JPH04119410U - 光フアイバケーブル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 積層収納した複数本の帯状光ファイバ心線の
全ての伝送損失を均一で、かつ変動の少ない安定したも
のにすること。 【構成】 複数本の光ファイバ心線を帯状に一体成形し
た帯状光ファイバ心線を、断面円形のスペ−サの外周に
形成した溝に複数本積層して収納してなる光ファイバケ
ーブルおいて、前記溝に積層する最下層の帯状光ファイ
バ心線と溝底面との間に潤滑性物質を充填した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は光ファイバケーブルに関し、詳しくは複数本の光ファイバ心線を帯状 に一体成形した帯状光ファイバ心線を、断面円形のスペ−サの外周に形成した溝 に複数本積層して収納してなる光ファイバケーブルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来において、図３の断面図に示すように、複数本の光ファイバ心線１をＵＶ 樹脂等の被覆部材２によって帯状（テ−プ状）に一体成形した帯状光ファイバ心 線３を、図４の断面図に示すように、中心に抗張力体（テンションメンバ）４を 貫通させた断面円形のスペ−サ５の外周に螺旋状に穿設した溝６に複数本積層し て収納し、その外層を押さえ巻きテ−プ７で被覆保護してなる光ファイバケーブ ルがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記光ファイバケーブルにおいては、帯状光ファイバ心線３を 溝６内に積層して収納する構造であるため、収納後にケーブル自体が曲げられる と、積層された帯状光ファイバ心線３のうち最下層の帯状光ファイバ心線３Ｌに 、溝６の底面からの側圧等の作用がその上層の帯状光ファイバ心線３よりも集中 する。すなわち、上層の帯状光ファイバ心線３は溝６の開口部方向に逃げられる ので、この逃げによって側圧が緩和される。しかし、最下層の帯状光ファイバ心 線３Ｌは、その上層の帯状光ファイバ心線３と溝６の底面の両方から押さえ付け る力が加わる。このため、最下層の帯状光ファイバ心線３Ｌに側圧が集中すると いう現象が生じ、伝送損失が増加するという問題がある。 また、最下層の帯状光ファイバケーブル３Ｌには、図５の一部拡大断面図に示 すように、溝６の底面の微細な凹凸に起因する摩擦抵抗が常時作用するため、そ の上層の帯状光ファイバケーブル３に比べて伝送損失が大きく、しかも不均一に 変動するという問題がある。

【０００４】 本考案は上記のような問題点を解決するためになされたもので、その技術的課 題は、積層収納した複数本の帯状光ファイバ心線の全ての伝送損失を均一で、か つ変動の少ない安定したものにすることができる光ファイバケーブルを提供する ことである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案による光ファイバケーブルは、複数本の光ファイバ心線を帯状に一体成 形した帯状光ファイバ心線を、断面円形のスペ−サの外周に形成した溝に複数本 積層して収納してなる光ファイバケーブルおいて、前記溝に積層する最下層の帯 状光ファイバ心線と溝底面との間に液状の潤滑性物質を充填したことを特徴とす る。

【０００６】

【作用】

上記構成によれば、最下層の帯状光ファイバ心線と溝底面との間に液状の潤滑 性物質を充填しているので、溝底面の凹凸は潤滑性物質によって塞がれ、滑らか なものとなる。このため、溝底面から受ける摩擦抵抗は小さくなる。また、上層 の帯状光ファイバ心線と溝底面の両方から押さえ付ける向きの力は、最下層の帯 状光ファイバ心線が潤滑性物質によって滑ることによって軽減される。この結果 、最下層の帯状光ファイバケーブルの伝送損失をその上層のものと同等で、かつ 変動の少ないものにすることができる。

【０００７】

【実施例】

図１は、本考案の一実施例を示す断面図であり、この実施例の光ファイバケー ブルは、従来構成と同様に、帯状光ファイバ心線３を、中心に抗張力体（テンシ ョンメンバ）４を貫通させた断面円形のスペ−サ５の外周に螺旋状に穿設した溝 ６に複数本積層して収納し、その外層を押さえ巻きテ−プ７で被覆保護してなる ものであるが、従来と異なるのは、溝６に積層する最下層の帯状光ファイバ心線 ３Ｌと溝６底面との間に潤滑性物質８を充填（あるいは塗布）したことである。 潤滑性物質８は、シリコンオイル、テフロンオイル、２塩基酸エステルなど潤 滑性の高い材料が適している。

【０００８】 このように構成された光ファイバケーブルにあっては、最下層の帯状光ファイ バ心線３Ｌと溝６底面との間に液状の潤滑性物質８を充填しているので、溝６底 面の凹凸は図２の一部拡大図に示すように潤滑性物質８によって塞がれ、滑らか なものとなる。このため、溝６底面から受ける摩擦抵抗は小さくなる。また、撚 り工程等において上層の帯状光ファイバ心線３と溝６底面の両方から押さえ付け る向きの力は、最下層の帯状光ファイバ心線３Ｌが潤滑性物質８によって滑るこ とによって軽減される。この結果、最下層の帯状光ファイバ心線３Ｌの伝送損失 をその上層のものと同等で、かつ変動の少ないものにすることができ、ケーブル 全体としての伝送特性を均一で安定したものにすることができる。

【０００９】

【考案の効果】

以上のように本考案は、複数本の光ファイバ心線を帯状に一体成形した帯状光 ファイバ心線を、断面円形のスペ−サの外周に形成した溝に複数本積層して収納 してなる光ファイバケーブルおいて、前記溝に積層する最下層の帯状光ファイバ 心線と溝底面との間に潤滑性物質を介在させたので、最下層の帯状光ファイバ心 線の伝送損失をその上層のものと同等で、かつ変動の少ないものにすることがで きる。すなわち、積層収納した複数本の帯状光ファイバ心線の全ての伝送損失を 均一で、かつ変動の少ない安定したものにすることができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の光ファイバケーブルの一実施例を示す
断面図である。

【図２】本考案における最下層の光ファイバ心線と溝底
面との収納構造を拡大して示した拡大断面図である。

【図３】本考案の光ファイバケーブルに積層収納する帯
状光ファイバ心線の構造を示す断面図である。

【図４】従来の光ファイバケーブルの構造を示す断面図
である。

【図５】従来における最下層の光ファイバ心線と溝底面
との収納構造を拡大して示した拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 光ファイバ心線 ２ 被覆部材 ３ 帯状光ファイバ心線 ５ スペ−サ ６ 溝 ７ 押さえ巻きテ−プ ８ 潤滑性物質

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数本の光ファイバ心線を帯状に一体成
   形した帯状光ファイバ心線を、断面円形のスペ−サの外
   周に形成した溝に複数本積層して収納してなる光ファイ
   バケーブルおいて、前記溝に積層する最下層の帯状光フ
   ァイバ心線と溝底面との間に液状の潤滑性物質を充填し
   たことを特徴とする光ファイバケーブル。