JP3725473B2 - 新規血管形成阻害剤 - Google Patents

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Description

【0001】
技術分野
本発明は、そのアミノ酸配列がヒトアポリポタンパク質(a)クリングルドメインIV36、IV37及びV38と同一である新規の血管形成阻害剤LK68に関するもので、さらに詳しくは、LK68のアミノ酸配列、LK68をコード化するcDNA配列、該cDNAからなる組換え発現ベクター、該組換え発現ベクターで形質転換させた組換え微生物、抗癌剤としてのLK68の新規の用途、および血管形成関連疾患の治療法に関する。
【0002】
従来の技術
血管形成とは、組織または臓器の中に新しい血管を発生させる生物学的過程のことである。正常な生理学的条件下では、ヒトや動物は非常に特殊な限定状況でのみ血管形成を行う。たとえば、血管形成は、通常は、創傷治癒、胎児および胚の成長、黄体、子宮内膜、胎盤の形成の際に観察される。新血管の成長は多くの血管由来の制御物質によって厳しく制御され(Folkman,J.,Nature Med.,1:27−31,1995a参照)、血管形成表現型の切り替えは血管由来刺激物質のアップレギュレーションと血管由来抑制物質のダウンレギュレーションとのあいだの正味の平衡によって左右されることが報告されている。
血管形成過程の不平衡は、糖尿病性網膜症、慢性関節リウマチ、乾癬のような病的障害に寄与していることが証明されている(Folkman,J.,Nature Med.,1:27−31、1995a参照)。とくに、原発性腫瘍も転移性腫瘍もその増殖に血管形成による血管の補充を必要とする(Folkman,J.,New Engl.J.Med.,285:1182−1186,1971;Folkman,J.,J.Biol.Chem.,267:10931−10934,1992参照)。この血管形成活性を抑えたり排除できれば、腫瘍は存在しても増殖はしないであろう。腫瘍の血管形成を阻害することがこの疾患の長期抑制の実際的な方法であることを示唆する多くの報告がある。血管形成を抑制するために血管形成の正の制御物質を遮断するか、負の制御物質を利用すると、実験的腫瘍の遅滞または退行がみられる。血管形成活性を抑えたり排除できれば、腫瘍は存在しても増殖はしないであろう。さらに、この病態では血管形成の防御は新しい微小血管系の侵襲によって生ずる損傷を効果的に避けることができるであろう。したがって、血管形成過程の制御を狙った療法は、これらの疾患を消滅させ軽減させうるであろう。
【0003】
したがって、血管の望ましくない増殖、とくに腫瘍内への増殖を阻害することができる新規の血管形成阻害剤が必要とされている。血管形成阻害剤からなる抗癌剤は、転移前腫瘍内の内因性成長因子の活性に打ち勝ち、腫瘍内の毛細管形成を防ぐことによって、腫瘍の成長を阻害することができるはずである。そのような抗癌剤は、たとえば創傷治癒や再生のような他の血管形成過程における毛細管の形成を調節することもできるはずである。最後に、そのような抗癌剤および血管形成阻害方法は無毒でありほとんど副作用をもたらさないものであるのが望ましい。
現在まで、少なくとも10の内因性血管形成阻害剤が同定されている(O‘Reilly,M.S.ら、Cell,88:277−285、1997参照)。そのような分子の一つはアンジオスタチンであり、これはプラスミノーゲンクリングルI〜IVからなる(O‘Reilly,M.S.ら、Cell,79:315−328、1994参照)。全身投与すると、アンジオスタチンは原発性腫瘍の成長と転移の両者を、毒性を示さずに強力に阻害し、bFGFによって誘発される血管形成も同様に阻害する(O‘Reilly,M.S.ら、Nature Med.,2:689−692、1996参照)。このような抗腫瘍効果に伴って腫瘍塊内の微小血管密度が顕著に低下したが、これは、血管形成の抑制が腫瘍増殖の阻害と関係していることを示している。
【0004】
クリングルとは、約80のアミノ酸と3つの分子内ジスルフィド結合とから構成されるタンパク質構造ドメインのことである。クリングル構造は、プロトロンビン(Walz,D.A.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.,74:1969−1973,1977参照)、プラスミノーゲン(Ponting,C.P.,Blood Coagul.& Fibrinolysis,3:605−614,1992参照)、ウロキナーゼ(Pennica,D.ら、Nature,301:579−582,1983参照)、肝細胞成長因子(Lukker,N.A.ら、Protein Eng.,7:895−903,1994)、アポリポタンパク質(“apo”)(a)(McLean,J.W.