JPH04103475U - 仕掛巻式テグス用ボビン - Google Patents

Abstract

(57)〔要約〕 〔構成〕 横断面Ｕ字形の糸巻みぞ６を有するプーリー
型のテグス用ボビン１であって、糸巻みぞ６を形成する
糸巻円筒部４と、その内方に設けた同心円の連結用円筒
部７とによりスナップ付きより戻しを収納する空域２Ｋ
を形成し、ふた板１０で閉鎖する。係止する釣針の針先
を空域２Ｋに位置させるように糸巻みぞ６の糸巻面６Ｆ
に円周方向に沿った針掛け長穴６ｎ_１，６ｎ_２を穿設す
る。ボビン本体２の裏円板部３の裏面２Ｂに他のボビン
本体の連結用円筒部に内嵌してテグス用ボビン１の連結
を行う同心円のリング状凸条３Ｒを突設している。 〔効果〕 使用済みのテグス用ボビンを廃棄物にするこ
となく、仕掛巻に活用してテグスに傷なく折曲げ癖のな
い仕掛を簡易迅速に取り出せる。

Description

【考案の詳細な説明】

〔０００１〕 〔産業上の利用分野〕 本考案は、市販のテグス用ボビンと魚釣り用の仕掛巻とを兼用することのでき る仕掛巻式テグス用ボビンに関するものである。 〔０００２〕 〔従来の技術〕 一般に、魚釣りに使用するテグスＴは、図４に示すようなテグス用ボビン２１ に１０Ｍ，５０Ｍあるいは１００Ｍなどの長さのものを巻き付けて市販されてい る。 〔０００３〕 このテグス用ボビン２１は、駆動用軸穴２３ａを有する裏円板部２３の表面２ ３Ａに同心円の糸巻円筒部２４が突設され、その端に前記裏円板部２３に等しい 外径のつば部２５を設け、裏円板部２３の外周縁２３ｅと糸巻円筒部２４の外周 面およびつば部２５の裏面とにより、横断面Ｕ字形となった、テグスＴの糸巻み ぞ２６を形成している。 〔０００４〕 裏円板部２３の外周縁２３ｅには、その一部を外周から切り欠いた角形切欠２ ３Ｋが切欠されており、これに対向したつば部２５の位置に１筋の糸止めスリッ ト２５ｓを刻設している。 〔０００５〕 また、裏円板部２３の表面２３Ａには、中央に前記駆動用軸穴２３ａに連なる 軸穴２８ａを突設したボス部２８を立設し、糸止めスリット２５ｓに対応する糸 巻円筒部２４の内面位置に形成した角形突起２４ｔとボス部２８のキーみぞ２８ ｍに対応した外周位置とを結んで立設した補強部２９を含めてボス部２８と糸巻 円筒部２４とを結ぶ４個の補強部２９を十字形に設けている。 〔０００６〕 なお、裏円板部２３の裏面２３Ｂには、糸巻円筒部２４の内径に等しい外径を したＣ字形凸条２３Ｃを立設しており、角形切欠２３Ｋに対応する個所に開き２ ３ｈが位置している。 〔０００７〕 ところで、販売のためテグスＴをテグス用ボビン２１に巻き付けるには、最初 のボビン２１の前記角形突起２１ｔに、次のボビンの開きを外嵌しつつそのＣ字 形凸条を糸巻円筒部２４の内面に嵌合することにより次のボビンは、最初のボビ ン２１に重合連結する。この操作を繰り返して所要個数のボビンを一体的に連結 した集合体の状態でテグス巻取機の駆動軸（図外）に嵌挿して回転させ、複数の ボビンに対し所要長さだけ同時に巻き上げる多量生産方式が用いられる。 〔０００８〕 一方、仕掛巻としては、図５に示すように糸止めスリット３１ｓを有する突起 ３１ｔを両端左右に形成した平板状仕掛巻３１があるが、仕掛Ｓの取出しが面倒 であるだけでなく、テグスＴに折曲げ癖が残るため釣果が十分に得られないとい う不具合がある。

