JPH04109173U - スタンプ製版装置 - Google Patents
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- JPH04109173U JPH04109173U JP1177991U JP1177991U JPH04109173U JP H04109173 U JPH04109173 U JP H04109173U JP 1177991 U JP1177991 U JP 1177991U JP 1177991 U JP1177991 U JP 1177991U JP H04109173 U JPH04109173 U JP H04109173U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 スタンプ装置の感熱性孔版原紙が、インク含
浸体に密着した状態で製版装置に取り付けられても感熱
性孔版原紙の送り不良や原紙の切断がなく良好な製版を
可能にする。 【構成】 製版装置86のラッチ爪解除バー99がボタ
ンキー81を押下して、インクパッド51は原紙3と離
間した位置に移動させられる。
浸体に密着した状態で製版装置に取り付けられても感熱
性孔版原紙の送り不良や原紙の切断がなく良好な製版を
可能にする。 【構成】 製版装置86のラッチ爪解除バー99がボタ
ンキー81を押下して、インクパッド51は原紙3と離
間した位置に移動させられる。
Description
【0001】
本考案はスタンプ製版装置に関する。
【0002】
従来、鉛筆やボールペンで文字、図形などを描いて図形等の部分を穿孔した謄
写原紙を用いた小型携帯用のスタンプ装置が知られている。このようなスタンプ
装置としては、例えば特公昭54−9523号公報に記載されているように、テ
ーブルとインク付けユニットとを具備したスタンプ装置がある。このスタンプ装
置は、テーブルにインク着けユニットが往復移動自在に支持され、インク着けユ
ニットに謄写原紙が取り付けられて構成されたもので、インク着けユニットが一
方の移動端にある状態で謄写印刷を行い、他方の移動端にある状態でケース等に
収納するようになっている。
【0003】
また従来赤外線照射またはサーマルヘッドによって文字等を穿孔できる感熱性
孔版原紙が知られており、中でも熱可塑性フィルムと多孔性薄葉紙とを接着剤を
用いて貼合わせた感熱性孔版原紙が代表的である。このような感熱性孔版原紙を
使用した小型携帯用のスタンプ装置としては、実開昭63−11855号公報に
開示されているものがある。このスタンプ装置は、グリップ部とクッション層及
び粘着層からなる台座に、孔版印刷用原版が着脱自在に貼着されたもので、孔版
印刷用原版は、穿孔された孔版原紙、枠体及びインク不透過性のカバーシートと
の3層構造とされ、枠体により構成される孔版原紙とカバーシートとの空間に、
塗布などによりインクを充填して構成されている。このようなスタンプ装置にお
いては、所望の文字、図形等を穿孔した孔版印刷用原版を台座に貼りつけ、印刷
用紙に孔版印刷用原版を押し付けることにより孔版印刷を行うことができる。
【0004】
しかしながら、前者のようなスタンプ装置では、謄写原紙を交換する際に手や
衣服をインクで汚してしまうことが多く、またインクを詰め替えて色を変更する
ことができないという問題があった。
【0005】
また後者のスタンプ装置では、前者に比べて手などをインクで汚すことは少な
いものの、インクの塗布を手作業で行わなければならないためインクの厚みが一
定とならず、その結果印刷むらが生じてしまうという問題点があった。
【0006】
本考案は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、インク汚れ
や印刷むらの発生を防止することができ、しかもインクの色替えを簡単に行うこ
とのできる小型携帯用のスタンプ装置を提供することを目的としている。
【0007】
この目的を達成するために本考案のスタンプ製版装置では、両端がそれぞれ第
1と第2のロールに巻回され、熱可塑性フィルムと多孔性支持体との積層構造を
なす感熱性孔版原紙と、この感熱性孔版原紙を前記第1のロールから引き出し、