ら、Nature,330:132−137、1987参照)などの多くのタンパク質中に見出される。これらのドメインは独立した折りたたみ単位のようであるが、それらの機能的役割は未知である。これまでの報告は、クリングル構造は、血管形成時の内皮細胞の移動および増殖の阻害剤として作用することができるということを示している。明確にいえば、プロトロンビンのクリングル2およびプラスミノーゲンのクリングル1−4、および5は抗血管形成作用があることが証明されている(Ji,W.R.ら、FASEB J.,15:1731−1738,1998a;Ji,W.R.ら、Biochem.Biophys.Res.Commun.,247:414−419,1998b;Cao,Y.ら、J.Biol.Chem.,271:29461−29467,1996;Cao,Y.ら、J.Biol.Chem.,272:22924−22928,1997;Barendsz−Janson,A.F.,J.Vasc.Res.,35:109−114,1998;Lee,T.H.ら、J.Biol.Chem.,273:28805−28812,1998参照)。
【0005】
クリングル構造を持つタンパク質の一つであるアポリポタンパク質(a)は、新規の血管形成阻害剤の候補物質である。Apo(a)は、低密度リポタンパク質(LDL)の主要タンパク質成分であるapoB−100に共有結合で結合しリポタンパク質(a)を形成している(Fless,G.M.,J.Biol.Chem.,261:8712−8718,1986参照)。Lp(a)の血漿中濃度増加はアテローム性硬化症の主要な独立リスク要因である(Armstrong,V.W.ら、Artherosclerosis,62:249−257,1986;Assmann,G.,Am.J.Cardiol.,77:1179−1184,1996;Bostom,A.G.ら、JAMA,276:544−548,1996参照)。いくつかの病原的活性が報告されているが、apo(a)の生理学的役割はまだ確立されていない(Lawn,R.M.ら、J.BIol.Chem.,271:31367−31371、1996;Scanu,A.M.およびFless,G.M.,J.Clin.Invest.,85:1709−1715,1990;Utermann,G.,Science,246:0904−910,1989参照)。
Apo(a)は2種類のクリングルドメインと不活性なプロテアーゼ様ドメインを含んでいる。最初の37クリングルドメインはプラスミノーゲンクリングルIVと約75%同一であり、最後のクリングルドメインはプラスミノーゲンクリングルVと90%同一である。興味深いことに、クリングルIV−様ドメインはapo(a)遺伝子の様々なヒト対立遺伝子中15〜40コピー存在する。この点で、Apo(a)クリングル構造を用いて腫瘍血管形成および増殖の阻害剤を開発することができる。
【0006】
発明の要約
本発明によれば、本発明者たちは組換えタンパク質LK68としてIV36、IV37及びV38を含むヒトapo(a)クリングルをクローニングして発現させ、次のことを発見した。すなわち、LK68タンパク質およびその単一クリングルであるLK6、LK7及びLK8は、bFGFのような内因性成長因子の血管形成活性にin vitroで打ち勝つことができること、これらのクリングルを抗癌剤の作用成分として使用できることを発見した。
【0007】
したがって、本発明の第一の目的は、ヒトapo(a)クリングルドメインIV36、IV37及びV38からなる新規のLK68タンパク質ならびにLK68タンパク質をコード化するcDNAを提供することである。
本発明の第二の目的は、ヒトapo(a)クリングルドメインIV36、IV37及びV38をコード化するcDNAを含む新規の組換えベクターを提供することである。
本発明の第三の目的は、LK68タンパク質またはその単一クリングルLK6、LK7及びLK8を活性成分として含んだ抗癌剤を提供することである。
本発明の第四の目的は、血管形成関連疾患をLK68タンパク質を使用することによって治療するための方法を提供することである。
本発明の上記およびその他の目的および特徴は、添付した図面と関連して掲載したつぎの記載事項から明らかになるであろう。その図面とはつぎのとおりである。
【0008】
発明の詳細な説明
本発明は新規のタンパク質LK68を提供する。このタンパク質はヒトアポリポタンパク質(“apo”)(a)クリングルから組換えタンパク質としてクローニングして発現させることができる。LK68タンパク質はヒトアポリポタンパク質(a)クリングルドメインIV36(アミノ酸8〜80)、IV37(アミノ酸122〜194)、V38(アミノ酸226〜300)のアミノ酸配列で順次構成されている(配列番号2参照)。LK68の最初の2つのクリングルドメイン(すなわちIV36およびIV37)はヒトプラスミノーゲンクリングルIVと相同であり、第三のクリングルドメインV38はヒトプラスミノーゲンクリングルVと相同である。本発明はまたLK68タンパク質をコード化するcDNA(配列番号1参照)と、該cDNAからなる組換えベクターならびにpETベクターシリーズのような発現ベクターを提供する。
