JPH04113928U - 食品容器 - Google Patents
食品容器Info
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】
【目的】電子レンジにより加熱調理して食するレトルト
食品用の容器として、耐熱性および断熱性に優れるとと
もに、レトルト処理後においても良好なガスバリア性を
保持でき、食品の長期保存性に優れる食品容器を提供す
る。 【構成】密度0.9g/cc以下、厚み0.3mm以上のポ
リエステル系樹脂発泡シート1を基材層とし、容器内側
層として、ポリアミドMXD6よりなる樹脂フィルム層
2を前記基材層に積層した複合シート3から容器Aを形
成する。
食品用の容器として、耐熱性および断熱性に優れるとと
もに、レトルト処理後においても良好なガスバリア性を
保持でき、食品の長期保存性に優れる食品容器を提供す
る。 【構成】密度0.9g/cc以下、厚み0.3mm以上のポ
リエステル系樹脂発泡シート1を基材層とし、容器内側
層として、ポリアミドMXD6よりなる樹脂フィルム層
2を前記基材層に積層した複合シート3から容器Aを形
成する。
Description
【0001】
本考案は、主として電子レンジにより加熱調理して食する食品、特にレトルト
食品の容器として好適な食品容器に関するものである。
【0002】
従来より、収納された食品を電子レンジにより加熱調理するのに使用される食
品容器としては、非発泡のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂やこれに
フィラーを混合した樹脂等を素材とするシートから成形されたものが多い。また
前記樹脂シートを基材層にして、他の樹脂フィルム層を積層した多層シートから
なるものも多くなっている。
【0003】
しかし、非発泡のポリエステル系樹脂やポリプロピレン系樹脂は断熱性に劣る
ため、電子レンジを用いて高温で加熱調理した場合、容器を素手で持って取り扱
えず不便であった。特にポリプロピレン系樹脂等では、油性食品の場合に電子レ
ンジによる加熱温度が150°以上にもなることもあって耐熱性が不十分なもの
であった。
【0004】
そのため、耐熱性のあるポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂
の発泡シートが、断熱性にも優れていることから、電子レンジでの加熱調理用と
しては最適な素材であるが、電子レンジでの加熱調理食品として多くなってきて
いるレトルト食品の容器としては、収納された食品の保存性に問題があった。こ
れは容器としてのガスバリアー性に問題があるからである。
【0005】
すなわち、ポリエステル系樹脂の発泡シートは断熱性や耐熱性は優れているも
のの、これ単独ではガスバリアー性が充分でなく、レトルト殺菌したものであっ
ても、長期間の保存性に問題があり、好適なものと言えない。この問題は、前記
のポリエステル系樹脂に限らず、前記例示のポリプロピレン系樹脂等の他の樹脂
素材の発泡シートについても言える。
【0006】
前記の問題を解決するために、前記の発泡シートを基材層にして、容器内側面
にエチレン−ビニルアルコール共重合体やポリ塩化ビニリデン樹脂等の樹脂フィ
ルムを積層する方法が提案されているが、エチレン−ビニルアルコール共重合体
は水分下あるいは湿気のある雰囲気の下では、酸素等に対するガスバリアー性が
著しく低下する。特にレトルト処理した後のガスバリアー性の低下が大きく、そ
のままでは内容物のレトルト食品の長期保存性に劣ることになる。
【0007】
そのため、一般にはガスバリアー性に優れる前記エチレン−ビニルアルコール
共重合体等の樹脂フィルム層の上に、さらに耐水性に優れる樹脂フィルム、例え
ばポリプロピレンフィルムを積層する必要があった。それでもなお、レトルト処
理後のガスバリアー性の低下が大きく、レトルト食品用の容器としては最適なも
のとは言えなかった。
【0008】
本考案は、上記の問題を解決するために鋭意、研究を重ね、ガスバリアー性に
優れる特定のナイロン樹脂が、水分を多く含む雰囲気下あるいはレトルト処理後
においても、ガスバリアー性の低下がきわめて小さく、かつ耐熱性にも優れてい
ることに着目して、この特定の樹脂を、前記のポリエステル系樹脂発泡シートに
積層して容器を構成することにより、耐熱性、断熱性、ガスバリアー性に優れ、
特にレトルト可能でかつレトルト処理後においてもガスバリア性を良好に保ち、
食品保存性に優れ、さらに電子レンジ加熱調理用として好適に使用できる食品容
器となしたものである。
【0009】
すなわち、上記の課題を解決する本考案の食品容器は、密度0.9g/cc以
下、厚み0.3mm以上のポリエステル系樹脂発泡シートを基材層とする容器で
あって、容器内側層としてポリアミドMXD6よりなる樹脂フィルム層を前記基