前記第2のロールに巻き取らせる原紙搬送手段と、前記第1のロールと第2のロ
ール間の前記感熱性孔版原紙の搬送経路中に設けられた弾性を有するインク含浸
体と、前記インク含浸体を前記感熱性孔版原紙から離間した第1の位置と前記感
熱性孔版原紙に密着する第2の位置との間で移動させる移動手段と、前記インク
含浸体を前記第2の位置に保持しておく保持手段とを備えるスタンプ装置と、前
記スタンプ装置が着脱可能であり、前記感熱性孔版原紙を加熱溶融して穿孔画像
を形成する製版装置であって、前記スタンプ装置を装着時に、前記保持手段によ
る前記インク含浸体の保持を解除する保持解除手段を備える製版装置とよりなる
。
【0008】
上記の構成を有する本考案のスタンプ製版装置では、スタンプ装置のインク含
浸体を第1の位置に配置した状態で製版装置に装着し、この状態で製版装置によ
り感熱性孔版原紙の熱可塑性フィルム面を選択的に加熱溶融することにより所望
のパターンで画像を穿孔する。製版された感熱性孔版原紙は、原紙搬送手段によ
り穿孔された領域がインク含浸体に対向する位置まで搬送される。この状態でス
タンプ装置を印刷用紙の上に対置し、インク含浸体を移動手段により第2の位置
へ移動させて感熱性孔版原紙に押圧する。これによりインク含浸体のインクが熱
可塑性フィルム面の穿孔部分からしみだして画像が印刷用紙に転写される。
【0009】
またこの時、インク含浸体を第2の位置に保持したままで製版することがない
ように、スタンプ装置を製版装置に装着すると、製版装置に設けられた保持解除
手段によりインク含浸体の保持手段による保持を解除する。
【0010】
以下、本考案を具体化した一実施例を図面を参照して説明する。図1は本考案
を適用したスタンプ装置の断面図であり、インク含浸体が感熱性孔版原紙と離間
した第1の位置にある状態を示す。このスタンプ装置はハウジング1の内部に両
端をロール状に巻回された感熱性孔版原紙3(以下、原紙3と略称する)が格納
されている。原紙3の図中右端は第1のロールである元巻スプール5に巻回され
ており、左端は第2のロールである巻取りスプール7に巻回されている。元巻ス
プール5及び巻取りスプール7はハウジング1に対して回転可能に支持されてい
る。
【0011】
原紙3は図3に示すように、熱可塑性フィルム9と多孔性支持体13とを接着
剤層11で接着して積層した構成とされている。本実施例では、熱可塑性フィル
ム9は厚さ2μのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルム
と略称する)であるが、その他、例えばポリプロピレン、塩化ビニリデン−塩化
ビニル共重合体等のフィルムを使用しても良い。PETフィルムの厚みとしては
1μ〜4μであることが好ましい。1μ未満では製造コストが高く、強度も弱く
実用的ではなく、また4μを上回ると定格が1mJ/dot程度のサーマルヘッ
ドでは厚すぎて穿孔できないからである。
【0012】
多孔性支持体13は、例えばマニラ麻、こうぞ、みつまた等の天然繊維、PE
T、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル等の合成繊維、レーヨン等の
半合成繊維を主原料とした多孔性薄葉紙が用いられる。そしてこのように構成さ
れた原紙3は、図1において熱可塑性フィルム9面が外側になるように巻回され
ている。
【0013】
次に原紙3の搬送経路について図1を用いて説明する。元巻スプール5から引
き出された原紙3は、ハウジング1に一体に形成された円筒状ボス15まで搬送
される。円筒状ボス15の上方には、先端にフェルト17が接着された板バネ1
9が設けられている。板バネ19のL字状に曲折された端部はハウジング1に支
持され、板バネ19の先端のフェルト17が常時円筒状ボス15を押圧するよう
に弾性変形させられている。これによって、フェルト17と円筒状ボス15との
間を搬送される原紙3に所定の摩擦力が付与される。
【0014】
次に円筒状ボス15から引き出された原紙3は、プラテン21、元巻側ガイド
ローラ23、巻取り側ガイドローラ25を経由して巻取りスプール7にて巻取ら
れる。巻取りスプール7の一端部には、ねじりコイルバネ27が巻き付けられて
いる。ねじりコイルバネ27の端部に形成された腕部はハウジング1に一体に形