本発明のクリングルドメインを記述するとき、ヒトアポリポタンパク質(a)クリングルIV36、IV37及びV38は、それぞれKIV36、KIV37、KV38と略記する。LK68はこの3つのクリングルドメインより成る組換えタンパク質を意味するために使う。LK6、LK7及びLK8はそれぞれKIV36、KIV37、KV38の組換えタンパク質を意味するために使う。
【0009】
アポリポタンパク質(a)はプラスミノーゲン型IVおよびVクリングルドメインを含んでいるため、アポリポタンパク質(a)は抗血管形成活性を有するのではないかと考えた。アポリポタンパク質(a)が腫瘍血管形成および成長の阻害剤としての生物学的活性を含んでいることを示唆する実験的証拠がある(Trieu,V.N.およびUckun,F.M.,Biochem.Biophys.Res.Commun.,257:714,1999参照)。LL/2(Lewis肺癌)腫瘍増殖はapo(a)形質転換マウスでは遅滞し、apo(a)形質転換マウスからのLL/2腫瘍の微小血管密度は、対照である野生型マウスからのものより低いことが報告されている。
このような状況のもと、本発明者たちは、LK68タンパク質、その単一クリングルまたはそれらの機能的同等物が抗血管形成活性を有すると仮定した。この抗血管形成活性を実証するために、組換えLK68およびその単一クリングル(すなわち、LK6、LK7及びLK8)がin vitroでもin vivoでもやはり強力な抗血管形成因子であるかどうかを調べた。その結果、LK68、LK6、LK7及びLK8は、培養内皮細胞増殖に対しても、内皮細胞移動に対しても、阻害活性を示す。LK68およびその単一クリングルはニワトリ胚絨毛尿膜(CAM)における毛細管の正常な発達も阻害する。LK68の全身投与は、原発性腫瘍増殖を阻害することも証明され、これは腫瘍誘発血管形成の抑制と相関関係を示す。単一クリングルタンパク質LK6、LK7及びLK8のそれぞれが抗血管形成活性を示したため、これらが原発性腫瘍増殖や転移をも阻害すると予想される。
【0010】
したがって、LK68タンパク質、その単一クリングルまたはそれらの機能的同等物は、慢性関節リウマチ、乾癬、眼球血管原性疾患を含めた血管形成関連疾患に対して非常に有効で、強力な抗癌剤の開発に応用できる。
またLK68タンパク質、その単一クリングルまたはそれらの機能的同等物は、疾患の治療に他の組成物および技法と組み合わせて使用することができるであろう。たとえば、腫瘍は、従来は手術、放射線照射、化学療法をLK68、その単一クリングルまたはそれらの機能的同等物と組合せて治療し、その後LK68、その単一クリングルまたはそれらの機能的同等物を患者に投与して微小転移の休止状態を拡大し、残存原発性腫瘍があればその成長を安定化させ阻害する。
本発明をさらに以下の実施例で説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を制限するものと考えてはならない。
【0011】
実施例1 組換えLK68のクローニングおよび発現
ヒトapo(a)クリングルの抗血管形成活性を実証するために、本発明者たちはIV36、IV37及びV38を含む最後の3つのクリングルを組換えタンパク質LK68としてクローニングし発現させた。ヌクレオチド12,052から12,975にわたるapo(a)のDNAフラグメント(McLean J.W.ら、Nature,330:132,1987参照)をヒト肝臓cDNAからPCR増幅し、得られた924−bpのNdeI−BamHIフラグメントを大腸菌発現ベクターpET11a(Novagen、USA)に結合させた。オリゴヌクレオチドプライマーA(配列番号9)およびF(配列番号14)(表1参照)を標準PCRプロトコールのもとでのPCR増幅に使用した。このクローンは「pET11a/LK68」と命名し、これはヒトapo(a)クリングルドメインIV36、IV37及びV38を含む308のアミノ酸をコード化する((配列番号2参照)。このクローンの最初の2つのクリングルドメインであるIV36およびIV37は、ヒトプラスミノーゲンクリングルIVと相同であり、第三のクリングルドメインV38はヒトプラスミノーゲンクリングルVと相同である。
【0012】
