JPH04116220U - ２ｗｄ−４ｗｄ切換装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 本考案は、唯一のアクチュエータを設けるの
みで、構成を簡略化することができ、製作が容易で、コ
ストを低廉とし得るとともに、フリーホイール機構の操
作が不要となり、操作性を向上でき、使い勝手を良好と
し得ること。 【構成】 車両の前後のいずれか一方に搭載されるエン
ジンにトランスファ２を装着するとともに、トランスフ
ァに唯一のフリーホイールアクチュエータ４を設け、車
両の他方にデファレンシャルギヤ６を設けるとともに、
デファレンシャルギヤにフリーホイール機構１０を設
け、フリーホイール機構とフリーホイールアクチュエー
タ４とを機械的に連動させるべく連結部材２２によって
連結して設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は２ＷＤ−４ＷＤ切換装置に係り、特に２ＷＤ状態から４ＷＤ状態へ あるいは４ＷＤ状態から２ＷＤ状態へ切換可能なパートタイム式の２ＷＤ−４Ｗ Ｄ切換装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

車両、例えば４ＷＤ車には、４ＷＤ状態を連続して維持するフルタイム式４Ｗ Ｄ装置を搭載するものや、必要に応じて２ＷＤ状態から４ＷＤ状態へ切換可能な パートタイム式２ＷＤ−４ＷＤ切換装置を搭載するものがある。

【０００３】 このパートタイム式２ＷＤ−４ＷＤ切換装置においては、手動あるいは自動的 にホイールハブとドライブシャフトとの断続を果たすフリーホイールハブ方式の ものや、デフケースとベベルギヤとの断続を果たすフリーアクスル方式のものが ある。

【０００４】 また、２ＷＤ−４ＷＤ切換装置としては、実公平２−４３７８６号公報に開示 されるものがある。この公報に開示されるパートタイム式４輪駆動車の駆動切替 制御装置は、トランスファと切替アクチュエータと駆動切替スイッチと切替制御 装置とを設けたパートタイム式４輪駆動車の駆動切替制御装置において、パーキ ングブレーキの制動操作に連動して４輪駆動信号を出力する駐車切替スイッチを 設け、この駐車切替スイッチによってパーキングブレーキの制動操作に連動して ４輪駆動状態とし、制動力を向上するとともに、構成が簡単で、且つコストを低 廉としている。

【０００５】 更に、実公平２−４５０６９号公報に開示されるものがある。この公報に開示 される変速機のコントロール装置は、作動レバーとベルクランクとを作動伝達ピ ンと長穴とで回動伝達させる手段とし、高価な部材である２個のボールジョイン トを必要とせず、製造コストを低減させるとともに、操作の応答性を向上させ、 しかも装置の横幅を小としている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、従来の２ＷＤ−４ＷＤ切換装置における前者のフリーホイールハブ 方式のものの、例えば手動式においては、２ＷＤ状態と４ＷＤ状態との切換を行 う際に、一旦車外に出て、ＦＲＥＥ（フリー）へまたはＬＯＣＫ（ロック）への 切換操作を行う必要があり、操作性が悪く、実用上不利であるという不都合があ る。

【０００７】 また、フリーホイールハブ方式の自動式のものにおいては、電気的な切換作動 が不任意であることにより、確実性がなく、信頼性が低いとともに、装置が高価 となり、コストが大となって経済的に不利であるという不都合がある。

【０００８】 更に、後者のフリーアクスル方式のものにおいては、図８に示す如く、リヤ側 のトランスファ１０２部分に第１のフリーホイールアクチュエータ１０４を設け 、フロントデファレンシャルギヤ１０６には第２のフリーホイールアクチュエー タ１３０を設ける必要があり、しかもこの第２のフリーホイールアクチュエータ １３０を駆動させるために図示しない負圧配管をリヤ側のエンジン部分から配設 する必要があり、構成が複雑化し、製作が困難となり、コストが大となって経済 的に不利であるという不都合がある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

