含むが、ヒトTSP−1のTGF−β活性化領域を含まないキメラタンパク
質;(4)ヒトCOMPの多量体化ドメイン、プロコラーゲン領域、ならびにヒ
トTSP−1の第1、第2、および第3のタイプ1リピートを含むキメラタンパ
ク質;(5)ヒトTSP−2の3つのタイプ1リピートを含み、また、TSP−
2のプロコラーゲン相同領域を含んでもよいキメラタンパク質;(6)ヒトCO
MPの多量体化ドメイン、ヒトCOMPの第1のタイプ2リピート、ならびにヒ
トTSP−2の3つのタイプ1リピートを含むキメラタンパク質;ならびに(7
)抗血管形成活性を有する上記のもののいずれかのバリアント(variants)、を
含むキメラタンパク質を包含する。本発明はさらに、上記キメラタンパク質のい
ずれかをコードする単離された核酸、これらの核酸を含むベクター、ならびに前
記ベクターのいずれかを含む宿主細胞を包含する。キメラタンパク質は宿主細胞
内で生産され得、腫瘍成長において生ずるような異常なまたは望ましくない血管
の増殖を特徴とする疾患または医学的症状の治療のための方法に使用し得る。
【0009】 発明の詳細な説明 本明細書中には、TSRの機能的な活性を有しているが、TSP−1またはT
SP−2に関連する他の活性を有しておらず、かつ多量体構造に組み立てられる
タンパク質が記載される。本発明の1つの実施形態は、アミノ末端の部分を使用
して、TSP−1またはTSP−2に由来する複数のTSRと、カータリジオリ
ゴメリックマトリックスプロテイン(COMP)の多量体アセンブリー領域とを
含むキメラタンパク質である。TSP−1および/またはTSP−2のプロコラ
ーゲン相同領域などのTSP−1またはTSP−2の他の部分をキメラタンパク
質に組み込むことができる。TSP−1の最後の2つのTSRが、好ましくは使
用される。これは、第1のTSRは、腫瘍成長を刺激するトランスフォーミング
成長因子β(TGF−β)を活性化する能力を有しているからである。COMP
アセンブリードメインは、5回撚られたα−ヘリックスドメインを自発的に形成
し、これにより、COMPドメインが5量体化の道具として使用されるようにな
る。
【0010】 従って、COMP/TSP−1構築物は、ヒトCOMPの第1のタイプ2リピ
ート(構築物はアミノ酸1〜128をコードする)と、ヒトTSP−1の第2お
よび第3のTSR(構築物はアミノ酸417〜530をコードする)との多量体
化領域を含有する。TSP−1の活性配列に関する表を参照のこと(The T
hrombospondin Gene Family(J.C.Adamsら
編)、Springer−Verlag、Heidelberg(1995年)
の第2章「トロンボスポンジン類の一次構造」からの採録)。組み立てられたタ
ンパク質は、10コピーのTSRを含有する5量体である。従って、COMP/
TSP−1およびCOMP/TSP−2は、TSP−1およびTSP−2よりも
大きな活性を有することが予想される。COMP/TSP−1およびCOMP/
TSP−2は、正しく折り畳まれて多量体になることが予想されるので、TSR
配列に基づくペプチドよりも良好に天然タンパク質を模倣する。
【0011】 COMPの第1のタイプ2リピートは、ゲノム配列に基づいてアミノ酸残基7
3〜130を含む。3’末端におけるCOMP配列の量は、活性を最大にするた
めに増大または減少させることができる。例えば、TSP−1またはTSP−2
のタイプ1リピートを発現タンパク質のアームにおいてさらに遠くに移動させる
ことによってその活性が増大する場合、COMPのタイプ2リピートを2つ以上
含むことができる。あるいは、COMPにおいて、あるいはTSP−1またはT
SP−2において天然には存在しない「スペーサー」配列を加えることができる
。COMP/TSP−2構築物は、COMPの同じ領域と、ヒトTSP−2の3
つのTSR(構築物はアミノ酸381〜550をコードする)とを含有する。C
OMP/TSP−2構築物が5量体に組み立てられた場合、このキメラタンパク
質は15個のTSRを含有する。これらのタンパク質はヒトタンパク質の部分に
由来するので、ヒトにおいて免疫原性を示さないはずである。
【0012】
【表1】
【0013】 1つの態様において、本発明は、そのアミノ酸配列がヒトTSP−1に由来す
る部分を有するキメラタンパク質をコードするポリヌクレオチドまたは核酸分子
を含む。ゲノム構造により、TSP−1のタイプ1リピートは、アミノ酸残基3
59〜414(第1)、アミノ酸残基415〜473(第2)およびアミノ酸残
基474〜531(第3)である。場合により、本発明のポリヌクレオチドによ
ってコードされるキメラタンパク質は、ヒトTSP−1の第2および第3のタイ
プ1リピートを含む。そのようなキメラタンパク質はまた、プロコラーゲン相同
領域とTSP−1の第1のタイプ1リピートとを含むことができる。TGF−β
を活性化するアミノ酸配列が生成物タンパク質に含まれ、そして抗血管形成活性
を低下させることが見出された場合、RFK配列は、キメラタンパク質をコード
する核酸分子または構築物の適切な操作によって、TGF−βを活性化させない
配列に(例えば、QFKに)変異させることができる。別の場合には、本発明の
ポリヌクレオチドによってコードされるキメラタンパク質は、そのアミノ酸配列
が図4Aおよび図4Bに示されるタンパク質の抗血管形成活性と質および量にお
いて類似する(例えば、アッセイにおいて1桁大きいか、または小さい)活性を
有する直前に記載されたキメラタンパク質のバリアントである。別の場合には、
本発明のポリヌクレオチドによってコードされるキメラタンパク質は、ヒトTS
P−1の第2および第3のタイプ1リピートと、ヒトCOMPの多量体化ドメイ
ンと、ヒトCOMPの第1のタイプ2リピートとを含む。別の場合には、本発明
のポリヌクレオチドによってコードされるキメラタンパク質は、そのアミノ酸配
列が図4Aおよび図4Bに示されるタンパク質の抗血管形成活性と質および量に
おいて類似する活性を有する直前に記載されたキメラタンパク質のバリアントで
ある。
【0014】 1つの態様において、本発明は、そのアミノ酸配列がヒトTSP−2に由来す
る部分を有するキメラタンパク質をコードするポリヌクレオチドまたは核酸分子
を含む。リピートの境界を明らかにするための方法を提供するヒトTSP−2遺
伝子のゲノム構造は決定されていない。場合により、本発明のポリヌクレオチド
によってコードされるキメラタンパク質は、ヒトTSP−2の3つのタイプ1リ
ピートを含む。別の場合には、本発明のポリヌクレオチドによってコードされる
キメラタンパク質は、そのアミノ酸配列が図5Aおよび図5Bに示されるタンパ
ク質の抗血管形成活性と質および量において類似する活性を有する直前に記載さ
れたキメラタンパク質のバリアントである。別の場合には、本発明のポリヌクレ
オチドによってコードされるキメラタンパク質は、ヒトTSP−2の3つのタイ
プ1リピートと、ヒトCOMPの多量体化ドメインとを含む。別の場合には、本
発明のポリヌクレオチドによってコードされるキメラタンパク質は、そのアミノ
酸配列が図5Aおよび図5Bに示されるタンパク質の抗血管形成活性と質および
量において類似する活性を有する直前に記載されたキメラタンパク質のバリアン
トである。
【0015】 本発明のポリヌクレオチドは、組換え法によって作製することができ、合成的
に作製することができ、酵素によってインビトロ系(例えば、PCR)またはイ
ンビボ系において(例えば、宿主細胞における複製に適切なベクターに挿入され
た場合には好適な宿主細胞により)複製することができ、あるいは方法を組み合
わせて作製することができる。本発明のポリヌクレオチドは、DNAおよびその
RNA対応物を含むことができる。
【0016】 本明細書中で使用されている「核酸」、「核酸分子」、「オリゴヌクレオチド
」および「ポリヌクレオチド」は、DNAおよびRNAおよびその化学的誘導体
を含む。これらに、ホスホロチオエート誘導体、ならびに放射性同位体、または