このクローンのヌクレオチド配列は両方向とも確認された。このクローンのヌクレオチド配列をヒトapo(a)の同一領域(McLeanJ.W.ら、Nature,330:132,1987参照)と比較すると、ヌクレオチド配列はヌクレオチド554における1塩基の変化以外は同一である。我々のクローンはこの位置にシトシンを含むのに対して、McLeanらの報告した配列ではチミジンであり(McLeanJ.W.ら、Nature,330:132,1987参照)、その結果アミノ酸がMetからThrに変化した。この置換は他の研究グループによっても報告されており(Van der−Hoek,Y.Y.ら、Hum.Mol.Genet.,2:361−366、1993;LoGrasso,P.V.ら、J.Biol.Chem.,269:21820−21827、1994参照)、apo(a)にとって優勢な対立遺伝子のようである。
【0013】
大腸菌BL21(DE3)を発現プラスミドpETlla/LK68で形質転換させ、組換えLK68タンパク質を次の条件下で発現させた。アンピシリン含有Luria−Bertaniブロス1リットルにpET11a/LK68プラスミドを含有する大腸菌BL21(DE3)の一夜培養液10mlを接種し、37℃で振盪培養した。培養液のOD600が0.4〜0.6に達したとき、イソプロピルチオ−β−D−ガラクトシド(IPTG)を終濃度1mMで添加した。細胞は誘導後さらに4時間増殖させた。細胞を8000×g、4℃で30分間の遠心によって回収した。この細胞ペレットを超音波処理し、過剰表現タンパク質をSDS−PAGEによって分析した(図1参照)。図1では、Mrは分子量マーカーである(Boehringer Mannheim、ドイツ)。レーン1、IPTG誘導なしの組換えLK68タンパク質の発現、レーン2、IPTG誘導を行った組換えLK68タンパク質の発現である。分子量が37kDaの組換えLK68タンパク質は大腸菌中良好に発現され、走査したゲルの画像解析によって証明されるように、総タンパク質の約20〜30%まで蓄積した。このように調製した形質転換体を「大腸菌 BL21/LK6−8」と表し、国際的な保存機関である韓国基準株保存機関(#52 Oun−dong、Yusong−ku、Taejon 305−333、大韓民国)に照合No.KCTC0633BPとして1999年6月9日預託した。
【0014】
単一クリングルドメインIV36、IV37及びV38のそれぞれを上記のようにして発現ベクターpET15bに別々にクローニングした。クローニングに使用したオリゴヌクレオチドプライマーを表1に列挙した。すなわち、KIV36クローニングにはA(配列番号9)およびD(配列番号12)を、KIV37クローニングにはB(配列番号10)およびE(配列番号13)を、KV38クローニングにはC(配列番号11)およびF(配列番号14)を使用した。この3対のオリゴヌクレオチドプライマーを標準PCRプロトコールのもとでPCR増幅に使用し、その結果得られたクローンを「pET15b/LK6」、「pET15b/LK7」、「pET15b/LK8」と命名し、それぞれIV36、IV37及びV38の単一ヒトapo(a)クリングルドメインを含んでいる。大腸菌BL21(DE3)適格細胞を、発現プラスミドpET15b/LK6、pET15b/LK7、pET15b/LK8のそれぞれで形質転換させた。このようにして作成したプラスミドpET15b/LK6による形質転換体は「大腸菌BL21(DE3)/LK6」と表し、国際的な保存機関である韓国基準株保存機関(#52 Oun−dong、Yusong−ku、Taejon 305−333、大韓民国)に照合No.KCTC0655BPとして1999年9月3日預託した。このようにして作成したプラスミドpET15b/LK7による形質転換体は「大腸菌BL21(DE3)/LK7」と表し、国際的な保存機関である韓国基準株保存機関(上記と同じ住所)に照合No.KCTC0656BPとして1999年9月3日預託した。このようにして作成したプラスミドpET15b/LK8による形質転換体は「大腸菌BL21/LK8」と表し、国際的な保存機関である韓国基準株保存機関(上記と同じ住所)に照合No.KCTC0634BPとして1999年6月9日預託した。
組換えLK6、LK7及びLK8タンパク質は、N末端His標識を含む融合タンパク質と同じ条件下で発現させた。過剰発現組換えLK6、LK7及びLK8タンパク質のそれぞれはpET His標識系を用いて製造者の推薦条件下で精製した。
表1 PCRクローニングに使用したオリゴヌクレオチドプライマー
【0015】
【表1】
Figure 0003725473
【0016】
*制限部位、NdeIおよびBamHIをクローニングの利便のために添加する(下線部)。
**ヌクレオチド配列についてはMcLeanら、Nature,330:132、1987参照(照合番号はX06290)
【0017】
実施例2 組換えLK68の精製