成された軸29に係合され、巻取りスプール7の時計方向の回転に対しては緩み
側、反時計方向の回転に対しては締り側になるように巻き付けられている。これ
によって巻取りスプール7の巻取り方向の回転(時計方向)に対しては負荷が小
さく、巻取りスプール7から原紙3が引き戻される方向の回転(反時計方向)に
対しては負荷が極端に大きくなるようになっている。
【0015】
次に、プラテン21はハウジング1に回転可能に嵌合されている。プラテン2
1の一端には、プラテン駆動ギヤ22が取り付けられ、このプラテン駆動ギア2
2を介して回転駆動力が伝達される。また、ハウジング1の上部中央には円筒状
案内31が一体に形成されている。円筒状案内31には移動手段としてのグリッ
プユニット32が上下方向に摺動自在に挿入されている。
【0016】
図4に示すように、グリップユニット32はグリップ33と円筒部材35及び
圧縮コイルバネ41で構成されている。グリップ33は直径が段階的に細くなる
多段形状をなし、その先端部には、円周方向に向かって複数に分割された箇所に
外周側に突出する爪37が合計4つ形成されている。一方、円筒部材35には軸
方向に長い係合孔39が4箇所に形成され、グリップ33を円筒部材35に嵌合
させることにより、4つの爪37がそれぞれ係合孔39に係合するようになって
いる。また円筒部材35の下部にはフランジ38が形成され、フランジ38の下
側にはおねじ部40が形成されている。また圧縮コイルバネ41はグリップ33
と円筒部材35との間に挿入されており、グリップ33と円筒部材35とを互い
に離間させるような付勢力を生じている。尚、圧縮コイルバネ41のバネ力は、
クリープ変形で爪37が変形しない程度の力に設定されているので、グリップ3
3と円筒部材35とは互いに離間することはない。
【0017】
このように構成されたグリップユニット32では、グリップ33と円筒部材3
5との相対回転が阻まれるとともに、軸方向への相対的な移動が可能であり、圧
縮コイルバネ41の付勢力に抗してグリップ33と円筒部材35を互いに押しつ
けることにより、爪37と係合孔39との軸方向の隙間分だけ接近離間させるこ
とができる。このグリップユニット32は、図1に示すようにハウジング1との
間に別の圧縮コイルバネ43を介して装着されており、圧縮コイルバネの力によ
り常に上方に付勢されている。
【0018】
次にグリップユニット32の下方にはインクパッドユニット45が配置されて
いる。インクパッドユニット45は図5に示すようにインクパッドカートリッジ
47、インクパッドホルダ49、インク含浸体であるインクパッド51及び板バ
ネ53とから構成される。インクパッド51は、インクを含浸し得るように多孔
質の弾性体で構成され、上面をインクパッドホルダ49に接着固定されている。
インクパッドホルダ49は箱形をなし、その上面には円筒部材35のおねじ部4
0と螺合するめねじ部55と爪57が一体に形成されている。インクパッドカー
トリッジ47も箱形をなし、その上面には長方形の貫通孔48が形成されるとと
もに、内部はインクパッドホルダ49をちょうど収容できる大きさとされている
。
【0019】
板バネ53は略H字形状をなし、その中央部にはインクパッドホルダ49のめ
ねじ部55用の逃げ穴59と、インクパッドホルダ49の2つの爪57が係合す
る切り欠き部61が形成されている。また板バネ53の4本の腕部63の全長は
、インクパッドカートリッジ47の貫通孔48よりも長く設定されている。この
板バネ53は、その中央部が2箇所の爪57で係合されることによりインクパッ
ドホルダ49に装着され、4本の腕部63はインクパッドカートリッジ47の上
面に当接されている。このためインクパッドホルダ49は、常時板バネ53のバ
ネ力によりインクパッドカートリッジ47に押しつけられており、インクパッド
51がインクパッドカートリッジ47の下面より下側へ突出しないようになって
いる。
【0020】
このように構成されたインクパッドユニット45は、図2に示すようにハウジ
ング1の側面に設けられた開口部65からハウジング1内部に挿入されるように
なっている。インクパッドカートリッジ47は、ハウジング1内部に挿入された