蛍光基、発色基もしくはビオチンなどの化学付加物(これらは「標識」と呼ぶこ
とができる)を有するRNA分子およびDNA分子が含まれる。DNAのRNA
対応物は、DNAが塩基T(チミジン)を有する分子内の部位に塩基U(ウラシ
ル)を有するとしてヌクレオチド配列が表され得るリボヌクレオチドユニットの
ポリマーである。
【0017】 単離された核酸分子またはポリヌクレオチドは天然の供給源から精製すること
ができ、あるいは組換え的に作製することができる。「単離された」として本明
細書中に示されるポリヌクレオチドは、それらが細胞内に存在する状態を越えた
状態に精製されたポリヌクレオチドである。そのようなポリヌクレオチドには、
本明細書中に記載された方法、類似する方法または他の好適な方法で得られるポ
リヌクレオチドが含まれ、そして化学合成によって、または生物学的方法および
化学的方法の組合せによって作製された本質的に純粋なポリヌクレオチド、なら
びに単離された組換えポリヌクレオチドもまた含まれる。核酸分子に関して本明
細書中で使用されている用語「単離された」は、問題としている分子が、自然界
で存在する環境とは異なる物理的環境で存在していることを示している。例えば
、単離されたポリヌクレオチドは、それが天然に存在する複雑な細胞環境に関し
て実質的に単離することができ、そして例えば、アガロースゲル電気泳動または
ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって、あるいはA260 /A280 測定によっ
て決定されるように本質的には均一にまで精製することさえでき、また加えられ
たさらなる補助因子または分子状安定化剤(例えば、緩衝剤または塩)をも有す
ることができる。
【0018】 本発明はさらに、本発明の単離された核酸分子によってコードされるポリヌク
レオチドを含む。従って、例えば、本発明は、第2および第3のタイプ1リピー
トを含むTSP−1の一部を含む融合タンパク質であって、自然界で見出される
ようなTSP−1に存在しない別の成分に連結された融合タンパク質に関する。
類似する様式で、本発明はまた、TSP−2あるいは第1の成分のような1つま
たは2つ以上の繰り返し領域などのその機能的部分を含む融合タンパク質であっ
て、自然界に見出されるようなTSP−2に存在しない別の成分に連結された融
合タンパク質に関する。別の成分は、アミノ酸、ペプチドまたはポリペプチドで
あり得るし、それ自身の酵素活性または結合活性を有し得る。第1の成分は、融
合タンパク質に対してN末端位置、C末端位置または内部に存在し得る。1つの
実施形態において、融合タンパク質は、すぐ上記に記載されるヒトTSP−1の
部分、またはヒトTSP−2もしくはその一部を第1の成分として含み、そして
リンカー配列および親和性リガンドを含む第2の成分を含む。
【0019】 本発明の別の態様は、本発明のキメラタンパク質またはそのバリアントを製造
する方法、ならびに本発明のキメラタンパク質の発現に適切なベクターを含有す
る発現システムおよび宿主細胞に関する。キメラタンパク質のバリアントには、
図4Aおよび図4Bならびに図5Aおよび図5Bのそのような配列とは異なるア
ミノ酸配列を有するバリアントが含まれる。この場合、そのようなバリアントは
、図4Aおよび図4Bならびに図5Aおよび図5Bの配列と比較して、数個(5
個〜10個、1個〜5個、あるいは3個、2個または1個など)のアミノ酸が、
任意の組合せで、置換、欠失または付加される。1つの実施形態において、バリ
アントは、キメラタンパク質の性質および活性を変化させないサイレントな置換
、付加および欠失を有する。バリアントはまた、1つまたは2つ以上のアミノ酸
残基が修飾された修飾ポリペプチドであり得る。変異体は1つまたは2つ以上の
修飾された残基を含む。
【0020】 本明細書中に記載されているタンパク質およびポリペプチドは、Tolsma
,S.S.ら、J.Cell Biol.、122(2):497〜511(1
993)に記載されるアッセイなどのアッセイ、ウシの副腎毛細管内皮細胞の培
養における遊走を測定するアッセイ、および活性について調べられる薬剤を含有
するスポンジへの細胞の遊走を調べるアッセイを使用することによってその血管
形成活性について評価することができる。抗血管形成活性をも調べるためにも改
造され得る血管形成性に関するさらなる試験が、Polverini,P.J.
ら、Methods.Enzymol.、198:440〜450(1991)
に記載されている。
【0021】 そのようなキメラタンパク質またはそのバリアントを発現する細胞が、単離す
るためのタンパク質を産生させるために作製され、そして発現に好適な条件のも
とで培養状態で維持され得る。これらの細胞は原核生物または真核性物であり得
る。発現のために(「宿主細胞」として;本明細書中では組織、細胞培養物、細
胞系統および細胞株の細胞を含む「細胞」)使用され得る原核生物細胞の例には
、大腸菌、枯草菌および他の細菌が含まれる。発現のために使用され得る真核生
物細胞の例には、サッカロミセス・セレビシェ(Saccharomyces
cerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosacc
haromyces pombe)、ピヒア・パストリス(Pichia pa
storis)などの酵母および他の下等真核生物細胞、ならびに昆虫および哺
乳動物に由来する細胞などの高等真核生物の細胞が含まれる。哺乳動物起源の好
適な細胞には、初代細胞、ならびにCHO細胞、HeLa細胞、3T3細胞、B
HK細胞、COS細胞、293細胞およびJurkat細胞などの細胞株が含ま
れる。昆虫起源の好適な細胞には、初代細胞、ならびにSF9細胞およびHig
h5細胞などの細胞株が含まれる。(例えば、Ausubel,F.M.ら編、
Current Protocols in Molecular Biolo
gy、Greene Publishing Associates and
John Wiley & Sons Inc.(1998年までの増補を含む
)を参照のこと)。
【0022】 1つの実施形態において、組換えキメラタンパク質、バリアントまたはその一
部を産生する宿主細胞は下記のようにして作製することができる。本明細書中に
記載されるキメラタンパク質をコードする遺伝子を、核酸ベクターに、例えば、
プラスミドなどのDNAベクター、ウイルスまたは他の好適なレプリコン(アデ
ノウイルスなどに由来するベクターなどの、遺伝子治療において使用される好適
なベクターを含む;例えば、Xu,M.ら、Molecular Geneti
cs and Metabolism、63:103〜109、1998を参照
のこと)に挿入することができ、1コピーまたは多コピーで存在し得るし、ある
いは遺伝子を宿主の細胞の染色体に組み込むことができる。好適なレプリコンま
たは組み込まれた遺伝子は、タンパク質またはバリアントのコード配列のすべて
または一部を含むことができ、これらは1つまたは2つ以上の発現制御領域に機
能的に連結されており、それにより、コード配列が転写シグナルの制御下に置か
れ、翻訳を可能にする適切な翻訳シグナルに連結される。ベクターは、宿主細胞
のタイプに適切な方法(例えば、形質転換、エレクトロポレーション、感染)に
よって細胞に導入することができる。遺伝子から発現させるために、宿主細胞は
、適切な条件(例えば、誘導因子の存在下、標準的な成長条件など)のもとで維
持することができる。このようにして産生されたタンパク質またはポリペプチド
は、好適な技術を使用して(例えば、細胞、細胞周辺腔、培養培地から)回収す
ることができる。
【0023】 本発明はまた、本発明の核酸によってコードされる単離されたタンパク質また
はポリペプチドに関する。単離されたタンパク質は、天然の供給源から精製する
ことができ、あるいは組換え的に作製することができる。本明細書中において「
単離された」として示されるタンパク質またはポリペプチドは、それらが細胞内