組換えLK68を作成するために、5L容のBioflow IIIバイオリアクター(New Brunswick Scientifics,Edison,USA)の中で次の培地中高細胞密度発酵を実施した。すなわち、4%(w/v)酵母エキス、4%(w/v)グリセリン、1%(w/v)二塩基性リン酸ナトリウム、0.2%(w/v)一塩基性リン酸カリウム、50μg/mlアンピシリンからなる培地中で実施した。細胞が600nmにおいて100の吸光度に達したとき、タンパク質発現を1mMのIPTGで誘導したのち、Do−stat fed−batchを栄養補給培地(29%(w/v)酵母エキス、39%(w/v)グリセリン、0.5%(w/v)硫酸マグネシウム)を用いて9時間行った。細胞は8000×gで30分間の遠心により回収した。各発酵過程の収率は細胞約80g/L(湿重量)であった。
【0018】
LK68が大腸菌細胞の可溶性画分と不溶性画分のどちらに発現されているかを判定するために、本発明者たちはこれらの画分中のLK68発現を分析した。この分析により、LK68は不溶性細胞画分に局在していることが判明した。したがってLK68のジスルフィド結合を変性し、再生し、再酸化することが必要であった。デオキシコレート及びその他の界面活性剤を使用することによって、不溶性LK68タンパク質を封入体として純度>95%まで精製した。つぎにこの封入体を7Mの尿素で可溶化し、急速希釈および平衡透析法を用いて未変性コンフォメーションに折りたたんだ。折りたたみ緩衝液中では、精製封入体は、検知できるほどのタンパク質凝固を示すことなく、容易に再生された。透析後、このタンパク質をリシン−Sepharose 4Bアフィニティクロマトグラフィによって精製した。リシン−Sepharoseに結合したタンパク質はε−ACA(ε−アミノ−n−カプロン酸)によって特異的に溶出された。このことから、再生タンパク質のKIV37クリングルに局在するリシン−Sepharose結合部位が、完全に機能していると考えられた。0.1Mε−ACAによるLK68のアフィニティ溶出によって約3mg/g細胞(湿重量)のタンパク質が得られた。その後ポリミキシン−Bビーズ(Sigma Chemical Co.,USA)を用いるクロマトグラフィを行って内毒素があればそれを除去し、残留内毒素活性をLimulusアメーバ様細胞溶解産物分析キット(Biowhittaker Inc.,USA)で測定した。この精製タンパク質をSDS−PAGEによって分析し、必要になるまで−20℃で保存した。LK68タンパク質のpI計算値は6.13である。この精製LK68のN末端アミノ酸配列はアミノ酸配列決定によって確認した。
【0019】
実施例3 ニワトリ絨毛尿膜分析
LK68がin vivo抗血管形成作用があるかどうかを調べるために、本発明者たちは、LK68が絨毛尿膜(「CAM」)の毛細血管発育を阻害する能力を検査した(Lee,T.H.ら、J.Biol.Chem.,273:28805−28812,1998参照)。授精後3日の受精卵を37℃で培養し、オボアルブミン抽出後、ウインドー(window)を作った。2日培養後、組換えLK68タンパク質を含有するThermanoxカバースリップ(Nunc Inc.,USA)を個々の胚のCAMに乗せた。48時間後、20%脂肪エマルジョンを胚の漿尿膜内に注射し、Thermanox周囲の血管形成を調べた(図2参照)。図2では、左の写真はCAM内での毛細管の正常な発育を示し、右写真はCAMに対するLK68による血管形成阻害を示す。
【0020】
LK68を3〜5μgの用量範囲でCAMに投与した場合、調べた100個の卵のうち60%以上が、投与試料周囲に無血管帯を示したが、これは毛細管の成長が阻害されていることを表している。各クリングルドメインの組換えタンパク質、たとえばLK6、LK7及びLK8のいずれかを用いると、調べた卵の60〜70%が1μg/CAMの用量範囲で阻害作用を示した(図3(A)および3(B)参照)。このin vivo試験は、apo(a)クリングルドメインが抗血管形成活性を有すること、LK68は単一クリングルタンパク質と同様に血管形成の強力な阻害物質であることを証明した。調べたニワトリ胚のどれにも毒性の証拠は認められなかった。
【0021】
実施例4 内皮細胞増殖の阻害
組換えLK68、LK6、LK7及びLK8タンパク質が、bFGFで刺激したウシ毛細管内皮(BCE)細胞の増殖に及ぼす阻害活性を次の条件下で分析した。BCE細胞を10%の仔ウシ血清(BCS)および3ng/mlのbFGF(Upstate Biotechnology、USA)を含有するDMEM中で増殖させた。約3000個の細胞を96ウエル組織培養プレートの各ウエルに添加し、5%CO雰囲気中37℃でインキュベートした。18時間インキュベーション後、該培地を0.5%BCS含有DMEMと交換し、被検試料を各ウエルに添加した。30分間インキュベーション後、bFGFを終濃度1ng/mlまで添加した。細胞数は[H]チミジン取込み法によって測定した。実験は1試料3点方式で行った。
