JPH0411614Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は内容器内の液体を発熱体にて加熱、保
温すると共に空気圧を利用して液体を吐出する空
気圧利用式の電気ポツトに関するものである。

＜従来の技術＞ 空気圧利用式の電気ポツトはステンレス製の内
容器を設け、この内容器の下部外周にバンドヒー
ターの発熱体を張設する一方、内容器を囲んだ外
装ケースの上端に水切部材を結合し、下端に底部
材を結合し、内容器内の液体を外装ケース外側の
コツプ等の受器内へ吐出する吐出機構を設け、水
切部材の上端にベローズポンプ内蔵の上蓋ケース
を開閉自在に枢支し、ベローズポンプの空気排出
用筒部と連通する開口を中央に穿設した下蓋を設
け、この下蓋にて上蓋ケースの下端を覆い、下蓋
の開口と連通する開口を中央に穿設したステンレ
ス製の中蓋を設け、この中蓋を内容器の口元に着
脱自在に装着し、発熱体にて内容器内の液体を加
熱すると共にベローズポンプの押圧にて内容器内
に圧縮空気を圧送し、内容器内の液体を吐出機構
にてコツプ等の受器内へ吐出していたが、この種
の空気圧利用式の電気ポツトでは、上蓋ケースと
中蓋とが全く別個に設けられているために、内容
器内に液体を注ぎ入れる場合、上蓋ケースを開放
し、一旦中蓋を内容器口元より取り外した後、注
ぎ入れなければならず又、取り付けに際しても確
実に内容器口元内にセツトしなければならず中蓋
の取り扱いが邪魔となつていた。更に、電気ポツ
トの清掃後、中蓋の取り付け忘れや紛失の恐れが
多分にあつた。

＜考案の目的＞ 本考案は上記の点に鑑みてなされたものであつ
て、構造簡単にして中蓋の着脱が容易で、中蓋の
取り扱いが邪魔とならず使い勝手がよい空気圧利
用式の電気ポツトを提供するにある。

＜考案の構成＞ 本考案によれば、下蓋の開口と中蓋の開口とを
合致し、この合致した両開口の内側より上部を下
蓋の上面に当接し、下部を中蓋の下面に当接する
縦断面コ字状の環状のゴムブツシユを嵌着すると
共に環状のゴムブツシユ内にベローズポンプの空
気排出用筒部を無理嵌めする一方、中蓋の中央よ
り離れた上周面に下蓋の底面と当接する環状の突
起を設けるだけで目的を達成しようとするもので
ある。

＜考案の実施例＞ 以下、本考案の実施例を図面に基き説明する。

空気圧利用（レバー式）の電気ポツト１は外装
ケース２に囲まれる内容器３と、外装ケースの上
端に結合する水切部材４と、ベローズポンプ５を
内蔵する上蓋ケース６と、内容器内の液体を吐出
する吐出機構７と、内容器内の液体を加熱、保温
する発熱体８と、内容器内の液体又は雰囲気空気
の温度を感知して発熱体をON、OFFする温度調
節器９と、内容器内の底部を覆う底部材１０とか
ら構成されている。

外装ケース２は薄い鉄板を円筒状に形成し、上
端を内側上方へ段状に折り曲げ、下端を内側へ筒
状に折り曲げて、内容器との間に隙間を設けてい
る。

内容器３はステンレス等の金属材料にて有底筒
状に形成されており、上端を広口とし、この広口
の先端に外側へ拡がつた鍔部を設けている。内容
器３は前壁の下部に液体注出用の下部開口を穿設
し、この下部開口にステンレス等の金属材料にて
短筒状に形成した下部パイプ１１を溶着してい
る。内容器の鍔部は耐熱、耐蝕性のシールパツキ
ン１２にて覆われており、後述の水切部材受部の
中央開口を形成する周壁上面に密に接合してい
る。内容器は底部外壁に取り付けアングル１３を
固定している。

