JPH04105832U - キヤプスタンダイレクトドライブモータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 キャプスタン軸と一体に回転するロータに嵌
着したＦＧマグネットの回転制御信号を基板に固定した
磁気センサにより安定に出力する。 【構成】 キャプスタン軸２はロータ３の中心にブッシ
ング４を介して圧入されている。上記ロータ３の外周に
は回転制御信号が磁化されたＦＧマグネット５が嵌着さ
れている。また、ロータ３の上面３ａに対向してステー
タコイル６が巻回され、かつＦＧマグネット５の回転制
御信号を検出する磁気センサ８が固定された基板７が配
設しており、磁気センサ８はＦＧマグネット５とギャッ
プＧを離して固定されている。また、ロータ３の上方に
は基板７を固定すると共に、キャプスタン軸２を回転自
在に支持する剛体に形成されたキャプスタンハウジング
が設けてある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、磁気記録及び／又は再生装置に用いられるキャプスタンダイレクト ドライブモータに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

回転式デジタル・オーディオ・テープレコーダ（Ｒ−ＤＡＴ）とかビデオ・テ ープレコーダ（ＶＴＲ）では磁気ヘッドを備えた回転ドラムに磁気テープを添接 しながら、回転する磁気ヘッドによりヘリカルスキャンして記録及び／又は再生 することは周知である。

【０００３】 図３に示したヘリカルスキャン方式の磁気記録及び／又は再生装置１００では カセット１０２内の供給リール１０３と巻取リール１０４とに巻回した磁気テー プＴをローディング部材の移動により引き出して磁気ヘッド１０５と一体に回転 する回転ドラム１０６に添接させて、所定のテープパスＰに装填している。上記 所定のテープパスＰ中の磁気テープＴは、磁気テープＴの引き出し方向上流（カ セット供給側）から固定したテープガイド１０７，ローディング部材の一部を構 成するテンションローラ１０８，固定したテープガイド１０９を通過して、更に 一対のガイド溝１１０，１１１に沿ってローディングローラ１１２，１１３が磁 気テープＴを回転ドラム１０６に所定の角度に亘って添接するよう移動し、その 後回転ドラム１０６から出た磁気テープＴをピンチローラ１１４と下記するキャ プスタン軸１２１とにより圧着走行して、ローディング部材の一部を構成するテ ープガイド１１５からカセット１０２内に巻取られている。

【０００４】 上記キャプスタン軸１２１は図４に示した如く、モータと一体なキャプスタン ダイレクトドライブモータ１２０が用いられている。

【０００５】 このキャプスタンダイレクトドライブモータ１２０は回転するロータ１２２に ブッシング１２３を介してキャプスタン軸１２１が圧入されている。また、ロー タ１２２の上面１２２ａに対向してステータコイル１２４を巻回した基板１２５ が配設されている。更に基板１２５の上面にはベアリング１２６，１２７が嵌合 されたキャプスタンハウジンク１２８が固定されており、ロータ１２２と一体に 回転するキャプスタン軸１２１はベアリング１２６，１２７を介して回転自在に 支持されている。また、キャプスタン軸１２１の上部にはリング１２９が固着さ れてキャプスタン軸１２１の下方への落下を防止している。更に、ロータ１２２ の外周には回転制御をする信号を磁化したＦＧマグネット１３０が嵌着されてお り、この信号は基板１２５に設けた磁気センサ１３１により検出している。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記した構成のキャプスタンダイレクトドライブモータ１２０を採 用した磁気記録及び／又は再生装置１００（図３）において、図４に示した如く 、キャプスタンダイレクトドライブモータ１２０を磁気記録及び／又は再生装置 １００のシャーシ１０１に固定する際は、シャーシ１０１にキャプスタンダイレ クトドライブモータ１２０の基板１２５を直接固定する方法が採用されている。 この際、シャーシ１０１の平面度が出ていないと、ネジ止めすることによって基 板１２５が変形することがしばしば生じ、これによりロータ１２２に嵌着したＦ Ｇマグネット１３０と基板１２５に固定した磁気センサ１３１とのギャップＧが 変化し、磁気センサ１３１の出力が歪みを生じたり、あるいはＦＧマグネット１ ３０に磁気センサ１３１が当たってしまう問題がある。

