JPH04105695U - 消音チエンバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 空気吹出側及び空気吸入側の騒音や振動を抑
制し、ダクト変形による通風抵抗の増大を抑制すると共
に、消音チェンバー設置工数を低減する。 ［構成］ 側壁２ａ〜２ｆによって画成された空間２を
断熱部材３で仕切ることによって、一つの箱状の空間２
に吸入側消音チェンバー４と吹出側消音チェンバー５と
を形成し、吸入側消音チェンバー４の第１の吹出口７と
エアコンユニット１２の吸入口１３を直線的に連通し、
また吹出側消音チェンバー５の第２の吸入口８とエアコ
ンユニット１２の吹出口１５を直線的に連通することに
よって上記目的を達成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、空調用室内機のエアコンユニットから発生する騒音が空調空間に 漏れることを抑制するためにエアコンユニットに連設される消音チェンバーの構 造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図７で示される従来の消音チェンバー１０１は、断熱効果や吸音効果を有する 複合材料によって成形された側壁によって画成された消音空間１０２を有し、こ の側壁の一つに空気取入口１０３と、空気排出口１０４を有するもので、空気が 前記空気取入口１０３から消音空間１０２内に入ることによって、側壁面での吸 音効果、空間内での音波の緩衝、断面積の変化、共鳴等によって騒音源からの騒 音が空調空間に漏れることを防止するためのものである。

【０００３】 図８及び図９において空調用室内機の空気吹出側に消音チェンバー１０１を設 けた従来例が示される。空調用室内機１０５内には、空気吸入口１０７を有する 空気吸入チェンバー１０８、エアコンユニット１０６、消音チェンバー１０１、 及び空気吹出口１１２を有する空気吹出チェンバー１１１がダクト１０９、１１ ０、及び１２０を介して直列に接続され、空気流路１１９を構成している。また エアコンユニット１０６には、吸入口１１３と吹出口１１４の間に前記空気流路 １１９が形成され、この空気流路１１９上にエアフィルタ１１５、冷房用の熱交 換器１１６、加熱用の熱交換器１１７、及び送風機１１８が設けられている。

【０００４】 この構成の空調用室内機１０５において、送風機１１８の稼動によって被空調 空間から空気吸入口１０７、空気吸入チェンバー１０８、及びダクト１０９を介 してエアコンユニット１０６内に吸い込まれた空気は、エアフィルタ１１３によ って塵等が取り除かれ、冷却用の熱交換器１１６を通過することによって冷却さ れ、また加熱用の熱交換器１１７によって加熱されて所望の温度に温調されるも のである。この温調された空気は、吹出口１１４からダクト１２０を介して消音 チェンバー１０１の空気吸入口１０３に送られ、消音空間１０２によってエアコ ンユニット１０６によって発生する騒音が抑制されるものである。

【０００５】 これによって、吹出口１０４、ダクト１１０、及び空気吹出チェンバー１１１ を介して空気吹出口１１２から被空調空間に吹き出される空気には騒音が混ざら ないようになっている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、エアコンユニット１０６の吹出口１１４の下流近傍に消音チェンバー １０１を設けたものは、この吹出口１１４から発生する風切り音や送風機１１８ から発生するモータ音等の騒音や振動を抑制するだけであり、吸入側から漏れる 前記騒音等の対策がなされていないのが現状であり、吸入側に消音チェンバー１ ０１を設けたものの場合には、逆に吹出口１１３から漏れる騒音や振動に対する 対策が成されていないのが現状である。また、吸入側のダクト１０９及び吹出側 のダクト１１０にみられるダクトの屈曲による変形によって風量低減が発生する ことにより、なるべくダクトの屈曲をしない構造にする必要が生じていた。更に 、上述の構成の室内機１０６に換気口を設けようとする場合には、現地施工後に 加工しなければならず、多くの施工工数及びダクト配置工数が必要となる。

【０００７】 このために、この考案は、空気吹出口側及び空気吸入口側の騒音や振動を抑制 すると共にダクト変形による通風抵抗の増大を抑制し、また消音チェンバー設置 工数の低減を図った消音チェンバーを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

しかして、この考案は、温調手段と送風機を有するエアコンユニットの吸入口 と吹出口に接続される消音チェンバーにおいて、側壁によって画成された空間を 仕切ることによって吸入側消音チェンバーと吹出側消音チェンバーとを形成し、 前記吸入側消音チェンバーの側壁には、被空調空間と連通する第１の吸入口と、 前記エアコンユニットの吸入口に連通する第１の吹出口と、外気を吸入する換気 口が設けられ、前記吹出側消音チェンバーの側壁には、前記エアコンユニットの 吹出口に連通する第２の吸入口と、被空調空間と連通する第２の吹出口を有する ことにある。