そこで、この考案は、上述不都合を除去するために、エンジンの吸気管負圧を 利用して２ＷＤ状態と４ＷＤ状態とをパートタイムに切り換える２ＷＤ−４ＷＤ 切換装置において、前記車両の前後のいずれか一方に搭載されるエンジンにトラ ンスファを装着するとともにこのトランスファに唯一のフリーホイールアクチュ エータを設け、前記車両の他方にデファレンシャルギヤを設けるとともにこのデ ファレンシャルギヤにフリーホイール機構を設け、フリーホイール機構とフリー ホイールアクチュエータとを機械的に連動させるべく連結部材によって連結して 設けたことを特徴とする。

【００１０】

【作用】

上述の如く考案したことにより、唯一のフリーホイールアクチュエータとフリ ーホイール機構とを機械的に連動させて２ＷＤ状態から４ＷＤ状態へあるいは４ ＷＤ状態から２ＷＤ状態へ切換操作させ、フリーホイールアクチュエータの個数 を減少させて構成を簡略化している。

【００１１】

【実施例】

以下図面に基づいてこの考案の実施例を詳細に説明する。

【００１２】 図１〜図７はこの考案の実施例を示すものである。図１において、２は図示し ない車両の例えば後部に搭載されたエンジン（図示せず）に装着されるトランス ファである。

【００１３】 このトランスファ２の外周部位に唯一のフリーホイールアクチュエータ４を設 け、車両の例えば前部にフロントデファレンシャルギヤ６を設ける。

【００１４】 前記フリーホイールアクチュエータ４は、図示しないバキュームパイプが接続 されるとともに、一端が大気開放するパイプも接続され、前記エンジンからの吸 気管負圧により後述するスリーブ２０を連動させてフリー状態たる２ＷＤ状態と ロック状態たる４ＷＤ状態とに切り換えるものである。

【００１５】 そして、前記トランスファ２とフロントデファレンシャルギヤ６とをプロペラ シャフト８により連絡して設け、フロントデファレンシャルギヤ６にフリーホイ ール機構１０を設ける。

【００１６】 このとき、このフリーホイール機構１０は、プロペラシャフト８端部に連絡さ れるドライブベベルギヤ１２にドリブンベベルギヤ１４を噛合させて設け、この ドリブンベベルギヤ１４にデフケース１６を装着する。

【００１７】 このとき、デフケース１６内にフロントデファレンシャルギヤ６に連動する補 助部材１８を設け、この補助部材１８とデフケース１６との接続状態を断続し、 切断時にフリー状態とするとともに接続時にはロック状態とするスリーブ２０を 設ける。

【００１８】 また、フリーホイール機構１０とフリーホイールアクチュエータ４とを機械的 に連動させるべく、例えばロッド状の連結部材２２によって連結して設ける構成 とする。

【００１９】 詳述すれば、前記トランスファ２部位には図示しないアウトプットシャフトと プロペラシャフト８に連絡するエクステンションシャフト間の接続状態を断続す る機構としては、通常のスリーブ切換方式のもの、あるいはシンクロメッシュ機 構を使用することが可能である。

【００２０】 また、前記スリーブ２０には、連結部材２２の一端に接続される接続腕部２４ 先端の図示しない切換用フォークが係合し、このフォークの移動によってスリー ブ２０が移動され、切換動作されるものである。

【００２１】 次に作用について説明する。

【００２２】 前記フリーホイールアクチュエータ４に吸気管負圧が作用しない場合には、図 ２に示す如く、トランスファ２側が２ＷＤ状態となっており、図３に示す如く、 フリーホイールアクチュエータ４の位置が連結部材２２、接続腕部２４により図 示しないフォークの位置が決定され、スリーブ２０は図７に一点鎖線で示す如き 位置、つまり補助部材１８とデフケース１６との接続状態を切断する位置となり 、フリー状態たる２ＷＤ状態としている。

【００２３】 また、前記フリーホイールアクチュエータ４を吸気管負圧によって動作させる と、トランスファ２側が２ＷＤ状態から４ＷＤ状態に切り換えられるとともに、 この切換動作が連結部材２２、接続腕部２４を介して図示しないフォークに伝達 され、図７に実線に示す如く、フォークによってスリーブ２０が移動され、補助 部材１８とデフケース１６とを接続させる。

