JPH04103533A - Pgb誘導体の付加重合体を有効成分として含有する抗レトロウイルス剤 - Google Patents

Pgb誘導体の付加重合体を有効成分として含有する抗レトロウイルス剤

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JPH04103533A
JPH04103533A JP22068990A JP22068990A JPH04103533A JP H04103533 A JPH04103533 A JP H04103533A JP 22068990 A JP22068990 A JP 22068990A JP 22068990 A JP22068990 A JP 22068990A JP H04103533 A JPH04103533 A JP H04103533A
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JP22068990A
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Inventor
Koji Ogawa
公二 小川
Hisao Tajima
久男 田嶋
Tsumoru Miyamoto
宮本 積
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Ono Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Ono Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、公知のプロスタグランジン(以下、PGと略
記する。)の新規な用途に関する。さらに詳しく言えば
、本発明はPCB誘導体の付加重合体を有効成分として
含有する抗レトロウィルス剤に関する。
発明の背景 PGは次の構造をもつブロスタン酸の誘導体である。
種々のタイプのプロスタグランジンが知られており、そ
のタイプは脂環式環の構造と置換基に依存する。例えば
プロスタグランジンE (PGE)、A (PGA)お
よびB (PCB)の脂環式環は各々次の構造をもつ。
H 前記の構造式中もしくは本明細書中の他の構造式中の点
線は、−船釣に認められている命名法の規則に従い、そ
れについている基が環平面のうしろ側すなわちα−配置
であり、太線−はそれについている基が環平面の前側す
なわちβ−配置であり、波線Mんはそれについている基
がα−またはβ−配置またはそれらの混合物であること
を示す。
それらの化合物は脂環式環の8位と12位についている
側鎖上の二重結合の位置によって側方類される。PG−
1化合物はC13−C14間にトランス二重結合(トラ
ンス−Δ13)をもちPG−2化合物はC5Ce間にシ
スニ重結合と013−014間にトランス二重結合(シ
ス−Δ  トランスΔ13)をもっている。例えば、プ
ロスタグランジンB1 (PGBl)は、次の構造式で
示される。
H PG−2群の化合物としてのPCB2の構造式は上記構
造式の5位と6位の炭素原子の間にシスニ重結合がある
ものに相当する。
更にプロスタグランジンの脂環式環の12位についてい
る脂肪族基から1つまたはそれ以上のメチレン基が除去
されたとき、その化合物は、有機化合物命名法の一般則
に従ってツループロスタグランジンとして知られている
プロスタグランジンは一般に薬理的性質を有する。例え
ば、それらは平滑筋の収縮を刺激する作用、血圧降下作
用、利尿作用、気管支拡張作用、脂肪分解阻害作用、血
小板凝集抑制作用、胃酸分泌抑制作用を有する。従って
高血圧症、血栓症、喘息および胃腸の潰瘍の治療、妊娠
哺乳動物の分娩誘発および中絶、動脈硬化の予防、また
利尿剤として有効である。それらは、動物体内の生体内
へプロスタグランジンを分泌する各組織中にごく微量存
在する脂溶性物質である。
一方、レトロウィルス(retrovirus)は遺伝
子としてのデオキシリボ核酸(DNA)の代わりにリボ
核酸(RNA)をもち、またDNAポリメラーゼの代わ
りに逆転写酵素を有するウィルスである。
レトロウィルスはオンコウイルス亜科、レンチウィルス
亜科およびスプーマウイルス亜科に分類される。
レトロウィルスの増殖は、一般のウィルスのそれと大き
