JPH04113929U

JPH04113929U - 飲食品用容器

Info

Publication number: JPH04113929U
Application number: JP1812891U
Authority: JP
Inventors: 孝明平井
Original assignee: 積水化成品工業株式会社
Priority date: 1991-03-26
Filing date: 1991-03-26
Publication date: 1992-10-06

Abstract

(57)【要約】【目的】飲食品用容器として、ガスバリア性や保香性に
優れ、飲料その他の飲食品の保存性のよい紙パックに代
る容器を提供する。【構成】密度０．９ｇ／ｃｃ以下のポリエステル系樹脂
発泡シート１からなる容器Ａの内表面に、無機物の蒸着
層による無機物層２を設けて、ガスバリア性および保香
性を向上させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主として牛乳、コーヒー、ジュース等の各種の飲料その他の飲食品の容器、特に内容物の保存性に優れる飲食品用容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術と考案が解決しようとする課題】

従来より、牛乳、コーヒー、ジュースその他の飲料用の容器として、所謂紙パックが多用されている。この紙パックは、内面にポリエチレンフィルムを張り付けた比較的厚手の紙材よりなるものが一般的である。

【０００３】このような紙パックは、紙材の高騰および資源節約の点で問題があり、また材質的にガスバリア性や保香性に劣り、内容物の飲料の保存性、特に長期の保存性には問題がある。さらに紙材は断熱性に乏しい上に、水に濡れると保形性が低下するといった欠点がある。

【０００４】本考案は、上記に鑑みてなしたもので、特にガスバリア性や保香性がよくて、内容物の飲料等の保存性に優れ、さらに耐水性、緩衝性や保形性も良好で、紙パック等の代替品として好適に使用できる飲食品用容器を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の飲食品用容器は、上記の課題を解決するために、密度０．９ｇ／ｃｃ以下のポリエステル系樹脂発泡シートからなる容器の内表面に、無機物層が設けられてなることを特徴とする。

【０００６】前記の無機物層は、無機物の蒸着層よりなるものが実施上好適であり、この無機物としては、アルミニウムおよびその化合物、ケイ酸等のケイ素化合物その他の無機物を例示できる。中でもケイ酸等の非金属の無機物が、容器ごと電子レンジにかけて内容物の飲食品を加熱することができ好ましい。

【０００７】また前記発泡シートの密度を０．９ｇ／ｃｃ以下としたのは、これ以上になると期待する断熱性が得らないからである。しかし、密度が余り小さくなると、厚みによっては保形強度や保香性が劣ることになるので、あまり小さくするのは好ましくない。

【０００８】

【作用】

上記の構成による本考案の飲食品用容器は、密度０．９ｇ／ｃｃ以下のポリエステル系樹脂発泡シートからなる容器の内表面に、蒸着による無機物層を設けてあるので、この無機物層の存在によりガスバリア性および保香性に非常に優れ、内容物の飲食品、特に飲料の保存を良好になす。しかも主材であるポリエステル系樹脂発泡シートは、紙材と違い耐水性に優れるとともに、適度に腰があって保形性も良好なものとなる。

【０００９】また前記ポリエステル系樹脂の発泡シートは、耐熱性に優れているため、無機物層が非金属の場合には電子レンジによる加熱が問題なく可能になり、また断熱性も良好で、内容物の飲料等の保温、保冷を良好になし得る。

【００１０】

【実施例】

図１は本考案の１実施例の飲料用容器（Ａ）を示し、図２は同横断面図を示している。

【００１１】（１）は容器（Ａ）を構成する密度０．９ｇ／ｃｃ以下のポリエステル系樹脂の発泡シート、（２）は前記の発泡シート（１）の容器内表面に設けたアルミニウムやケイ酸等の無機物の蒸着による無機物層である。

【００１２】前記の容器（Ａ）に用いるポリエステル系樹脂は、芳香族のジカルボン酸に、二価アルコールを反応させて得られる高分子量の鎖状ポリエステルであり、中でもポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートを主成分とするものが好適に用いられる。

