JPH04109774U - 画像形成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録紙上に転写されるトナー像を、消しゴム
により訂正できるようにする。 【構成】 給紙カセット41から給紙される記録紙上に
は、必要に応じて、定着抑制材塗布装置10により無機物
が塗布される。記録紙上に無機物が塗布されると、トナ
ー像はその無機物上に転写されて定着装置28により定着
される。無機物は溶融トナーに対して適度な剥離性を有
しているために、無機物上に定着されたトナーは消しゴ
ムにより容易に剥離される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、複写機等の画像形成装置に関し、特に、形成される画像が、修正液 等を用いることなく、消しゴムにより容易に修正し得る画像形成装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

複写機等の画像形成装置では、通常、感光体ドラム上に形成されたトナー画像 が記録紙上に転写された後に、該トナー像が定着装置により記録紙上に定着され て、画像が形成される。記録紙上に定着されたトナー画像は、記録紙から容易に 離脱しないように定着されているために、トナー画像を修正あるいは消去する場 合には、修正あるいは消去すべき部分に修正液を塗布し、必要に応じて修正液上 に訂正画像を形成する必要がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このように、記録紙上のトナー画像を修正あるいは消去するために修正液を使 用する場合には、修正液が乾燥するまで、訂正画像を形成できず作業性が低下す るという問題がある。また、修正液には、トリクロロエタン等を使用した油性お よび水性のものがあり、油性のものは、トナー画像に塗布すると、トナー成分が 溶解して、画像がにじんだり、黒ずむおそれがある。また、衣服に付着すると、 しみになるという問題もある。これに対して、水性の修正液では、このような問 題がないものの、トナー画像に塗布した修正液が多すぎると盛り上がった状態に なり、筆記具により訂正画像を容易に形成できない。

【０００４】 本考案は上記従来の問題を解決するものであり、その目的は、得られる画像が 修正液を使用することなく消しゴムにより容易に修正できる画像形成装置を提供 することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 本考案の画像形成装置は、感光体上に形成されたトナー像を記録紙上に転写し て、記録紙上に転写されたトナー像を加熱および加圧することにより記録紙上に 定着する画像形成装置であって、トナー像が転写される記録紙の表面に、加熱溶 融されるトナーに対して適度な剥離性を有する定着抑制材を、必要に応じて塗布 する定着抑制材塗布装置を具備してなり、そのことにより、上記目的が達成され る。

【０００６】

【作用】

本考案の画像形成装置では、定着抑制材塗布装置により、溶融トナーに対して 適度な剥離性を有する定着抑制材が、必要に応じて記録紙の表面に塗布されて、 該定着抑制材上にトナー像が転写され、該トナー像が定着抑制材を介して記録紙 上に定着される。定着抑制材上に定着されたトナー像は、定着状態が十分ではな く、消しゴムにより容易に消すことができる。

【０００７】

【実施例】

本考案の実施例について以下に説明する。本考案の画像形成装置である複写機 は、図１に示すように、複写機本体部20のほぼ中央部に、矢印Ａで示す方向に回 転する感光体ドラム21が設けられている。該感光体ドラム21は、その上方に配置 された帯電器22により帯電される。該帯電器22の上方には光学系23が配置されて おり、複写機本体部20の上面に配置された原稿載置台31上の原稿の画像が該光学 系23により感光体ドラム21上に露光される。感光体ドラム21上には原稿画像に対 応した静電潜像が形成されて、現像装置24によりトナー現像される。感光体ドラ ム21上のトナー像は、給紙カセット41から給紙される記録紙上に、転写装置25に より転写される。トナー像が転写された記録紙は、分離装置26により感光体ドラ ム21から分離されて、搬送装置27により定着装置28へと搬送される。そして、該 定着装置28による所定の加熱温度および加圧力にて、記録紙上のトナー像が記録 紙上に定着されて、排紙ローラ29により複写機本体部20外へと排出される。

