JPH04114892U - クローラ走行装置の転輪取付部構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 転輪の肉抜き部に泥土が入り込むことを防止
する。 【構成】 トラックフレーム２のボス２Ａに回転自在に
支持させた支軸９の端部に、外端面に肉抜き部３ａが形
成された転輪３のボス部３Ａを嵌合させ、支軸９に螺合
することによりボス部３Ａの端面に接当する座金１０を
介してボス部３Ａを支軸９に対して抜止めするナット１
１を設け、前記座金１０に、肉抜き部３ａを蓋する土入
防止用のカバー部１０Ｂを形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、クローラベルトを案内する転輪をトラックフレームに取付けるため の構造で、詳しくは、トラックフレームのボスに支軸を回転自在に支持させ、そ の支軸の端部に、端面のうち前記ボスから遠い側の外端面に肉抜き部が形成され た転輪のボス部を嵌合させ、前記支軸に螺合することにより前記ボス部の端面に 接当する座金を介してボス部を支軸に対して抜止めする取付け用のねじ部材を設 けてあるクローラ走行装置の転輪取付部構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来では、転輪のうち軽量化及びコストダウンのための肉抜き部が側方に全面 開放するものであった（例えば実開昭６０−３１８１合公報）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従って、前記従来技術によるときは、圃場等での走行に伴い泥土が肉抜き部に 入り込んで堆積し、大きな塊となる。そして、そのような泥土塊は、走行振動に より転輪から横脇に脱落し、路上走行時に道路を汚損する。特にコンバインでは 、刈取作業時に泥土塊が未刈地に脱落し、植立穀稈を倒したり汚損したりする。 本考案の目的は、肉抜き部に泥土が入り込むことを防止する点にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案によるクローラ走行装置の転輪取付部構造の特徴構成は、前記肉抜き部 を蓋する土入防止用のカバー部を前記座金に形成してある点にある。

【０００５】

【作用】

座金が肉抜き部を蓋するカバーとして作用するため、転輪に肉抜き部を形成し て軽量化、コストダウンを図り得る構成を採用しながらも、肉抜き部に泥土が入 り込むことを防止できる。しかも、カバーを別途設けるのではなく、座金にカバ ー部を形成してカバーを構成してあるため、カバーを転輪に取付けるための構造 及び操作が不要である。

【０００６】

【考案の効果】

従って、本考案によれば、肉抜き部を形成することで転輪の軽量化、コストダ ウンを図りながらも、肉抜き部に泥土が入り込むこと、つまり、大きな塊状とな って脱落することによる道路の汚損や未刈地植立穀稈の倒れ等を防止でき、しか も、それでいながら、構造の複雑化や取付作業の悪化を招来することがないクロ ーラ走行装置の転輪取付部構造を提供できるようになった。

【０００７】

【実施例】

コンバインの走行装置等として用いられるクローラ走行装置は、図３に示すよ うに、クローラベルト１の接地部をトラックフレーム２に取付けた複数の転輪３ で案内するように構成されている。４は駆動転輪、５はテンション転輪である。 前記クローラベルト１には、図１にも示すように、回動方向に間隙を隔てて複 数の芯金６が埋設されており、それら芯金６の夫々は、左右一対の脱輪防止用の 突起７を備えている。つまり、クローラベルト１の内周面には、突起７の列が２ つ形成されている。 前記転輪３は、クローラベルト１のうち突起７の列の横外側に位置する部分を 案内する外転輪であって、前記トラックフレーム２のボス２Ａにベアリング８を 介して回転自在に支持させた支軸９の両端部夫々に、支軸９と一体回転する状態 に取付けられている。 また、前記転輪３は、支軸９の端部に嵌合するボス部３Ａと、クローラベルト １の内周面を転動するリム部３Ｂと、そのリム部３Ｂの軸芯方向の端部のうちボ ス２Ａ側の端部を前記ボス部３Ａに連結するディスク部３Ｃとを一体形成したも のである。つまり、端面のうち前記ボス２Ａから遠い側の外端面に軽量化のため の肉抜き部３ａが形成されたものである。