図4に見られるように、LK68、LK6、LK7及びLK8は、用量依存性にBCE細胞増殖を特異的に阻害することが判明した。アンジオスタチンを陽性対照として添加すると、調べたすべてのApo(a)クリングルタンパク質は今回の実験で使用した条件下ではさらに有効のようであった。最大阻害の半分に達する濃度(ED50)は、LK68については約200〜250nM、LK6については約140〜170nM、LK7については約10〜20nM、LK8については約10〜20nMである(図4(A)および4(B)参照)。
【0022】
組換えLK68およびLK8タンパク質については、bFGFで刺激したヒト臍帯静脈内皮(HUVEC)細胞の増殖に対する阻害活性を次の条件下で分析した。HUVEC(米国基準株保存機関、USA)を、10%加熱不活性化ウシ胎児血清(「FBS」)(Hyclone,USA)、30μg/mlの内皮細胞増殖補充剤(ECGS)(Sigma Chemical Co.,USA)、100μg/mlのヘパリン(Sigma Chemical Co.,USA)を含有するF12K培地中で増殖させた。これらの細胞を96ウエル組織培養プレートで2000個/ウエルの密度で平板培養した。これらの細胞は37℃、5%CO、18時間インキュベートし、血清不含培地で1回洗浄し、0.5%FBS含有F12培地を添加した。これらの細胞を様々な濃度の試料で処理し、30分間インキュベートした。その後ECGS、ヘパリン、bFGF(Upstate Biotechnology,USA)を終濃度それぞれ30μg/ml、100μg/ml、5ng/mlで細胞内に添加した。48時間インキュベーション後、5−ブロモ−2‘−デオキシウリジン(BrdU)(Boehringer Mannheim,USA)を用いる細胞増殖ELISAによって細胞数を測定した。実験は1試料3点方式で行った。
【0023】
図4(C)からわかるように、LK68はLK8と同様にHUVEC細胞増殖を用量依存性に特異的に阻害することが判明した。
LK68またはLK6、LK7及びLK8のような単一クリングルタンパク質の存在下では、BCEまたはHUVEC細胞の形態は未処理細胞のものと類似しているようであった。さらに、細胞増殖はLK68除去後bFGF刺激で救助することができる。これらの結果は、LK68は、単一クリングルタンパク質と同様に、毛細血管内皮細胞に対して細胞毒性ではないことを示している。さらに、この阻害活性は、BCEおよびHUVEC細胞のような内皮細胞に特異的のようである。さらにまた、LK68はLK8と同様に、CHO細胞、マウス皮膚線維芽細胞NIH3T3細胞、マウスLewis肺癌細胞、マウス副腎腫瘍Y1細胞、マウス胚肝臓/SV40形質転換細胞系TIB74のような非内皮細胞型の増殖の阻害を示すことはできなかった(図5A〜5F参照)。図5A〜図5Cは、LLC、Y1、TIB 74のような様々な腫瘍細胞の感度を示し、図5D〜図5FはCHO、MSF、NIH3T3のような様々な正常細胞系の感度を示したものである。
【0024】
実施例5 内皮細胞移動の阻害
細胞移動分析は8mm孔のTranswells(Costar,USA)で行った。簡潔に述べると、ウエルをフィブロネクチン(25μg/ml)(Sigma Chemical Co.,USA)で一夜コーティングし、HUVECを0.4%胎児ウシ血清(FCS)含有Dulbecco改良Eagle培地100μl中2000個/ウエルの密度で上部チャンバーで平板培養した。0.4%FCS含有DMEM500μlを下部チャンバーに添加して37℃1時間インキュベートした。1μM濃度の被検試料を上部チャンバーに添加し、25ng/mlのbFGFを下部チャンバーに添加した。5時間インキュベーション後、フィブロネクチン平板培養膜を横断した細胞を、上部チャンバー内の細胞を綿棒で拭き取った後に、定量した。膜を横断した細胞はDiff−Quik染色セットで製造者の説明(Dade Behring Inc.,USA)に従って染色し、100×倍率で計数した。実験は1試料2点方式で行った。
【0025】
塩基性FGF(25μg/ml)を用いてHUVEC細胞の移動を刺激した。1μMの用量では、LK68は、LK6、LK7及びLK8のような単一クリングルタンパク質と同様に、bFGF誘発HUVEC細胞移動を、非誘導対照の水準まで完全に阻害した(図6Aおよび6B参照)。図6では(−)CONは非誘導対照を表し、(+)CONはbFGF−誘導陽性対照を表す。
