JPH04106323U - 医療用貼付剤 - Google Patents

医療用貼付剤

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JPH04106323U
JPH04106323U JP784891U JP784891U JPH04106323U JP H04106323 U JPH04106323 U JP H04106323U JP 784891 U JP784891 U JP 784891U JP 784891 U JP784891 U JP 784891U JP H04106323 U JPH04106323 U JP H04106323U
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layer
adhesive
patch
drug
adhesive plaster
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JP784891U
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Inventor
高司 岸
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積水化学工業株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 柔軟性を有する裏打ち支持体層2により裏打
ちされた貼付層を有する医療用貼付剤であって、貼付層
が粘着性基剤及び薬剤を含有する粘着性膏剤層3と粘着
剤から主としてなる固定層4の二つの区画部分を有し、
粘着性膏剤層3中の粘着性膏剤または粘着性膏剤層3中
の粘着性基材のTgが−71℃以下とされており、固定
層4の粘着剤のTgが−71℃〜−15℃の範囲とされ
ている医療用貼付剤1。 【効果】 薬剤を含有させる粘着性膏剤層3と皮膚への
粘着・固定を目的とする固定層4とが分離されて構成さ
れているので、粘着性膏剤層3については薬剤を含有さ
せかつ皮膚へ移行させるのに最適な組成で構成すること
ができるため、薬剤の含有量及び利用効率を高めること
ができる。固定層4については、皮膚への粘着・固定に
最適な組成として構成することができるため、貼付剤1
を皮膚面に確実に固定することができる。固定層4が部
分的に設けられているため、多大な苦痛感や刺激を与え
ることなく皮膚面から貼付剤1を円滑に剥離することが
できる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、パップ剤、テープ剤等の医療用貼付剤の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の医療用貼付剤は、合成樹脂フィルムまたは布等の柔軟性を有する裏打ち 支持体層で粘着性膏剤層を裏打ちした構造を有する。粘着性膏剤層は、貼付機能 を果たす粘着性基剤と、医療効果を発揮するための薬剤とを含有している。とこ ろで、従来の医療用貼付剤では、上記粘着性膏剤層は、裏打ち支持体層上にひと つの均一な層として積層されており、薬剤は粘着性膏剤層中に均一に分散されて いる。また、粘着性膏剤または該粘着性膏剤層中に含有されている粘着性基剤は 、その二次転移温度(ガラス転移温度)Tgが−70℃以上、−15℃以下の材 料で構成されていた。 なお、−70℃以上、−15℃以下のTgの範囲は、粘着ラベルや粘着テープ 等のような非医療目的の粘着剤においても採用されていた。これは、Tgが−7 0℃より低い場合には、該Tgが低い程、凝集力が低下し、実使用時に凝集破壊 現象に起因する種々の問題が発生するからであり、他方、−15℃以上では、粘 着性能が著しく低下し、粘着剤としての機能を失うからであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の医療用貼付剤では、粘着性膏剤のTgが、上記のように −70℃以上、−15℃以下の範囲とされていたため、並びに含有されている薬 剤が均一に分散されていたため、以下のような問題があった。 薬剤が貼付面全体に渡り均一に分散されていることは、言い換えれば、薬剤 が貼付面全体に渡り均一に希釈化されており、局部的に高濃度・高密度に存在し ていないことを意味する。他方、薬剤の皮膚への移行性は粘着性膏剤層中の薬剤 濃度の高低により支配される。