に存在する状態を越えた状態に精製されたタンパク質またはポリペプチドであり
、本明細書中に記載される方法、類似する方法または他の好適な方法で得られた
タンパク質またはポリペプチドを含み、そして本質的には純粋なタンパク質また
はポリペプチド、化学合成によって、あるいは生物学方法および化学的方法の組
合せによって作製されたタンパク質またはポリペプチド、ならびに単離された組
換えタンパク質または組換えポリペプチドをも含む。従って、本明細書中で使用
されている用語「単離された」は、問題としているポリペプチドが、その生合成
が行われた細胞とは異なる物理的環境で存在していることを示している。例えば
、単離されたCOMP/TSP−1キメラタンパク質またはCOMP/TSP−
2キメラタンパク質は、例えば、PAGEまたはカラムクロマトグラフィー(例
えば、HPLC)によって決定されるように本質的には均一にまで精製すること
ができるが、活性を高めるために精製タンパク質に加えられたさらなる補助因子
または分子状安定化剤を有することもできる。1つの実施形態において、タンパ
ク質またはポリペプチドは、SDS−ポリアクリルアミドゲルでのタンパク質の
クーマシーブルー染色によって決定されるように、純度が少なくとも約75%の
状態に、より好ましくは純度が少なくとも約85%の状態に、さらにより好まし
くは純度が少なくとも約95%の状態にまで単離される。
【0024】 キメラタンパク質または融合タンパク質は様々な方法で産生させることができ
る。例えば、キメラタンパク質は、BluescriptSK+/−(Stra
tagene)、pGEX−4T−2(Pharmacia)、pET−15b
、pET−20b(+)またはpET−24(+)(Novagen)などの好
適な発現ベクターにTSP遺伝子またはその一部を挿入することによって産生さ
せることができる。得られた構築物は、発現させるのに好適な宿主細胞に導入す
ることができる。発現させたとき、キメラタンパク質は、好適なアフィニティー
マトリックスによって細胞溶解物から精製することができる(例えば、Curr
ent Protocols in Molecular Biology(A
usubel,F.M.ら編、第2巻、16.4.1頁〜16.7.8頁、(増
補44(1998年)までの増補を含む)を参照のこと)。
【0025】 本発明のポリペプチドは、よく知られている方法で細胞培養物から回収し、精
製することができる。組換えタンパク質は、標準的な技術を使用して、硫酸アン
モニウム沈殿、ヘパリン−セファロースアフィニティークロマトグラフィー、ゲ
ルろ過クロマトグラフィーおよび/またはスクロース勾配超遠心分離によって精
製することができる。ポリペプチドを精製するために使用され得るさらなる方法
には、エタノール沈殿、酸抽出、アニオン交換クロマトグラフィーまたはカチオ
ン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互
作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルア
パタイトクロマトグラフィーおよび高速液体クロマトグラフィーが含まれる。ポ
リペプチドが単離または精製のときに変性した場合、タンパク質をリフォールデ
ィングさせるために知られている方法を使用して、活性な立体配座を再生させる
ことができる。
【0026】 COMP/TSP−1またはCOMP/TSP−2のハイブリッドタンパク質
をコードする遺伝子を構築する方法は、例えば、COMP/エンドスタチン、C
OMP/アンジオスタチン、COMP/血小板第4因子、またはCOMP/プロ
ラクチンをコードするポリヌクレオチド、ならびにそのようなポリヌクレオチド
を含むベクターおよび宿主細胞を作製するためにより広く適用することができる
。それぞれの場合において、全長のヒトのエンドスタチン、アンジオスタチン、
血小板第4因子(GenBankアクセション番号M25897)またはプロラ
クチン(GenBankアクセション番号V00566)をコードすることが知
られているポリヌクレオチドの一部を、COMP/TSP−1およびCOMP/
TSP−2のDNA構築物に関して本明細書中に例示されているように、COM
PのcDNAにクローニングするために選ぶことができる。従って、本発明はま
た、そのような核酸構築物によってコードされるキメラタンパク質のCOMP/
エンドスタチン、COMP/アンジオスタチン、COMP/血小板第4因子およ
びCOMP/プロラクチンを含む。COMP/エンドスタチンの構造の概略図に
ついては図6を参照のこと。
【0027】 さらに、エンドスタチン、アンジオスタチン、血小板第4因子またはプロラク
チンのコード領域の一部で、抗血管形成活性を有するポリペプチドをコードする
そのような部分を、TSP−1由来のポリペプチドと、エンドスタチン、アンジ
オスタチン、血小板第4因子またはプロラクチンに由来するポリペプチドとが、
「5−アームを有する」COMP多量体化5量体の同じ「アーム」にタンデム状
に融合して得られるように、COMP/TSP−1をコードするDNA構築物に
加え、または組み込むことができる。異なるタイプの2つ以上のキメラタンパク
質(例えば、COMP/アンジオスタチンおよびCOMP/TSP−1またはC
OMP/TSP−2)の「アーム」がCOMP多量体化ドメインにおいて連結さ
れるので、異なる発現構築物を同じ宿主細胞に導入することができる。
【0028】 キメラタンパク質の抗血管形成剤は、例えば、必ずしも血管形成を目的として
いない従来の化学療法、免疫療法または様々なタイプの遺伝子治療と組み合わせ
て、転移の再発を防止するために手術または放射線照射の後で使用することがで
きる。
【0029】 COMP/TSP−1P発現ベクターの構築 プロコラーゲン相同領域を含むキメラタンパク質(図6参照)であるCOMP
/TSP−1Pを産生させるために使用され得る発現ベクターは、2つの異なる
cDNAから作製することができる。COMP部分は、本明細書中に記載される
実施例のCOMP部分と同一である。TSP−1については、新しいフォワード
プライマー(GAT GAC GTC ACT GAA GAG AAC AA
A GAG)(配列番号:14)と、実施例に記載されるのと同じリバースプラ
イマーとを使用して、サイズが約750塩基対であり、5’末端でのAatII
制限エンドヌクレアーゼ部位と3’末端でのXbaI制限エンドヌクレアーゼ部
位とを有するPCR産物を作製することができる。生成物は、アミノ酸284〜
530をコードし、プロコラーゲン相同領域(エキソン6および7)およびタイ
プ1リピートを有する。第1のタイプ1リピートに存在するTGF−β活性化配
列(RFK)を含むことによって抗腫瘍活性が低下することが見出される場合、
この配列は、オリゴヌクレオチドによる変異誘発キット(Amersham製)
を使用して不活性な配列(例えば、QFK)に変異させられる。COMP/TS
P−1P発現ベクターは、AatIIおよびXbaIでPCR産物を切断し、そ
して同じ酵素で切断されたCOMPcDNAにクローニングすることによって構
築することができる。タンパク質は、COMP/TSP−1およびCOMP/T
SP−2に関して記載されている方法を使用して発現させることができる。
【0030】 COMP/エンドスタチン発現ベクターの構築 TSP−1およびTSP−2の多量体を作製するための方法を使用して、他の
抗血管形成タンパク質の多量体を作製することができる。例えば、エンドスタチ
ンの活性な領域がPCRにより調製され、COMPcDNAにクローニングされ
た場合、この構築物を発現させると、5量体構造のエンドスタチンを作製するこ
とができる(O’Reilly M.D.ら、Cell、88:277〜285
(1997))。さらに、COMP/TSP−1遺伝子およびCOMP/エンド
スタチン遺伝子を同じ細胞内で同時に発現させると、COMP/TSP−1サブ
ユニットおよびCOMP/エンドスタチンサブユニットの混合5量体が作製され