【０００８】 そして、前記転輪３を軸９に取付ける手段は、支軸９の端部を端側ほど小径と なるテーパー軸に形成し、ボス部３Ａの内周面を、ボス部３Ａの外端を支軸９の 端面よりも外方に突出させる状態で支軸９の端面に密着嵌合するテーパー状の周 面に形成し、前記ボス部３Ａの外端面に接当する座金１０を設け、支軸９のうち 端面から外方に突出するボルト部９ａに螺合することにより座金１０をボス部３ Ａの外端面に押付ける取付け用のナット１１（ねじ部材の一例）を設けて構成さ れている。つまり、ナット１の締付けにより座金１０を介してボス部３Ａを支軸 ９に対してボス２Ａ側に押圧して、ボス部３Ａを支軸９の端部に回止め及び軸芯 方向位置決め状態に密接嵌合するように構成されている。 前記座金１０は、ボス部３Ａの外端面に接当する中心の座金部１０Ａと、転輪 ３の肉抜き部３ａを蓋する土入防止用の外周のカバー部１０Ｂとから成る。つま り、座金１０は、肉抜き部３ａに土が入り込むのを防止するカバーを兼ねている 。 また、前記ボス２Ａと転輪３のディスク部３Ｃとの間には、ベアリング８の外 面が臨む空間部を対外的に密封するシールを介装してある。このシールは、ボス ２Ａ側の固定接触環１２Ａと転輪３側の回転接触環１２Ｂとを備えたメカニカル シールであって、固定接触環１２Ａ及び回転接触環１２Ｂの夫々は、互いに接触 する状態に保持するための付勢手段を兼ねるゴム等の弾性体１２Ｃ，１２Ｄを介 して対応するボス２Ａ及び転輪３に取付けられている。 １３は、図２にも示すように、転輪３に周方向に間隙を隔てて形成した３つの ねじ孔であり、通常は、それに螺合させたボルト１４及びゴム付座金１５を介し て閉塞されており、そして、転輪３を支軸９から取外す（引抜く）際に、引抜き 力を受ける受け部を転輪３に形成するためのボルトを転輪３に装着したり、或い は、引抜き治具を転輪３に連結するためのボルトを転輪３に装着したりする場合 等に用いられる。また、座金１０のうち前記ボルト１４に対応する箇所には、座 金１０を支軸９に装着した状態でのボルト１４の操作を許すための孔１６が形成 されている。 上記実施例では、ねじ部材１１としてボルトを示したが、ねじ部材１１として は、支軸９のねじ孔に螺合するボルトであっても良い。

【０００９】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記 すが、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】要部の縦断正面図

【図２】要部の側面図

【図３】全体側面図

【符号の説明】

２ トラックフレーム ３ 転輪 １０Ｂ カバー部 ２Ａ ボス ３Ａ ボス部 ９ 支軸 １０ 座金 ３ａ 肉抜き部 １１ ねじ部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 トラックフレーム（２）のボス（２Ａ）
   に支軸（９）を回転自在に支持させ、その支軸（９）の
   端部に、端面のうち前記ボス（２Ａ）から遠い側の外端
   面に肉抜き部（３ａ）が形成された転輪（３）のボス部
   （３Ａ）を嵌合させ、前記支軸（９）に螺合することに
   より前記ボス部（３Ａ）の端面に接当する座金（１０）
   を介してボス部（３Ａ）を支軸（９）に対して抜止めす
   る取付け用のねじ部材（１１）を設けてあるクローラ走
   行装置の転輪取付部構造であって、前記肉抜き部（３
   ａ）を蓋する土入防止用のカバー部（１０Ｂ）を前記座
   金（１０）に形成してあるクローラ走行装置の転輪取付
   部構造。