JPH04117388U - ロータリーキルンの空気供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転炉の中間部であっても燃焼用或いは冷却
用空気を低コストで導入でき、摩耗や損傷が極めて少な
くできるロータリーキルンの空気供給装置を提供する。 【構成】 軸心Ａ回りに回転自在に支持された回転炉本
体１の中間部に、回転炉本体の直径を増大させた拡径部
10を設け、この拡径部10の燃焼排ガス流送方向下流側に
臨むテーパ炉壁10a 内面に、ダンパーを介して外部に連
通する空気導入ノズル11を開口した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、処理物の焼成や焼却に使用されるロータリーキルンの空気供給装置 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ロータリーキルンは、回転炉内で処理物が回転する自己攪拌作用を有す ることや、炉内が耐火物に覆われて機械部が露出していないため故障が少なく寿 命が長いことなどのメリットにより、広く製造焼成設備や焼却設備として使用さ れている。そして、その燃焼に必要な燃焼用空気や冷却空気は処理物の出入口か ら導入していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、燃焼用空気や冷却用空気を炉内に導入する箇所が処理物の出入口を介 してしか取り入れることが出来ないため、処理物をクリンカーの発生防止などの ため穏やかに燃焼させたい時に制限を受けることがあった。もちろん、ロータリ ージョイント等を介して回転炉側に空気供給管を配管し、強制的に燃焼用空気や 冷却用空気を送り込むことも提案されているが、その配管のためにかなりのコス トがかかるものであった。また、この空気吹き込み管は、回転炉壁内面から半径 方向に突出されて処理物の流送方向下流側に空気吹き込み口を形成しており、そ の処理物の種類によっては空気吹き込み管の摩耗や損傷が生じるおそれがあった 。

【０００４】 本考案は上記問題点を解決して、回転炉の中間部であっても燃焼用或いは冷却 用空気を低コストで導入でき、摩耗や損傷が極めて少なくできるロータリーキル ンの空気供給装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 上記問題点を解決するために本考案のロータリーキルンの空気供給装置は、軸 心回りに回転自在に支持された回転炉本体の中間部に、回転炉本体の直径を増大 させた拡径部を設け、この拡径部の燃焼排ガス流送方向下流側に臨む面に、開閉 装置を介して外部に連通する空気導入ノズルを開口したものである。

【０００６】

【作用】

上記構成によれば、開閉装置を開けることにより、炉内の燃焼ガスの流れに吸 引されて炉外の空気が空気導入ノズルから炉内に導入される。したがって、強制 的に炉内に空気を吹き込む配管も不要となり、また空気導入ノズルが炉内に突出 することがないので、摩耗損傷のおそれもない。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の第１実施例を図１および図２に基づいて説明する。 図１において、１は焼却物入口１ａから焼却物出口１ｂに向かって所定角度θ で下方に傾斜して配置された円筒状の回転炉本体で、この回転炉本体１は焼却物 入口１ａ側および焼却物出口１ｂ側が基礎３に立設された脚部２ａ上に支持装置 ２を介して軸心Ａを中心に回転自在に支持されている。そして、この回転炉本体 １の焼却物入口１ａのカバー体１ｃには焼却物投入ホッパー４が配設され、焼却 物出口１ｂのカバー体１ｄには焼却灰排出ホッパー５が配設されている。また入 口側外周部には回転駆動用のリングギヤ６が固定され、このリングギヤ６に噛合 する駆動ピニオン７を有する回転駆動装置８により所定の速度で回転炉本体１が 回転される。

【０００８】 前記焼却物入口１ａには焼却物の加熱焼却用の燃焼バーナー９が配設され、燃 焼ガスを矢印Ｂ方向に流送し、燃焼ガスと焼却物を同一方向におくる並流式に構 成されている。

【０００９】 前記回転炉本体１は、焼却物入口１ａの小径炉壁部１ｅより焼却物出口１ｂの 大径炉壁部１ｆの直径を大きく形成しており、中間部で直径を増大させる拡径部 １０は、小径炉壁部１ｅの端部から漸次拡径して大径炉壁部１ｆに接続されるテ ーパ炉壁１０ａにより構成されている。この焼却物出口１ｂ側に面するテーパ炉 壁１０ａには、周方向所定間隔毎に空気導入ノズル１１が配設される。

【００１０】 この空気導入ノズル１１は、図２に示すように、テーパ炉壁１０ａの取付孔１ ０ｂに嵌合固定された取付台管１２と、この取付台管１２に着脱自在に装着され た空気取入管１３と、空気取入管１３の外端部に設けられた空気量調節用ダンパ ー（開閉装置）１４とで構成されている。そして、空気取入管１３の先端開口部 はテーパ炉壁１０ａの表面と面一状に設定され、さらに空気導入ノズル１１の配 設方向は軸心Ａと略平行に配置されている。

【００１１】 上記第１実施例の構成によれば、ダンパー１４を開けることにより、回転炉本 体１内の燃焼用ガスの流れＢによって外部の空気が空気導入ノズル１１を介して 吸引され、炉内に導入される。したがって、強制供給用の配管も不要で、低コス トですむ。また、この空気導入ノズル１１は、テーパ炉壁内面から突出すること がないので、焼却物による摩耗損傷を防止できる。さらに、この空気導入ノズル １１を回転炉本体１の軸心Ａすなわち燃焼ガスの流送方向Ｂと略平行に配置した ので、効果的に空気を吸引することができる。

