JPH04111962U - ガスケツトの取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガスケットに対してバネ材を併用することに
より弾性反発力を増加せしめ強い密封をなさしめる。 【構成】 カバー部材（１）の環状溝（２）を先細形状
とし、これに挿着されるガスケット（４）に細溝（５）
を形成してバネ材（６）を内含せしめたガスケットの取
付構造を特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、シリンダヘッドとヘッドカバーや、エンジンフロックとオイルパン 等のカバー部材の合わせ面にあるガスケットの密封構造に関し、具体的にはカバ ー部材とガスケットの取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、エンジンのシリンダヘッドとヘッドカバーや、エンジンブロックとオイ ルパン等の、カバー部材の合わせ面の密封構造においては、ガスケットがカバー 部材に削設された環状溝に挿着され、これをシリンダヘッドあるいはエンジンブ ロックに取り付けた後締付け固定されており、ガスケットの弾性力と密着力によ って密封作用を働かせていた。 このガスケットが挿着されたカバー部材は、一般的にはそのシール面の周囲に ボルト等の締付手段を巡らせ、該締付手段によつて均一で強い締付力（締付トル ク５０ｋｇ／ｃｍ〜１００Ｋｇ／ｋｍ）をガスケットに与えている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

シール性を保持するためには上記の初期締付トルクを長期間１００％保持する ことが望ましい。しかし、実際には各種の条件によりガスケット材料あるいはボ ルトの応力緩和などと共にトルクロス（締付面圧の低下）を生じる。 この発生傾向としては、硬質なガスケット材料ではトルクロスが小さく、圧縮 性の大きいガスケット材料ではこれが大きい。

【０００４】 しかしながら、騒音低減あるいは低振動性さらに着脱耐久性など考慮すれば前 記圧縮性の大きいガスケット材料をしかもガスケット厚みを十分に持たして設置 しなければならず、トルクロスの低減目的と完全に逆行する好ましくない事態と なっている。 本考案はこのような従来の欠点に鑑み、シール性が良好でトルクロスの発生が 少ないガスケットの取付構造を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

以下図面を参照しつつ詳述する。 本考案は図１に示すように、エンジンにおけるシリンダヘッドカバー等のカバ ー部材（１）に削設された環状溝（２）へ挿着され、該カバー部材（１）とブロ ック部材（３）とを密封するガスケット（４）の取付構造であつて、前記カバー 部材（１）の環状溝（２）は断面形状で奥方へ先細形状を有しており、これに挿 着される前記ガスケット（４）はその環状溝（２）と対向する挿入面側に断面略 Ｕ字状の細溝（５）を有し、該細溝（５）の底部にＵ字形のバネ材（６）を配設 したことを特徴としている。

【０００６】

【作用】

本考案は上記のような構造によって下記に示す優れた作用をなさしめる。 すなわち、図１に示す如く、カバー部材（１）の環状溝（２）は該ガスケット （４）の挿着部分ととほぼ同形状をもって断面形状で奥方へ先細形状に造形され ており、これに前記ガスケット（４）を挿着すると、前記ガスケット（４）に形 成された断面略Ｕ字状の細溝（５）が前記先細の両溝壁（２ａ・２ｂ）に押圧さ れて狭まり、ぴったり密着して脱落防止効果を見せる。

【０００６】 この状態からブロック部材（３）にカバー部材（１）を取付け、所定の締付ト ルクをもってその周囲に配置されたボルト等を締め付けると、図２に示すように 前記狭まった細溝（５）の内底方に位置するＵ字形のバネ材（６）が前記環状溝 （１）の先細の両溝壁（２ａ・２ｂ）にガスケット材を介してその両角部を押し 当てる状態になり、これをさらに締め付けると該バネ材（６）は内方に弾性変形 して強い復元力を側面方向から外方向に変換発生せしめる。ここで該ガスケット （４）は前記バネ材（６）と共に半永久的な弾性力を発揮し、ブロック部材（３ ）に変わることのない弾性反発力を向ける。

【０００７】

【実施例】

本考案を実施するに、ガスケット（４）に配設せしめるバネ材（６）は、締め 付けられ挿入されるにしたがって前記環状溝（１）の先細の両溝壁（２ａ．２ｂ ）ヘガスケット材を通して押されその幅を狭められる位置と寸法を持たしめるの が肝要であり、そのＵ字形状も先端の拡がる形状のものから逆に狭まる形状のも のまで自由に設定可能であるが前記環状溝（２）の先細形状と深い関連を持つ。 また、該バネ材（６）はガスケット（４）の細溝（５）の底全周に設ける必要は なく、例えば小片状として複数個を周状に配設しても差し支えない。

【０００８】

【考案の効果】

本考案は上記のような構造によって、カバー部材（１）に挿着されると脱落防 止作用を見せ、締付固定時はバネ材（６）によつて強い内部反発力を得てガスケ ット（４）をブロック部材（３）に永続的に押し当てトルクロス発生を完全に抑 え込む。このブロック部材（３）への密着性はそのシール性に好影響を及ぼし高 い密封力を期待できるものとなる。

【０００９】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のガスケットの取付構造の一実施例を示
した断面図である。

【図２】

【図１】の圧縮後の断面図である。

【００１０】

【符号の説明】

１ カバー部材 ２ 環状溝 ３ ブロック部材 ４ ガスケット ５ 細溝 ６ バネ材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 カバー部材（１）に削設された環状溝
   （２）へ挿着され、該カバー部材（１）とブロック部材
   （３）とを密封するガスケット（４）の取付構造におい
   て；前記カバー部材（１）の環状溝（２）は奥方へ先細
   形状を有し、これに挿着される前記ガスケット（４）は
   その環状溝（２）と対向する面に略Ｕ字状の細溝（５）
   を有しており、該細溝（５）の底部にＵ字形のバネ材
   （６）を配設したことを特徴としたガスケットの取付構
   造。