状態において案内溝67にガイドされ、ハウジング1内で動かないようになって
いる。またインクパッドホルダ49のめねじ部55は、円筒部材35のおねじ部
40と螺合され、これによってインクパッドホルダ49は、グリップユニット3
2の上下の移動に伴って、インクパッドカートリッジ47の内部を上下に移動で
きるようになっている。
【0021】
図2に示すようにハウジング1内部にはラッチ爪69が配置されている。ラッ
チ爪69は、ハウジング1に一体に形成された軸71に回転自在に支持されてい
る。ラッチ爪69は3つの腕が形成されてなるもので、第1の腕73は円筒部材
35と当接し、第2の腕75には引張りコイルバネ79が取り付けられ、更に第
3の腕77はボタンキー81に当接させられている。引張りコイルバネ79の他
端部はハウジング1に取り付けられており、バネ力によりラッチ爪69を反時計
方向の回転方向に付勢している。またボタンキー81はハウジング1に一体に形
成された案内溝83に軸方向へ摺動自在に支持されており、その端部に形成され
たフランジ部とハウジング1との間に配置された圧縮コイルバネ85のバネ力に
より、ラッチ爪69の第3の腕77に当接されている。ここで、引張りコイルバ
ネ79のバネ力は圧縮コイルバネ85のバネ力よりも強く設定されており、これ
によってラッチ爪69の第1の腕73は円筒部材35の外周に常に当接させられ
ている。
【0022】
インクパッドユニット45の下方には枠体84が配設されており、枠体84は
その周壁部がハウジング1に取り付けられることによりハウジング1に固定され
ている。また枠体84の中央部には、印刷されるスタンプ版の大きさに応じた穴
部88が形成されている。この穴部88の大きさはインクパッド51の大きさよ
りも一回り小さくなっている。
【0023】
上述のスタンプ装置の原紙3には図6に示す製版装置86により所望の文字等
の製版が施される。図6に示す製版装置86は、入力部87、製版部89、所定
桁数の液晶ディスプレイ91を備えて構成されている。製版部89には加熱手段
としてのサーマルヘッド93、原紙送りギヤ95、巻取りスプール駆動カム97
、リリースレバー96、ラッチ爪解除バー99が設けられている。図1に示すよ
うにサーマルヘッド93と原紙送りギヤ95は、スタンプ装置のプラテン21及
びプラテン駆動ギヤ22に対して離設可能とされている。リリースレバー96の
セット及び解除という2つのポジションに連動して、スタンプ装置のプラテン2
1及びプラテン駆動ギア22に対して離接可能とされている。尚、図1中実線が
当接位置を示し、二点鎖線が離間位置を示している。また巻取りスプール駆動カ
ム97は巻取りスプール7に係合可能とされている。ラッチ爪解除バー99は、
スタンプ装置が製版装置86にセットされた状態にてスタンプ装置側のボタンキ
ー81を押下する(図2中にその状態を示している)。
【0024】
サーマルヘッド93は原紙3を介してプラテン21に当接され、その状態で通
電されることにより、原紙3の熱可塑性フィルム9を熱穿孔する。また原紙送り
ギヤ95と巻取りスプール駆動カム97は、ともに図示しない原紙送りモータに
より駆動される。原紙送りギヤ95はプラテン駆動ギヤ22と噛み合って原紙3
を所定量搬送し、巻取りスプール駆動カム97は搬送された原紙3を巻取る巻取
りトルクを巻取りスプール7に与える。
【0025】
次にスタンプ装置の動作について説明する。
【0026】
図1は、前述したようにインクパッド51が原紙3から離間した第1の位置を
示し、製版装置86に取り付けられて製版される状態を示している。この状態で
は、サーマルヘッド93は原紙3を介してプラテン21に圧接されており、また
原紙送りギヤ95はプラテン駆動ギヤ22に噛み合っている。また巻取りスプー
ル7には巻取りスプール駆動カム97が係合している。この状態で製版装置86
の入力部87から印字情報が入力され、最後に印字開始指令が入力される。印字
開始指令に伴って原紙送りモータが回転駆動され、駆動力は原紙送りギヤ95を
経由してプラテン駆動ギヤ22に伝達され、プラテン21は時計方向に回転する
。原紙3はプラテン21とサーマルヘッド93とにより圧接されているため、プ
ラテン21と原紙3との摩擦力により搬送される。この時、原紙3にはフェルト
