JPH04109691U - 農機用のクローラ走行装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 クローラベルトの内周面に載って後方に移送
されてくる泥土を砕いて横外側方に排出する構造を簡
単、安価なものから構成する。 【構成】 最後部に位置する外転輪型の接地転輪４ａの
外側部に、該接地転輪４ａと略同径の弾性筒６を取付け
てある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は主として湿田で使用されるコンバイン等の農機用のクローラ走行装置 に係り、詳しくは、クローラベルト内の排土機能を備えたものの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、排土機能を備えたクローラ走行装置としては、例えば特開昭６４−４１ ４８３号公報に示されるものがあった。 すなわち、クローラベルトのループ内の後部でテンション輪の横側に位置する 箇所に、排土用の円盤スクレーパを傾斜姿勢で設けると共に、前記クローラテン ション輪で前記円盤スクレーパを回転駆動するように構成し、クローラベルトの 内周面に載って後方に移送されてくる土を、傾斜姿勢で回転する円盤スクレーパ 出掻き寄せてクローラベルトの横外側に排出するようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来排土手段においては、クローラベルトの内周面に載って後方に移送さ れてくる泥土を横外側に排出するだけの機能しかなく、クローラベルトの内周面 に載って後方に移送されてくる間に塊状に成長した泥塊を砕いて横外側方に排出 する機能がなく、次工程の走行時に、その泥塊を踏み潰して走行しなければなら ないことから、クローラベルトの脱輪を誘発する問題があった。

【０００４】 さらに、前記スクレーパを傾斜姿勢に位置させて取付ける機構や、テンション 輪と前記円盤スクレーパとを連動連結する機構が必要で、構造が複雑でコスト高 につくものであり、この点に実用上の難点があった。

【０００５】 本考案の目的は、排土と砕き作用の両機能を備えたクローラ走行装置を構造簡 単なものから提供する点にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するための本第１考案の技術手段は、最後部に位置する外転輪 型の接地転輪の外側部に、該接地転輪と略同径の弾性筒を取付けた点にある。 又、上記目的を達成するための本第２考案の技術手段は、最後部に位置する外 転輪型の接地転輪の外側部に、外側ほど小径の載頭円錐体を取付けた点にある。

【０００７】

【作用】

上記第１技術手段を講じたことによる作用は、次の通りである。 図１に示すように、湿田走行を行うと、クローラ走行装置の沈下に伴ってクロ ーラベルト内に泥土が入り込みクローラベルトの内周面に載って後方に移送され てくる間に塊状に成長した土塊は、接地転輪の外側部に取付けられた弾性筒とク ローラベルトの隙間に持ち込まれることによって土塊が圧縮されて押し潰され、 そして、土塊が前記隙間に持ち込まれた際に、弾性筒が中心側に弾性変形され、 傾斜変形した弾性筒外面による横外側方への押出し分力によって土塊は横外方に 押し出される。

【０００８】 しかも、前記弾性筒が、クローラベルトの外端よりも外方に突出している場合 には、上方に撓んでも、先端がクローラベルト外端より機体内方側に入り込むこ とが少なく、良好な排土機能が行える。

【０００９】 そして、上記第２技術手段を講じたことによる作用は次の通りである。 図３に示すように、クローラベルトの内周面に載って後方に移送されてくる間 に塊状に成長した土塊は、載頭円錐体とクローラベルトの隙間に持ち込まれて押 し潰される点では、前記第１手段による作用と同じであるが、前記第１手段との 相違は、載頭円錐体の傾斜面で予め横外側方への押出し分力が与えられている点 で相違する。従って、前記載頭円錐体が剛体である場合には、硬い土塊も効果的 に押し潰して排出することとなる。

【００１０】 しかも、前記載頭円錐体が弾性体でクローラベルトの外端より突出している場 合には、前記第１技術手段と同様に、上方に撓わんでも、先端がクローラベルト 外端より機体内方側に入り込むことが少なく、良好な排土機能が行え、又、剛体 である場合には、長いガイド面で良好な排土機能が行える。

【００１１】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、クローラベルトの内周面に載って後方 に移送されてくる土を、大きな土塊に生成させることなく外方に排出することが でき、次工程走行時の脱輪を抑制し得る。

【００１２】 そして、接地転輪に弾性筒、又は、載頭円錐体を取付けるだけのものであるか ら、排土構造が簡単、安価となる。 さらに、前記特開昭６４−４１４８３号公報に示された如く、大径のテンショ ン輪体を備えたクローラ走行装置の場合には、テンション輪体よりも小径の接地 転輪に取付けられることとなるので、コストの低廉化を図れる小形の弾性筒、又 は、載頭円錐体で済む。 しかも、クローラベルトの左右一対の芯金突起に対して外側に位置する外転輪 式の接地輪に取付けるものであるから、左右一対の芯金突起の間に位置する内転 輪式の接地輪、又は、テンション輪体に取付ける場合のように、芯金突起を避け た特殊形状の取付座を必要とせず、簡単に取付けることができる。

【００１３】

【実施例】

図２に示すように、トラックフレーム１の前端側にクローラ駆動輪２を、かつ 、トラックフレーム１の後端側にテンション輪３を、更に、トラックフレーム１ の前記両輪２，３の間に位置する箇所に前後方向に並列させた複数個の接地転輪 ４・・を夫々取付けると共に全ての前記輪体２，３，４にわたってゴム製のクロー ラベルト５を巻回して、コンバイン等の農機に装備するためのクローラ走行装置 を構成してある。

【００１４】 図１に示すように、前記接地転輪４は、クローラベルト５の左右一対の芯金突 起５ａ，５ａの外側に輪体が配置された外転輪式の接地輪で、その最後部の接地 転輪４ａに、接地転輪４ａと略同径のゴム製の弾性筒６を、接地転輪４ａと接地 転輪４ａ外側部のメタルカバー７とで挟み付けて取付けてある。

【００１５】 次に、第２考案の実施例について説明する。 図３に示すように、最後部の接地転輪４ａに、ゴム製の載頭円錐体８を取付け てある。前記載頭円錐体８は、メタルカバー７の外面に固着した円錐台９にボル ト９連結されている。

【００１６】 〔別実施例〕 図４に示す如く、前記弾性筒６は、クローラベルト５の外端よりも外方に突出 するものであってもよい。又、載頭円錐体８も同様に、クローラベルト５の外端 よりも外方に突出するものであってもよい。

【００１７】 更に、載頭円錐体は金属製であってもよい。

【００１８】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記 すが、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】要部の縦断背面図

【図２】クローラ走行装置の側面図

【図３】別の実施例を示す要部の縦断背面図

【図４】更に、別の実施例を示す要部の縦断背面図

【符号の説明】

４ａ 接地転輪 ５ クローラベルト ６ 弾性筒 ８ 載頭円錐体

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 最後部に位置する外転輪型の接地転輪
   （４ａ）の外側部に、該接地転輪（４ａ）と略同径の弾
   性筒（６）を取付けてある農機用クローラ走行装置。
2. 【請求項２】 最後部に位置する外転輪型の接地転輪
   （４ａ）の外側部に、外側ほど小径の載頭円錐体（８）
   を取付けてある農機用クローラ走行装置。
3. 【請求項３】 前記弾性筒（６）又は載頭円錐体（８）
   は、クローラベルト（５）の外端より横外側方に突出す
   るものである請求項１又は請求項２に記載の農機用クロ
   ーラ走行装置。