【００１２】 次に第２実施例を図３〜図６に基づいて説明する。 このロータリーキルンは空気導入ノズルを多段に配設したもので、第１実施例 と同一部材には同一符号を付して説明は省略する。すなわち、回転炉本体２１は 、中間部で３段階に拡径される第１〜第３の拡径部２２，２３，２４が形成され ている。

【００１３】 第１拡径部２２は、焼却物入口２１ａ側の入口側炉壁部２１ｃの出口側端部か ら軸心Ａと直交する面に沿う第１拡径炉壁部２２ａを介して第１大径炉壁部２２ ｂに連結され、この第１拡径炉壁部２２ａに軸心Ａと平行な第１空気導入ノズル ２５が配設されている。また、第２拡径部２３は、第１大径炉壁部２２ｂの出口 側端部から軸心Ａと直交する面に沿う第２拡径炉壁部２３ａを介して第２大径炉 壁部２３ｂに連結され、この第２拡径炉壁部２３ａに軸心Ａと平行な第２空気導 入ノズル２６が配設されている。さらに、第３拡径部２４は、図５に示すように 第２大径炉壁部２３ｂの出口側端部から軸心Ａと直交する面に沿う第３拡径炉壁 部２４ａを介して卵形断面の第３大径炉壁部２４ｂに連結され、前記第３拡径炉 壁部２４ａに複数の第３空気導入ノズル２７が配設されている。この第３大径炉 壁部２４ｂの小径部分２４ｃは出口側炉壁部２１ｄと同径で、第３大径炉壁部２ ４ｂで大径部分４ｄｋ出口側端部が軸心Ａと直交する面に沿う縮径炉壁部２８を 介して出口側炉壁部２１ｄに連結されている。

【００１４】 この第１〜第３空気導入ノズル２５〜２７は、図６に示すように、第１〜第３ 拡径炉壁部２２ａ〜２４ａの取付孔２２ｃ〜２４ｃにそれぞれ嵌合固定された取 付台管３２と、この取付台管３２に着脱自在に装着された空気取入管３３と、空 気取入管３３の外端部に設けられた空気量調節用ダンパー（開閉装置）３４とで 構成されている。そして、空気取入管３３の先端開口部は第１〜第３拡径炉壁部 ２２ａ〜２４の表面に面一状に設定され、さらに第１〜第３空気導入ノズル２５ 〜２７の配設方向は軸心Ａと平行に配置されている。

【００１５】 上記構成において、投入ホッパー４が投入された焼却物は、燃焼バーナー９に より加熱燃焼されて焼却物出口２１ｂ側に回転されつつ送られる。そして第１〜 第３の拡径部２２，２３，２４の各第１〜第３空気導入ノズル２５〜２７から必 要に応じてダンパー３４が開けられ、燃焼ガスの流れにより外部の空気が回転炉 本体２１内に導入され、炉内を冷却して焼却物を穏やかに燃焼させる。これによ り炉内にクリンカー等の発生を未然に防止することができ、炉内の燃焼温度や燃 焼速度を容易に制御することができる。なお、第３大径炉壁部２４ｂ内の焼却物 は反転時に、出口側炉壁部２１ｄと同径部分から出口側炉壁部２１ｄに排出され る。

【００１６】

【考案の効果】 以上に述べたごとく本考案によれば、回転炉本体の中間部に拡径部を形成し、 外部に開閉装置を介して連通する空気導入ノズルを拡径部に開口して設けたので 、開閉装置を開けることにより、炉内の燃焼ガスの流れに吸引されて炉外の空気 を空気導入ノズルから炉内に導入することができる。したがって、強制的に炉内 に空気を吹き込む配管も不要で低コストにでき、また空気導入ノズルが炉内に突 出することもないので、摩耗損傷のおそれもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るロータリーキルンの第１実施例を
示す縦半断面図である。

【図２】同空気導入ノズルの縦断面図である。

【図３】同ロータリーキルンの第２実施例を示す縦半断
面図である。

【図４】図３に示すＣ−Ｃ断面図である。

【図５】図３に示すＤ−Ｄ断面図である。

【図６】同空気導入ノズルの縦断面図である。

【符号の説明】

１ 回転炉本体 1a 焼却物入口 1b 焼却物出口 1e 小径炉壁部 1f 大径炉壁部 ２ 支持装置 ８ 回転駆動装置 10 拡径部 10a テーパ炉壁 11 空気導入ノズル 14 ダンパー 21 回転炉本体 21a 焼却物入口 21b 焼却物出口 21c 入口側炉壁部 21d 出口側炉壁部 22 第１拡径部 22a 第１拡径炉壁部 22b 第１大径炉壁部 23 第２拡径部 23a 第２拡径炉壁部 23b 第２大径炉壁部 24 第３拡径部 24a 第３拡径炉壁部 24b 第３大径炉壁部 25 第１空気導入ノズル 26 第２空気導入ノズル 27 第３空気導入ノズル 28 縮径炉壁部 34 ダンパー Ａ 回転炉本体軸心 Ｂ 燃焼排ガス流送方向

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 軸心回りに回転自在に支持された回転炉
   本体の中間部に、回転炉本体の直径を増大させた拡径部
   を設け、この拡径部の燃焼排ガス流送方向下流側に臨む
   面に、開閉装置を介して外部に連通する空気導入ノズル
   を開口したことを特徴とするロータリーキルンの空気供
   給装置。