JPH041166Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〓産業上の利用分野〓 この考案はワインダーにおけるタツチローラの
ブレーキ装置に関する。

〓従来の技術〓 従来スピンドルドライブ型のワインダーにおけ
るタツチローラのブレーキ装置としては、手動で
ブレーキレバーを作動してその回転を停止するも
のや、タツチローラの軸にマグネツトブレーキを
取り付け回転を停止するようにしたものが普通で
ある。

前記した従来のタツチローラの停止手段による
ときは、手動式の場合は停止の必要のないタツチ
ローラを停止してしまつたり、停止すべきタツチ
ローラを見逃してしまつたりするようなことのな
いよう充分注意力を働かせる必要があり、又、停
止操作を行うのに余分な労力を必要とし、マグネ
ツトブレーキなどの専用のブレーキを設けたもの
はその分コストアツプになり、又、機台が嵩張る
等の欠点がある。

〓考案が解決しようとする課題〓 この考案は簡単な構成からなる安価なブレーキ
装置を用いてタツチローラの回転を確実に停止す
るブレーキ装置を得るにある。

〓課題を解決するための手段〓 この考案のワインダーにおけるタツチローラの
ブレーキ装置は、パツケージ面に当接するタツチ
ローラを有するスライドボツクスを、パツケージ
上位に、パツケージ径の増大につれ上昇するよう
設け、前記スライドボツクスには、一端を前記タ
ツチローラの軸に接離するブレーキバーを揺動自
在に軸支すると共に、前記ブレーキバーの一端を
タツチローラの軸から離反する方向に付勢するス
プリングを設け、スライドボツクス外の固定フレ
ームには、前記パツケージの満巻上昇時にブレー
キバーと当接し、ブレーキバーをタツチローラ軸
に圧接する方向に揺動できる位置にストツパーを
設けてなる。

〓作用〓 この考案のワインダーにおけるタツチローラの
ブレーキ装置にあつては、ボビン上に糸が満巻き
されたときスライドボツクスの上昇に伴い、タツ
チローラとパツケージの接触は離れる。こヽでタ
ツチローラの回転を制動する。即ち、スライドボ
ツクスの上昇により、ワインダーのフレーム上に
設けられたストツパーとスライドボツクスに軸支
されたブレーキバーの端部とは、互いに当接しブ
レーキバーは揺動してタツチローラの軸と接触し
その回転を停止する。

〓実施例〓 以下本考案のブレーキ装置を備えたワインダー
の正面を概略的に示した第１図乃至第４図により
この考案の実施例を説明する。

１は円盤形のタレツトで、該円盤形のタレツト
１には２本のスピンドル２，３が対称位置に回転
可能に支持されている。

各スピンドル２，３には円筒状のボビン４，５
が夫々挿着され、一方が巻取位置６に他方が待機
位置７に置かれる。タレツト１は巻取位置６のボ
ビン４に糸８が満巻となつたとき、180度だけ時
計方向に回転し、スピンドル２，３の位置を切替
えて巻取装置６に新たに位置された空のボビン５
に糸８を移し替え巻取りを続行するよう構成され
ている。

タレツト１の上位には下方に付勢されたスライ
ドボツクス９が昇降自在に設けられ、該スライド
ボツクス９にはタツチローラ１０、トラバース装
置１１、および第１糸寄せガイド１２が設けら
れ、該タツチローラ１０は巻取位置にあるボビン
４の糸層周面に常に圧接しており、該タツチロー
ラ１０によつて該ボビン４を反時計方向に回動駆
動している。

然して該スライドボツクス９にはこの考案のブ
レーキ装置１３が備えられており、該ブレーキ装
置１３はピン１４に軸支され、かつ一端をタツチ
ローラ１０の軸１５に接離するブレーキバー１
６、及び前記ブレーキバー１６の一端をタツチロ
ーラ１０の軸１５から離反する方向に付勢するス
プリング１７が設けられている。

そしてスライドボツクス９に近接位置にあるワ
インダーのフレーム上には、スライドボツクス９
が上昇したときブレーキバー１６の他端と当接す
るストツパー１８が設けられている。

