JPH04115984A - 記録用シートおよび記録物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、記録用シート、特にインクの吸収性に優れ、
かつ優れた透明性を有する印刷物が得られる記録用シー
トおよびその記録用シートに印刷して得られる記録物に
関するものである。

［従来の技術］ 近年、各種学会、会議等のプレゼンテーション用として
、従来のスライドプロジェクタ−にかわり、オーバーヘ
ッドプロジェクタ−（以下ＯＨＰという）が用いられる
機会が多くなっている。また印刷の分野でも、各種の出
版物や、包装等の用途で、透明な印刷物が求められるよ
うになっている。

これらの透明なシートの印字、印刷は基材であるシート
それ自体に吸収性が無いため、一般の紙面上に行う印刷
に比べ、印刷の速度や乾燥の面で特別な配慮が必要であ
る。

一方、ＯＨＰ用シート等の、ごく少量の印刷物を得るた
めに、パーソナルコンピューターやワープロを用いて原
稿を編集し、プリンターによって印字する方法が広（行
われており、そのプリンターとしてフルカラー化が容易
なことや印字騒音が低いことからインクジェット方式が
注目されている。

インクジェット方式では、ノズルから被記録材に向けて
インク液滴を高速で射出するものであり、ノズルのつま
り等を防止するために、用いられるインクは多量の溶媒
（無着色）を含んでおり、高色濃度を得るために、大量
のインクを用いている。このため被記録材には速やかに
インクを吸収し、しかも優れた発色性を有する高吸収性
が要求される。

従来、インクジェットプリンター用の被記録材としては
、このような要求を満たすために、基材上に微粉シリカ
等をバインダーと共に塗布し、多孔質層を設けたものが
用いられてる。また、特開昭６０−２４５５８８ではシ
リカのかわりに半径４０〜１０００人の細孔を持つアル
ミナキセロゲルを用いることが提案されている。

［発明の解決しようとする課題］ しかし、上記のようなインクジェットプリンター用被記
録材は、いずれもインクの吸収性を得るために大きな細
孔容積を有したものを用いる必要があり、透明基材上に
塗布した場合でも塗布層が不透明となるため、ＯＨＰ用
等には全（用いる事ができなかった。

そこで従来は、ＯＨＰシート用として透明基材上に吸収
性の高分子を、塗布したもの（例えば特開昭６Ｏ−９２
８４９）が用いられていたが、高分子層が無孔質である
ため、インクの吸収性が充分でなく、にじみが出たり、
印字後乾燥に時間がかかったりという問題があった。こ
れを解決するために、熱可塑性の多孔質層を設け、その
細孔によりインクを吸収、その後加熱して非多孔質化す
る方法（特開昭６２−１９６１７５等）が試みられてい
るが、その効果や、後処理の手間の面から実用性に乏し
かった。

本発明は、透明性と高いインクの吸収性の両方を兼ね備
えた、インクジェットプリンター用の被記録材として好
適な記録用シートを提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は、透明な基材上に、主としてアルミニウムアル
コキシドの加水分解により生成した擬ベーマイトからな
る層を設け、さらにその上に主として多孔性シリカから
なる層を設けたことを特徴とする記録用シートを提供す
るものである。

本発明に用いられる透明基材としては特に限定はなく、
例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ジ
アセテート等の有機フィルムやシート、各種ガラス等が
用いられる。

これら基材の厚さは目的により選ばれ、特に限定されな
い。これら基材は、色素の担持媒体となる擬ベーマイト
との接着性を改善する目的で、必要に応じコロナ放電処
理等の表面処理やプレコート層を設けることもできる。

本発明の記録用シートは、このような透明基材の表面に
、主としてアルミニウムアルコキシドの加水分解により
生成した擬ベーマイトからなる贋が設けられる。ここで
、擬ベーマイトとはコロイド状ベーマイト（ＡＩＯ（Ｏ
Ｈ）　）粒子の凝集体である。アルミニウムアルコキシ
ドの加水分解により生成した擬ベーマイトは、粒子径が
均一でかつ細孔構造の制御されたものができるので、記
録用シートの色素吸着層として特に好ましい。

アルミニウムアルコキシドを加水分解する方法としては
、特に限定されないが、次のような方法で行うのが好ま
しい。例えば、アルミニウムアルコキシドとしてアルミ
ニウムイソプロポキシドを使用し、インプロパツールと
水との混合溶液中で加熱しながら加水分解してベーマイ
ト粒子の沈殿を得る。この沈殿に酸などの解膠剤を加え
ると、均質なベーマイトゾルが得られる。ベーマイトと
しては、ゾル状のものを用いると色素吸着層として好ま
しい形態を得やすく好適であるが、所望により粉末状の
原料を用いることも可能である。