く異なる。一般のウィルスでは染色体DNAをDNA転
写酵素によりRNAに転写し増殖していくのに対し、レ
トロウィルスは宿主細胞表面上に存在するウイルスリセ
プターにより捕捉され細胞内へ取り込まれると、1本鎖
RNAのウィルスゲノムは逆転写酵素により2本鎖DN
Aに転写される。このDNAは宿主細胞の染色体DNA
に取り込まれ、そのままで宿主細胞のDNAの一部とし
て分裂増殖をくり返す。増殖したレトロウィルスは宿主
細胞をガン化させるかまたは破壊し死滅させる。
レトロウィルスはニワトリ、マウス、サルなどの多(の
哺乳動物やニワトリなどの白血病、リンパ腫、肉腫など
の原因として研究がなされてきた。
最近、ヒトに感染するレトロウィルスが相ついて発見さ
れ疾患との関連が確認されている。例えば、成人T細胞
白血病(ATL)を引き起こすヒトTリンパ球趨向性ウ
ィルス(HT L V)や後天性免疫不全症候群(AI
DS)を引き起こすリンパ腺症関連ウィルス(LAV)
 、エイズ関連レトロウィルス(ARV)などのヒト免
疫不全ウィルス(HI V)が見い出されている。とり
わけ、AIDSは世界的流行と感染者の約半数か死に至
るという点で大いに恐れられている。LAV等のレトロ
ウィルスはヘルパーT細胞を宿主細胞に選び、この細胞
内へ侵入、増殖し、やがてはヘルパーT細胞を破壊する
。ヘルパーT細胞の欠損により免疫機能が極端に低下し
た患者は日和見感染、カボシ肉腫等を併発し死に至る。
従来の技術 これまで、非常に多くのPG類似化合物か提案されてい
る。例えば、特開昭58−79973号(Derwen
t Accession No、 83−59996に
/25)には、一般式 (式中、Rlaは単結合もしくは炭素数1〜5の直鎖ま
たは分枝鎖アルキレン基を表わし、R2aは(i)水素
原子、 (11)ヒドロキシ基により置換されているかまたは置
換されていない炭素数1 〜10の直鎖または分枝鎖アルキル 基、 (111)炭素数1〜4の直鎖または分枝鎖アルキル基
によって置換されている かまたは置換されていない炭素数4 〜7のシクロアルキル基、または (1v)炭素数1〜4の直鎖または分枝鎖アルキル基、
ハロゲン原子またはトリ フルオロメチル基によって置換され ているかまたは置換されていないフ ェニル基またはナフチル基 を表わし、 R3aは水素原子または炭素数1〜4の直鎖または分枝
鎖アルキル基を表わし、 Xaは(]) =(CH2)pa−C式中、paは0ま
たは1〜5の整数を表わす。)、 (式中、二重結合はシス−配置を示 す。)、 (式中、二重結合はトランス−配置を 示す。) 配置またはそれらの混合物を表わす。)または=0を表
わし、 13位−14位間の二重結合はトランス−配置を示す。
ただし、−Rla−R2aがn−ペンチル基を表わし、
X がヘンタメチレン基を表わす場合を除く。) て示されるPCB誘導体もしくは相当するPGEまたは
PGA誘導体をマイケル付加反応に付すことにより得ら
れる、分子量分布が1000〜6000である付加重合
体またはそれらの非毒性塩がミトコンドリアの酸化的リ
ン酸化能の劣化を防止し、またカルシウムイオノフオア
−活性を有していることが開示されている。しかしなが
ら本明細書には該重合体がレトロウィルスの増殖を抑制
するというような記載はまったくみられない。
特開平1−156956号(欧州特許公開第31040
9号、米国特許第4840968号)にはPCB、の酸
性型重合体のカルボキシル基のプロトンがアセトキシア
ルキル基、アルコキシカルボニルメチルエステル基また
はアルキル基で置換されたPCB、の誘導体が臓器細胞
の損傷、神経細胞の損傷および錐状貧血性の赤血球に対
して保護作用を有している旨開示されている。しかしこ
こでも該重合体がレトロウィルスの増殖抑制作用を有し
ているとの記載はまった(見られない。
さらに、米国特許第4153808号および同第424
5111号にはそれぞれPGBlおよび15−ケt−−
PGB、メチルエステルを出発原料に用いた重合体がミ
トコンドリアの酸化的リン酸化能の劣化を防止する作用
および/またはカルシウムイオノフオア−活性を有して
いる旨開示されているが、レトロウィルスの増殖抑制作
用についてはまったく記載がない。
また、特開昭61−189245号(欧州特許第180
399号、米国特許第4711895号)には一般式(
