JPH04113123U - 拡管装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】ストリッパーとマンドレルの相対位置を可変と
した機構を備え、多数枚の放熱フィンと複数の管とを固
着させる熱交換器用拡管装置を提供する。 【構成】予め位置決めされた拡管用のワークのエンドプ
レート９から突出した拡管対象の管５に外嵌し、かつ押
圧して前記管５の拡管後の突出長を所定の寸法に設定す
るためのストリッパー４ａを設ける。該ストリッパー４
ａを伸縮自在とする伸縮装置３ａを設ける。 【効果】伸縮装置３ａにより、拡管時ストリッパー４ａ
をエンドプレート９を退避させ、該ストリッパー４ａと
エンドプレート９との当接による破損を阻止できる。ま
た、エンドプレートの形状や前記突出寸法の変更に際
し、ストリッパー４ａを脱着することなく容易に対応で
きるので、作業性と生産効率を極めて高くすることがで
きる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主として熱交換器用管の拡管、更に詳しくは多数枚の放熱フィンと 複数の管とを拡管により固着させるために適用される拡管装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の拡管装置としては、例えば第４図に示すようにシリンダー１１ 等により昇降自在な往復作動体１２の底面部１２ａに複数の拡管用マンドレル１ ２ｂを装着し、しかも下方には複数枚の放熱フィン１３に拡管対象の複数の管１ ４を二列に貫通し、且つ該複数の管１４が貫通された前記放熱フィン１３の上方 にエンドプレート１５が設けられて形成された拡管対象の管１４に前記往復作動 体１２のマンドレル１２ｂを圧入することで貫通した複数の管１４を拡管させて 前記エンドプレート１５と前記複数枚の放熱フィン１３とに前記複数の管１４を 固着するものが存在し適宜用いられてなる。

【０００３】 尚、上記の様な拡管装置１６に於いては、上記エンドプレート１５より突出し た拡管対象の管１４の拡管後の突出長を逐次納品先によって変更しなければなら ないことから通常は拡管時に上記突出した管１４に外嵌し、且つ上記エンドプレ ート１５を押圧することで上記突出した管１４の突出長を所定の寸法に設定する ためのストリッパー１７ａを具備したストリッパープレート１７を往復同自在に 設け、しかも該ストリッパープレート１７に具備されたストリッパー１７ａは第 ５図に示す様に、上記ストリッパープレート１７の所望の箇所に具備されたＣリ ング１８等の係止手段により脱着自在に設けられてなるものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記従来の様なストリッパーを具備する拡管装置に於いては下 記の様な間題点があった。

【０００５】 即ち、上記従来の拡管に用いられるエンドプレートは全て平面状ではなく、用 途によっては所望の箇所や縁部が立設してなる場合もある。

【０００６】 従って、上記の様に所望の箇所や縁部が立設したエンドプレートを具備する拡 管対象の管を拡管する場合には、第６図に示す様に前記エンドプレートの立設部 に上記ストリッパーが当接して該エンドプレートの立設部が破損されるのを阻止 するために予め該当する所望のストリッパーを逐次取り外しておく必要があるこ とから脱着等に時間ロスが発生し、よって拡管装置の稼働時間が著しく阻害され て生産性及び作業能率の低下等をも引き起こすという種々の難儀な問題が生じて いた。

【０００７】 而して、本考案は上記の問題を全て解決するものであり、ストリッパープレー トに設けられ、且つ所定のストリッパーを具備するストリッパー取付台を伸縮手 段によってエンドプレートより縮引して逃避させることで拡管時に於ける該エン ドプレートと前記ストリッパーとの当接による破損を阻止すると共に、該ストリ ッパーの脱着時間等の時間ロスをも解消し非常に作業性の優れた、しかも生産郊 率の極めて高い拡管装置を提供することを課題とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

即ち、本考案は複数の管が貫通された放熱フィンの上方に設けられたエンドプ レートに対向すると共に、前記複数の管をマンドレルによって拡管する往復作動 体と、前記エンドプレートから突出した管に外嵌し、且つ該エンドプレートを押 圧することで突出した管の突出長を所定の長さに設定するためのストリッパーを 有するストリッパープレートとを具備してなる拡管装置に於いて、前記ストリッ パープレート３に具備されたストリッパー４ａは所定のストリッパー取付台４に 設けられ、且つ該ストリッパー取付台４と前記ストリッパープレート３との所望 の箇所には、前記往復作動体６の下降による管５の拡管時に前記エンドプレート ９から突出した拡管対象の管に対応するストリッパー４ａを具備するストリッパ ー取付台４を縮引させて該ストリッパー４ａによる前記エンドプレート９の押圧 を阻止する伸縮装置３ａが設けられた構成にある。

【０００９】

【作用】

上記構成からなる拡管装置に於いては、ストリッパープレート３に設けられ、 且つ所定のストリッパー４ａを具備するストリッパー取付台４が伸縮装置３ａに より上記エンドプレート９から縮引して逃避するために、該エンドプレート９の 所望の箇所や縁部等の立設部９ａと上記ストリッパー４ａとの当接による破損を 阻止することが出来る。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に従って説明する。