17と原紙3との摩擦力により、搬送方向とは逆方向にバックテンションが与え
られる。
【0027】
一方、サーマルヘッド93は、製版装置86の図示しない制御部により印字情
報に応じて所定のタイミングで通電加熱され、原紙3の熱可塑性フィルム9面を
加熱溶融することにより、原紙3に穿孔画像を形成する。プラテン21から送り
出された原紙3は、巻取りスプール駆動カム97を経由して巻取りスプール7に
伝達された巻取りトルクにより巻取られる。この巻取りトルクは、原紙送りモー
タと巻取り駆動カム97との間に介在する図示しない公知のすべり機構により発
生される。このため、原紙3はプラテン21によって搬送された量だけ巻取りス
プール7に巻取られる。サーマルヘッド93の通電が終了し穿孔画像が形成され
た後も、原紙3は穿孔画像領域が枠体84の穴88に対向する位置まで搬送され
る。
【0028】
このようにしてスタンプ装置における製版が終了すると、図7及び図8に示す
ように、グリップ33を下方に押し下げ、インクパッド51を原紙3に密着する
第2の位置まで移動させる。この場合において、まずグリップ33が圧縮コイル
バネ43のバネ力に抗して押し下げられることにより、円筒部材35は圧縮コイ
ルバネ41に押されて円筒状案内31にガイドされながら下方に移動する。この
時インクパッドホルダ49は円筒部材35とネジにより結合されているため、円
筒部材35の移動に応じて板バネ53のバネ力に抗しつつ、インクパッドカート
リッジ47の周壁部に案内され下方へ移動する。
【0029】
こうしてインクパッド51は原紙3に密着し、さらに下方へ移動して原紙3を
介して枠体84に当接する。円筒部材35がさらに下降すると、インクパッド5
1の周辺部が枠体84により所定量圧縮されるとともに円筒部材35の上縁部が
ラッチ爪69に達する。するとラッチ爪69が引張りコイルバネ79のバネ力に
より反時計方向に回転して、円筒部材35の上部端面にラッチ爪69の第1の腕
73が係合する。
【0030】
尚、引張りコイルバネ79のバネ力は円筒部材35を上方に押し上げようとす
る圧縮コイルバネ43のバネ力と、インクパッドホルダ49を上方に押し上げよ
うとする板バネ53のバネ力とを合わせた力よりも強く設定されている。このた
めラッチ爪69は圧縮コイルバネ43及び板バネ53に押し返されることなく強
固に係合している。この状態では原紙3は枠体84とインクパッド51とにより
、穿孔画像領域の外縁部を圧接されているため、実質的に枠体84とインクパッ
ド51からずれないようになっている。以上はスタンプ装置が製版装置86に装
着された状態での動作である。
【0031】
次に図6において、リリースレバー96を解除位置に移動させることにより、
サーマルヘッド93及び原紙送りギヤ95をそれぞれプラテン21及びプラテン
駆動ギヤ22から離間させ、スタンプ装置を製版装置86から取り外す。そして
図9に示すように、原紙3の穿孔画像領域が印刷用紙98の印刷すべき位置に対
向するようにスタンプ装置を載置し、この状態でグリップ33を押し下げる。す
ると、円筒部材35の内部の圧縮コイルバネ41が圧縮され、原紙3を介して印
刷用紙98に当接しているインクパッド51が圧縮量に応じたバネ力により弾性
変形する。さらにグリップ33を押し下げると、ハウジング1の円筒状案内31
の上部端面がグリップ33と当接し、グリップ33はもうそれ以上下降しない。
【0032】
この状態において圧縮コイルバネ41の所定のバネ力がインクパッド51を所
定量弾性変形させ、インクパッド51の弾性変形量に応じたインクが原紙3の穿
孔部分から印刷用紙98側へと滲みだし、印刷用紙98に画像が転写される。こ
の時グリップ33をさらに押下げようとしても、グリップ33はハウジング1の
上端部に当接しているため、押し下げる力はハウジング1、枠体84を経由して
印刷用紙98に伝えられるだけである。このため、インクパッド51は所定量以
上圧縮されることはなく、従ってインクが多量に滲み出して生じる印字品質の劣
化を防止することができる。またインクパッド51は弾性体であるため印刷用紙
98の凹凸に応じて変形し、局部的なカスレが生じにくい。また、グリップ33
とインクパッド51との間には圧縮コイルバネ41が介在しているためスタンプ
