JPH04115130U - 断熱容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 断熱性に優れると共に廃棄処分が容易な断熱
容器を提供する。 【構成】 不織布２と熱可塑性樹脂層３の積層シートを
樹脂層が容器内面を形成するようにして熱成形し、液体
分の漏れを防止すると共に不織布２の持つ断熱性を利用
する。また、この断熱容器１を内容器としてその外側に
焼却の簡単な紙カップやフィラー入り樹脂の成形品から
なる外容器を一体的に取り付けることにより、強度を持
たせて断熱性を高める。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主としてラーメン容器やどんぶりとして用いられる断熱容器に関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ラーメン或いはうどん、そば等の麺類を店頭などで食べる時に使用され る簡便な断熱容器として、製造が簡単でかつ安価であると共に断熱性に優れてい ることから、発泡ポリスチレン製の容器が一般に広く使用されている。また、ご く僅かではあるが、紙カップ式の容器やフィラー入りのポリプロピレンからなる 容器も使用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の技術で述べた発泡ポリスチレン製の容器は、前記したような利点を有し てはいるものの、燃焼時に有毒ガスを発生するので、廃棄処理が困難であるとい う問題点があった。したがって、最近では環境問題上の観点からその使用を控え る傾向にある。

【０００４】 また、紙カップ式の容器やフィラー入りのポリプロピレンからなる容器は、発 泡ポリスチレン製の容器とは違って焼却による廃棄処理が容易ではあるものの、 断熱効果が充分でないという問題点があった。

【０００５】 本考案は、上記のような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とすると ころは、断熱効果に優れると共に廃棄処理が容易な断熱容器を提供することにあ る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の断熱容器は、不織布と熱可塑性樹脂層の 積層シートを樹脂層が容器内面を形成するようにして熱成形したものである。

【０００７】 そして、強度を持たせると共に断熱性をより高めるために、上記の断熱容器を 内容器として、その外側に紙カップからなる外容器を一体的に取り付けるように したものである。

【０００８】 或いは、フィラー入り樹脂の成形品からなる外容器を一体的に取り付けたもの である。

【０００９】

【作用】

上記構成からなる断熱容器においては、内容物の液体分が容器内面の樹脂層の 部分で遮断されて漏れるのが防止される。また、不織布の持つ断熱性により内容 物の熱が容器の外側に伝わるのが防止される。

【００１０】 さらに、内容器と外容器を組み合わせてなる形態の断熱容器にあっては、内容 器が外容器によって補強されると共に、外容器により或いは両者の間に空間があ る場合にはこの空間によりさらに断熱作用が行われる。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【００１２】 図１は本考案に係る断熱容器の一実施例を示しており、同図の断熱容器１は、 成形性の不織布２の内面に熱可塑性樹脂層３を積層したシートをどんぶり形状に 成形することにより作成されたものである。本実施例では、ポリプロピレン系長 繊維不織布である出光石油化学（株）製「ストラテック（登録商標）」のうちメ ートル坪量２５０ｇ／ｍ² のものを使用し、これに厚さ５０μのポリエチレンフ ィルムをラミネートしたシートを用いて圧空成形により作成した。

【００１３】 上記の断熱容器１は、それ自体で麺類等の器として使用することができる。す なわち、熱い麺類を入れた場合、汁分が熱可塑性樹脂層３の部分で遮断されて漏 れることがなく、また不織布２の断熱性により熱が容器の外側に伝わるのが防止 される。また、不織布２を主体としており焼却が容易であることから使用後に廃 棄した場合に焼却処理が簡単に行えるものとなっている。

【００１４】 図２は断熱容器１を構成する積層シートの別の例を示しており、この積層シー ト４は、容器の外側から順に不織布５、熱可塑性樹脂層６、不織布７、熱可塑性 樹脂層８を積層したものである。この不織布５として前記の成形性不織布のうち メートル坪量２５０ｇ／ｍ² のものを、また不織布７として同じくメートル坪量 １５０ｇ／ｍ² のものを使用し、一方、熱可塑性樹脂層６，８としてそれぞれ厚 さ３０μ，１００μのポリエチレンフィルムを使用し、これらをラミネートして 積層シート４を形成した。そして、この積層シート４を圧空成形によりどんぶり 形状に加工した。このようにして作成した断熱容器は、先の実施例の断熱容器１ と比べて断熱性が優れると共に強度があり、しかも容器の外側面は不織布の持つ 風合いを活かしたものとなった。