【００１１】 第１図に於いて、１は拡管装置を示す。

【００１２】 ２は予め拡管装置１の下方にセットされた複数枚の放熱フィン８と該放熱フィ ン８の上方に嵌合すべく設けられたエンドプレート９とを拡管対象の複数の管５ で前記拡管装置１の正面方向に前後二列に貫通することで一体的に形成された放 熱器１０の突出した前記管５の各々に対応するマンドレル６ａを垂下して具備す るマンドレルプレート６を、所望のガイドポスト７を介して昇降自在とすべく設 けられたシリンダーで、上記拡管装置１の上部の所望の箇所に設けられてなる。

【００１３】 尚、上記放熱器１０に設けられたエンドプレート９の上記拡管装置１の正面方 向の一端側９ａは前記マンドレルプレート６側へと立設し、且つ他端側９ｂは前 記放熱フィン８側へと下方に設けられた形状からなるものである。

【００１４】 ３は上記エンドプレート９より突出した拡管対象の複数の管５の拡管後の突出 長を所望の寸法に設定するためのストリッパープレートで、両端には伸縮装置で ある油圧シリンダー３ａ，３ａを具備し、且つ該油圧シリンダー３ａ，３ａのロ ッド部３ｂ，３ｂには前記複数のマンドレル６ａが貫通されると共に筒状のスト リッパー４ａを複数具備するストリッパー取付台４が設けられ、且つ前記マンド レルプレート６の下方に昇降自在に設けられてなる。

【００１５】 尚、上記ストリッパープレート３に設けられ、且つ油圧シリンダー３ａ，３ａ を介して昇降するストリッパー取付台４は第２図の様に拡管装置１の正面方向に 前後二列に設けられてなるものである。

【００１６】 本実施例に係る拡管装置は以上の構成からなるが、次に係る装置を用いて放熱 器に貫通された複数の管を拡管する場合について説明する。

【００１７】 先ず、第３図に示す様に拡管時に於いて、上記エンドプレート９の立設した一 端側９ａと当接する上記ストリッパー４ａを具備してなるストリッパー取付台４ を、ストリッパープレート３に設けられた油圧シリンダー３ａにより縮引（矢印 Ａ）させることで前記エンドプレート９の立設した一端側９ａと前記ストリッパ ー４ａとの当接を阻止することが出来る。

【００１８】 次に、前記ストリッパープレート３を所望のストロークで下降（矢印Ｂ）させ て前記ストリッパー４ａを突出した管５に外嵌し、且つ所望の突出長まで押圧す ると同時に前記マンドレル６ａを下降（矢印Ｃ）させて拡管を行うことで前記管 ５のエンドプレート９からの突出長を所望の寸法に設定して固着することが出来 る。

【００１９】 従って、上記の様なことから拡管時に於いて、放熱器１０に設けられたエンド プレート９の所望の箇所が、外嵌されるストリッパー４ａと当接する如く立設し てなる場合でも常に所望のストリッパー４ａを当接するエンドプレート９より逃 避させて前記エンドプレート９の所望面部と前記ストリッパー４ａとの当接によ る破損を阻止することが出来る。

【００２０】 更に、上記ストリッパー４ａを具備したストリッパー取付台４を伸縮させるた めの伸縮装置にサーボモータ（図示せず）を用いることで前記ストリッパー４ａ のストロークの微調整が可能となり、よって如何なる複雑なエンドプレートの表 面形状にも対応すべくＮＣ化することが出来る。

【００２１】 尚、上記実施例に於いて、エンドプレートから突出した管に外嵌すると共に該 エンドプレートの所望の面部を押圧して該エンドプレートから突出した管の突出 長を所定の寸法に設定するストリッパーは、前記拡管装置の正面方向に前後二列 に設けられたストリッパー取付台に複数個具備され、且つ昇降自在なストリッパ ープレートに設けられた伸縮手段により前列、後列の各々を別々に伸縮すべく構 成からなるが、本考案は決してこれに限定されず、例えばストリッパー取付台の 各々に対応して設けられた複数の伸縮手段によって前記ストリッパーを個々に伸 縮するべく前記ストリッパープレートに設けられた構成であってもよく、又その 配列パターンも直線上に限らず、非直線上や千鳥式等の種々のパターンであって もよい。

【００２２】 更に、上記実施例に於いて、ストリッパーを伸縮させる伸縮装置は油圧シリン ダーからなるが、要は放熱器のエンドプレートの所望の面より前記ストリッパー を伸縮させて該エンドプレートとの当接を阻止するものであればエアーシリンダ ー、サーボモータ、又は他の伸縮機構を有する装置でもよく、その具体的な手段 や機構等は決して限定されない。

【００２３】 更に、上記実施例に於いて、伸縮装置を介して前記エンドプレートに伸縮自在 に構成されたストリッパーは、該エンドプレートから突出した拡管対象の管に外 嵌する筒状体よりなるが、要は該管に外嵌し、且つ前記エンドプレートの所望の 面を押圧することが出来るものであれば筒状体に限らず、多角形状や所望の覗き 孔等が設けられていてもよい。