従って、従来の貼付剤では、薬剤が貼付面の全面 積に渡り均一に分散されているため、薬剤移行性、すなわち薬剤利用効率が低い という問題があった。 従来の貼付剤では、粘着性膏剤層は単に薬剤を含有させるだけでなく、皮膚 への粘着・固定機能をも担っていた。従って、薬剤の利用効率を高めるために、 単位面積当たりの薬剤濃度を高めた場合には、性能のバランスが崩れ、粘着性が 著しく低下し、粘着・固定機能が果たせなくなったり、あるいは逆に過度に軟化 したりするという欠点が生じる。従って、単位面積当たりの薬剤濃度を高めるに も自ずと限度があるため、薬剤利用効率を十分に高めることができなかった。 従って、高い薬効を実現するには、貼付剤の粘着性膏剤層の面積を拡大しな ければならず、貼付剤が大型化し、また患者においては貼付される皮膚面積も拡 大せざるを得なかった。 なお、同一薬剤濃度で、かつ同じ組成系の粘着性基剤を用いて粘着性膏剤層 を構成する場合、その粘着性膏剤全体のTgが低い程、薬剤の皮膚への移行性が 高められることが知られている。しかしながら、従来の貼付剤では、上記のよう に粘着性膏剤のTgは−70℃以上であることが必須であると考えられていたた め、Tgを−70℃より低い温度とした場合に比べて、薬剤の移行・吸収量すな わち薬剤利用効率は低くならざるを得なかった。
【0004】 本考案の目的は、上記のような従来の貼付剤の種々の欠点を解消し、同一量の 薬剤を使用しながら薬効及び薬剤利用効率を高めることができ、同一薬剤量また は等しい薬効を実現する場合には、より小型化することができ、さらに皮膚面に 安定に粘着・固定することが可能な構造を備えた医療用貼付剤を提供することに ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案の貼付剤は、柔軟性を有する裏打ち支持体層により裏打ちされた貼付層 を有するものにおいて、下記の構成を備えることを特徴とする。 すなわち、貼付層は粘着性基剤及び薬剤を含有している粘着性膏剤層と、粘着 剤から主としてなる固定層の二つの区画部分を有する。この粘着性膏剤層中の粘 着性膏剤または該粘着性膏剤層中の粘着性基剤のTgは−71℃以下とされてお り、他方、固定層の粘着剤のTgは−71℃以上、−15℃以下とされている。 すなわち、本考案の貼付剤の特徴は、裏打ち支持体層で裏打ちされた貼付層が 、薬剤を保持し薬効を付与することを主たる目的とする粘着性膏剤層と、皮膚面 への粘着・固定を主たる目的とする固定層とに分離されていることにある。なお 、固定層は、粘着剤から主としてなり、粘着・固定を主たる目的とするものであ るが、該固定層中に、粘着・固定機能を妨げない範囲において、薬剤が含有され ていてもよい。
【0006】
【作用】
本考案の貼付剤では、皮膚面に貼付けられる貼付層が、上記のように粘着性膏 剤層と固定層との二つの区画部分を有するように構成されているため、粘着性膏 剤層及び固定層を、それぞれの機能に最適であるように構成することができる。 また、粘着性膏剤または該粘着性膏剤層中の粘着性基材のTgが−71℃以下 とされているため、薬剤を高濃度に含有させることができ、より高濃度に薬剤を 含有させても粘着性の低下の度合いが少なく、かつ薬剤の皮膚への移行性が高め られる。また、粘着性膏剤層全体の可塑性が高められるため、粘着力が低下した としても、皮膚によく密着されるため、該密着性改善効果により、薬剤移行性が 損なわれない。 さらに、固定層が、その二次転移温度Tgが−71℃〜−15℃の範囲の粘着 剤を用いて構成されているため、貼付剤を皮膚面に確実にかつ安定に粘着・固定 することができる。すなわち、貼付中における貼付剤の皮膚面からの浮き上がり や位置ずれ等を防止することができる。 なお、固定層には、薬剤を含有させる必要がないため、粘着・固定目的にもっ とも好ましい組成の粘着剤を用いて固定層を構成することができ、さらに、薬剤 を含有させない場合には、薬剤によって粘着性が妨げられないため、目的通りの 粘着性能を容易に発揮させることができる。
【0007】
【実施例の説明】