式中、 Rlbは置換もしくは非置換の炭素数1〜1oのアルキ
ル基を表わし、 R2bは置換もしくは非置換の炭素数1〜1oのアルキ
ル基を表わし、 R3bは水酸基の保護基もしくは水素原子を表ゎす。
A およびBbは、Abが水素原子であるときBbは水
酸基であるか、またはAbおよびBbが互いに結合し1
本の結合手を表わす。
Xbはハロゲン原子を表わす。) で示されるPGA誘導体がヘルペスウィルスに対して増
殖抑制作用を有していることが記載されている。明細書
全体の記載からみて該抗ウィルス作用は式(B)の化合
物が、DNA合成抑制作用を有していることに起因して
いると推察できる。
さらに、特開昭58−184512号(米国特許箱44
643.88号)では、一般式 (式中、 R10は水素原子または炭素数1〜12の直鎖または分
枝鎖アルキル基を表わし、 R20は水素原子または炭素数1〜6の直鎖または分枝
鎖アルキル基を表わし、 ncは3〜5の整数を表わす。) で示されるPG類似化合物がウィルス性肝炎の治療に有
用であることが記載されている。本明細書では、この治
療効果は式(C)の化合物が有する細胞保護作用に依っ
ていることが記載されている。
一方、レトロウィルス感染症に対する治療剤の開発もさ
かんに行なわれている。レトロウィルスの感染および増
殖メカニズムを考慮すると、理論上いくつかの阻害可能
なステップが考えられる。
なかでも現在さかんに研究されているのが逆転写酵素の
特異的な阻害剤である。逆転写酵素はレトロウィルスと
少数の他のウィルスのみが持っていて、哺乳動物の代謝
には全く関係がないので、ウィルスの増殖を阻害する最
も有望なターゲットである。逆転写酵素の阻害剤はその
阻害形式から以下の3種に分類される。
(1)鋳型を阻害する核酸のアナログ、(2)金属酵素
すべてに有効なフェノール類、および (3)酵素タンパクまたは活性中心をブロックする多価
アニオン類。
すでにアメリカ合衆国で認可された3′ −アジド−3
′−デスオギシチミジン(A Z T)は(1)に分類
される。これらは核酸の類似体であるため生体内でジオ
シチミジンモノホスフェート(dTMP)のニリン酸化
を阻害し、ジオキシチミジントリホスフェート(dTT
P)の生成を低下させ、このためdTTPプールが減少
し長期投与は重い骨髄障害を引き起こすことが判明して
いる(細胞工学Vo1.7578−90(1988))
。(2)としてはサキョウマイシンA(特開昭62−1
78516号(DerwentAccess]on N
o、 87−259761737)明細書参照のこと)
が挙げられる。また(3)としてはデキストラン硫酸、
スラミンなどが挙げられる。
目的 本発明者らは、逆転写酵素に対する阻害活性を有する化
合物を検索するなかで、思いがけず一部のPG誘導体が
該作用を有し、抗レトロウィルス剤として有用であるこ
とを見い出し本発明を完成した。
先行技術中、式(B)の化合物が増殖抑制効果を有スる
ヘルペスウィルスおよび式(C)の化合物が治療効果を
有する肝炎ウィルスはいずれもDNAをmRNAに転写
し増殖してい<DNAウィルスである。従って、前記し
たふたつの先行技術は、いずれも本発明で用いるPGB
誘導体の付加重合体がレトロウィルスの増殖抑制効果を
有していることをまったく示唆するものではない。
むしろ、PGE2およびPGD2はエイスウイルスの増
殖促進に関与しているとの報告がある(Proc、 N
atl、 Acad、 Set、 USA、 83.2
682(198B)参照のこと)。
発明の構成 本発明は、一般式 (式中、 R1は水素原子または01〜4のアルキル基を表わし、 R2は単結合またはC1〜5のアルキレン基を表わし、 R3は(f)水素原子、 (If)水酸基により置換されているかまたは置換され
ていないC1〜10のア ルキル基、 (113)C1〜4のアルキル基によって置換されてい
るかまたは置換されてい ないC4〜7のシクロアルキル基、 または (fv)C1〜4のアルキル基、ハロゲン原子またはト
リフルオロメチル基によ って置換されているかまたは置換さ れていないフェニル基またはナフチ ル基を表わし、 Xは(i)−(CH2)p−(式中、pは0または1〜
5の整数を表わす。) 二重結合の配置は2である。) 二重結合の配置はEである。) を表わし、 置またはそれらの混合物を表わす。)または=0を表わ