る。この混合多量体は、1個の治療剤が送達されることによる2つの薬品での同
時処置を可能にする。この2つの薬剤の付加的または相乗的な作用により、それ
ぞれの薬品の単独での作用と比較して、この薬品の効力を著しく増大させること
ができる。例えば、アンジオスタチンおよびエンドスタチンを用いた混合療法に
より、マウスの腫瘍は根絶された(Boehm,T.ら、Nature、390
:404〜407、1997)。
【0031】 エンドスタチンのcDNAは、肝臓cDNAのPCRにより、またはコラーゲ
ンXVIII(GenBankアクセッション番号L22548)の単離された
cDNAクローンから調製することができる。ヒトエンドスタチンcDNAは、
フォワードプライマーGAT GAC GTC CAC AGC CAC CG
C G(配列番号:15)およびリバースプライマーGAT TCT AGA
CTA CTT GGA GGC AGT CAT G(配列番号:16)を用
いるPCRにより作製しうる。得られるPCR産物は、およそ560塩基対であ
り、ヒトエンドスタチンのアミノ酸1〜184をコードする(Sasaki, T.ら、EM
BO J., 17:4249-4256,1998)。COMP/エンドスタチン発現ベクターは、PC
R産物をAatIIおよびXbaIで切断し、同酵素で切断したcDNAにクロ
ーニングすることにより構築することができる。該タンパク質は、COMP/T
SP−1およびCOMP/TSP−2のための本明細書に記載の方法を用いて発
現させうる。アンジオスタチンは、ルイス肺癌を有するマウスから単離された場
合、プラスミノーゲンの最初の4個のクリングルドメイン(アミノ酸98〜44
0)を含む(O'Reilly, M.S.ら、Cell 79:315-328,1994)。より少ない数のクリ
ングルドメインを含む、より小さい構築物もまた、公表されたデータ(Griscell
i, F. ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95:6367-6372,1998)に基づけば活性で
あるはずであることは注目すべきである。プロラクチンの16,000ダルトン
のフラグメントおよび血小板第4因子もまた、血管形成を阻害することが報告さ
れている(Clapp, C. ら、Endocrinology 133:1292-1299, 1993; Gapta, S.K.ら
、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:7799-7803,1995)。
【0032】 本発明はまた、生物学的成分として哺乳類組織において血管形成を阻害するた
めの抗血管形成キメラタンパク質またはそのバリアントを含有する組成物、なら
びに血管形成活性を特徴とするかまたはそれに関連する疾患および症状の治療に
おけるかかる組成物の使用を包含する。かかる方法は、経口、局所、注射、移植
、徐放、またはその成長を阻害すべき細胞に1種またはそれ以上の抗血管形成キ
メラタンパク質を接触させる他の送達方法による投与を含みうる。
【0033】 本発明は、1種またはそれ以上の抗血管形成キメラタンパク質の治療上有効量
で血管形成媒介性疾患を治療する方法を含む。血管形成媒介性疾患は、癌、充実
腫瘍、腫瘍転移、良性腫瘍(例えば、血管腫、聴神経腫、神経線維腫、トラコー
マおよび化膿性肉芽腫)、慢性関節リウマチ、乾癬、眼の血管形成疾患(例えば
、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、黄斑変性、角膜移植拒絶、血管新生(neovas
cular)緑内障、水晶体後線維増殖、ルベオーシス)、オースラー−ウェーバー
症候群、心筋血管形成、斑新生血管形成、毛細血管拡張症、血友病性関節、血管
線維腫および創傷肉芽化を含みうるが、これらに限定されない。
【0034】 「癌」は、新生物の成長、過形成もしくは増殖性の成長、または異常細胞性発
達の病理学的状態を意味し、充実腫瘍、非充実腫瘍、および白血病に見られるも
のなどのあらゆる異常な細胞の増殖を含む。本明細書において使用するように、
「癌」はまた、血管形成依存性の癌および腫瘍、すなわちその成長(容積および
/または質量における拡張)のために血液を供給する血管の数および密度の増大
を必要とする腫瘍を意味する。「退縮」は、腫瘍の質量および大きさの縮小をい
う。本明細書において使用するように、「治療上有効量」という用語は、治療し
たヒトまたは他の哺乳類に意義のある利益、すなわち、関連する医学的症状の治
療、治癒、予防もしくは改善、またはかかる症状の治療率、治癒率、予防率もし
くは改善率の増加を示すのに十分な、組成物または方法の各活性成分の総量を意
味する。より具体的には、例えば、抗血管形成キメラタンパク質の治療上有効量
は、未処置の腫瘍と比べ、腫瘍の大きさもしくは数の測定可能な低減、またはそ
の成長もしくは多発性の割合の測定可能な低下を引き起こしうる。「治療上有効
量」の他の評価方法は、未処置の組織と比べ、処置した組織において血管形成が
測定可能に低減された結果を含みうる。
【0035】 1種またはそれ以上の抗血管形成キメラタンパク質は、疾患の治療のための他
の組成物および手法と組み合わせて使用しうる。例えば、抗血管形成キメラタン
パク質と組み合わせて、手術、放射線照射、化学療法もしくは免疫療法により従
来のようにして腫瘍を処置し、次いで、微小転移巣の不活動状態を拡張するため
、ならびに残留しているいかなる一次腫瘍の成長をも安定化し、阻害するために
、抗血管形成キメラタンパク質を引き続いて患者に投与しうる。
【0036】 該組成物は、該タンパク質の活性を増強するか、または治療におけるその活性
もしくは使用を補足する(compliment)、化学療法剤あるいは放射性剤などの他
の薬剤をさらに含みうる。かかる追加の因子および/または薬剤は、本発明のタ
ンパク質との相乗効果を生み出すために、または副作用を最小限にするために組
成物内に含まれうる。さらに、本発明の組成物の投与は、他の治療と同時に、例
えば化学療法、免疫療法または放射線療法と組み合わせて行いうる。
【0037】 本発明の血管形成調節組成物は、固体、液体またはエーロゾルでありえ、任意
の公知の投与経路により投与されうる。固体組成物の例には、ピル、クリームお
よび埋没可能な用量単位が含まれる。ピルは経口で投与しえ、治療用クリームは
局所的に投与しうる。埋没可能な用量単位は、例えば腫瘍部位に局所的に投与し
え、または血管形成調節組成物の全身への放出のために、例えば皮下に埋没させ
うる。液体組成物の例には、皮下、静脈内、動脈内への注射に適合させた配合物
ならびに局所および眼内投与のための配合物が含まれる。エーロゾル配合物の例
には、肺への投与のための吸入器用配合物が含まれる。
【0038】 抗血管形成キメラタンパク質は、当業者に公知の配合方法を用い、製薬学的に
許容され得る配合物(水溶性もしくは非水溶性の担体または溶媒を含む)内の単
離され、かつ実質的に精製されたタンパク質として提供されうる。これらの配合
物は、標準的な経路により投与されうる。一般に、組み合わせは、局所、経皮、
腹腔内、頭蓋内、脳室内、大脳内、膣内、子宮内、経口、直腸または非経口(例
えば、静脈内、脊椎内、皮下または筋肉内)経路により投与されうる。また、抗
血管形成キメラタンパク質は、該化合物の持続性放出を可能にする生分解性ポリ
マー内に組み込んでもよく、該ポリマーは、薬物の送達が望まれる部分、例えば
腫瘍部位の近辺に埋没されるか、または抗血管形成キメラタンパク質が全身にゆ
っくりと放出されるように埋没される。また、浸透圧ミニポンプを用いて、対象
部位、例えば、直接成長部内への、または該成長部への血管供給物へのカニュー
レを介して高濃度の抗血管形成キメラタンパク質の制御送達を提供することがで
きる。生分解性ポリマーおよびその使用は、例えば、Bremら (1991)(J. Neurosu
rg.74:441-446)に詳細に記載されており、これは参照によりそのまま本明細書に