【００１３】前記のポリエステル系樹脂は結晶性樹脂であり、その結晶化度は高いものほど耐熱性の点から好ましく、結晶化度を２０％以上とするのが特に好ましい。このポリエステル系樹脂の発泡シート（１）は、前記樹脂をシート状に押出し発泡成形することにより得られる。

【００１４】また前記の無機物層（２）については、図３のようにポリエステル系樹脂発泡シート（１）の容器内表面になる片面に無機物を直接蒸着するか、あるいは図４のようにポリエステル系樹脂フィルム（３）をベースにして、これにケイ酸等の無機物を蒸着した無機物蒸着フィルム（例えば、凸版印刷株式会社製ＧＬフイルム）（４）を、前記発泡シート（１）の内面側にポリエステル系樹脂同士の熱融着により積層することもできる。

【００１５】図１および図２のように、紙製パックと同様にして組立て箱式に構成することもできる。この場合、各部片の連接部を熱融着や接着手段により密に接合し、さらに蓋を内容物の収納後に接合して、密封状態に保持する。

【００１６】また、図５に示すように、前記のポリエステル系樹脂発泡シート（１）を素材にして、真空あるいは圧空成形等の絞り成形した容器（Ａ）において、上記同様にしてその内側表面層として、蒸着による無機物層（２）を設けておくことができる。この場合、容器本体（Ａ1 ）の内側のみでなく、蓋（Ａ2 ）の内側表面にも無機物層（２）を設けておくことができる。蓋（Ａ2 ）は容器本体（Ａ1 ）のフランジ縁に対して図のように熱融着手段によりシールする構造でも、嵌合手段により密嵌する構造のものでもよい。

【００１７】本考案の容器に使用する発泡シートの厚みは、発泡倍率や容器形態等によって異なるが、通常０．３〜５．０ｍｍ、好ましくは１．０〜５．０ｍｍの厚みが、断熱性や保形性等の点から好適である。

【００１８】上記の構成による本考案の飲食品用容器は、密度０．９ｇ／ｃｃ以下のポリエステル系樹脂発泡シート（１）からなる容器（Ａ）であって、その内表面に蒸着による無機物層（２）を設けてあるので、この無機物層（２）の存在によりガスバリア性および保香性に非常に優れており、内容物である飲料等の保存を良好になす。しかも主材であるポリエステル系樹脂発泡シート（１）は、紙材と違い耐水性に優れるとともに、適度に腰があって保形性も良好なものとなる。

【００１９】また前記ポリエステル系樹脂発泡シート（１）は熱軟化温度が高くて、無機物層（２）がケイ酸等の非金属の場合には電子レンジによる加熱が問題なく可能になる。また断熱性も良好で、内容物の飲料等の保温、保冷効果にも優れる。さらに前記発泡シート（１）は印刷性も良好である。

【００２０】

【考案の効果】

上記したように本考案の飲食品用容器は、ポリエステル系樹脂発泡シート主材とし、その内表面に蒸着による無機物層を設けたことにより、ガスバリア性および保香性がよくて内容物の保存性に優れ、内容物の飲料を香りの低下や変質等のおそれなく長期間にわたり保存できる。しかも前記発泡シートは断熱性や耐熱性に優れ、保温保冷効果が良好であるとともに、耐水性や保形性も良好で、耐久性に優れる。

【００２１】したがって、従来の紙製パック等に代る牛乳やジュースその他の飲料その他の飲食品用の容器として、好適に使用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施例を示す部分欠截斜視図であ
る。

【図２】同上の拡大横断面図である。

【図３】無機物層を蒸着した発泡シートを示す一部の拡
大断面図である。

【図４】無機物蒸着フィルムを積層した発泡シートを示
す一部の拡大断面図である。

【図５】他の実施例を示す断面図である。

【符号の説明】

（１）……ポリエステル系樹脂発泡シート（２）……無機物層（Ａ）……容器（Ａ1 ）…容器本体（Ａ2 ）…蓋

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】密度０．９ｇ／ｃｃ以下のポリエステル
系樹脂発泡シートよりなる容器の内表面に、無機物層が
設けられてなることを特徴とする飲食品用容器。