JPH04112570U - 固体撮像装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 固体撮像素子周辺温度が，高温になっても低
温になっても，固体撮像素子の温度を所定範囲内の適温
に保つことを目的とする。 【構成】 固体撮像素子１の周辺温度を検出する温度セ
ンサ２出力と基準値を比較し，周辺温度が基準値より高
温であるか低温であるかを判断し，この出力によって定
電圧回路７と切換器５を制御し，ペルチェ素子８に流す
電流の向き，大きさを制御し，固体撮像素子の温度を所
定範囲内の適温に保つ。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は，周辺温度の変化に対して固体撮像素子の温度を一定範囲に保つ装置 に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に，テレビジョンカメラ装置内温度が変化すると固体撮像素子の温度も変 化し，固体撮像素子の温度が高温になった時に生じる固定パターンノイズや白き ず等の不具合が発生し，特性変化を来すために，従来からペルチェ素子による冷 却を実施している。

【０００３】 しかし，固体撮像素子は低温においても残像が発生する等の性能劣下があるが ，これについては補償していないので，極寒地でのテレビジョンカメラ装置の使 用時にその現象が起こる可能性があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前述の従来技術は電子冷却のために，低温側での固体撮像素子の特性劣下につ いては補償されていなかった。

【０００５】 本考案はこの欠点を除去し，ペルチェ素子に流す電流の極性を切り換えること で，素子周辺温度が高温となっても，低温となっても固体撮像素子の温度を所定 範囲内の適温に保つことを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記の目的を達成するために，次の様な手段を用いる。第１に，周辺 温度の変化に対して，固体撮像素子の温度が変化しないようにするため，冷却と 加熱を実現できるペルチェ素子を用いる。

【０００７】 第２に，ペルチェ素子を駆動する電流の向きを，切換器を用いて，ペルチェ素 子が冷却を引き起こす方向と加熱を引き起こす方向のいずれかに切り換える。

【０００８】 第３に，周辺温度の変化を検出するため，温度センサを用いる。第４に，温度 が上昇したのか，低下したのかを判断するため，コンパレータを用いて温度セン サ出力と基準値と比較して判断し，高温時と低温時でペルチェ素子の駆動電流の 向きを切り換える。

【０００９】

【作用】

その結果，固体撮像素子の周辺温度が高温となっても低温となっても，固体撮 像素子の温度を所定範囲内の適温に保つことができ，高温時の固定パターンノイ ズや白きずの特性変化，低温時の残像の発生を防止することができる。

【００１０】

【実施例】

図１に本考案の一実施例のブロック図を示す。１はテレビジョンカメラの固体 撮像素子，２は温度センサで，固体撮像素子１の付近に配置してある。温度セン サ２の出力は，バッファ３でインピーダンス変換されて，一方はインバータ６へ 出力され，もう一方は，コンパレータ４の一端子への入力となる。

【００１１】 コンパレータ４の他入力端子には，比較の基準となる温度時の温度センサ２の 出力電圧に相当する電圧Ｖrefが入力されている。コンパレータ４は，温度セン サ２が高温を示す出力の時に高レベルを，低温を示す出力の時に低レベルを出力 する動作をする。

【００１２】 コンパレータ４の出力は，切換器５のコントロール端子に入力する。切換器５ は３組のスイッチで構成されている。１組目は，バッファ３の出力をそのまま出 力する端子と，バッファ３の出力をインバータ６に通して出力する端子とを切り 換えて，定電圧回路７のコントロール端子へ出力する。

【００１３】 ２組目，３組目は，ペルチェ素子８に流れる電流の方向を決めるものである。 インバータ６は，バッファ３の出力が周辺温度の低温時に小さくなるので，反転 させて定電圧回路７の動作を良くするために用いている。定電圧回路７のコント ロール電圧特性を図２に示す。

【００１４】 定電圧回路７は，コントロール端子からの入力に応じて定電圧を出力する回路 である。ペルチェ素子８は流れ込む電流によって冷却又は加熱を行うものである 。今，周辺温度が低下した時，温度センサ２の出力はバッファ３，コンパレータ ４を通り，コンパレータ４は低レベルを出力し，切換器５がペルチェ素子８が加 熱する様に切り換る。また，もう一方のバッファ３出力は，インバータ６を通っ て，定電圧回路７のコントロール端子へ出力される。

【００１５】 定電圧回路７から出力された電流は，切換器５の２組目のスイッチを通ってペ ルチェ素子８へ流れ，３組目のスイッチを通ってアースに落ちる。ペルチェ素子 ８は，この電流によって固体撮像素子１を加熱する。高温での実施例もバッファ ３出力がインバータ６を通らないこと以外は同じである。

【００１６】 本考案は固体撮像素子１が高温になった時に生じる固定パターンノイズや白き ずの特性変化が起こらない様にペルチェ素子８による冷却を行う。また，低温に なった時に生じる残像の発生をおさえるためにペルチェ素子８による加熱を行う 。これにより，高温・低温の両方の変化に対しても固体撮像素子１の温度を所定 範囲内に保つことができる。

【００１７】 本説明では，コンパレータ４は高温時に高レベル，低温時に低レベルとしたが ，高温時低レベル，低温時高レベルとしても動作する。また，定電圧回路７を定 電流回路に変更しても動作する。

【００１８】

【考案の効果】

本考案は，固体撮像素子が高温になった時に生じる固定パターンノイズや白き ずの特性変化が起こらない様にペルチェ素子による冷却を行い，また，低温にな った時に生じる残像の発生をおさえるためにペルチェ素子による加熱を行うため ，周辺温度が高温に変化しても，低温に変化しても固体撮像素子の温度を所定範 囲内に保つことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の全体構成を示すブロック図。

【図２】定電圧回路のコントロール電圧特性図である。

【符号の説明】

１ 固体撮像素子 ２ 温度センサ ４ コンパレータ ５ 切換器 ６ インバータ ７ 定電圧回路 ８ ペルチェ素子

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 固体撮像素子の温度あるいは周辺温度を
   検出する手段と，これによって検出した温度情報が所定
   基準値より高温か低温かを判断する手段と，この判断情
   報に基づき固体撮像素子用電子冷却素子に流す電流の方
   向および大きさを制御する手段とを有することを特徴と
   する固体撮像装置。