BCE細胞を用いる移動分析を上記と同様にして行った。投与した2種類の濃度のLK68または単一クリングルタンパク質と、検査したすべてのApo(a)クリングルタンパク質はBCE細胞移動に対して阻害作用を示した。さらに、LK68およびその単一クリングルタンパク質のほうが、アンジオスタチン(AS)よりも、BCE細胞移動の阻害に対して有効であった(図7参照)。
【0026】
実施例6 原発性腫瘍増殖の抑制
実施例6−1 Lewis肺癌
6〜8週令のオスC57BL6/JマウスにLewis肺癌を移植した。マウス皮下背部の近位正中線に食塩水0.1ml中1×10個の細胞を注入した。腫瘍が直径約5mmに達したとき、腫瘍保有マウスにLK68(100mg/kg体重)をPBS中懸濁液として腫瘍から遠位の部位に皮下注入した。マウス対照群には見せかけの手技を施し、PBSのみ投与した。腫瘍の大きさは投与期間中毎日測定した。また容積は、式、幅×長さ×0.52を用いて求め、対照動物と比較した処置動物の腫瘍容積の比率(T/C)は最終時点で求めた。投与は8日間続けて行い、その時点ですべてのマウスを屠殺し、腫瘍を摘出した(図8参照)。図8からわかるように、LLC原発性腫瘍の増殖は全身LK68療法によって強力に抑制されることが明確に示された。100mg/kgの用量のLK68はわずか7日間投与で腫瘍負荷を有意に後退させた。
組織学的分析も行い、投与マウスと対照マウスの腫瘍の血管密度および出血ならびに形態学的外見について比較した(図9A〜図9C参照)。図9A〜図9Cでは、図9AがPBS投与対照、図9Bが10mg/kg体重のLK68を投与したLLC腫瘍、図9Cが100mg/kg体重のLK68を投与したLLC腫瘍をそれぞれ示した。ヘマトキシリンおよびエオシン(H/E)染色によってLK68投与腫瘍に明白な組織学的相違が観察された。すなわち、腫瘍細胞は無傷ではなく、形態学的に生育可能ではなかった。つぎに、腫瘍周囲で区域壊死の有無を調べた。やはりLK68投与腫瘍内の血管密度が低下していた。組換えLK68投与マウスのいずれにも炎症や出血の証拠は認められなかった。
【0027】
実施例6−2 ヒト肺癌
本実験に使用した4週令の異系交配メスnu/nuヌードマウスを滅菌環境下に収容した。ケージ、床敷き、飼料、水はすべて蒸気滅菌した。これらのマウスを12時間毎の明暗サイクルで飼育した。ヒト肺癌細胞(韓国基準細胞系バンクから購入したA549)を、10%加熱不活性化FBSおよび抗生物質を補充したRPMI 1640培地中で維持培養した。約2×10個のA549ヒト肺癌細胞を、ヌードマウスの背部近位正中線に皮下注射した。腫瘍移植後7日目に腫瘍が触知できたとき、マウスに100mg/kg体重の用量でLK68処理を行った。対照群はPBSのみで処理した。この処理は17日間継続した。腫瘍の大きさを隔日に測定した。
【0028】
腫瘍増殖はLK68処理によって退行した。すなわち、LK68処理A549腫瘍は対照群動物の腫瘍より約57.5%小さかった(図10参照)。処理マウスのいずれにもいかなる毒性の証拠もなかった。継続療法によって投与されているかぎり腫瘍は休止状態が保たれた。これらのデータはLK68の抗血管形成作用が非常に広範囲の原発性悪性疾患を標的として使用することができることを強く示唆している。
上記に明確に説明し証明したように、本発明は、アミノ酸配列が、ヒトapo(a)クリングルドメインIV36、IV37及びV38と同一の新規の血管形成阻害剤LK68、LK68をコード化するDNA配列、該DNAより成る組換え発現ベクター、該組換え発現ベクターで形質転換させた組換え微生物、抗癌剤としてのLK68の使用、血管形成関連疾患を治療する方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 大腸菌に発現させた組換えLK68タンパク質の分析のためのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動の写真である。
【図2】 ニワトリの絨毛尿膜(CAM)上LK68による血管形成阻害を示す写真である。
【図3】 図3Aは、LK68の関数としてCAMにおける血管増殖の阻害を示したグラフである。図3Bは、単一クリングルLK6、LK7及びLK8、対照の関数としてCAMにおける血管増殖の阻害を示したグラフである。
【図4】 図4Aは、組換えLK68およびアンジオスタチンによるBCE細胞増殖の阻害を示すグラフである。図4Bは、組換えLK6、LK7及びLK8によるBCE細胞増殖の阻害を示すグラフである。
【図5】 図4Cは、組換えLK68およびLK8によるHUVEC細胞増殖の阻害を示すグラフである。
【図6】 図5Aは、組換えLK68およびLK8存在下のLLC細胞のBrdU標識指標を示すグラフである。図5Bは、組換えLK68およびLK8存在下のY1細胞のBrdU標識指標を示すグラフである。図5Cは、組換えLK68およびLK8存在下のTIB74細胞のBrdU標識指標を示すグラフである。