【０００７】 更に、基板１２５に重量のあるキャプスタンハウジンク１２８を固定するため 、これにより基板１２５が変形し、上記と同様な問題点が発生している。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記課題に鑑みてなされたものであり、供給リールと巻取リールとの 間に巻回した磁気テープを所定のテープパスに装填し、前記磁気テープをピンチ ローラとキャプスタンとにより圧着走行して磁気ヘッドで記録及び／又は再生す る磁気記録再生装置に用いられるキャプスタンダイレクトドライブモータであっ て、外周に回転制御信号が磁化されたＦＧマグネットを嵌着したロータと一体に 回転するキャプスタン軸と、前記ロータの上面と対向配設し、ステータコイルを 巻回すると共に前記ＦＧマグネットの回転制御信号を検出する磁気センサを固定 した基板と、前記ＦＧマグネットを嵌着したロータの外周部より外側に装置のシ ャーシに固定する固定部を形成し、かつ前記ロータの上方で前記基板を固定する と共に前記キャプスタン軸を回転自在に支持するキャプスタンハウジングとを具 備したことを特徴とするキャプスタンダイレクトドライブモータを提供するもの である。

【０００９】

【実施例】

以下に本考案に係わるキャプスタンダイレクトドライブモータの一実施例を図 １及び図２を参照して詳細に説明する。

【００１０】 図１は本考案に係わるキャプスタンダイレクトドライブモータの構造を示した 断面図、図２は図１に示したキャプスタンハウジングの変形例を示した断面図で ある。 図１に示した本考案に係わるキャプスタンダイレクトドライブモータ１は磁気 ヘッドと一体に回転する回転ドラムを備えた前述の磁気記録及び／又は再生装置 １００（図３）あるいは固定した磁気ヘッドを備えた周知の磁気記録及び／又は 再生装置に用いられるものである。

【００１１】 図１において、キャプスタン軸２は磁性部材により円板状に成形されたロータ ３の中心にブッシング４を介して圧入されている。上記ロータ３の外周には回転 制御信号が磁化されたリング状のＦＧマグネット５が嵌着されている。

【００１２】 また、ロータ３の上面３ａに対向してステータコイル６を巻回した基板７が配 設されている。更に、この基板７にはＦＧマグネット５の回転制御信号を検出す る磁気センサ（ＭＲ素子）８が固定されており、磁気センサ８はＦＧマグネット ５とギャップＧを離して固定されている。

【００１３】 また、ステータコイル６が巻回された基板７の反対面側、すなわち、基板７の 上面７ａ側にはアルミ等のダイキャスト部材で剛体に形成されたキャプスタンハ ウジング９が設けられている。従って、ロータ３とキャプスタンハウジング９の 下面９ａとの間に基板７が位置し、かつ基板７はキャプスタンハウジング９の下 面９ａと僅かに間隔を離してボス部９ｂ，９ｂに固定されている。この際、キャ プスタンハウジング９の下面９ａより下方に突出している突出部９ｃは、基板７ の中央孔７ｂと嵌合しているため、ロータ３と基板７との位置出しが確実に行わ れている。

【００１４】 更に、キャプスタンハウジング９の上部は“コ字”状に開口されており、コ字 部９ｄの上部にはベアリング１０が嵌合され、かつコ字部９ｄの下方の上記突出 部９ｃにはベアリング１１が嵌合されている。これによりロータ３と一体のキャ プスタン軸２がベアリング１０，１１に嵌入されて回転自在となっている。尚、 キャプスタン軸２が下方に落下しないよう上側のベアリング１０に近接してキャ プスタン軸２にリング１２が固定されている。そして、開口されたコ字部９ｄ部 分のキャプスタン軸２には図示しないピンチローラが圧着可能になっている。

【００１５】 また、キャプスタンハウジング９の下部は、ほぼ円板状の台部９ｅに形成され ており、台部９ｅの一端には下方に連設垂下して図示しない装置のシャーシ１３ に固定する固定部９ｆ，９ｆが形成されている。この固定部９ｆ，９ｆはＦＧマ グネット５を嵌着したロータ６の外周部より外側に形成され、シャーシ１３の上 面１３ａ側から固定できるようになっている。このため、ロータ３がシャーシ１ ３の下面１３ｂ側に突出する量が減少し、シャーシ１３の下面１３ｂ側を有効に 使用することが可能となり、かつ一体型に組立てられたキャプスタンダイレクト ドライブモータ１をシャーシ１３に固定する作業が容易となる構造である。