擬ベーマイト層は、平均細孔半径３０〜４０人でかつそ
の平均細孔半径の±１０人の範囲の半径を有する細孔の
容積が全細孔容積に対して占める割合が５０％以上であ
ることが好ましい。擬ベーマイトがこのような細孔構造
を有する場合は、十分な透明性と色素の吸着性を示すこ
とができる。なお、本発明における細孔径分布の測定は
、窒素吸脱着法による。

擬ベーマイトが、上記の物性に加えてその細孔構造が実
質的に半径が１０〜１００人の細孔のみからなり、細孔
容積が０，３〜ｌ　、　Ｏｃｃ／ｇである場合は、さら
に好ましい。

擬ベーマイト層を透明幕村上に設ける手段としては、種
々の方法を採用し得るが、予めベーマイトとバインダー
の混合スラリーを調製しておき、これをロールコータ−
、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコー
ター、バーコーター等の各種塗布装置により基材上に塗
布した後、乾燥する方法が好適である。

ベーマイトとしては、ゾル状のものを用いると色素吸着
層として好ましい形態を得やすく好適であるが、所望に
より粉末状の原料を用いることも可能である。

バインダーとしては、一般にデンプンやその変性物、Ｐ
ＶＡやその変性物、ＳＢＲラテックス、ＮＢＲラテック
ス、ヒドロキシセルロース、ポリビニルピロリドン等の
有機物を用いることができる。

バインダーの使用量は擬ベーマイトのｌＯ〜５０重量％
程度を採用するのが適当である。バインダーの使用量が
前記範囲に満たない場合には、擬ベーマイト層の機械的
強度が不十分となり、逆に前記範囲を超える場合には色
素の吸収性を阻害する恐れがあるので何れも好ましくな
い。

このようにして設けられた擬ベーマイト層は乾燥され、
次にその上層に、主として多孔性のシリカ層が設けられ
る。

多孔性シリカとしては、その平均粒子直径が１〜５０μ
ｍ、細孔容積が０．５〜３．０ｃｃ／ｇ程度を採用する
のが適当である。平均粒子直径が１μｍに満たない場合
は、吸収性が高くなりすぎ、色素まで吸収担持してしま
う恐れがあり、逆に５０μｍを超える場合は、多孔性シ
リカ層の強度が低下し、または記録物の解像度が低下す
る恐れがあるので、いずれも好ましくない。また、細孔
容積が０．５　ｃｃ／Ｈに満たない場合には、インク中
の溶媒の吸収性が不十分となり、逆に３、０ｃｃ／ｇを
超える場合には吸収性が高くなりすぎ、色素まで吸収担
持してしまう恐れがあるのでいずれも好ましくない。

多孔性シリカ層の厚さは、用いられるインクやその溶剤
の種類、インク量等により厳密には決定されるが、一般
には５〜５０μｍ程度を採用するのが適当である。厚さ
が前記範囲に満たない場合には、吸収性が不足し像かに
じみ、逆に前記範囲を超える場合には、吸収性が高（な
りすぎ色素までも吸収担持してしまい、像を形成しない
恐れがあるのでいずれも好ましくない。

多孔性シリカ層を、擬ベーマイト層上に設ける手段とし
ては、前述した擬ベーマイト層の形成と同様の手段を採
用することが出来る。

か（して、本発明による記録用シートにおいては、擬ベ
ーマイト層がインク中の色素の吸着層として働き、多孔
性シリカ層は、インク中の溶剤の吸収層として働（。こ
のような選択性は、擬ベーマイトとシリカとで表面電荷
が異なるのが原因と考えられる。したがって、多孔性シ
リカ層側からインクを供給するとその溶剤だけがシリカ
層に担持され、色素はその下層である擬ベーマイト層に
担持せしめることができる。この結果、印刷物を透明基
材側（印刷側の裏側）から見ると透明基材の透明性がほ
ぼそのまま保たれ、しかも鮮明な画像を見ることが可能
となる。

本発明の記録用シートでは、印刷の後、多孔質シリカ層
を取り除（こともできる。上記のように印刷後は、溶剤
だけが多孔質シリカ層に担持され、色素はその下層であ
る擬ベーマイト層に選択的に担持される。擬ベーマイト
層は、透明性が高いので、多孔質シリカ層を取り除いた
あとは、透明で、かつ高解像度、高色濃度の記録物を得
る事が出来る。例えば、この記録物はＯＨＰ用にも好適
に使用できる。

多孔質シリカ層を除去する方法としては、こすり落とし
たり、粘着性のテープ等を用いてシート状に剥離させる
方法や、水洗する方法を用いる事ができる。本発明では
、このように印字後上層を取り除（操作を行うため、各
層に含まれるバインダーの比率には若干の配慮を行うの
が望ましい。