【０００９】

【作用】

したがって、この考案においては、側壁によって画成された空間を断熱部材で 仕切ることによって、一つの箱内に吸入側消音チェンバーと吹出側消音チェンバ ーとを形成し、これによってエアコンユニットの騒音及び振動を吸入側及び吹出 側で共に抑制でき、さらに吸入側消音チェンバーの第１の吹出口とエアコンユニ ットの吸入口及び吹出側消音チェンバーの第２の吸入口とエアコンユニットの吹 出口を直線的に連通することによって、屈曲したダクトの数を減らして通風抵抗 の増大を抑制し、風量の低減を抑制できるものである。

【００１０】

【実施例】

以下、この考案の実施例について図面により説明する。

【００１１】 図１に示す消音チェンバー１は、上下、前後、及び左右を熱伝導率の低い部材 によって形成された側壁２ａ〜２ｆによって箱状の空間２に形成されており、内 部を縦に仕切る断熱部材３によって吸入側消音チェンバー４と吹出側消音チェン バー５に分割されている。また、吸入側消音チェンバー４の側壁２ｆの下方には 、図示しない室内（被空調空間）に開口した第１の吸入口６が開口しており、吸 入側消音チェンバー４及び吹出側消音チェンバー５の共通の前後の側壁の一方の 側壁２ｃには、吸入側消音チェンバー７側の上方に開口した第１の吹出口７、吹 出側消音チェンバー５側の上方で前記第１の吹出口７と並列に開口した第２の吸 入口８、及び吹出側消音チェンバー５側の下方で前記第２の吸入口８と縦列に開 口した第２の吹出口９が形成されている。また、前記側壁２ｃに対向する位置に ある側壁２ｄの吸入側消音チェンバー４側の上方には、第１の吸入口６及び第１ の吹出口７よりも小さい開口面積を有する換気口１０が開口している。

【００１２】 この換気口１０を消音チェンバー１に設けることによって、空調用室内機１１ に換気口を設ける場合に、換気用ダクトを吸入用のダクトに特別に設ける必要が 無くなるため、工数の大幅な低減ができるものである。

【００１３】 尚、吸入側及び吹出側消音チェンバー４，５を仕切る部材として、断熱部材を 使用したのは、吸入側消音チェンバー４を通過する空気と吹出側消音チェンバー ５を通過する空気の温度が異なるためで、エアコンユニット１２の空調効率を維 持するためである。

【００１４】 上述の消音チェンバー１は、図２及び図３で示すように、空調用室内機１１内 にエアコンユニット１２と共に設けられ、前記消音チェンバー１の第１の吹出口 ７は、エアコンユニット１２の吸入口１３とダクト１４によって直線的に連通さ れ、第２の吸入口８はエアコンユニット１２の吹出口１５とダクト１５によって 直線的に連通されるものである。

【００１５】 この実施例においては、第２の吹出口９は、ダクト１７を介して吹出チェンバ ー１８と連通しており、この吹出チェンバー１８には室内（被空調空間）に開口 した吹出口１９が形成されている。

【００１６】 前記エアコンユニット１２には、このエアコンユニット１２のケース２０内に 空気流路２１が画成され、この空気流路２１上にエアフィルタ２２、冷却用の熱 交換器２３、加熱用の熱交換器２４、及び送風機２５が設けられており、送風機 ２５の稼動によって第１の吸入口６、吸入側消音チェンバー４、第１の吹出口、 ダクト１４、及び吸入口１３を通過して吸入された空気の温調を行うようになっ ている。

【００１７】 前記冷却用の熱交換器２３は、例えば図示しない空調用室外機に収めされたコ ンプレッサ、凝縮器等とパイプによって直列に接続されて冷房サイクルを構成す るもので、この冷房サイクルを循環する冷媒を介してこの熱交換器２３を通過す る空気の熱を吸収して、室外機に設けられた凝縮器から外気に熱を放出すること によって熱交換器２３を通過する空気の冷却をするものである。また、加熱用の 熱交換器２４は、例えば図示しない空調用室外機から温水が供給され、通過する 空気を加熱するものである。

【００１８】 上述の構成による空調用室内機１１において、送風機２５の稼動によって第１ の吸入口６から吸入された空気は、吸入側消音チェンバー４、第１の吹出口７、 ダクト１４、及び吸入口１３を通過して、エアコンユニット１２内に導かれ、エ アフィルタ２２によって塵等が除去されるものである。この清浄化された空気は 、前記冷房用の熱交換器２３及び加熱用の熱交換器２４を通過することによって 所望の温度に温調され、送風機２５を通過して吹出口１５からダクト１６、第２ の吸入口８、吹出側消音チェンバー５、第２の吹出口９、ダクト１７、及び吹出 チェンバー１８を通過して、吹出チェンバー１８に形成された吹出口１９から吹 き出して、室内（被空調空間）を温調するものである。