取り込まれる。
【0039】 本明細書において使用するように、「製薬学的に許容され得る」という用語は
、組成物、担体、希釈剤および試薬をいうときは、悪心、めまい、嘔吐などの望
ましくない生理学的効果が最小限で、哺乳類へ、または哺乳類において物質が投
与可能であることを表す。溶解または分散された活性成分を含む薬理学的組成物
の調製は、当該技術分野においてよく知られており、配合に基づいて制限されな
い。典型的には、かかる組成物は、液体溶液もしくは懸濁液のいずれかの注射可
能なものとして調製されるが、使用前に、溶液もしくは懸濁液の液状に適する固
体形態で調製することもできる。また、製剤は、例えばリポソーム内で乳化させ
うる。
【0040】 本発明の抗血管形成キメラタンパク質の投与量は、治療している疾患の状態ま
たは症状ならびにヒトまたは動物の体重と状態および化合物の投与経路などの他
の臨床的要因により変わる。本発明は、ヒトおよび獣医学的使用の両方に対する
適用を有することを理解されたい。本発明の方法は、単回投与および反復投与を
意図しており、同時または長期間で投与される。
【0041】 また、本発明は、1種もしくはそれ以上の抗血管形成キメラタンパク質または
その1種もしくはそれ以上のバリアントをコードするポリヌクレオチドが患者に
おいて導入され、調節される遺伝子治療を包含する。遺伝子産物タンパク質の発
現のためにDNAを細胞に導入または送達する種々の方法(あるいは遺伝子治療
という)は、Gene Transfer into Mammalian Somatic Cells in Vivo, N. Yang
(1992) Crit. Rev. Biotechnol. 12(4):335-356 に開示されており、これは参照
により本明細書に取り込まれる。遺伝子治療は、エクスビボ治療またはインビボ
治療のいずれかにおける使用のための体細胞または生殖細胞へのDNA配列の取
り込みを包含する。遺伝子治療は、遺伝子を置き換えるため、正常または異常な
遺伝子機能を増加させるため、および感染症および他の病状を撲滅するための機
能を果たしうる。
【0042】 これらの医学的問題を遺伝子治療で治療するためのストラテジーには、欠陥遺
伝子を同定し、次いで機能的遺伝子を加えて該欠陥遺伝子の機能を置き換えるか
またはわずかに機能を有する遺伝子を増加するなどの治療的ストラテジー;また
は症状を処置したり、あるいは組織または臓器を治療に効きやすくする産物タン
パク質の遺伝子を加えるなどの予防的ストラテジーが含まれる。例えば、抗血管
形成キメラタンパク質をコードする遺伝子は、患者の腫瘍細胞内に挿入されえ、
したがって血管形成を阻害する。
【0043】 遺伝子治療のための遺伝子導入法は:物理的(例えば、エレクトロポレーショ
ン、直接遺伝子導入およびパーティクル・ボンバードメント(particle bombard
ment))、化学的(例えば、脂質系担体または他の非ウイルス性ベクター)およ
び生物学的(例えば、ウイルス由来ベクターおよび受容体取り込み)の、3つの
カテゴリーに大別される。例えば、DNAでコートされたリポソームなどの非ウ
イルス性ベクターを使用しうる。かかるリポソーム/DNA複合体は、患者に直
接静脈内注射しうる。リポソーム/DNA複合体は、肝臓で濃縮され、そこでマ
クロファージおよびクッパー細胞にDNAを送達すると考えられている。これら
の細胞は、長期間生存し、したがって送達されたDNAの長期発現を提供する。
さらに、ベクターまたは遺伝子の「裸の」DNAは、治療用DNAの標的化送達
のために所望の臓器、組織または腫瘍に直接注入しうる。
【0044】 インビボ遺伝子導入は、細胞が患者内にあるときの患者の細胞へのDNAの導
入を含む。方法としては、患者において遺伝子を送達するためのウイルスにより
媒介される遺伝子導入の使用、非感染性ウイルスの使用、または患者の部位内へ
の裸のDNAの注入を含み、DNAは、遺伝子産物タンパク質が発現される、あ
る割合の細胞により取り込まれる。また、「遺伝子ガン」の使用などの本明細書
に記載した他の方法を、抗血管形成キメラタンパク質DNAまたは抗血管形成キ
メラタンパク質調節配列のインビトロ挿入に使用しうる。
【0045】 遺伝子治療の化学的方法には、細胞膜を通過してDNAを導入するための脂質
系化合物が含まれうるが、必ずしもリポソームである必要はない。リポフェクチ
ンまたはサイトフェクチン(cytofectin)、負荷電DNAに結合する脂質系陽イ
オンは、細胞膜を通過し、かつ細胞の内部にDNAを提供しうる複合体を作りう
る。別の化学的方法では受容体依存性エンドサイトーシスを用い、これは、特異
的リガンドを細胞表面受容体へ結合させ、細胞膜を通過して内包させ、輸送させ
ることを含む。該リガンドは、DNAに結合し、複合体全体が細胞内に輸送され
る。リガンド遺伝子複合体は血流内に注入され、次いで該受容体を有する標的細
胞が特異的にリガンドを結合し、リガンド−DNA複合体を細胞内に輸送する。
【0046】 多くの遺伝子治療方法論では、ウイルスベクターを用いて遺伝子を細胞内に挿
入する。例えば、改変したレトロウイルスベクターが、末梢の腫瘍浸潤リンパ球
、肝細胞、表皮細胞、筋細胞または他の体細胞内に遺伝子を導入するためのエク
スビボ法において使用されている。次いで、これらの改変された細胞を患者に導
入し、挿入されたDNA由来の遺伝子産物が供給される。
【0047】 また、ウイルスベクターは、インビボプロトコルを用いて細胞内に遺伝子を挿
入するために使用されている。外来遺伝子の組織特異的発現を指向するためには
、組織特異的であることが知られているシス作用調節エレメントまたはプロモー
ターを使用しうる。あるいはまた、これは、インビボで、DNAまたはウイルス
ベクターの特定の解剖学的部位へのインサイチュー送達を用いて達成されうる。
例えば、血管へのインビボ遺伝子導入は、動脈壁上の選択した部位内にインビト
ロで形質導入した内皮細胞を移植することにより達成された。ウイルスは周辺細
胞に感染し、当該細胞もまた遺伝子産物を発現した。ウイルスベクターは、例え
ばカテーテルによりインビボ部位に直接送達することができ、したがってある特
定の領域のみがウイルスに感染し、長期の部位特異的遺伝子発現が提供される。
また、レトロウイルスベクターを用いるインビボ遺伝子導入は、臓器に通じる血
管内への改変されたウイルスの注入によって、哺乳類組織および肝臓組織におい
て実証された。
【0048】 遺伝子治療プロトコルのために使用されているウイルスベクターには、レトロ
ウイルス、ポリオウイルスまたはシンドビスウイルスなどの他のRNAウイルス
、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、SV40、ワクシ
ニアおよびその他のDNAウイルスが含まれるが、これらに限定されない。複製
能欠損マウスレトロウイルスベクターは、遺伝子導入ベクターに広く用いられて
いる。
【0049】 担体によるインビボ遺伝子導入は、細胞内に外来DNAをトランスフェクトす
るのに使用されうる。担体−DNA複合体は、簡便に体液内または血流中に導入
され、次いで体内の標的臓器または標的組織に部位特異的に指向されうる。ポリ
リシン、リポフェクチンまたはサイトフェクチンなどの、リポソームおよびポリ
カチオンの両方を使用しうる。細胞特異的または臓器特異的であるリポソームを
開発しえ、したがってリポソームに保持される外来DNAが標的細胞により取り
込まれる。ある特定の細胞上の特定の受容体を標的とするイムノリポソームの注
入を、該受容体を有する細胞内にDNAを挿入する簡便な方法として使用しうる
。使用されている別の担体システムは、インビボ遺伝子導入のために肝細胞にD
NAを保持させるためのアシアログリコプロテイン/ポリリシンコンジュゲート
システムである。
【0050】 抗血管形成キメラタンパク質を患者にトランスフェクトするための遺伝子治療
プロトコルは、抗血管形成キメラタンパク質をコードする遺伝子の細胞のゲノム