以下、本考案の非限定的な実施例を説明することにより、本考案を明らかにす る。 図1及び図2は、本考案の一実施例の医療用貼付剤を示す断面図及び部分切欠 平面図である。 医療用貼付剤1は、裏打ち支持体層2の一方主面に粘着性膏剤層3及び固定層 4を設けてなる貼付剤本体を有する。粘着性膏剤層3及び固定層4は、表面が粘 着性膏剤層3及び固定層4に対して剥離性を有する保護シート5により被覆され ている。保護シート5の一部を切り欠いて示す平面図である図2から明らかなよ うに、粘着性膏剤層3は中央部に比較的大面積に構成されており、固定層4は粘 着性膏剤層3の周囲を囲む矩形枠状に形成されている。そして、粘着性膏剤層3 と周囲の固定層4との間には幅Wの空隙6が形成されている。 貼付剤1において、裏打ち支持体層2は、従来より貼付剤の裏打ち支持体層と して用いられている合成樹脂フィルムまたは布等の柔軟性を有する材料で構成さ れている。粘着性膏剤層3は、該粘着性膏剤全体のTgまたは該粘着性膏剤層3 を構成するための粘着性基剤のTgが−71℃以下とされている。従って、該粘 着性膏剤層3中には、薬剤をより高濃度に含有させることが可能とされている。 また、粘着性膏剤層3中に含有されている薬剤の皮膚面への移行性も高められて いる。さらに、粘着性膏剤層3全体の可塑性が高められるため、粘着力が低下し ていたとしても、皮膚には十分に密着され、従って薬剤移行性が損なわれること がない。
【0008】 粘着性膏剤層3の厚みは、図1では固定層4と同一の厚みとされているが、固 定層4により皮膚面への粘着・固定機能が主として果たされるため、粘着性膏剤 層3の厚みは、必ずしも固定層4と同一厚みとする必要はない。もっとも、一般 的には粘着性膏剤層3の厚みは、固定層4の厚みの1/2〜2倍の範囲とされる 。 また、固定層4は、図示のように粘着性膏剤層3の周囲を囲むような枠状に構 成される必要は必ずしもない。例えば、固定層4の一部が切り欠かれた開環状の 形状に構成されていてもよい。さらに、粘着性膏剤層3の周囲に、複数の固定層 4を配置してもよい。 のみならず、図2から明らかなように、粘着性膏剤層3と固定層4との間に空 隙6が形成されていたが、粘着性膏剤層3と固定層4とが別区画として形成され ている限り、両者が連ねられて形成されていてもよい。すなわち、空隙6は設け られていなくともよい。
【0009】 なお、粘着性膏剤層3の表面は、それ自体は、皮膚面への粘着・固定を主目的 とするものではないが、皮膚面に対しての粘着性が優れている方が、薬剤の移行 ・吸収性を高め得るため好ましい。 また、固定層4は、粘着・固定を主たる目的とするものであるが、該固定層4 内に粘着・固定を妨げない範囲において、薬剤が含有されていてもよい。もっと も、固定層4は、粘着・固定を主目的とするものであるため、粘着性膏剤層3中 よりも低濃度に薬剤が含有されることになる。 上記のようにTgが異なることからも明らかなように、粘着性膏剤層3と固定 層4に用いられる粘着性基剤及び粘着剤の組成は原則的には異なる。すなわち、 粘着性膏剤層3は、−71℃以下のTgを実現する組成とされており、固定層の 粘着剤は−71℃〜−15℃の範囲のTgを実現する組成とされる。しかしなが ら、両者を基本的には同じ組成系の粘着剤を用いて構成することも可能である。 例えば、粘着性膏剤層3に、固定層4には配合されていない液状可塑剤あるいは 薬剤の移行及び経皮吸収促進剤のような可塑剤効果を果たす成分を配合させれば 、固定層4と同一組成系の粘着剤を用いても粘着性膏剤層3中の粘着性膏剤のT gを−71℃以下とすることができる。
【0010】 本実施例では、固定層4は、粘着性膏剤層3の周囲を取り囲む矩形枠状に形成 されているが、これは以下の理由による。すなわち、実際の貼付に際しては、固 定力が十分でないために皮膚から貼付剤が剥がれる場合、例外なく、その周縁部 分からの僅かな浮き上がりあるいは剥離現象により剥離が始まる。周縁部分にお ける僅かな浮き上がりや剥離現象が発生した後、皮膚の屈伸等の動きにより、同 様の現象が周縁部分の各種で発生し、それぞれが時間の経過に従って段々と大き くなって中央部分にまで拡大し、貼付剤全体の剥脱につながっている。従って、 貼付剤の剥脱現象を防止するには、周縁部分における最初の浮き上がりを防止す ることが重要である。本実施例では、そのために、貼付剤1の周縁部分に粘着・ 固定機能を主として担う固定層4を配置し、それによって上記のような剥脱現象 の発生が防止されている。 また、本考案では、固定層4が、Tgが−71℃〜−15℃の範囲である粘着 剤を主たる成分とするため、公知の粘着剤組成から粘着・固定に適したものを適 宜選択して構成し得るため、上記のような浮き上がり現象をより効果的に防止す ることができる。