【００１５】 図３は別形態の断熱容器を示すもので、同図の断熱容器１１は先の断熱容器１ を内容器１２として、その外側に紙カップからなる外容器１３を一体的に取り付 けたものである。この外容器１３は通常の紙カップと同様のものであり、内面若 しくは内外面にポリプロピレン等の樹脂をコーティングした板紙からなるブラン ク板を巻回しその両端を貼り合わせて胴部１４を形成した後、この胴部１４の下 部に同じ板紙からなる底板１５を巻き締めると共に、上部開口縁に外向きのカー ル部１６を形成したものである。そして、外容器１３の内側に内容器１２を挿入 し両者を接着することで断熱容器１１が形成されている。

【００１６】 図４は図３に示した断熱容器の変形例を示すもので、同図の断熱容器２１は先 の断熱容器１を内容器２２として、その外側にフィラー入り樹脂の成形品からな る外容器２３を一体的に取り付けたものである。この外容器２３は珪酸マグネシ ウム、炭酸カルシウム、クレー等のフィラーを１０〜４０％混合したポリプロピ レンを厚さ０．６ｍｍのシートとしたものをシート成形して作成したものである 。そして、外容器２３の内側に内容器２２を入れ、両者のフランジ部分を熱でシ ールすることにより一体とすることで断熱容器２１が形成されている。

【００１７】 上記構成からなる断熱容器１１，２１は、不織布を主体とした積層シートから なり腰のない状態となっている内容器１２，２２の外側に剛性のある外容器１３ ，２３を一体的に取り付けたことにより、強度のあるしっかりしたものとなって いる。また、内容器１２，２２の中に麺類などの熱い食品が入れらた場合、内容 器１２，２２の不織布による断熱作用に加えて、外容器１３，２３によっても断 熱作用が行われる。なお、外容器１３，２３と内容器１２，２２との間に隙間を 設けるようにしておけば、断熱効果を一層良くすることができる。

【００１８】 また、上記実施例の断熱容器１１，２１は、内容器１２，２２が不織布を主体 としているので焼却が容易である上に、外容器１３は板紙製の紙カップであり、 また、外容器２３はフィラー入り樹脂を使用して燃焼カロリーが低くなったもの であるのでこれらも焼却が容易である。したがって、断熱容器１１，２１は廃棄 した場合に焼却処理が簡単に行えるものとなっている。

【００１９】 さらに、図４に示す断熱容器２１においては、内容器２２と外容器２３に同じ 素材（ポリプロピレン）を使用しているので、まとめて廃棄することによってこ れをリサイクルすることも可能である。

【００２０】 なお、不織布としては、その他のオレフィン系長繊維不織布、或いはポリエス テル系長繊維不織布等公知の成形性不織布を使用してもよい。また、フィラー入 り樹脂の成形品である外容器２３としては、ポリプロピレンに限ることなく、フ ィラーを充填したその他の樹脂からなる成形品を使用してもよいものである。た だし、この場合、樹脂のリサイクルを考慮して、外容器２３と内容器２２に同じ 素材を使用することが好ましい。

【００２１】 また、本考案の断熱容器は、店頭等において麺類を食べる際の簡便な容器とし て使用されるばかりでなく、インスタントラーメン等の熱湯を注いで食べる即席 食品の容器して使用することもできる。

【００２２】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の断熱容器は、内面に熱可塑性樹脂層を有する不 織布で容器を構成しているので、内容物の液体分が漏れることなく優れた断熱性 を発揮することができる。また、焼却の容易な不織布を主体としているので内容 物を食べた後に容器を簡単に廃棄処理することができる。

【００２３】 内容器と外容器とからなる形態とした断熱容器にあっては、強度を高めること ができると共に、断熱性を一層向上させることができる。また、内容器及び外容 器ともにそれぞれ焼却が容易に行えるので廃棄処理も簡単に行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】断熱容器の断面図である。

【図２】積層シートの他の例を示す断面図である。

【図３】外容器に紙カップを用いた断熱容器の断面図で
ある。

【図４】外容器にフィラー入り樹脂の成形品を用いた断
熱容器の断面図である。

【符号の説明】

１ 断熱容器 ２ 不織布 ３ 熱可塑性樹脂層 ４ 積層シート １１ 断熱容器 １２ 内容器 １３ 外容器 ２１ 断熱容器 ２２ 内容器 ２３ 外容器

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 不織布と熱可塑性樹脂層の積層シートを
   樹脂層が容器内面を形成するようにして熱成形したこと
   を特徴とする断熱容器。
2. 【請求項２】 紙カップからなる外容器と、不織布と熱
   可塑性樹脂層の積層シートを樹脂層が容器内面を形成す
   るようにして熱成形した内容器とで構成したことを特徴
   とする断熱容器。
3. 【請求項３】 フィラー入り樹脂の成形品からなる外容
   器と、不織布と熱可塑性樹脂層の積層シートを樹脂層が
   容器内面を形成するようにして熱成形した内容器とで構
   成したことを特徴とする断熱容器。