材層に積層してなることを特徴とする。
【0010】
前記の基材層となるポリエステル系樹脂は、芳香族のジカルボン酸に、二価ア
ルコールを反応させて得られる高分子量の鎖状ポリエステルであり、中でも結晶
性のポリエチレンテレフタレートが好適に用いられる。結晶度は耐熱性に関係す
るので、結晶度20%以上が好適である。このポリエステル系樹脂をシート状に
押出し発泡成形した発泡シートにして使用される。
【0011】
前記のポリアミドMXD6は、メタキシリレンジアミンとアジピン酸との重縮
合により得られるポリアミド、つまりナイロン樹脂の一種である。この樹脂のフ
ィルムは、常態下においてはポリ塩化ビニリデンやエチレン−ビニルアルコール
共重合体等の樹脂フィルムに匹敵する優れたガスバリアー性を保有する。特にこ
のフィルムを二軸延伸することによりガスバリアー性が著しく向上する。しかも
水分や湿気を多く含む雰囲気下でのガスバリアー性は、前記エチレン−ビニルア
ルコール共重合体等の樹脂フィルムに比してはるかに優れており、特にレトルト
処理後は数倍もの優れた酸素バリアー性を保有し、かつレトルト処理後の回復も
早いものである。
【0012】
上記のように本考案の食品容器は、ポリエステル系樹脂発泡シートを基材層と
して、その内側層としてガスバリアー性に優れるポリアミドMXD6よりなる樹
脂フィルム層を設けたので、容器としてのガスバリアー性に非常に優れ、特に水
分や湿気を多く含む雰囲気下でのガスバリアー性の低下が小さく、レトルト処理
後においても良好なガスバリア性を保持でき、食品の長期保存を良好になす。
【0013】
しかも、基材層であるポリエステル系樹脂発泡シートにより、電子レンジでの
加熱後にも手で持って取り扱える断熱性を保有できるばかりか、基材の発泡シー
トが耐熱性に優れるポリエステル系樹脂を素材とし、さらにこれに積層される前
記ポリアミドMXD6の樹脂フィルムも耐熱性に優れているため、この種の食品
容器として充分な耐熱性を保有でき、食品のレトルト処理を可能にする上、電子
レンジでの加熱によっても変形が生じるおそれがない。
【0014】
図において、(A)は本考案に係る食品容器を示し、(B)は食品容器(A)
に熱融着手段や接着手段等によりシールされる蓋を示している。
【0015】
食品容器(A)は、ポリエステル系樹脂の発泡シート(1)を基材層とし、そ
の容器内側層として、ガスバリアー性に優れるポリアミドMXD6よりなる樹脂
フィルム層(2)を、前記基材層である発泡シート(1)にドライラミネートや
ホットメルトラミネート等の手段により積層した複合シート(3)から、真空、
圧空等の成形手段によりトレー形状に成形されている。(4)は接着層もしくは
融着層を示す。
【0016】
図1〜図3の実施例では、前記のポリアミドMXD6よりなる樹脂フィルム層
(2)のみを基材層である発泡シート(1)に積層しているが、図4の実施例の
ように、前記樹脂フィルム層(2)の上に、更に耐水性や耐油性のよいポリプロ
ピレン系樹脂層(5)を積層した複合シート(3)にして、該複合シート(3)
から前記ポリプロピレン樹脂層(5)を容器内側層にして成形して実施すること
もできる。ポリプロピレン系樹脂層(5)に代えて、他の耐油性のよいオレフィ
ン系樹脂フィルムその他の樹脂フィルムを積層する場合もある。
【0017】
前記基材層となるポリエステル系樹脂発泡シート(1)としては、密度0.9
g/cc以下、厚み0.3mm以上のものが用いられる。すなわち、発泡シート
(1)の密度が前記より大きくなると、期待する断熱性が得られない。より好ま
しくは密度0.6以下g/cc以下のものである。また発泡シート(1)の厚み
が0.3mmより小さくなると、断熱性や保形性が低下し好ましくない。
【0018】
また、メタキシリレンジアミンとアジピン酸との共重合ナイロンであるポリア
ミドMXD6の樹脂フィルム層(2)は、厚みを0.05mm以下とするのが好
ましい。この樹脂の結晶化度の高いものほど、耐熱性が高くて、寸法安定性に優
れ、好ましい。
【0019】
この樹脂フィルム層(2)は、耐熱性ガスバリアー性に優れており、特に水分
や湿気を含む雰囲気下でのガスバリアー性の保持に優れている。
【0020】
したがって、この樹脂フィルム層(2)を含む複合シート(3)は、レトルト
処理によってもガスバリアー性の低下が、エチレン−ビニルアルコール共重合体
を含む多層シートに比してはるかに小さく、また処理後の回復も早く、良好なガ
スバリアー性を保持でき、収納された食品の保存を良好になし得る。
【0021】
しかも基材である発泡シート(1)が耐熱性に優れるポリエステル系樹脂を素
材とし、さらにこれに積層された樹脂フィルム層(2)も耐熱性に優れているた
め、この種容器として充分な耐熱性を保有し、ハイレトルト処理を可能にすると