【0011】 なお、上記のように最初の浮き上がり現象を防止するために固定層4が貼付剤 1の周縁部分に配置されているので、固定層4自体の幅は大きくする必要がなく 、細い幅の枠状に構成することができる。従って、固定層4の内側の中央部にお いては、粘着性膏剤層3の面積をより広くすることができる。よって、従来の貼 付剤と比較しても、粘着性膏剤層3の面積はさほど狭くならない。しかも、従来 の貼付剤では粘着性膏剤層全体が薬剤含有機能及び粘着・固定機能の双方を果た すものであるため、粘着・固定力に限界があり、周辺部分での上記のような「浮 き上がり現象」が発生しがちであったのに対し、本実施例では、粘着・固定を目 的として構成された固定層4により上記のように「浮き上がり現象」を効果的に 防止することができる。 他方、貼付剤1の中央部分で大面積を占めるように構成された粘着性膏剤層3 には、従来の貼付剤の粘着性膏剤層に比べてはるかに高濃度に薬剤を含有させる ことができる。従って、貼付剤1全体の面積が同一の場合、本実施例の貼付剤1 では、従来の貼付剤の粘着性膏剤層に比べてより多量の薬剤を含有させることが でき、しかも上記のように剥脱現象を防止することができ、さらに薬剤利用効率 を高め得る。
【0012】 周辺部分における上記「浮き上がり現象」を防止するのに必要な単位面積当た りの粘着力を、従来の貼付剤構造において与えた場合には、剥がし取りに際し皮 膚面に多大の苦痛を与え、刺激の原因となる。これに対して、本実施例の貼付剤 1では、粘着力の大きな固定層4が部分的に配置されているだけであり、中央の 粘着性膏剤層3の粘着力は固定層4の粘着力に比べて低くされているため、剥が し取りに際の苦痛や皮膚に対する刺激を与えることも少ない。
【0013】 図1及び図2に示した実施例の貼付剤1では、裏打ち支持層2、粘着性膏剤層 3及び保護シート5の平面形状が矩形とされており、矩形枠状の固定層4が設け られていたが、本考案の貼付剤の平面形状は、矩形以外の他の形状に任意に変更 することができる。このような例を、図3及び図4を参照して説明する。 図3及び図4に示す貼付剤11では、平面形状が円形の裏打ち支持体層12上 に、平面形状が円形の粘着性膏剤層13及び円環状の固定層14が設けられてい る。なお、特に図示はしないが、この粘着性膏剤層13及び固定層14を覆うよ うに、図1に示した実施例の貼付剤1と同様に、粘着性膏剤層13及び固定層1 4に対して表面が剥離性の保護シートを設けてもよい。なお、本実施例では、粘 着性膏剤層13は、円環状の固定層14内において中央ではなく、中央から偏ら された位置に設けられている。このように、本考案の貼付剤においては、粘着性 膏剤層は、裏打ち支持体層の中心から外れた位置に設けられてもよい。 また、貼付剤11では、粘着性膏剤層13内に不織布16が、固定層14内に 多孔性芯材層17が埋設されている。このように、不織布16及び多孔性芯材層 17が埋設されているのは、粘着性膏剤層13及び固定層14の凝集力を高める ためである。特に、粘着性膏剤層13中の粘着性膏剤は、そのTgが−71℃以 下と低いため、凝集力が低くなり過ぎる場合がある。このような場合、凝集力低 下現象を防止するために、上記のように不織布16を埋設することにより、粘着 性膏剤層13が補強され得る。不織布16に代えて、織・編布、合成メッシュ様 シート、有孔フィルム、連続気孔性スポンジシート等の他の形態の多孔性芯材を 一層あるいは複数層埋設してもよい。また、上記のような不織布16のような多 孔性芯材に代えて、あるいは多孔性芯材と共に、粘着性膏剤層13中に繊維質及 び/または非繊維質の補強充填剤を混入してもよい。 さらに、粘着性膏剤層の凝集力低下に基づく問題を克服するには、化学架橋剤 を配合することにより粘着性膏剤層13全体を架橋型の組成としてもよく、ある いは電子線照射、増感剤の配合、または紫外線照射等の手段により粘着性膏剤層 を構成している粘着性基剤のポリマー分子を適度に架橋した構造としてもよい。
【0014】他の変形例 裏打ち支持体層2,12は、単一の層ではなく、種々の機能を有する複数の裏 打ち支持体が複数層積層されたものであってもよい。また、粘着性膏剤層3,1 3及び固定層4,14についても、複数の層を積層あるいは貼り合わせて構成し てもよい。さらに、粘着性膏剤層3,13及び固定層4,14は、それぞれが、 複数の領域に形成されていてもよい。 また、粘着性膏剤層を複数の領域に形成した場合には、異なる種類の薬剤を含 有させることにより、貼付時に、これらの複数種の薬剤の相乗効果により大きな 薬効を引き出すことも可能となる。 さらに、裏打ち支持体層2,12と粘着性膏剤層3,13及び固定層4,14 との接合力を高めるために、これらの間にアンカー層を介在させてもよい。 また、裏打ち支持体層2,12と固定層4,14は、それらの外側端縁が一致 している必要は必ずしもない。すなわち、図3及び図4に示すように、固定層1 4の外周縁が、裏打ち支持体層12の外周縁よりも内側に位置するように固定層 14を設けてもよい。
