JPH0411767B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、局所排気装置に関するものである
が、特に人工竜巻を発生させて排気させる人工竜
巻発生機構による局所排気装置に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

従来の人工竜巻発生機構による局所排気装置に
は、第３図に示すように、排気用フード内にエア
ー吸引パイプを設け、このエアー吸引パイプから
空気を吸引すると共にダクトから排気用フード内
に吹き出した空気とによつて、人工竜的に排気用
フード内部に横竜巻を起こして排気ガス等の汚染
空気を外部に排出する装置（トルネード・フー
ド）が多用されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、この従来装置は、排気用フード
内部に人工竜巻を発生させて横長の排気用フード
開口面に均一な吸引風速を得さしめたものであ
り、自由空間に人工竜巻を発生させたものではな
いので、吸込の指向性がなく、排気用フード外部
に発生する有毒ガス、粉塵の捕集効率は一般のフ
ードによるものと何ら変わらないものである。

そこで、従来の局所排気装置を改良し、人工竜
巻を自由空間に発生させることにより、作業中に
発生する有毒ガス等の捕集効率を良好にし、かつ
作業台上は又は上方部にて多くの空間を設けるこ
とにより、機能的作業工程を提供できるようにし
作業効率を高めることのできる人工竜巻発生機構
による局所排気装置を供給することを目的とす
る。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、上記のような課題を解決するために
開発したものであつて、内壁面を縦方向に半円状
壁とすると共にその上部に遮蔽板を有したフード
を汚染空気発生面に設け、前記フードの前記半円
状壁両側端部にエアー吹出孔を有したエアー吹出
パイプを２本立設し、かつ一方のエアー吹出パイ
プをその空気吹き出し方向が前記半円状壁に沿う
回転方向となるように配設すると共に他方のエア
ー吹出パイプをその空気吹き出し方向が前記回転
方向と同一方向となるように配設し、前記エアー
吹出孔から空気を吹き出し形成されるエアーカー
テンの伴流作用により旋回気流を形成し、該旋回
気流の軸方向に位置する前記遮蔽板に吸引口を設
けてなり、前記エアー吹出孔から空気を吹き出す
と共に前記エアー吸引パイプから空気を吸引する
ことにより、前記エアーカーテン内に人工竜巻を
発生させ、該人工竜巻の渦収束性により前記エア
ーカーテン内に存在する汚染空気を捕集排出させ
ものであり、 また、前記エアーカーテンを形成するエアー吹
出パイプを汚染空気発生面上手前側に、更に２本
立設してなつても良い。

すなわち、本発明の上記課題を解決するための
手段は、エアー吹出パイプと、内壁面を縦方向
に半円状に形成しかつ上部の遮蔽板に設けたエア
ー吸引パイプとを具備したフードとから構成され
ていること、汚染空気発生面である作業台上に
フードを配設すると共にフードの両側端部に２本
のエアー吹出パイプを立設し、又は作業台上に更
に２本のエアー吹出パイプを立設させること、
作業台上に人工竜巻を発生させること、発生し
た人工竜巻によつて作業中に発生する有毒ガス等
の汚染空気を捕集して排出させる、ことなどにあ
る。

〔作用〕

本発明の人工竜巻機構は、連続する回転渦流を
形成させ、その中心部で吸引して、渦流の中心に
沿つた負圧域（コアー部）を形成ならしめ、これ
らの合成作用により渦流の中心に沿つて吸引口に
向う人工竜巻を発生せしめることにその原理があ
る。すなわち、渦流を構成する空気の分子は回転
することによつて遠心力が作用し、また渦流の中
心部から吸引することによる負圧域は、連続する
渦流の遠心力による中心部の負圧によつて渦の中
心に沿つて平均的なコアー部が形成され、かつ遠
心力と負圧コアー部による求心力がバランスする
範囲で安定して、渦流は中心コアー部に収束しな
がら吸引口に向つて連続的な人工竜巻が発生する
ことになる。

このような原理と機構とによつて発生させる人
工竜巻は、種々のものに利用することができる
が、特に有毒ガス、粉塵などの汚染空気を捕集し
排出させる装置には最適である。つまり、この装
置によれば、吸引口に向う人工竜巻の流速は吸引
口から離れても殆ど変化しない特性と、渦流は中
心部に収束して加速する特性とを利用して、有毒
ガス、粉塵などの発生源にエアー吹出パイプから
吹き出されるエアーカーテンで囲まれるように配
置し、発生している有毒ガス、粉塵などを人工竜
巻とし強力に捕集させて排気することができるよ
うにしたものである。