やミニ染色体への組込みを介するもの、または細胞の細胞質もしくは核質内にお
ける独立した複製性DNA構築物もしくは非複製性DNA構築物としてのいずれ
かでありうる。抗血管形成キメラタンパク質発現は、長期間継続してもよく、ま
たは定期的に再注入して細胞、組織もしくは臓器内での抗血管形成キメラタンパ
ク質の所望のレベルまたは所定の血中レベルを維持してもよい。
【0051】 実施例 実施例1:COMP/TSP−1およびCOMP/TSP−2の構築 キメラ発現ベクターを3種の異なるcDNAから作製した。第1は、ヒトカー
タリジオリゴメリックマトリックスプロテイン(COMP)のクローンであり、
λgtll軟骨細胞cDNAライブラリー(Doege, K.J. ら、J. Biol. Chem. 266:8
94-902(1991))から単離した。これは、5’−非翻訳領域の小領域のみが欠失し
たCOMP mRNAのほぼ完全長のクローンである。このクローン(hCOM
P−95)は、以前にヒトCOMPの配列(GenBankアクセッション番号
L32137; Genomics, 24:435-439(1994) )を決定するために使用された。
【0052】 第2のcDNAは、ヒトトロンボスポンジン−1(TSP−1)遺伝子を鋳型
として使用する、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて作製した。TSP−
1クローンは、ヒト内皮細胞ライブラリーから単離した(J. Cell Biol. 103:16
35-1648(1986) )。フォワードプライマー(GAT GAC GTC GAT
GGT GGC TGG AGC CAC)(配列番号:17)およびリバース
プライマー(GAT CTA GAT TGG ACA GTC CTG CT
T G)(配列番号:18)により、大きさがおよそ354塩基対で、5’末端
にAatII制限エンドヌクレアーゼ部位および3’末端にXbaI制限エンド
ヌクレアーゼ部位を有するPCR産物を作製する。該PCR産物は、アミノ酸4
17〜530をコードし、TSP−1の第2および第3のタイプ1リピート(ty
pe 1 repeats)を含む(TSP−1のアミノ酸の番号付けについての図1を参照
のこと)。第1のタイプ1リピートのコード配列は、TGF−βを活性化するこ
とが示されているRFK配列を含むため、設計によりPCR産物には含めなかっ
た。この活性は、血管形成を阻害するのに必要ではなく、数多くの細胞型に対し
て望まない副作用を生じ得る。第1のタイプ1リピートを含むベクターは、この
領域が血管形成活性または他の活性を増強することがわかった場合は、同じアプ
ローチを用いて構築しうる。
【0053】 第3のcDNAは、鋳型としてヒト心臓cDNAライブラリー(Stratagene製
(LaJolla, CA )のカタログ番号936208)を用いるPCRにより作製した
。フォワードプライマー(GAT GAC GTC GAG GAG GGC
TGG TCT CCG)(配列番号:19)およびリバースプライマー(GA
T CTA GAC ACG GGG CAG CTC CTC TTG)(配
列番号:20)により、大きさがおよそ520塩基対で、5’末端にAatII
制限エンドヌクレアーゼ部位および3’末端にXbaI制限エンドヌクレアーゼ
部位を有するPCR産物を作製した。該PCR産物は、TSP−2のアミノ酸3
81〜550をコードし、TSP−2のすべての3種のタイプ1リピートを含む
(TSP−2のアミノ酸の番号付けについての図2を参照のこと)。PCRプラ
イマーの配列は、GenBankデータベースのヒトTSP−2配列(アクセッ
ション番号L12350)に基づくものであった。PCR産物の配列を調べ、ア
ミノ酸配列に影響する変異がPCR中に導入されなかったことを確認した。
【0054】 COMP/TSP−1およびCOMP−TSP−2発現ベクターを、PCR産
物をAatIIおよびXbaIで切断し、同じ酵素で切断したCOMP cDN
Aベクター[Bluescript(Stratagene, La Jolla, CA)由来]にサブ
クローニングすることにより構築した。保持されたCOMPの一部は、シグナル
配列、5量体化に必要な領域、および第1のタイプ2リピート(添付した配列の
アミノ配1〜128;図3)を含む。TSP−2 PCR産物に内部AatII
部位があったため、それを2工程でベクターにクローニングしなければならなか
った。第一工程として、TSP−2 PCR産物の430塩基対AatII/X
balフラグメントを、COMPの該部分を含むベクターにサブクローニングし
た。得られたサブクローンをAatIIで切断し、PCR産物の90塩基対Aa
tIIフラグメントを発現ベクターにライゲートした。cDNAの最終形態が予
期した構造を有することを、ヌクレオチド配列決定によって確認した。次いで、
それらをEcoR1およびXbaIで切断し、同じ酵素で切断したpcDNA3
.1(Invitrogen製; Carlsbad, CA)ベクターにライゲートした。COMP/T
SP−1およびCOMP/TSP−2のDNA配列を図4Aおよび図4Bならび
に図5Aおよび図5Bにそれぞれ示す。COMP/TSP−1およびCOMP/
TSP−2のサブユニットの推測される分子量は、それぞれ約24,200およ
び30,000のはずである。完全に会合したCOMP/TSP−1タンパク質
およびCOMP/TSP−2タンパク質は、それぞれ121,000Daおよび
150,000Daのはずである。これらのタンパク質のアミノ酸配列を図4A
および図4Bならびに図5Aおよび図5Bにそれぞれ示す。
【0055】 実施例2:単離されたCOMP/TSP−1およびCOMP/TSP−2の生産 これらのキメラタンパク質を発現させるため、リポフェクチン(Lipofe
ctin)プロトコル(Gibco Laboratories製)を用い、ヒト腎臓293細胞に
発現ベクターをトランスフェクトさせることができる。該細胞はゼオシン(Zeoc
in)で選別することができ、個々のクローンを成長させることができる。COM
P/TSP−1およびCOMP/TSP−2の分泌は、発現した両方のタンパク
質に存在するCOMPの該領域に対するポリクローナル抗体を用い、ウエスタン
・ブロットによりモニターすることができる。これらの抗体は、担体タンパク質
に結合した、COMPのN末端に由来するアミノ酸配列を有する、合成により作
製したペプチドでウサギを免疫することにより作製した。該ペプチドのアミノ酸
配列は:SDLGPQMLRELQETN(配列番号:21)である。高レベル
の該タンパク質を発現するクローンは、大容量のフラスコ内にて無血清培地中で
成長させることができる。
【0056】 実施例3:COMP/TSP−1による腫瘍成長の阻害 第2および第3のタイプ1リピートとCOMPアセンブリー(assembly)配列
を含有するトロンボスポンジン−1(TSP−1)(COMP/TSP−1)の
cDNAを、上記で得られた構築物を鋳型として用いてPCRにより作製し、発
現ベクターpNeo(Invitrogen製; Carlsbad, CA)にクローニングした。得ら
れたCOMP/TSP−1構築物および非改変ベクター単独をヒト扁平上皮癌細
胞株A431(Streit, M.ら、American Journal of Pathology 155:441-452,19
99)にトランスフェクトし、ジェネチシン(Geneticin)を800μg
/mlの濃度で用いて陽性クローンを選び出した。陽性クローンの成長曲線を8
日間にわたって調べた。同様の成長曲線を有するpNeoトランスフェクト細胞
およびCOMP/TSP−1構築物トランスフェクト細胞のクローンを選び、ヌ
ードマウスにおけるキメラタンパク質の腫瘍成長に対する効果を試験した。一群
あたり(pre)合計5匹のマウスの肩に、1匹につき2ヵ所の部位に、部位あ
たり5×106 細胞を皮内注射した。毎週、キャピラリーで腫瘍を測定した。3