し、 C[3−C14間の二重結合の配置はEである。)で示
されるPCB誘導体をマイケル付加反応に付すことによ
り得られる分子量分布1ooo〜eoooである付加重
合体または該重合体の非毒性の塩を有効成分として含有
する抗レトロウィルス剤に関する。
本発明においては、特に指示しない限り異性体はこれを
すべて包含する。例えば、アルキル基およびアルキレン
基には直鎖のものおよび分枝鎖のものが含まれる。また
、分枝鎖のアルキル基およびアルキレン基が存在する場
合等の不斉炭素原子の存在により生ずる異性体も含まれ
る。
一般式(I)で示される出発物質において、R1が表わ
す01〜4のアルキル基としては、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、5eC−ブチルまたは
tert−ブチル基が挙げられる。好ましいR1は水素
原子またはC1〜4のアルキル基である。
R2が表わす01〜5のアルキレン基としては、メチレ
ン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタ
メチレン基またはそれらの異性体が挙げられ、いずれの
基も好ましい。
R3が表わす01〜10のアルキル基としては、メチル
、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘ
プチル、オクチル、ノニル、デシル基またはそれらの異
性体が挙げられる。
R3が表わす置換または無置換の04〜7のシクロアル
キル基としては、シクロブチル、シクロペンチル、シク
ロヘキシル、シクロヘプチル基またはそれらの基のいず
れかの位置がメチル、エチル、プロピルまたはブチル基
で置換された基が挙げられる。
R3が表わす置換または無置換のフェニル基またはナフ
タレン基としては、フェニル基、ナフタレン基またはそ
れらの基のいずれかの位置がメチル、エチル、プロピル
、ブチル基またはそれらの異性体、フッ素、塩素、臭素
、ヨウ素、トリフルオロメチル基で置換された基が挙げ
られる。
好ましいR2R3としては、C3〜7のアルキル基、あ
るいはベンセン環が01〜4のアルキル基、ハロゲン原
子またはトリフルオロメチル基によって置換されている
かまたは置換されていないフェニル基、ベンジル基、フ
ェネチル基、3フエニルプロピル基、4−フェニルブチ
ル基または5−フェニルペンチル基であり、より好まし
くは、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基
、ヘプチル基、1,1−ジメチルペンチル基、2−メチ
ルヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基
、3−フェニルプロピル基、4−フェニルブチル基また
は5−フェニルペンチル基である。
Xが表わす−(CH2)p−としては、単結合、メチレ
ン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタ
メチレン基が挙げられ、いずれの基も好ましい。
好ましいXとしては、(i)−(CH2) p(式中、
pは0または1〜5の整数を表わす。)られる。
い。
本発明に用いられるPCB誘導体の付加重合体の分子量
分布は1000〜6000であり、いずれの分子量のも
のであっても本発明の抗レトロウイルス作用は認められ
るが、より好ましくは分子量分布が2500〜3500
の範囲のものである。
本発明に用いられるPCB誘導体の付加重合体およびそ
れらの非毒性の塩自身および該重合体および該非毒性塩
の製造方法は特開昭58−79973号(Derwen
t Accession No、 83−59996に
/25)明細書に詳しく記載されている。
すなわち、本発明に用いられるPCB誘導体の付加重合
体は、一般式CI)で示されるPCB誘導体をマイケル
付加反応に付すことにより得られる。
マイケル付加反応はよく知られているが、例えばリチウ
ム、ナトリウムまたはカリウムの如きアルカリ金属の水
酸化物、炭酸塩または炭酸水素塩を含むアルコールまた
はアルコール性水溶液中、室温以上、好ましくは50℃
〜80℃で30分から60時間反応させることにより行
なわれる。