水切部材４は中央に内容器の広口と連通する中
央開口を備えた受部と、受部後端で後述の上蓋ケ
ースをヒンジするヒンジ部と、受部前方で後述の
吐出パイプを載置する嘴部とからなつている。水
切部材の受部の開口は内容器の鍔部を鍔部下面よ
りシールパツキン１２を介して支え持ちしてい
る。水切部材の鍔部は左、右側に後述の上蓋ケー
スのロツク装置を係止するロツク爪用係止片を設
けている。

上蓋ケース６はヒンジ部材１４にて揺動自在に
枢支され、ロツク装置１５にて水切部材上面に開
閉自在に装着しており、ベローズポンプ５と、ベ
ローズポンプを押上げているスプリング１６と、
ベローズポンプの上部開口を開閉するプツシユ弁
１７と、このプツシユ弁を押圧し、ベローズポン
プ内の空気を内容器内に圧送する押圧操作部材１
８とを内蔵し、下面を下蓋１９にて覆い、下蓋の
下部に中蓋を着脱自在に装着している。

ベローズポンプ５は蛇腹部と、蛇腹部上、下端
の肉厚な上板部及び下板部とにて形成されてお
り、上板部の中央に空気供給用の開口を設け、下
板部の中央に内部中空な空気排出用筒部２０を設
けている。

プツシユ弁１７は上部の平板部と平板部の下面
より下方に垂設し、その先端をベローズポンプの
上板部の中央開口を形成する周壁下面に当接した
複数の爪とを一体成形している。

スプリング１６は下端をベローズポンプ内の下
板部上面に当接し、上端をプツシユ弁の平板部下
面で爪内側に当接している。

押圧操作部材はプツシユ弁を押圧する押圧レバ
ー２１と、押圧レバーを係止する押圧係止部材２
２と、操作レバー２３と、操作レバーの上下動を
押圧レバーに伝達する伝動ピン２４と、操作レバ
ーの上下動を規制するストツパー部材２５とから
なつている。

押圧レバー２１は略厚板状に形成されており、
プツシユ弁と当接する一端を自由端とし、他端を
押圧係止部材に枢支している。

操作レバー２３は一端を上蓋ケースの内側後端
に上下動自在に枢支しており、他端を自由端と
し、上蓋ケース前部上方に突出して、自由端の下
方への押圧によつて伝動ピンを介し押圧レバーの
自由端を降下させている。

伝動ピン２４は操作レバーに固定されており、
押圧レバーの上面に常時当接している。

下蓋１９は上蓋ケースの下端内周に嵌合し、第
２図に示すように中央に向つて下りの階段状に形
成されており、中央にゴムブツシユ２６を介して
空気排出用の開口を穿設している。

ゴムブツシユ２６は第２図に示すように、外周
壁に環状のくぼみ２７を設けた縦断面コ字状の弾
性材料にて形成されており、下蓋の中央開口と後
述の中蓋の中央開口とを合致させた状態で、くぼ
み２７の上面を下蓋の中央開口を形成する周壁に
当接し、くぼみ２７の下面を後述の中蓋の中央開
口を形成する周壁に当接している。

内容器の口元を開閉する中蓋２８はステンレス
等の金属材料にて第２図に示すように略円板状に
形成されており、中央を開口して、この中央開口
より離れた上周面に環状の突起２９を設けてい
る。

中蓋２８は中央開口を下蓋の中央開口と合致し
た状態で、この中央開口内よりゴムブツシユ２６
を内嵌しており、環状の突起２９上端を下蓋の階
段状の下周面に当接している。この中蓋２８は中
央開口を形成する周壁部分を下蓋とゴムブツシユ
とにてリング状に当接支持され、更に中央開口よ
り離れた周面にて下蓋の階段状の下周面とリング
状に当接支持されて、下蓋と確実に保持され、上
蓋ケースの開閉に伴なつて内容器の口元を開閉し
ている。