週目、マウスを屠殺し、さらなる研究のために腫瘍を取り出した。図7からわか
るように、COMP/TSP−1の発現は、このモデルにおいて腫瘍成長の阻害
を引き起こした。
【0057】 本明細書において引用したすべての参照文献(例えば、雑誌の記事、書籍、公
表された特許出願および特許など)は、参照により本明細書に取り込まれる。
【0058】 本発明をその好ましい態様に関して具体的に示し記載したが、当業者は、添付
の特許請求の範囲により規定される本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく
本発明において形態および詳細の種々の変更を行いうることを理解するであろう
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、ヒトTSP−1のアミノ酸配列(配列番号:1)を示す。TSP−1
のタイプ1リピートは、ここに示されるように、1)アミノ酸361〜416;
2)アミノ酸417〜473;および3)アミノ酸474〜530である。
【図2】 図2は、ヒトTSP−2のアミノ酸配列(配列番号:2)を示す。TSP−2
のタイプ1リピートは、ここに示されるように、1)アミノ酸381〜436;
2)アミノ酸437〜493;および3)アミノ酸494〜550である。
【図3】 図3は、ヒトCOMPのアミノ酸配列(配列番号:3)を示す。COMPのタ
イプ2リピートは、ここに示されるように、1)アミノ酸89〜128;2)ア
ミノ酸129〜181;3)アミノ酸182〜226;および4)アミノ酸22
7〜268である。
【図4】 図4Aと4Bは両者で、ヒトCOMP/TSP−1キメラタンパク質をコード
する遺伝子のDNA配列(配列番号:4)およびその上の該DNA配列によりコ
ードされるヒトCOMP/TSP−1キメラタンパク質のアミノ酸配列(配列番
号:5)を示す。
【図5】 図5Aと5Bは両者で、ヒトCOMP/TSP−2キメラタンパク質をコード
する遺伝子のDNA配列(配列番号:6)およびその上の該DNA配列によりコ
ードされるヒトCOMP/TSP−2キメラタンパク質のアミノ酸配列(配列番
号:7)を示す。
【図6】 図6は、本発明の2、3のキメラタンパク質の態様の概略図である。
【図7】 図7は、実施例3に記載の実験における、7、14および21日での腫瘍容積
(mm3 )を示すグラフである。かかる実験では、未改変(対照)ベクター、p
Neo(黒菱形)またはCOMP/TSP−1キメラタンパク質をコードする発
現ベクター(黒四角)をマウスに注射した。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年3月15日(2001.3.15)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/47 C12N 1/15 19/00 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12N 15/00 ZNAA 5/10 5/00 A C12P 21/02 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B024 AA01 BA38 CA01 GA11 HA01 4B064 AG01 CA19 CC24 DA05 4B065 AA93Y AB00 AC14 BA02 CA24 CA44 4C084 AA01 AA02 AA06 AA07 BA01 BA08 BA22 CA53 DC50 NA14 ZB26 ZC54 4H045 AA10 AA20 BA41 CA40 EA28 FA74

Claims (53)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトTSP−1の第2および第3のタイプ1リピートを含む
    が、ヒトTSP−1のTGF−β活性化領域を含まないものであるキメラタンパ
    ク質をコードする核酸分子。
  2. 【請求項2】 ヒトCOMPの多量体化ドメイン、ヒトCOMPの第1のタ
    イプ2リピート、ならびにヒトTSP−1の第2および第3のタイプ1リピート
    を含んでなるキメラタンパク質をコードする核酸分子。
  3. 【請求項3】 ヒトCOMPの多量体化ドメイン、ヒトCOMPの第1のタ
    イプ2リピート、ならびにヒトTSP−1の第2および第3のタイプ1リピート
    を含むが、ヒトTSP−1のTGF−β活性化領域を含まないものであるキメラ
    タンパク質をコードする核酸分子。
  4. 【請求項4】 ヒトCOMPの多量体化ドメイン、TSP−1のプロコラー
    ゲン相同領域、ならびにヒトTSP−1の第1、第2、および第3のタイプ1リ
    ピートを含んでなるキメラタンパク質をコードする核酸分子。
  5. 【請求項5】 ヒトCOMPの多量体化ドメイン、TSP−1のプロコラー
    ゲン相同領域、ならびにヒトTSP−1の第1、第2、および第3のタイプ1リ
    ピートを含むが、ヒトTSP−1のTGF−β活性化領域を含まないものである
    キメラタンパク質をコードする核酸分子。
  6. 【請求項6】 ヒトCOMPの多量体化ドメインならびにヒトエンドスタチ
    ン(endostatin)の一部を含んでなり、抗血管形成活性を有するキメラタンパク
    質をコードする核酸分子。
  7. 【請求項7】 ヒトCOMPの多量体化ドメインならびにヒトアンジオスタ
    チン(angiostatin)の一部を含んでなり、抗血管形成活性を有するキメラタン
    パク質をコードする核酸分子。
  8. 【請求項8】 ヒトCOMPの多量体化ドメインならびにヒトプロラクチン
    の一部を含んでなり、抗血管形成活性を有するキメラタンパク質をコードする核
    酸分子。
  9. 【請求項9】 ヒトCOMPの多量体化ドメインならびにヒト血小板第4因
    子の一部を含んでなり、抗血管形成活性を有するキメラタンパク質をコードする
    核酸分子。
  10. 【請求項10】 ヒトCOMPの多量体化ドメイン、プロコラーゲン相同領
    域、ならびにヒトTSP−1の第1、第2、および第3のタイプ1リピートを含
    んでなるキメラタンパク質をコードする核酸分子。
  11. 【請求項11】 配列番号:5のアミノ酸配列を有するタンパク質をコード
    する核酸分子。
  12. 【請求項12】 ヒトTSP−1の第2および第3のタイプ1リピートを含
    むが、ヒトTSP−1のTGF−β活性化領域を含まないものであるキメラタン
    パク質をコードする核酸を含んでなるベクター。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載のベクターを含んでなる宿主細胞。
  14. 【請求項14】 ヒトCOMPの多量体化ドメイン、ヒトCOMPの第1の
    タイプ2リピート、ならびにヒトTSP−1の第2および第3のタイプ1リピー
    トを含んでなるキメラタンパク質をコードする核酸を含んでなるベクター。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載のベクターを含んでなる宿主細胞。
  16. 【請求項16】 ヒトCOMPの多量体化ドメイン、ヒトCOMPの第1の
    タイプ2リピート、ならびにヒトTSP−1の第2および第3のタイプ1リピー
    トを含んでなるキメラタンパク質の生産方法であって、請求項15に記載の宿主
    細胞を前記核酸の発現に好適な条件下に維持する工程を含み、該工程により、前
    記タンパク質を生産する、キメラタンパク質の生産方法。
  17. 【請求項17】 キメラタンパク質を単離する工程をさらに含む請求項16
    記載の方法。
  18. 【請求項18】 ヒトCOMPの多量体化ドメイン、ヒトCOMPの第1の
    タイプ2リピート、ならびにヒトTSP−1の第2および第3のタイプ1リピー