アルカリの濃度は、0.1〜4規定であり、好ましくは
、0.5〜2規定である。反応の進行状況(重合度)を
ゲルろ過カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー(
以下HPLCと略記する。)でモニターしながら反応さ
せるのが適当である。反応終了後は常法に従って後処理
を行ない、ゲルろ過カラム、例えばセファデックス(S
ephacfex) L H−20[登録商標、ファル
マシア ファイン ケミカルズ(Pharmcia F
ine Chemicals)社製]を用いたクロマト
クラフィーで精製分離することができる。
得られた重合体の構造については次のように考なりの割
合で存在するが、原料中に存在していた13位と14位
の二重結合は消失していることが理解される。
従って、付加反応は原料中の活性水素、例えば10位お
よび11位の水素がアルカリにより引き抜かれ、生じた
アニオンが13位または14位275〜280nmSY
が=0の場合は290〜300 n m)が消失し、新
たに240〜250nmに2−シクロベンテノン骨格に
相当する吸収が見られる。さらに重合体の炭素−13核
磁気共鳴スペクトル(重クロロホルム中で測定した。)
では、205 ppm(9位のカルボニル炭素)および
178ppm(1位のカルボキシ基の炭素)付近に幅広
いシグナルがみられる。さらに172 ppIllと1
42pl)m付近にそれぞれ12位および8位の二重結
合炭素に基づく幅広いシグナルがみられるが、13位お
よび14位の二重結合炭素に基づくシグナルは消失して
いる。これらのデータにより本発明重合体の構造は2−
シクロベンテノン骨格はかとの間で付加反応が起こるも
のと推定される。アニオンの生じる活性水素は主に10
位および/または11位の水素であるが、それ以外にも
Xがおよび5位の水素が、またYが=Oを表わす場合に
は16位の水素が引き抜かれアニオンとなる可能性があ
る。アニオンの生じる活性水素はひとつの出発原料につ
きひとつであるとは限らないので、例えば10位の2個
の水素が共にアニオンとなり付加反応に関与することも
考えられ、10位および11位の水素がひとつずつアニ
オンとなり付加反応することも推測される。
生じたアニオンと付加反応する場所は13位または14
位が主であるが、12位でも反応する可能性がある。
位のヒドロキシ基より生ずるアニオンもマイケル付加反
応に関与していると推測される。すなわち原料となるP
CB、誘導体の15位のヒドロキシ基の水素が引き抜か
れて生じるアニオンがもう一方の原料の14′位と付加
反応を起こしく下記式中、結合aに相当する。)、新た
に生じた13′位のアニオンがもとの原料の14位に付
加反応を引き起こして(下記式中、結合すに相当する。
)下式のようなフラン環 を形成していることが考えられる。
また原料中に存在するケトンがもう一方の原料に生じた
アニオンとアルドール縮合を起こしていることも考えら
れる。
本発明重合体の構造を一義的に決定することは不可能で
あるが、上記で述べたような反応および結合が複雑に絡
み合って、重合体を構成しているものと考えられる。
当業者なら容易に理解できるが、特開昭58−7997
3号明細書に記載の製造方法によると、得られた重合体
のカルボン酸部分(一般式(I)のC0OR’に相当す
る部分)は、マイケル付加反応に用いたアルカリ金属塩
中のアルカリ金属と塩を形成する。例えば、反応に水酸
化ナトリウム/含水エタノールを用いると、得られた重
合体はナトリウム塩として生成する。また原料として低
級アルキルエステル(R’=C1〜4のアルキル)を用
いても、マイケル付加反応中にアルカリ加水分解を受け
、最終的にはカルボン酸のアルカリ金属塩として生成す
ることも容易に理解される。
カルボン酸の塩は公知の方法によりフリーのカルボン酸
に変換できる。この反応は、PCB誘導体の重合体の塩
を適当な不活性有機溶媒(例えば、ジオキサン等)中、
無機酸(例えば、塩酸等)または有機酸(例えば、酢酸
、p−トルエンスルホン酸等)で処理し、適当な脱塩操
作(例えば、抽出、透析、分子ふるいカラム等)を行な
うことにより行なわれる。
さらにフリーのカルボン酸を有する重合体は公知の方法
により塩に変換される。塩は非毒性でかつ水溶性である
ものが好ましい。適当な塩としては、アルカリ金属(ナ