吐出機構７は液量表示管を兼用した揚水パイプ
３０と、揚水パイプと内容器の下部パイプ１１と
を連結する第１ホルダー３１と、内容器内の液体
を外部の受器等に吐出する吐出パイプ３２と、吐
出パイプと揚水パイプとを連結する第２ホルダー
３３と、揚水パイプの前面を覆うカバー体３４と
からなつている。

揚水パイプ３０はガラス材料にて上下に細長い
中空管に形成されており、内容器内の液量をこの
揚水パイプ内に示された液面位置にて表示し、カ
バー体前面より目視可能としている。

第１ホルダー、第２ホルダーは耐熱、耐蝕生の
弾性材料にて中空管に形成されている。

カバー体３４は中央に上下に細長い透孔を穿設
し、この細長い透孔内に透明な薄板を張設してお
り、この薄板表面より揚水パイプの液量位置を目
視して内容器内の液量を確認している。カバー体
の上部は水切部材の嘴部下面を覆つて、嘴部下側
にビス止めされ、カバー体の下端は底部材１０に
係合している。

発熱体８はバンドヒーターによつて内容器の底
部外周に張設している。

底部材１０は外装ケースの下端に当接するリン
グ状の底輪３５と、底輪の開口を閉鎖する底板３
６とからなつている。底板３６は円板状に形成さ
れており、外周を底輪に当接し、ビスにて内容器
の取り付けアングル１３に螺着し、底輪と水切部
材との間の内容器並びに外装ケースを緊縮してい
る。

温度調節器９は内容器内の液体温度を感知して
発熱体を自動的にON、OFFしている。

３７は温度ヒユーズ、３８はハンドルである。

＜考案の効果＞ 構造が簡単で取り付け部品も少く、安価に製作
でき、しかも上蓋ケースの開閉と共に中蓋の開閉
をも行えるので操作が非常に安易となると共に中
蓋の紛失も全く考慮する必要もない。

又、ゴムブツシユを内側へ押圧するだけで簡単
に中蓋を着脱できるために中蓋の清掃も至つて容
易にすることができる。

更に、中蓋が大、小二つのリング状になつて支
持されているために非常に安定性よく、確実に下
蓋に保持することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す縦断面図、第２
図は本考案の要部を示す縦断面図である。 １……空気圧利用式の電気ポツト、２……外装
ケース、３……内容器、６……上蓋ケース、１９
……下蓋、２６……ゴムブツシユ、２８……中
蓋、２９……突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内容器の下部外周に発熱体を張設し、内容器を
   囲んだ外装ケースの上端に水切部材を結合し、下
   端に底部材を結合し、内容器内の液体を外部へ吐
   出する吐出機構を設け、水切部材の上端にベロー
   ズポンプ内蔵の上蓋ケースを開閉自在に枢支し、
   中央にベローズポンプの空気排出用筒部と連通す
   る開口を穿設した下蓋を設け、この下蓋にて上蓋
   ケース下端を覆い、中央に下蓋の中央開口と連通
   する開口を穿設したステンレス製の中蓋を設け、
   この中蓋をして内容器の口元を閉鎖し、発熱体に
   て内容器内の液体を加熱すると共にベローズポン
   プの押圧にて内容器内の液体を外部へ吐出する空
   気圧利用式の電気ポツトに於いて、上記下蓋の開
   口と中蓋の開口とを合致し、この合致した両開口
   の内側より上部を下蓋の上面に当接し、下部を中
   蓋の下面に当接する縦断面コ字状の環状のゴムブ
   ツシユを嵌着すると共に環状のゴムブツシユ内に
   ベローズポンプの空気排出用筒部を無理嵌めする
   一方、中蓋の中央より離れた上周面に下蓋の底面
   と当接する環状の突起を設けたことを特徴とする
   空気圧利用式の電気ポツト。