    トを含むが、ヒトTSP−1のTGF−β活性化領域を含まないものであるキメ
    ラタンパク質をコードする核酸を含んでなるベクター。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載のベクターを含んでなる宿主細胞。
  20. 【請求項20】 ヒトCOMPの多量体化ドメイン、ヒトCOMPの第1の
    タイプ2リピート、ならびにヒトTSP−1の第2および第3のタイプ1リピー
    トを含むが、ヒトTSP−1のTGF−β活性化領域を含まないものであるキメ
    ラタンパク質の生産方法であって、請求項19に記載の宿主細胞を前記核酸の発
    現に好適な条件下に維持する工程を含み、該工程により、前記タンパク質を生産
    する、キメラタンパク質の生産方法。
  21. 【請求項21】 キメラタンパク質を単離する工程をさらに含む請求項20
    記載の方法。
  22. 【請求項22】 ヒトCOMPの多量体化ドメイン、プロコラーゲン相同領
    域、ならびにヒトTSP−1の第1、第2、および第3のタイプ1リピートを含
    んでなるキメラタンパク質をコードする核酸を含んでなるベクター。
  23. 【請求項23】 配列番号:5のアミノ酸配列を有するタンパク質をコード
    する核酸を含んでなるベクター。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載のベクターを含んでなる宿主細胞。
  25. 【請求項25】 ヒトTSP−1の第2および第3のタイプ1リピートを含
    むが、ヒトTSP−1のTGF−β活性化領域を含まないものであるキメラタン
    パク質。
  26. 【請求項26】 ヒトCOMPの多量体化ドメイン、ヒトCOMPの第1の
    タイプ2リピート、ならびにヒトTSP−1の第2および第3のタイプ1リピー
    トを含んでなるキメラタンパク質。
  27. 【請求項27】 ヒトCOMPの多量体化ドメイン、ヒトCOMPの第1の
    タイプ2リピート、ならびにヒトTSP−1の第2および第3のタイプ1リピー
    トを含むが、ヒトTSP−1のTGF−β活性化領域を含まないものであるキメ
    ラタンパク質。
  28. 【請求項28】 ヒトCOMPの多量体化ドメイン、TSP−1のプロコラ
    ーゲン相同領域、ならびにヒトTSP−1の第1、第2、および第3のタイプ1
    リピートを含んでなるキメラタンパク質。
  29. 【請求項29】 ヒトCOMPの多量体化ドメインならびにヒトエンドスタ
    チンの一部を含んでなり、抗血管形成活性を有するキメラタンパク質。
  30. 【請求項30】 ヒトCOMPの多量体化ドメインならびにヒトアンジオス
    タチンの一部を含んでなり、抗血管形成活性を有するキメラタンパク質。
  31. 【請求項31】 ヒトCOMPの多量体化ドメインならびにヒトプロラクチ
    ンの一部を含んでなり、抗血管形成活性を有するキメラタンパク質。
  32. 【請求項32】 ヒトCOMPの多量体化ドメインならびにヒト血小板第4
    因子の一部を含んでなり、抗血管形成活性を有するキメラタンパク質。
  33. 【請求項33】 配列番号:5のアミノ酸配列を有するタンパク質。
  34. 【請求項34】 ヒトTSP−2の3つのタイプ1リピートを含んでなるキ
    メラタンパク質をコードする単離された核酸分子。
  35. 【請求項35】 ヒトTSP−2の3つのタイプ1リピートを含んでなるキ
    メラタンパク質をコードする核酸を含んでなるベクター。
  36. 【請求項36】 請求項35に記載のベクターを含んでなる宿主細胞。
  37. 【請求項37】 ヒトTSP−2の3つのタイプ1リピートを含んでなるキ
    メラタンパク質の生産方法であって、請求項36に記載の宿主細胞を前記核酸の
    発現に好適な条件下に維持する工程を含み、該工程により、前記タンパク質を生
    産する、キメラタンパク質の生産方法。
  38. 【請求項38】 キメラタンパク質を単離する工程をさらに含む請求項37
    記載の方法。
  39. 【請求項39】 ヒトCOMPの多量体化ドメイン、ヒトCOMPの第1の
    タイプ2リピート、ならびにヒトTSP−2の3つのタイプ1リピートを含んで
    なるキメラタンパク質をコードする核酸分子。
  40. 【請求項40】 ヒトCOMPの多量体化ドメイン、ヒトCOMPの第1の
    タイプ2リピート、ならびにヒトTSP−2の3つのタイプ1リピートを含んで
    なるキメラタンパク質をコードする単離された核酸を含んでなるベクター。
  41. 【請求項41】 請求項40に記載のベクターを含んでなる宿主細胞。
  42. 【請求項42】 ヒトCOMPの多量体化ドメイン、ヒトCOMPの第1の
    タイプ2リピート、ならびにヒトTSP−2の3つのタイプ1リピートを含んで
    なるキメラタンパク質の生産方法であって、請求項41に記載の宿主細胞を前記
    核酸の発現に好適な条件下に維持する工程を含み、該工程により、前記タンパク
    質を生産する、キメラタンパク質の生産方法。
  43. 【請求項43】 キメラタンパク質を単離する工程をさらに含む請求項42
    記載の方法。
  44. 【請求項44】 配列番号:7のアミノ酸配列を有するタンパク質をコード
    する核酸分子。
  45. 【請求項45】 配列番号:7のアミノ酸配列を有するタンパク質をコード
    する核酸を含んでなるベクター。
  46. 【請求項46】 請求項45に記載のベクターを含んでなる宿主細胞。
  47. 【請求項47】 ヒトTSP−2の3つのタイプ1リピートを含んでなるキ
    メラタンパク質。
  48. 【請求項48】 TSP−2のプロコラーゲン相同領域およびヒトTSP−
    2の3つのタイプ1リピートを含んでなるキメラタンパク質。
  49. 【請求項49】 ヒトCOMPの多量体化ドメイン、ヒトCOMPの第1の
    タイプ2リピート、ならびにヒトTSP−2の3つのタイプ1リピートを含んで
    なるキメラタンパク質。
  50. 【請求項50】 配列番号:7のアミノ酸配列を有するタンパク質。
  51. 【請求項51】 治療上有効量の抗血管形成キメラタンパク質をヒトまたは
    他の哺乳動物に投与する工程を含む、ヒトまたは他の哺乳動物における血管形成
    の阻害方法。
  52. 【請求項52】 抗血管形成キメラタンパク質が: a)ヒトTSP−1の第2および第3のタイプ1リピートを含んでなるキメラタ
    ンパク質; b)ヒトCOMPの多量体化ドメイン、ヒトCOMPの第1のタイプ2リピート
    、ならびにヒトTSP−1の第2および第3のタイプ1リピートを含んでなるキ
    メラタンパク質; c)ヒトCOMPの多量体化ドメイン、ヒトCOMPの第1のタイプ2リピート
    、ならびにヒトTSP−1の第2および第3のタイプ1リピートを含むが、ヒト
    TSP−1のTGF−β活性化領域を含まないものであるキメラタンパク質; d)ヒトCOMPの多量体化ドメイン、プロコラーゲン領域、ならびにヒトTS
    P−1の第1、第2、および第3のタイプ1リピートを含んでなるキメラタンパ
    ク質;ならびに e)ヒトTSP−2の3つのタイプ1リピートを含んでなるキメラタンパク質;
    および(6)ヒトCOMPの多量体化ドメイン、ヒトCOMPの第1のタイプ2
    リピート、ならびにヒトTSP−2の3つのタイプ1リピートを含んでなるキメ
    ラタンパク質、 からなる群より選ばれる、請求項51記載の方法。
  53. 【請求項53】 抗血管形成タンパク質を1または複数の成長部位において
    局所的に投与する、請求項51記載の方法。
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