ともに、電子レンジでの加熱によっても変形が生じることがなく、充分な保形性
を保持できる。
【0022】
また基材であるポリエステル系樹脂の発泡シート(1)により、優れた断熱性
を保有し、電子レンジでの加熱後に直ぐに手で持てる優れた断熱性を保有でき、
加熱後の取扱いも容易である。
【0023】
なお、図4のようにポリプロピレン系樹脂層(3)を表面に設けた場合には、
その耐スチーム性および耐透水性により、前記ガスバリアー性の樹脂フィルム層
(2)を良好に保護し得て、前記ガスバリアー性がさらに優れたものとなる。
【0024】
上記したように本考案の食品容器によれば、ポリエステル系樹脂発泡シートを
基材層として、これにポリアミドMXD6よりなる樹脂フィルム層を積層したこ
とにより、レトルト処理後においても優れたガスバリアー性を保持でき、食品の
長期保存を良好になすとともに、レトルト処理や電子レンジでの加熱にも充分に
耐える耐熱性、および加熱後に手で持つことができる断熱性、保形性さらには耐
油性といった特性を併せ持つ。したがって、本考案は電子レンジにより加熱調理
して食する食品、特にレトルト食品の容器として好適に使用できるものである。
【図1】本考案の実施例を示す一部欠截斜視図である。
【図2】同上の断面図である。
【図3】同上の一部の拡大断面図である。
【図4】他の実施例を示す一部の拡大断面図である。
(A)……本考案の食品容器
(1)……ポリエステル系樹脂の発泡シート
(2)……ポリアミドMXD6の樹脂フィルム層
(3)……複合シート
(5)……ポリプロピレン系樹脂層
Claims (1)
- 【請求項1】 密度0.9g/cc以下、厚み0.3m
m以上のポリエステル系樹脂発泡シートを基材層とする
容器であって、容器内側層としてポリアミドMXD6よ
りなる樹脂フィルム層を前記基材層に積層してなること
を特徴とする食品容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1804891U JPH04113928U (ja) | 1991-03-25 | 1991-03-25 | 食品容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1804891U JPH04113928U (ja) | 1991-03-25 | 1991-03-25 | 食品容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04113928U true JPH04113928U (ja) | 1992-10-06 |
Family
ID=31904675
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1804891U Pending JPH04113928U (ja) | 1991-03-25 | 1991-03-25 | 食品容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04113928U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020163849A (ja) * | 2019-03-26 | 2020-10-08 | 積水化成品工業株式会社 | 熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡シート及び熱可塑性ポリエステル系樹脂積層発泡容器 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59135237A (ja) * | 1982-12-28 | 1984-08-03 | モ−ビル オイル コ−ポレ−ション | 耐熱性発泡ポリエステル |
JPS621732A (ja) * | 1985-06-28 | 1987-01-07 | Teijin Ltd | ポリエステル発泡体の製造法 |
JPH0249039A (ja) * | 1988-08-11 | 1990-02-19 | Sekisui Plastics Co Ltd | ポリエステル系樹脂発泡体の製造方法 |
JPH02286725A (ja) * | 1989-03-31 | 1990-11-26 | Goodyear Tire & Rubber Co:The | 軽量ポリエステル物品 |
-
1991
- 1991-03-25 JP JP1804891U patent/JPH04113928U/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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