【0015】 次に、図1及び図2に示した実施例の貼付剤1を具体的に作製した例を説明す る。 裏打ち支持体2として、厚み80μmの可塑剤を含有していない軟質ポリ塩化 ビニル系フィルム(積水化学工業社製、商品名;エスメディカV)からなり、7 cm×7cmのものを用いた。粘着性膏剤層3としては、下記の組成の粘着性基 剤を用いて構成した。 1,4−シス−ポリブタジエン(分子量150万)…100重量部 エステルガム…20重量部 ポリテルペン樹脂(ポリβピネン:軟化点=80℃)…30重量部 オリーブ油…10重量部 また、上記組成の粘着性基剤100重量部に対して、ニトログリセリン(狭心 症薬)を20重量部配合することにより、厚み80μm、5cm×5cmの寸法 の粘着性膏剤層3を形成した。この粘着性膏剤層3中の粘着性膏剤のTgは−8 3℃であった。 固定層4については、下記の組成の粘着剤を用いて構成した。 アクリル酸2エチルヘキシル…40重量部 アクリル酸ブチル…30重量部 メタクリル酸ブチル…30重量部 1,6ヘキサングリコールジメタクリレート…0.01重量部 上記モノマー組成を秤量し、酢酸エチル中で溶液重合することにより得られた ポリマーによって、平均分子量約32万、Tg値が−48℃の粘着剤により、固 定層4を構成した。固定層4は、粘着性膏剤層3の四辺の周辺に沿って矩形枠状 に形成したが、その外側の寸法が7cm×7cmであり、内側の矩形の開口部の 寸法が6cm×6cmであり、厚みは80μmである。 また、保護シート5として、市販の片面にシリコーン剥離処理が施されたクラ フト紙(坪量90g/m2 )を用いた。
【0016】
【考案の効果】
以上のように、本考案では、貼付層が、粘着性膏剤層と固定層との2つの区画 部分に分けられているため、薬剤を含有させる粘着性膏剤層及び粘着・固定を目 的とする固定層を、それぞれの機能に応じて最適な組成に構成することができる 。従って、貼付剤全体の面積が同じであっても、−71℃以下のTgの粘着性膏 剤または粘着性基剤を用いるので、従来の貼付剤に比べてより多くの薬剤量を含 有し得る粘着性膏剤層を構成することができ、しかも薬剤利用効率に優れた医療 用貼付剤を得ることができる。また、固定層が、粘着・固定に適した組成に構成 され得るため、貼付中における貼付剤の周辺部分における「浮き上がり現象」を 防止することができ、従って、浮き上がり現象から発展する初脱や位置ずれ等を 効果的に防止することができる。 また、皮膚から貼付剤を剥離する場合においても、固定層が部分的に設けられ ているだけであるため、患者に多大な苦痛や刺激を与えることなく、貼付剤を円 滑に剥離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例の医療用貼付剤を示す断面
図。
【図2】図1で示した貼付剤の保護シートの一部を切り
欠いて示す部分切欠平面図。
【図3】本考案の他の実施例の貼付剤を示す断面図。
【図4】図3で示した貼付剤の平面図。
【符号の説明】
1,11…医療用貼付剤、2,12…裏打ち支持体層、
3,13…粘着性膏剤層、4,14…固定層。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柔軟性を有する裏打ち支持体層により裏
    打ちされた貼付層を有する医療用貼付剤において、前記
    貼付層が、粘着性基剤及び薬剤を含有する粘着性膏剤層
    と、粘着剤から主としてなる固定層の2つの区画部分を
    有し、前記粘着性膏剤層中の粘着性膏剤または該粘着性
    膏剤層中の粘着性基剤の二次転移温度Tgが−71℃以
    下であり、前記固定層の粘着剤の二次転移温度Tgが−
    71℃以上、−15℃以下であることを特徴とする医療
    用貼付剤。
JP784891U 1991-02-21 1991-02-21 医療用貼付剤 Pending JPH04106323U (ja)

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