トリウム、カリウム等)の塩、アルカリ土類金属(カル
シウム、マグネシウム等)の塩、アンモニウム塩、薬学
的に許容される有機アミン(テトラメチルアンモニウム
、トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、
シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、フェネチルア
ミン、ピペリジン、モノエタノールアミン、ジェタノー
ルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、
リジン、アルギニン、N−メチル−D−グルカミン等)
の塩等が挙げられる。
本発明で用いられるPCB誘導体の付加重合体には、一
般式(I)の原料のC0OR’に相当する部分がフリー
のカルボン酸になった重合体および該重合体の非毒性の
塩が含まれることは言うまでもない。
効果 本発明に含まれるPCB誘導体の付加重合体およびその
非毒性の塩は逆転写酵素阻害活性およびレトロウィルス
の増殖抑制作用を有しており、かつ毒性が非常に少ない
ことから、ヒトを含めた哺乳動物、特にヒトのレトロウ
ィルス感染症の予防および/または治療に有用である。
ここでいうレトロウィルスとしては特に限定されないが
、例えばヒトに感染するものとしてはHTLV、HIV
などが挙げられ、ヒト以外の哺乳動物に感染するものと
しては、M u L Vなどが挙げられる。これ以外に
も今後発見される新種のレトロウィルスも含まれるもの
とする。
一般式(I)で示されるPCB誘導体の付加重合体およ
びその非毒性の塩を上記の目的で用いるには通常全身的
あるいは局所的に、経口または非経口で投与される。投
与量は年令、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時
間等により異なるが、通常成人ひとり当り、1回につき
1mg〜2000mg。
好ましくは50 mg 〜1000mgの範囲で、1日
1回から数回経口投与されるかまたは成人ひとり当り、
1回につき0.1@g〜200mgの範囲で、1日1回
から数回非経口投与される(好ましくは、静脈内投与さ
れるかまたは1日1時間〜24時間の範囲で静脈内持続
投与される。)。もちろん前記したように、投与量は種
々の条件で変動するので、上記投与量範囲より少ない量
で十分な場合もあるし、また範囲を越えて必要な場合も
ある。
本発明による経口投与のための固体組成物としては、錠
剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。このような固体組成物
においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質が、少な
くともひとつの不活性な希釈剤、例えば乳糖、マンニト
ール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結
晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタ
ケイ酸アルミン酸マグネシウムと混合される。組成物は
、常法に従って、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えば
ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤や繊維素グリ
コール酸カルシウムのような崩壊剤、ラクトースのよう
な安定化剤、グルタミン酸またはアスパラギン酸のよう
な溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤または火剤は
必要により白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート
などの胃溶性あるいは腸溶性物質のフィルムで被膜して
もよいし、また2以上の層で被膜してもよい。
さらにゼラチンのような吸収されうる物質のカプセルと
してもよい。
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳
濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等を