擬ベーマイト層では、バインダーの量が擬ベーマイトに
対して１０〜５０重量％であることが望ましい。１０重
量％未満の場合は、多孔質シリカ層除去の際に擬ベーマ
イト層まで脱落しやす（、逆に５０重量％を超える場合
は、染料吸着能力が低下するおそれがある。

また、多孔質シリカ層では、バインダーの含有量が擬ベ
ーマイト層より少なく、バインダーの量がシリカに対し
て３〜２０重量％であることが望ましい。３重量％未渦
の場合は、微粉が脱落しやすく、ノズルの目づまりの原
因になったりし、逆に２０重量％を超える場合は、強面
な層となりすぎ除去が困難となったり、吸収性が阻害さ
れたりするおそれがある。

本発明による記録シートは、水性、油性いずれのインク
をも使用可能であり、特にインクジェットプリンターの
記録用紙として優れているが、これに限らず種々の記録
用紙として有用である。

［実施例］ 実施例１ 容量２Ｉ２のセパラブルフラスコ（撹拌羽根・温度計付
）に、イオン交換水９００ｇとイソプロピルアルコール
６７６ｇを仕込み、マントルヒーターにより液温７５℃
に加熱した。撹拌しながらアルミニウムイソプロポキシ
ドを３０６ｇ添加し、液温な７５〜７８℃に保持して５
時間加水分解を行なった。次に、９５度に昇温し、酢酸
４．５ｇを添加して４８時間９５〜９７℃に保持して解
膠した。その後、液量が９００ｇになるまで濃縮して、
白色のゾルを得た。このゾルを１４０℃で乾燥したとき
の固形物の重量を測定したところ、このゾルの固形分は
１０．０％であった。また、このゾルを乾燥して得られ
る固形物は、粉末Ｘ！１回折によると擬ベーマイトであ
り、窒素吸着法で測定したところ平均細孔半径３８．３
人、１０〜１００人の細孔容積０、５６ｃｃ／ｇ、平均
細孔半径の±１０人の範囲の半径の細孔の有する細孔容
積が、全細孔容積に占める割合が７１％であった。

上記のベーマイトゾル４重量部（固形分）、ポリビニル
アルコール（クラレ社製、　ＰＶＡ１１７）１重量部（
固形分）および水からなる固形分約ｌＯ％のコート液を
調製し、ポリエチレンテレフタレートフィルム（東し社
製１００μｍ）に、バーコーターにより乾燥時の塗布量
が９ｇ／ｍ”となるよう塗布し乾燥した。

更に、この上に、ホワイトカーボン（塩野義製薬社製；
カープレックス＃８０）　１０重量部（固形分）、ポリ
ビニルアルコール（クラレ社製；ＰＶＡ１１７）　１重
量部（固形分）および水からなる固形分約１５％のコー
ト液を調製し、乾燥時の塗布量７　ｇ／ｍ”となるよう
塗布、乾燥して、記録用シートを作製した。

これにキャノン社製フルカラープリンターＦＰ−５１０
で印字後、水道水を流しつつ軟質スポンジで軽（１分間
こすってシリカ層を洗い流し、乾燥した。得られた記録
物は、透明で高い色濃度を有し、ＯＨＰで映写したとき
に十分鮮明な映像が得られた。

実施例２ 実施例１において、ホワイトカーボンに加えるポリビニ
ルアルコールの量を２重量部に変えた以外は、全て同様
にして記録用シートを作製した。これにキャノン社製フ
ルカラープリンターＦＰ−５１０で印字後、裏から見る
と鮮明な画像が得られた。

［発明の効果］ 本発明の記録用シートは、油性および水性のインクで鮮
明な記録を行なうことができる。特に、インクジェット
プリンターのように溶剤の多いインクでの印刷に好適で
ある。

本発明の記録用シートに印刷を行なったのちに、透明な
基材のほうから見ると鮮明な画像が得られる。また、印
刷後多孔性のシリカを取り除くとＯＨＰにも使用できる
、透明な記録物が得られる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、透明な基材上に、主としてアルミニウムアルコキシ
   ドの加水分解により生成した擬ベーマイトからなる層を
   設け、さらにその上に主として多孔性シリカからなる層
   を設けたことを特徴とする記録用シート。 ２、擬ベーマイトが、平均細孔半径３０〜４０Åでかつ
   その平均細孔半径の±１０Åの範囲の半径を有する細孔
   の容積が全細孔容積に対して占める割合が５０％以上で
   ある請求項１の記録用シート。 ３、請求項１の記録用シートに印刷した後、透明な基材
   の、擬ベーマイトからなる層を設けていない面から見る
   ことを特徴とする記録物。 ４、請求項１の記録用シートに印刷した後、主として多
   孔質シリカからなる層を除去して得られる記録物。