【０００８】 感光体ドラム21における記録紙搬送方向上流側の側方には、定着抑制材塗布装 置10が設けられている。該定着抑制材塗布装置10は、定着装置により加熱溶融さ れるトナーに対して適度な剥離性を有した定着抑制材としての無機物、例えば二 酸化シリコン（SiO₂）が収容されるハウジング11と、該ハウジング11内に回転可 能に配設された塗布ローラ12とを有している。ハウジング11内には、その上方に 設けられたホッパー13に収容されている無機物が、随時、補給される。ハウジン グ11内の塗布ローラ12は、その下部がハウジング11から露出しており、また、そ の上部には摩擦ブレード14が摺接されている。そして、ハウジング11内に収容さ れた無機物は、摩擦ブレード14により、例えば負極性に帯電される。塗布ローラ 12には、切換スイッチ15により、正極性および負極性の電位が選択的に印加され るようになっており、塗布ローラ12に正極性の電位が印加されると、負極性に帯 電した無機物が該塗布ローラ12の回転によりその周面を搬送される。

【０００９】 塗布ローラ12の下方には、転写ローラ16が、塗布ローラ12に対向して配置され ている。転写ローラ16には、切換スイッチ61により選択的に正極性の電位が印加 されるようになっている。切換スイッチ15により塗布ローラ12に正極性の電位が 印加され、さらに切換スイッチ61により転写ローラ16に塗布ローラ12よりも強い 正極性の電位が印加された状態では、給紙カセット41から搬送される記録紙が塗 布ローラ12と転写ローラ16との間に搬送されると、塗布ローラ12の周面を搬送さ れる無機物が、転写ローラ16により記録紙表面に転写される。これに対して、切 換スイッチ15を切り換えて、塗布ローラ12に負極性の電位が印加され、さらに切 換スイッチ61により転写ローラ16に電位が印加されない状態になっていると、塗 布ローラ12の周面には無機物が搬送されず、転写ローラ16からの電気的吸引力も 働かないため、給紙カセット41から搬送される記録紙の表面には無機物が塗布さ れない。

【００１０】 切換スイッチ15は、通常は、塗布ローラ12に負極性の電位を印加するようにな っており、また、切換スイッチ61は、通常は転写ローラ16に電位が印加されない 状態になっており、記録紙上に形成されるトナー像を消しゴムにより訂正できる ようにするための消しゴムモードを採用した場合に、塗布ローラ12に正極性の電 位を、また、転写ローラ16に塗布ローラ12よりも強い正極性の電位を印加するよ うに切り換えられる。

【００１１】 定着抑制材塗布装置10を通過した記録紙は、無機物が塗布された表面、あるい は無機物が塗布されていない表面に、トナー像が転写されて、定着装置28へと送 給される。該定着装置28は、上側の加熱ローラ28aと下側の加圧ローラ28bとを有 している。加熱ローラ28は、切換スイッチ28cにより正極性の電位が選択的に印 加されるようになっている。切換スイッチ28cは、通常は、加熱ローラ28aに電位 が印加されないようになっており、消しゴムモードを選択して、記録紙上に塗布 された無機物上にトナー像が形成される場合に、加熱ローラ28aに正極性の電位 が印加されるように切り換えられる。また、加熱ローラ28aには、その周面に付 着する無機物を掻き落とすクリーニングブレード28dが摺接している。

【００１２】 このような構成の複写機では、通常の複写時には、定着抑制材塗布装置10にお ける切換スイッチ15が、塗布ローラ12に負極性の電位を印加するようにされてお り、負極性に帯電された無機物が塗布ローラ12の周面を搬送されない状態になっ ている。従って、給紙カセット41から給紙される記録紙は、定着材抑制装置10を 通過しても、その表面に無機物が塗布されることなく、感光体ドラム21へと搬送 される。そして、該記録紙上に感光体ドラム上のトナー像が転写される。トナー 像が転写された記録紙は、定着装置28へと搬送されて、180〜200℃程度の所定温 度および圧力により加熱および加圧されて、記録紙上に直接定着される。このと き、定着装置28における切換スイッチ28dは、加熱ローラ28aに負極性の電位が印 加されるようにされている。