含み、−船釣に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製
水、エタノールを含む。この組成物は不活性な希釈剤以
外に湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、
芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
経口投与のためのその他の組成物としては、ひとつまた
はそれ以上の活性物質を含み、それ自体公知の方法によ
り処方されるスプレー剤が含まれる。
本発明による非経口投与のだめの注射剤としては、無菌
の水性または非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤を包含す
る。水性の溶液剤、懸濁剤としては、例えば注射用蒸留
水及び生理食塩水が含まれる。非水溶性の溶液剤、懸濁
剤としては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、オリーブ油のような植物油、エタノール
のようなアルコール類、ポリソルベート80等がある。
このような組成物は、さらに防腐剤、湿潤剤、乳化剤、
分散剤、安定化剤(例えば、ラクトース)、溶解補助剤
(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸)のような補
助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フ
ィルターを通す濾過、殺菌剤の配合または照射によって
無菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造し
、使用前に無菌水または無菌の注射用溶媒に溶解して使
用することもできる。
非経口投与のためのその他の組成物としては、ひとつま
たはそれ以上の活性物質を含み、常法により処方される
外用液剤、塗布剤のような外用剤、直腸内投与のための
半割、腟内投与のためのべ・ンサリー等が含まれる。
実験例および実施例 以下、実験例及び実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実験例および実施例に限定
されるものではない。
実験例1 ヒト免疫不全ウィルスの逆転写酵素に対する阻害効果 [実験方法] 本実験はヒト免疫不全ウィルス(HI V)の逆転写酵
素(大阪大学微生物研究所申出先生より供与された。)
を用いてG、 Edwinらの方法に準じて行なった(
J、 Virology 29.519−522(19
79)参照)。
すなわち、下表Iに示すインキュベーションメディウム
から[3H]TTPおよび酵素を除いたメディウムを平
底マイクロタイタープレートに25μ、Q/wellず
つ分注した後、水冷下水発明に用いるPCB誘導体の付
加重合体(以下、本発明に用いる重合体と略記する。)
溶液(エタノールまたはジメチルスルホキシドとエタノ
ールの混合液によって所定の濃度に希釈した。)1μg
を各wel lに加えた。混合液を37℃で5分間ブレ
インキュベートしたのち、[3H]TPPおよび酵素を
含むインキュベーションメディウム25μg/well
を加え、37℃で1時間インキュベーションした。この
場合、酵素量は後記の取り込み放射活性が約20000
cpm/ wel Iとなるように希釈して用いた。反
応混合液に10%トリフルオロ酢酸150μ47/we
llを加え、かくはん後30分間氷冷した。内容物をガ
ラスフィルター上に移し、フィルターを乾燥した後、フ
ィルター中のトリチウムの放射活性を測定した。本発明
に用いる重合体群と対照群のそれぞれの放射活性より、
阻害率を算出した。
表1. インキュベーションメデイウム得られた重合体
の物性値 1)HPLCのピークにおける リテンションタイム(分):13.5分分子量分布:J
、000〜6000 IR(ν): 2930.1700.1400.123
0゜1080、1045cm−’ UV(λ)+245nm 2)物性値はカリウム塩に同じ。
3)HPLCのピークにおける リテンションタイム(分):14.0分分子量分布: 
1ooo〜6000 I R(ν)  : 2950.1740.1600.