【００２４】 そして、前記フリーホイール機構１０をロック状態とし、図示しないエンジン からの駆動力をトランスファ２、プロペラシャフト８、デフケース１６、補助部 材１８を介して前車輪軸に伝達させ、４ＷＤ状態とする。

【００２５】 これにより、唯一のフリーホイールアクチュエータ４を設けるとともに、この フリーホイールアクチュエータ４とフリーホイール機構１０とをロッド状の連結 部材２２によって機械的に連動させるべく連結して設けたことによって、唯一の アクチュエータを設けるのみでよく、構成を簡略化することができ、製作が容易 で、コストを低廉とし得て、経済的に有利である。

【００２６】 また、前記フリーホイール機構１０がフリーホイールアクチュエータ４の動作 に連動することにより、フリーホイール機構１０の操作が不要となり、操作性を 向上することができ、使い勝手を良好とし得るものである。

【００２７】 なお、この考案は上述実施例に限定されるものではなく、種々の応用改変が可 能である。

【００２８】 例えば、この考案の実施例においては、フリーホイール機構とフリーホイール アクチュエータとを機械的に連動させるべくロッド状の連結部材によって連結し て設ける構成としたが、連結部材をケーブルによって構成し、フリーホイール機 構とフリーホイールアクチュエータとを機械的に連動させることもできる。

【００２９】

【考案の効果】

以上詳細に説明した如くこの考案によれば、車両の前後のいずれか一方に搭載 されるエンジンにトランスファを装着するとともに、トランスファに唯一のフリ ーホイールアクチュエータを設け、車両の他方にデファレンシャルギヤを設ける とともに、デファレンシャルギヤにフリーホイール機構を設け、フリーホイール 機構とフリーホイールアクチュエータとを機械的に連動させるべく連結部材によ って連結して設けたので、唯一のアクチュエータを設けるのみでよく、構成を簡 略化することができ、製作が容易で、コストを低廉とし得るとともに、フリーホ イール機構の操作が不要となり、操作性を向上でき、使い勝手を良好とし得るも のである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例を示す２ＷＤ−４ＷＤ切換装
置の概略図である。

【図２】２ＷＤ時のフリーホイールアクチュエータ部分
の概略拡大図である。

【図３】２ＷＤ時のデファレンシャルギヤ上部の概略拡
大図である。

【図４】４ＷＤ時のフリーホイールアクチュエータ部分
の概略拡大図である。

【図５】４ＷＤ時のデファレンシャルギヤ上部の概略拡
大図である。

【図６】図４の矢視〓部分からの概略図である。

【図７】デファレンシャルギヤの要部拡大断面図であ
る。

【図８】この考案の従来技術を示す２ＷＤ−４ＷＤ切換
装置の概略図である。

【符号の説明】

２ トランスファ ４ フリーホイールアクチュエータ ６ フロントデファレンシャルギヤ ８ プロペラシャフト １０ フリーホイール機構 １２ ドライブベベルギヤ １４ ドリブンベベルギヤ １６ デフケース １８ 補助部材 ２０ スリーブ ２２ 連結部材 ２４ 接続腕部

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【手続補正書】

【提出日】平成３年６月１４日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】全図

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

【図２】

【図３】

【図４】

【図５】

【図６】

【図７】

【図８】

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 エンジンの吸気管負圧を利用して２ＷＤ
   状態と４ＷＤ状態とをパートタイムに切り換える２ＷＤ
   −４ＷＤ切換装置において、前記車両Ｋ前後のいずれか
   一方に搭載されるエンジンにトランスファを装着すると
   ともにこのトランスファに唯一のフリーホイールアクチ
   ュエータを設け、前記車両の他方にデファレンシャルギ
   ヤを設けるとともにこのデファレンシャルギヤにフリー
   ホイール機構を設け、フリーホイール機構とフリーホイ
   ールアクチュエータとを機械的に連動させるべく連結部
   材によって連結して設けたことを特徴とする２ＷＤ−４
   ＷＤ切換装置。