〔実施例〕

以下、図面に従つて本発明の一実施例について
説明する。

第１図は本発明による人工竜巻機構による局所
排気装置を示したものである。図中１は作業台
（汚染空気発生面）５上に配設するフードであり、
内壁面が縦半円状に形成されている。これは空気
の流れ方向を円形状になるようにするためであ
る。２はエアー吹出孔３を孔設してある細長の筒
体からなるエアー吹出パイプである。エアー吹出
パイプ２は作業台５上に配置されているフード１
の内側端部に２本立設されている。この場合、エ
アー吹出孔３から吹き出される空気の風向が対向
されかつ渦巻状になることを条件として設置され
る。つまり、両エアー吹出パイプ２，２のエアー
吹出孔３，３の方向を逆方向に配設することによ
つて、矢印方向の空気を吹き出すことができる。
４はフード１の中央上方部の遮蔽板に取付けられ
ているエアー吸引パイプ（吸引口）であり、エア
ー吹出パイプ２から吹き出された空気を吸引して
作業台５上に人工竜巻Ｈを発生させる作用と作業
中に発生する有毒ガス等の汚染空気を捕集し排出
させる作用を有するものである。すなわち、ロ図
に示すように２本のエアー吹出パイプ２のエアー
吹出孔３から吹き出される空気が矢印方向に吹き
出されると同時に、エアー吸引パイプ４から空気
が吸引されることによつて、作業台５上からエア
ー吸引パイプ４の方向に向けて人工竜巻Ｈが発生
することになる。この発生した人工竜巻Ｈによつ
て、作業中に発生する有毒ガス等が作業台５上に
捕集されてエアー吸引パイプ４から外部に排出さ
れることになる。このように自由空間に人工竜巻
Ｈが発生するので吸込の指向性を有しフード１外
に発生した有毒ガス、粉塵を効率よく捕集吸引す
ると共に、この自由空間内にコンベアー、クレー
ンなどによる流れ作業の工程も組むことができ、
作業効率を大幅に効率化できることになる。

第２図は本発明装置の他の実施例を示したもの
である。本図からも明かのように第１図に示した
本装置の作業台５の手前に更に２本のエアー吹出
パイプ６，６を配設したものである。エアー吹出
パイプ６，６は、エアー吹出パイプ２よりも短形
にすることができ、それぞれ対向させて配設され
ている。これは作業台５上の手元に空気に吹き付
けると共に人工竜巻Ｈの発生効果を高めるために
設けたものである。その結果、コンベヤーやクレ
ーン等を配置して連続工程による作業が更に容易
となり、機能的作業工程を組むことを可能とす
る。また、エアー吹出パイプ２に送り込む空気を
高性能フイルターにより清浄空気として送り込め
ば、有毒ガス、粉塵など排出すると共に作業域を
清浄空間に保つこともできる。

〔発明の効果〕

このように本発明には多くの具体的な効果があ
るので、性能面、経済面、作業面等あらゆる面か
ら見ても実用性および利用性を有するものといえ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の人工竜巻発生機構による局所
排気装置を示した概要説明図、第２図は他の実施
例を第１図と対比して示した説明図、第３図は従
来の人工竜巻を利用した排気フードの概要図であ
る。 １…フード、２…エアー吹出パイプ、３…エア
ー吹出孔、４…エアー吸引パイプ（吸引口）、５
…作業台（汚染空気発生面）、６…エアー吹出パ
イプ、Ｈ…人工竜巻。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内壁面を縦方向に半円状壁とすると共にその
   上部に遮蔽板を有したフードを汚染空気発生面に
   設け、前記フードの前記半円状壁両側端部にエア
   ー吹出孔を有したエアー吹出パイプを２本立設
   し、かつ一方のエアー吹出パイプをその空気吹き
   出し方向が前記半円状壁に沿う回転方向となるよ
   うに配設すると共に他方のエアー吹出パイプをそ
   の空気吹き出し方向が前記回転方向と同一方向と
   なるように配設し、前記エアー吹出孔から空気を
   吹き出し形成されるエアーカーテンの伴流作用に
   より旋回気流を形成し、該旋回気流の軸方向に位
   置する前記遮蔽板に吸引口を設けてなり、前記エ
   アー吹出孔から空気を吹き出すと共に前記エアー
   吸引パイプから空気を吸引することにより、前記
   エアーカーテン内に人工竜巻を発生させ、該人工
   竜巻の渦収束性により前記エアーカーテン内に存
   在する汚染空気を捕集排出させることを特徴とす
   る人工竜巻発生機構による局所排気装置。 ２ 前記エアーカーテンを形成するエアー吹出パ
   イプを汚染空気発生面上手前側に、更に２本立設
   してなる特許請求の範囲第１項記載の人工竜巻発
   生機構による局所排気装置。