1450゜1350、1250印−1 UV(λ):240nm 結果を次表に示す。
表■:逆転写酵素阻害効果 実験例2 ヒト免疫不全ウィルスに対する増殖抑制効果[実験方法
] ヒトリンパ球系細胞(Molt4クローン8、京都大学
ウィルス研究所足立昭二先生より供与された。)2.5
xlO個/mlのものを1ml、ヒト免疫不全ウィルス
(HI V)貯蔵溶液0.5mlおよび1.5−ジメチ
ル−1,5−ジアザウンデカメチレンポリメトプロミド
(商品名ポリブレン、アルドリッチ社製)64μg/m
lのものを0.5mlの混合物を5%二酸化炭素存在化
、37℃で約7時間培養してリンパ球系細胞をHIVで
感染させた。
その後、本発明に用いる重合体を含有した培養液8ml
を添加して培養を続けた。感染後1日目に培養液5ml
を新しく調製した本発明に用いる重合体含有培養液と交
換し、その後2日に1回の割合で培養を続けた。
培養後一定期日経過したら各サンプル培養全域(50視
野)を倒立顕微鏡を用いて鏡検し、巨細胞(giant
 cell)の有無を調べた。巨細胞はHIVの増殖の
結果束じることが知られている(Science。
240、646(1988))参照のこと)。
結果を次表に示す。なお、表中の各記号はそれぞれ以下
の意味を表わす。
++H5Q視野中に、合計数で11個以上の巨細胞が認
められた。
表■: レトロウィルス増殖抑制効果 −:50視野中に、1個の巨細胞も認められなかった。
+:50視野中に、合計数で10個以下の巨細胞が認め
られた。
*)AZT:3’ −アジド−3′−デスオキシチミジ
ン考察 重合体2は30〜100μg / mlの濃度で、レト
ロウィルス(HI V)の増殖を感染8日目まで完全に
抑制していることがわかる。
実験例3 急性毒性試験 10週令のウィスター系雄性ラット4匹に、本発明に用
いる重合体(重合体1)を生理食塩水に溶かして(50
mg/kg動物体重)静脈内投与したところ、死亡例は
まったく見られなかった。また、異常を示すような兆候
も観察されなかった。従って、本発明に用いる重合体の
毒性は非常に低いものであり、医薬品として充分安全に
使用できることが確認された。
実施例1 本発明に用いる重合体(重合体2)100g、ステアリ
ン酸マグネシウム2gおよび乳糖18gを均一になるま
でよく混合した後常法により打錠して、1錠中に100
mgの活性物質を含む錠剤1000錠を得た。得られた
錠剤は常法によりヒドロキシプロピルセルロースでコー
ティングし、目的とする経口投与用錠剤とした。
実施例2 本発明に用いる重合体(重合体2)10gを注射用蒸留
水4000m1に溶解し、溶液を常法により殺菌消毒し
た後、10m1容量のアンプルに4mlずつ充填し凍結
乾燥して溶閉し、1アンプル中に10i+gの活性成分
を含む注射用凍結乾燥製剤1000本を得た。
特許出願人  小野薬品工業株式会社

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 一般式 ▲数式、化学式、表等があります▼( I ) (式中、 R^1は水素原子またはC1〜4のアルキル基を表わし
    、 R^2は単結合またはC1〜5のアルキレン基を表わし
    、 R^3は(i)水素原子、 (ii)水酸基により置換されているかまたは置換され
    ていないC1〜10のア ルキル基、 (iii)C1〜4のアルキル基によって置換されてい
    るかまたは置換されてい ないC4〜7のシクロアルキル基、 または (iv)C1〜4のアルキル基、ハロゲン原子またはト
    リフルオロメチル基によ って置換されているかまたは置換さ れていないフェニル基またはナフチ ル基を表わし、 Xは(i)−(CH_2)_p−(式中、pは0または
    1〜5の整数を表わす。) (ii)▲数式、化学式、表等があります▼(式中、 二重結合の配置はZである。) (iii)▲数式、化学式、表等があります▼または (iv)▲数式、化学式、表等があります▼(式中、 二重結合の配置はEである。) を表わし、 Yは▲数式、化学式、表等があります▼(式中、▲数式
    、化学式、表等があります▼はα−またはβ−配置また
    はそれらの混合物を表わす。)または=Oを表わし、 C_1_3−C_1_4間の二重結合の配置はEである
    。)で示されるPGB誘導体をマイケル付加反応に付す
    ことにより得られる分子量分布1000〜6000であ
    る付加重合体または該重合体の非毒性の塩を有効成分と
    して含有する抗レトロウイルス剤。
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