【００１３】 これに対して、消しゴムモードが選択されると、定着抑制材塗布装置10におけ る切換スイッチ15が切り換えられて、塗布ローラ12には正極性の電位が印加され る。これにより、塗布ローラ12の周面には、負極性に帯電された無機物が搬送さ れて、給紙カセット41から給紙される記録紙の表面に無機物が塗布される。無機 物が塗布された記録紙は感光体ドラム21へ搬送されると、感光体ドラム21上のト ナー像は記録紙表面に塗布された無機物上に転写されて、定着装置28へと搬送さ れる。そして、該定着装置28により、記録紙表面の無機物上に形成されたトナー 像は、所定の温度および圧力により加熱および加圧される。トナー像は、記録紙 表面に塗布された無機物上に転写されており、トナー像は無機物上に定着される 。該無機物は、加熱溶融されるトナーに対して適度な剥離性を有しているために 、トナー像は適度な剥離性を有した状態で記録紙に定着される。

【００１４】 また、記録紙上に無機物が塗布される消しゴムモードでは、加熱装置28におけ る切換スイッチ28cが切り換えられて、加熱ローラ28aには、正極性の電位が印加 されている。記録紙表面の全面にわたって塗布された無機物は、トナー像が転写 されることにより、該トナー像にて覆われる部分とトナー像が転写されずに表面 に露出する部分とが形成され、加熱ローラ28aには、正極性の電位が印加されて いるために、負極性に帯電された無機物が露出した部分は、加熱ローラ28aの正 極性の電位に吸引されて、該加熱ローラ28aの周面に付着する。その結果、トナ ー像が転写されていない部分においては、記録紙上の無機物が加熱ローラ28aに より回収される。加熱ローラ28aにて回収された無機物は、該加熱ローラ28aに摺 接するクリーニングブレード28dにより加熱ローラ28aから掻き落とされる。

【００１５】 記録紙表面に無機物を介して定着されたトナー像は、記録紙表面に直接定着さ れるトナー像に対して、消しゴム等の比較的摩擦係数の高い物質によってのみ記 録紙から剥離されるようになっており、しかも、記録紙に直接定着されるトナー 像と同様に、手、衣服等の接触や摩擦によっては記録紙から剥離しないようにな っている。その結果、無機物を介して記録紙上に定着されたトナー像は、修正液 を使用することなく、消しゴムにより記録紙から容易に剥離させて消去できるた めに、訂正がきわめて容易に行える。また、記録紙として再生紙を使用する場合 にも、再生紙を傷めることなくトナー像を訂正できる。

【００１６】 なお、定着抑制材としての無機物は、粒径が0.02〜0.06μmのものが好適に使 用される。また、無機物としては、二酸化ケイ素のほかに、炭化ケイ素、窒化ケ イ素、セシウム、チタン、アルミニウム、酸化セリウム、酸化ランタン、リン酸 マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、窒化 ホウ素、酸化クロム、炭酸イットリウム、炭化ホウ素、酸化ジルコニウム、チタ ンカーバイト、チタン酸カルシウム、炭酸塩、リン酸塩等が使用でき、また、ポ リフッ化ビニリデン等の有機物も使用できる。

【００１７】

【考案の効果】

本考案の画像形成装置は、このように、定着抑制材塗布装置により、溶融トナ ーに対して適度な剥離性を有する定着抑制材が、必要に応じて記録紙上に塗布さ れて、その定着抑制材上にトナー像が定着される。その結果、定着抑制材上に定 着されたトナー像は消しゴムにより容易に消去でき、修正液を使用する必要がな い。従って、修正液を使用する場合に生じる種々の問題が解消されて、記録紙上 のトナー像の訂正がきわめて容易になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の画像形成装置の実施例である複写機を
示す縦断面図である。

【符号の説明】

10 定着抑制材塗布装置 11 ハウジング 12 塗布ローラ 14 摩擦ブレード 15 切換スイッチ 16 転写ローラ 20 複写機本体部 21 感光体ドラム 25 転写装置 28 定着装置 28a 加熱ローラ 28b 加圧ローラ 28c 切換スイッチ 28d クリーニングブレード

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 吉田 武史 大阪市中央区玉造１丁目２番28号 三田工 業株式会社内 (72)考案者 山口 敦司 大阪市中央区玉造１丁目２番28号 三田工 業株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 感光体上に形成されたトナー像を記録紙
   上に転写して、記録紙上に転写されたトナー像を加熱お
   よび加圧することにより記録紙上に定着する画像形成装
   置であって、トナー像が転写される記録紙の表面に、加
   熱溶融されるトナーに対して適度な剥離性を有する定着
   抑制材を、必要に応じて塗布する定着抑制材塗布装置を
   具備してなる画像形成装置。