面に均一の圧力を加えることができる。
【0033】
次に同一版で任意枚数印刷した後、新規の版を作成する場合について説明する
。この場合はまず、新規の版を作成するため製版装置86に取り付ける前に、イ
ンクパッド51を原紙3と密着した第2の位置から、原紙3と離間する第1の位
置に移動させる。つまり図8において、引張りコイルバネ79のバネ力に抗して
ボタンキー81を押し込むことにより、ラッチ爪69を時計方向に回転させてラ
ッチを解除する。
【0034】
ラッチの解除と共に、インクパッドホルダ49が圧縮コイルバネ43と板バネ
53のバネ力により上方に押し上げられ、その上面とインクパッドカートリッジ
47の下面が当接するまで移動する。つまりボタンキー81の押し下げにより、
インクパッド51は原紙3と離間した第1の位置に移動する。このとき操作者が
スタンプ装置を製版装置86に取り付ける際に誤ってボタンキー81を押し忘れ
ても、製版装置86側のラッチ爪解除バー99がボタンキー81を押下してイン
クパッド51は原紙3と離間した位置に移動させられる。次に製版装置86のリ
リースレバー96が解除位置の状態で、スタンプ装置は製版装置86に取り付け
られる。次にリリースレバー96をセット位置に移動することにより、製版装置
86は前述と同じ製版状態として、同様の製版工程を行う。
【0035】
次にインクの色替えやインクの補充について図1と図10を参照して説明する
。まず図1においてグリップ33を反時計方向に回すことにより、円筒部材35
のおねじ部40とインクパッドホルダ49のめねじ部55のネジ締めが解除され
る。これによってグリップユニット32が圧縮コイルバネ43のバネ力により上
方に押し上げられ、フランジ38の上面がハウジング1の円筒状案内31の下部
端面に当接するまで円筒部材が移動する。図10はその移動端における状態を示
している。図10においてインクパッドユニット45は、ハウジング1の開口部
65から図中左側に引き抜くことにより取り外すことができる。尚、インクパッ
ドユニット45の取付けはこの手順と逆の動作で行うことができる。このように
インクパッドユニット45の交換は容易にでき、インクの色替えや交換用インク
パッドユニット45の交換が簡単にできる。
【0036】
以上、詳述したことより明らかなように本実施例のスタンプ装置及び製版装置
によれば、使用者がインクを塗布する必要がなく、使用者の手や衣服が汚れるよ
うなことがない。またインクパッド51が弾性を有するので、印刷面に凹凸があ
ってもむらのない印刷を行うことができる。さらにインクの色替えはインクパッ
ド51が原紙3と離間した状態でできるので、簡単に行うことができる。
【0037】
更にインクパッド51を原紙3と密着したままで製版することがないように、
スタンプ装置を製版装置86に装着すると、製版装置86に設けられたラッチ爪
解除バー99によりインクパッド51のラッチ爪69による保持を解除するので
、感熱性孔版原紙がインク含浸体と密着したまま搬送されることがなく、感熱性
孔版原紙3の送り不良や切断といった不具合は発生しない。
【0038】
尚、本考案は上述した実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しな
い範囲の変更は可能である。
【0039】
以上、詳述したことより明らかなように本考案のスタンプ製版装置によれば、
使用者がインクを塗布する必要がなく、使用者の手や衣服が汚れるようなことが
ない。またインク含浸体が弾性を有するので、印刷面に凹凸があってもむらのな
い印刷を行うことができる。さらにインクの色替えはインク含浸体が原紙と離間
した状態でできるので、簡単に行うことができる。
【0040】
またインク含浸体を第2の位置に保持したままで製版することがないように、
スタンプ装置を製版装置に装着すると、製版装置に設けられた保持解除手段によ
りインク含浸体の保持手段による保持を解除するので、感熱性孔版原紙がインク
含浸体と密着したまま搬送されることがなく、感熱性孔版原紙の送り不良や切断
といった不具合は発生しない。
【図1】インクパッドが原紙と離間した状態のスタンプ
装置の断面図である。
装置の断面図である。
【図2】同側断面図である。