【００１９】 また、換気口１０に接続された換気用のダクト２６は、図示しない室外と連通 するもので、このダクト２６を介して換気口１０には、換気用の外気が吸入され るものである。

【００２０】 これによって、エアコンユニット１２内において発生するモータ音等の騒音及 び振動が、吹出側及び吸入側に設けられた吹出側及び吸入側消音チェンバー４， ５による側壁面での吸音効果、空間内での音波の緩衝、断面積の変化、共鳴等に よって室内（被空調空間）に漏れることを抑制でき、この効果は、実験によると 消音チェンバー無しの場合の騒音が４９ｄＢ（Ａ）である場合、吹出口にのみ消 音チェンバーを取付けた場合は４５ｄＢ（Ａ）と低減でき、さらにこの実施例の 消音チェンバー１を取付けた場合には４１ｄＢ（Ａ）に低減できることが確認さ れているものである。

【００２１】 さらに、従来設けられていた図８及び図９で示すダクト１０９が省略できるこ とによって空気に流通抵抗の増大を低減できるものである。

【００２２】 以下、図４乃至図６で示される別の実施例の消音チェンバー３０について説明 する。尚、上述に実施例と同一のものは、同一の符号を付して説明を省略する。

【００２３】 図４で示す消音チェンバー３０は、上下、前後、左右の側壁３４ａ〜３４ｆに よって形成された空間２を、断熱部材３１によって吸入側消音チェンバー３２と 吹出側消音チェンバー３３に仕切られており、特に該吹出側消音チェンバー３３ はＬ字型の形状を成すように形成されている。

【００２４】 これによって、側壁３４ｆの下方には、第１の吸入口３５と、第２の吹出口３ ６が縦列して開口できるようになっており、また側壁３４ｃには、吸入側消音チ ェンバー３２側上方に第１の吹出口３７が、また吹出側消音チェンバー５側の上 方には第２の吸入口３８が形成されるものである。

【００２５】 図５及び図６において前記消音チェンバー３０の空調用室内機１１への取付状 況及び説明のための構成図が示される。

【００２６】 消音チェンバー３０は、第１の吹出口３７がエアコンユニット１２の吸入口１ ３とダクト１４を介して直線的に連通しており、また第２の吸入口３８がエアコ ンユニット１２の吹出口１５とダクト１６を介して直線的に連通している。

【００２７】 これによって、空調用室内機１１においては、前者の実施例による効果に加え て、エアコンユニット１２と消音チェンバー３０を連通するダクトを屈曲させて 使用しないため、空気の流通抵抗が屈曲したダクトによって増大することがなく なるものである。

【００２８】

【考案の効果】 以上説明したように、この考案によれば、エアコンユニットの吸入側及び吹出 側に消音チェンバーが設けられるため、吸入側及び吹出側において、エアコンユ ニットから発生する騒音及び振動が抑制でき、また各装置を連結するダクトが屈 曲しないように構成できるため、空気の流通抵抗を軽減でき、また吸入側消音チ ェンバーと吹出側消音チェンバーが一体に成形されているため、空調用室内機の 取付工数も低減できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案による実施例の消音チェンバーの構造
を示す斜視図である。

【図２】図１で示す消音チェンバーを用いた空調用室内
機の説明図である。

【図３】図２に示される空調用室内機の構成を示した説
明図である。

【図４】この考案の別の実施例の消音チェンバーの構造
を示す斜視図である。

【図５】図４で示す消音チェンバーを空調用室内機に取
付けた場合の説明図である。

【図６】図５で示される空調用室内機の構成を示した説
明図である。

【図７】従来の消音チェンバーの構造を示した斜視図で
ある。

【図８】図７で示す消音チェンバーを用いた空調用室内
機の説明図である。

【図９】図８で示される空調用室内機の構成を示した説
明図である。

【符号の説明】

１ 消音チェンバー ２ａ〜２ｆ 側壁 ３ 断熱部材 ４ 吸入側消音チェンバー ５ 吹出側消音チェンバー ６ 第１の吸入口 ７ 第１の吹出口 ８ 第２の吸入口 ９ 第２の吹出口 １０ 換気口 １１ 空調用室内機 １２ エアコンユニット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 温調手段と送風機を有するエアコンユニ
   ットの吸入口と吹出口に接続される消音チェンバーにお
   いて、側壁によって画成された空間を仕切ることによっ
   て吸入側消音チェンバーと吹出側消音チェンバーとを形
   成し、前記吸入側消音チェンバーの側壁には、被空調空
   間と連通する第１の吸入口と、前記エアコンユニットの
   吸入口に連通する第１の吹出口と、外気を吸入する換気
   口が設けられ、前記吹出側消音チェンバーの側壁には、
   前記エアコンユニットの吹出口に連通する第２の吸入口
   と、被空調空間と連通する第２の吹出口を有することを
   特徴とする消音チェンバー。