【００１６】 尚、キャプスタンハウジング９はコ字部９ｄと台部９ｅとを図２に示した如く 分離して別体構造にすることも可能であるが、この場合はコ字部９ｄと台部９ｅ の形状がやや複雑となるものの、ベアリング１１，１２の孔加工等が加工し易く なる利点も生じるものである。

【００１７】 以上のように構成したことにより、キャプスタン軸２を一体型のキャプスタン ダイレクトドライブモータ１として形成することができると共に、基板７は剛体 に形成されたキャプスタンハウジング９に固定されているため、基板７の変形が 生じない。このため、ＦＧマグネット５と磁気センサ８とのギャップＧは常に一 定となり、ＦＧマグネット５の回転制御信号を磁気センサ８により確実に検出す ることができ、キャプスタンダイレクトドライブモータ１の性能向上に大いに寄 与できる実用的な利点がある。

【００１８】 また、シャーシ１３に固定するキャプスタンハウジング９の固定部９ｆ，９ｆ がＦＧマグネット５を嵌着したロータ６の外周部より外側に形成されているため 、一体型に組立てられたキャプスタンダイレクトドライブモータ１の取り付け作 業が容易となる構造である。

【００１９】 更に、キャプスタンハウジング９の台部９ｅに図示しない機構部品を取り付け ることも可能となる。

【００２０】

【考案の効果】

以上詳述した本考案に係わるキャプスタンダイレクトドライブモータによると 、キャプスタン軸を一体型のキャプスタンダイレクトドライブモータとして形成 することができると共に、基板は剛体に形成されたキャプスタンハウジングに固 定されているため、基板の変形が生じない。このため、ＦＧマグネットと磁気セ ンサとのギャップは常に一定となり、ＦＧマグネットの回転制御信号を磁気セン サにより確実に検出することができ、キャプスタンダイレクトドライブモータの 性能向上に大いに寄与できる実用的な利点がある。

【００２１】 また、シャーシに固定するキャプスタンハウジングの固定部がＦＧマグネット を嵌着したロータの外周部より外側に形成されているため、一体型に組立てられ たキャプスタンダイレクトドライブモータの取り付け作業が容易となる利点があ る。

【００２２】 更に、例えばキャプスタンハウジングの一部に機構部品を取り付けることも可 能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係わるキャプスタンダイレクトドライ
ブモータの構造を示した断面図である。

【図２】図１に示したキャプスタンハウジングの変形例
を示した断面図である。

【図３】キャプスタンダイレクトドライブモータを用い
た磁気記録及び又は再生装置の一例を説明するための図
である。

【図４】従来例のキャプスタンダイレクトドライブモー
タの構造を示した断面図である。

【符号の説明】

１ キャプスタンダイレクトドライブモータ ２ キャプスタン軸 ３ ロータ ５ ＦＧマグネット ７ 基板 ８ 磁気センサ ９ キャプスタンハウジング Ｇ ギャップ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】供給リールと巻取リールとの間に巻回した
   磁気テープを所定のテープパスに装填し、前記磁気テー
   プをピンチローラとキャプスタンとにより圧着走行して
   磁気ヘッドで記録及び／又は再生する磁気記録再生装置
   に用いられるキャプスタンダイレクトドライブモータで
   あって、外周に回転制御信号が磁化されたＦＧマグネッ
   トを嵌着したロータと一体に回転するキャプスタン軸
   と、前記ロータの上面と対向配設し、ステータコイルを
   巻回すると共に前記ＦＧマグネットの回転制御信号を検
   出する磁気センサを固定した基板と、前記ＦＧマグネッ
   トを嵌着したロータの外周部より外側に装置のシャーシ
   に固定する固定部を形成し、かつ前記ロータの上方で前
   記基板を固定すると共に前記キャプスタン軸を回転自在
   に支持するキャプスタンハウジングとを具備したことを
   特徴とするキャプスタンダイレクトドライブモータ。