タレツト１の回転中心には反時計方向に回転付
勢された回転体１９が設けられ、該回転体の一端
に第２糸寄せガイド２０および糸屈曲ガイド２１
が支持されている。

今、第１図に示すように巻取位置６のボビン４
に糸８が巻取られ、巻量の増加に伴つてスライド
ボツクス９は次第に上昇し、ボビン４に糸８が満
巻に達すると、スライドボツクス９は第２図に示
すように更に僅かに上昇しタツチローラ１０と糸
層周面との接触を解くが、この上昇により、ワイ
ンダーのフレーム上に設けられたストツパー１８
とスライドボツクス９にピン１４で軸支されたブ
レーキバー１６端とが当接し、ブレーキバー１６
はスプリング１７の付勢力に抗して揺動し、タツ
チローラ１０の軸１５と接触してタツチローラ１
０の回転を停止するのである。

そして更にタレツト１が時計方向に180度回転
して第３図に示すようにスピンドル２，３の位置
を切替え、巻取位置６に空のボビン５を移動する
と共に、タレツト１の回転中心に位置する回転体
１９は反時計方向に回転し、満巻ボビン４との間
に連続している糸８を、第２糸寄せガイド２０お
よび糸屈曲ガイド２１に係合する。そして同時に
スライドボツクス９は下降して、第４図に示すよ
うにブレーキバー１６とストツパー１８の接触が
解かれ、ブレーキバー１６はスプリング１７の付
勢力によりタツチローラ１０の軸１５から離反
し、タツチローラ１０は空のボビン５と当接し空
のボビンを回転すると共に、第２糸寄せガイド２
０および糸屈曲ガイド２１に係合した糸８は、回
転体１９の回転につれて張力が加わりながら空ボ
ビン５の表面と接触し、該張力により糸が切断す
ると同時に空ボビン５の回転力により引き込ま
れ、空ボビン５に巻きついて巻取が再開されるの
である。

なおブレーキバー１６と接触するストツパー１
８とは互いに衝撃的に当接しないよう空気バネ或
いはコイルバネ等の緩衝材を介して当接するよう
構成すると適当である。

〓考案の効果〓 以上詳細に述べた通りこの考案のワインダーに
おけるタツチローラのブレーキ装置は、パツケー
ジ面に当接するタツチローラを有するスライドボ
ツクスを、パツケージ上位に、パツケージ径の増
大につれ上昇するように設け、前記スライドボツ
クスには、一端を前記タツチローラの軸に接離す
るブレーキバーを揺動自在に軸支すると共に、前
記ブレーキバーの一端をタツチローラの軸から離
反する方向に付勢するスプリングを設け、スライ
ドボツクス外の固定フレームには、前記パツケー
ジの満巻上昇時にブレーキバーと当接し、ブレー
キバーをタツチローラ軸に圧接する方向に揺動で
きる位置にストツパーを設けてなるものであつ
て、ボビン上に糸が満巻きされたときスライドボ
ツクスの上昇に伴つてワインダーのフレーム上に
設けられたストツパーと、スライドボツクスに軸
支されたブレーキバーの端部とは互いに当接し、
ブレーキバーは揺動してタツチローラの軸と接触
し、その回転を停止するようにしたものであるか
ら、スライドボツクスの上昇を利用したコストの
掛からない簡単な機構によりタツチローラに適時
にブレーキがかけられるようになり、手動式の場
合のように作業員に余分の注意力と労力をかける
こともなく、機台のコンパクト化にも寄与するこ
とができた。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案のブレーキ装置を備
えたワインダーの作動状態を示す概略正面図であ
る。 １……タレツト、４，５……ボビン、８……
糸、９……スライドボツクス、１０……タツチロ
ーラ、１３……ブレーキ装置、１６……ブレーキ
バー、１８……ストツパー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パツケージ面に当接するタツチローラを有する
   スライドボツクスを、パツケーシ上位に、パツケ
   ージ径の増大につれ上昇するよう設け、前記スラ
   イドボツクスには、一端を前記タツチローラの軸
   に接離するブレーキバーを揺動自在に軸支すると
   共に、前記ブレーキバーの一端をタツチローラの
   軸から離反する方向に付勢するスプリングを設
   け、スライドボツクス外の固定フレームには、前
   記パツケージの満巻上昇時にブレーキバーと当接
   し、ブレーキバーをタツチローラ軸に圧接する方
   向に揺動できる位置にストツパーを設けてなる、
   ワインダーにおけるタツチローラのブレーキ装
   置。