【図3】感熱性孔版原紙の断面図である。
【図4】グリップユニットの分解斜視図である。
【図5】インクパッドユニットの斜視図である。
【図6】製版装置の斜視図である。
【図7】インクパッドが原紙と密着した状態のスタンプ
装置の断面図である。
装置の断面図である。
【図8】同側断面図である。
【図9】スタンプ装置により印刷している状態の断面図
である。
である。
【図10】スタンプ装置のインクパッドユニット交換時
のスタンプ装置の断面図である。
のスタンプ装置の断面図である。
3 感熱性孔版原紙
5 元巻スプール
7 巻取りスプール
32 グリップユニット
51 インクパッド
99 ラッチ爪解除バー
Claims (1)
- 【請求項1】 両端がそれぞれ第1と第2のロールに巻
回され、熱可塑性フィルムと多孔性支持体との積層構造
をなす感熱性孔版原紙と、この感熱性孔版原紙を前記第
1のロールから引き出し、前記第2のロールに巻き取ら
せる原紙搬送手段と、前記第1のロールと第2のロール
間の前記感熱性孔版原紙の搬送経路中に設けられた弾性
を有するインク含浸体と、前記インク含浸体を前記感熱
性孔版原紙から離間した第1の位置と前記感熱性孔版原
紙に密着する第2の位置との間で移動させる移動手段
と、前記インク含浸体を前記第2の位置に保持しておく
保持手段とを備えるスタンプ装置と、前記スタンプ装置
が着脱可能であり、前記感熱性孔版原紙を加熱溶融して
穿孔画像を形成する製版装置であって、前記スタンプ装
置を装着時に、前記保持手段による前記インク含浸体の
保持を解除する保持解除手段を備える製版装置とよりな
ることを特徴とするスタンプ製版装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1177991U JPH04109173U (ja) | 1991-03-06 | 1991-03-06 | スタンプ製版装置 |
US07/812,107 US5184549A (en) | 1990-12-29 | 1991-12-23 | Stamp device with a printing element, movable ink supplying device, and plate making device employing an elongate heat sensitive stencil paper |
EP91312019A EP0493966B1 (en) | 1990-12-29 | 1991-12-24 | Stamp device employing an elongate heat sensitive stencil paper |
DE69117716T DE69117716T2 (de) | 1990-12-29 | 1991-12-24 | Stempelvorrichtung mit einem bandförmigen, wärmeempfindlichen Schablonenpapier |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1177991U JPH04109173U (ja) | 1991-03-06 | 1991-03-06 | スタンプ製版装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04109173U true JPH04109173U (ja) | 1992-09-21 |
Family
ID=31900866
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1177991U Pending JPH04109173U (ja) | 1990-12-29 | 1991-03-06 | スタンプ製版装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04109173U (ja) |
-
1991
- 1991-03-06 JP JP1177991U patent/JPH04109173U/ja active Pending
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