【００２４】 而して、本考案に於けるストリッパーやストリッパー取付台、更に伸縮装置や ストリッパープレート等の具体的な形状、数量、機構等は決して限定されるもの ではなく、要は拡管時に於いて、前記ストリッパー取付台に具備されたストリッ パーを、放熱器のエンドプレートの所望の面部や立設した端部より伸縮させるこ とで前記面部や立設した端部と該ストリッパーとの当接を阻止するための伸縮装 置が前記ストリッパープレートと前記ストリッパー取付台との所望の箇所に設け られていればその具体的な構成は全て本考案の意図する範囲内で任意に設計変更 自在である。

【００２５】

【考案の効果】

叙上の様に、本考案は複数の管が貫通された放熱フィンの上方に設けられたエ ンドプレートに対向すると共に、前記複数の管をマンドレルによって拡管する往 復作動体と、前記エンドプレートから突出した管に外嵌し、且つ該エンドプレー トを押圧することで突出した管の突出長を所定の長さに設定するためのストリッ パーを有するストリッパープレートとを具備してなる拡管装置に於いて、前記ス トリッパープレートに具備されたストリッパーは所定のストリッパー取付台に設 けられ、且つ該ストリッパー取付台と前記ストリッパープレートとの所望の箇所 には、前記往復作動体の下降による管の拡管時に前記エンドプレートから突出し た拡管対象の管に対応するストリッパーを具備するストリッパー取付台を縮引さ せて該ストリッパーによる前記エンドプレートの押圧を阻止する伸縮装置が設け られてなることから拡管時に於いて、該エンドプレートの形状により所望のスト リッパーを縮引させることで該ストリッパーと該エンドプレートとの当接による 破損を阻止出来るだけでなく、従来の様なストリッパーの煩雑な脱着作業が不必 要となり、よって作業時間等の時間ロスが解消されると共に非常に作業性の優れ た、しかも生産効率の極めて高い拡管装置を提供することが出来るという格別な 効果をも有するに至った。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に於ける拡管装置の正面図

【図２】本考案の拡管装置に於ける拡管前の状態を示す
一部断面側面図。

【図３】本考案の拡管装置に於ける拡管時の状態を示す
一部断面側面図。

【図４】従来の拡管装置の斜視図

【図５】従来の拡管装置に於ける拡管前の状態を示す一
部断面側面図。

【図６】従来の拡管装置に於ける拡管時の状態を示す一
部断面側面図。

【符号の説明】

１ 拡管装置 ２ シリンダー ３ ストリッパープレート ３ａ 油圧シリンダー（伸縮装置） ４ ストリッパー取付台 ４ａ ストリッパー ５ 管 ９ エンドプレート １０ 放熱器

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の管が貫通された放熱フィンの上方に
   設けられたエンドプレートに対向すると共に、前記複数
   の管をマンドレルによって拡管する往復作動体と、前記
   エンドプレートから突出した管に外嵌し、且つ該エンド
   プレートを押圧することで突出した管の突出長を所定の
   長さに設定するためのストリッパーを有するストリッパ
   ープレートとを具備してなる拡管装置に於いて、前記ス
   トリッパープレート３に具備されたストリッパー４ａは
   所定のストリッパー取付台４に設けられ、且つ該ストリ
   ッパー取付台４と前記ストリッパープレート３との所望
   の箇所には、前記往復作動体６の下降による管５の拡管
   時に前記エンドプレート９から突出した拡管対象の管に
   対応するストリッパー４ａを具備すストリッパー取付台
   ４を縮引させて該ストリッパー４ａによる前記エンドプ
   レート９の押圧を阻止する伸縮装置３ａが設けられた構
   成にしてなることを特徴とする拡管装置。
2. 【請求項２】請求項１記載の拡管装置に於いて、前記ス
   トリッパー取付台４を縮引させる伸縮装置３ａが設けら
   れたストリッパープレート３は前記往復作動体６の下降
   による管５の拡管時に、前記エンドプレート９から突出
   した拡管対象の管５に前記所定のストリッパー４ａを外
   嵌すべく往復動する構成にしてなることを特徴とする拡
   管装置。
3. 【請求項３】請求項１又は２記載の拡管装置に於いて、
   前記ストリッパープレート３に伸縮装置３ａを介して設
   けられたストリッパー取付台４は前記ストリッパープレ
   ート３の拡管側に複数列に設けられた構成にしてなるこ
   とを特徴とする拡管装置。
4. 【請求項４】請求項１乃至３何れかに記載の拡管装置に
   於いて、前記伸縮装置３ａがシリンダーで構成されてな
   ることを特徴とする拡管装置。
5. 【請求項５】請求項１乃至３何れかに記載の拡管装置に
   於いて、前記伸縮装置３ａがサーボモータで構成されて
   なることを特徴とする拡管装置。