【図7】 図5Dは、組換えLK68およびLK8存在下のCHO細胞のBrdU標識指標を示すグラフである。図5Eは、組換えLK68およびLK8存在下のMSF細胞のBrdU標識指標を示すグラフである。図5Fは、組換えLK68およびLK8存在下のNIH3T3細胞のBrdU標識指標を示すグラフである。
【図8】 図6Aは、組換えLK68、LK8、PK5によるHUVEC細胞移動の阻害を示すグラフである。図6Bは、組換えLK68、LK6、LK7及びLK8によるHUVEC細胞移動の阻害を示すグラフである。
【図9】 図7は、アンジオスタチン、組換えLK68、LK6、LK7及びLK8、単一クリングルの組合せによるBCE細胞移動の阻害を示すグラフである。
【図10】 図8は、Lewis肺癌細胞移植マウスに対するLK68投与の、総容積に対する影響を時間の関数として示している。
【図11】 図9A〜9Cは、ヘマトキシリンおよびエオシン(H/E)染色によるLewis肺癌細胞の組織学的分析を示す写真である。
【図12】 図12は、ヒト肺癌A549細胞移植ヌードマウスに対するLK68投与の、総容積に対する影響を時間の関数として示している。
【配列表】
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Claims (31)

  1. ヒトアポリポタンパク質(a)クリングルドメインIV36の、配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるLK6タンパク質。
  2. ヒトアポリポタンパク質(a)クリングルドメインIV37の、配列番号6で表されるアミノ酸配列からなるLK7タンパク質。
  3. ヒトアポリポタンパク質(a)クリングルドメインV38の、配列番号8で表されるアミノ酸配列からなるLK8タンパク質。
  4. ヒトアポリポタンパク質(a)クリングルドメインIV36、IV37及びV38から順次構成される、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるLK68タンパク質。
  5. 請求項1のLK6タンパク質をコードするcDNA
  6. 請求項2のLK7タンパク質をコードするcDNA
  7. 請求項3のLK8タンパク質をコードするcDNA
  8. 請求項4のLK68タンパク質をコードするcDNA
  9. 請求項5のcDNAを含む組換え発現ベクター
  10. 請求項6のcDNAを含む組換え発現ベクター
  11. 請求項7のcDNAを含む組換え発現ベクター
  12. 請求項8のcDNAを含む組換え発現ベクター
  13. 請求項9の組換え発現ベクターで形質転換させた組換え微生物
  14. 請求項10の組換え発現ベクターで形質転換させた組換え微生物
  15. 請求項11の組換え発現ベクターで形質転換させた組換え微生物
  16. 請求項12の組換え発現ベクターで形質転換させた組換え微生物
  17. 作用成分としてLK6、LK7、LK8及びLK68からなる群から選択されるタンパク質および薬学的に受容される担体からなる抗癌剤。
  18. 作用成分としてLK6、LK7、LK8及びLK68からなる群から選択されるタンパク質を含む血管形成関連疾患の治療剤
  19. 血管形成関連疾患が、癌、慢性関節リウマチ、乾癬、眼球血管原性疾患である請求項18記載の血管形成関連疾患の治療剤
  20. 配列番号3で表される請求項5記載のcDNA。
  21. 配列番号5で表される請求項6記載のcDNA。
  22. 配列番号7で表される請求項7記載のcDNA。
  23. 配列番号1で表される請求項8記載のcDNA。
  24. pET15b/LK6である請求項9記載の組換え発現ベクター。
  25. pET15b/LK7である請求項10記載の組換え発現ベクター。
  26. pET15b/LK8である請求項11記載の組換え発現ベクター。
  27. pET11a/LK68である請求項12記載の組換え発現ベクター。
  28. 寄託番号KCTC0655BPで寄託された大腸菌BL21(DE3)/LK6であることを特徴とする、請求項13記載の組換え微生物。
  29. 寄託番号KCTC0656BPで寄託された大腸菌BL21(DE3)/LK7であることを特徴とする、請求項14記載の組換え微生物。
  30. 寄託番号KCTC0634BPで寄託された大腸菌BL21/LK8であることを特徴とする、請求項15記載の組換え微生物。
  31. 寄託番号KCTC0633BPで寄託された大腸菌BL21/LK6−8であることを特徴とする、請求項16記載の組換え微生物。
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