〔０００９〕 また、図６に見られるごとく、内外２つの同心円上に均等間隔をもってそれぞ れ外方へ向いた複数のつめ４１ｔを形成する切込み４１ｋを刻設した厚紙製の円 形シート仕掛巻４１が提供されている。なお、切込み４１ｋの両端には、切込み ４１ｋの割れ進行を防止する抜き孔４１ａを穿設している。 この円形シート仕掛巻４１を使用するには、任意の抜き孔４１ａに釣針ｈを引 っ掛け、外側の各つめ４１ｔをわずかに引き起こし、これらの根元を利用してテ グスＴを巻き付ける。なお、前記仕掛巻４１の裏側に出た釣針ｈの針先は、先に セロテープなどで止めて巻き始める。 仕掛Ｓを取り出すときは、この仕掛巻４１の中央を親指と中指とで挟み持ち、 テグスＴを引き出せば、仕掛巻４１は回転するので簡単にはずせるとしているが 、軸孔は無いため、回転を円滑に行うには相当の技術を要し、また、テグスＴも 角張ったり、そのうえ、つめ４１ｔも折損しやすく耐久性に欠ける。 〔００１０〕 そこで最近、万能仕掛巻５１と称して図７に示すものが出現している。 この万能仕掛巻５１は、堅い発泡スチロール製の角形ドーナツ体５２の両面に 一対の側板５３を対向させて接着してなる。 この側板５３は、ドーナツ形の本体部５３Ｈ外周に等間隔をもって６個の半円 形凸部５３Ｔを突出して形成しており、前記ドーナツ体５２と等しい内径の内周 面４個所に等間隔で４個の半円形凹部５３ｈを切欠している。また、前記本体部 ５３Ｈの対称位置に、切込み５３ｋを有する一対の内部小穴５３ａを穿設してい る。 この万能仕掛巻５１を海，川用の一般仕掛として使用するには、内部小穴５３ ａ又は半円形凸部５３Ｔに針ｈを引っ掛けテグスＴをドーナツ体５２に巻き付け て、テグスＴの末端部を本体部５３Ｈの外周に刻設した糸止めスリット５３ｓに 係止する。 仕掛Ｓを取り出すには、片手の親指と中指とで形成した指輪によりドーナツ体 ５２の中央穴５２ａを軸支し、テグスＴの末端部を糸止めスリット５３ｓから他 の手で外して引っ張れば、万能仕掛巻５１は回転するので取り出せる。しかし、 この万能仕掛巻５１は半円形凸部５３Ｔや係止した針ｈが外方へ突き出ているた め、回転取出しには細心の注意を要し、また、材質，形状，構成からみて耐久性 に乏しい。 〔００１１〕 〔考案が解決しようとする課題〕 解決しようとする問題点は、従来のテグス用ボビンがテグス全部を引き出され て空のボビンとなった場合、不要品として廃棄される無駄があるだけでなく、不 燃性廃棄物として処分しなければならないという厄介な難点がある。 〔００１２〕 また、従来の仕掛巻は、テグスに悪い折曲げ癖を付けたり、軽視した釣針の針 先がテグスに接触して傷付けたり、巻付け巻戻し時に引掛かるなどの不具合を生 ずる惧れがあるだけでなく、仕掛の取出しが円滑順調に行えず、耐久性にも欠け るという欠点が有している。 〔００１３〕 元来、仕掛巻を兼ねることのできるテグス用ボビンは、提供されていない。 〔００１４〕 〔課題を解決するための手段〕 本考案は、使用済みのテグス用ボビンを仕掛巻に利用することを最も主要な特 徴とする。 多量のテグスを巻き取り保持する本来の目的を達成するとともに、仕掛巻とし ての機能を発揮する目的を、外観をほとんど変えることなく、簡単な内部形状の 変更とふた板の組合せとにより実現した。 〔００１５〕 〔実施例〕 図１は、本考案の仕掛巻式テグス用ボビン（以下、仕掛ボビンという）の一実 施例を示す斜視図である。 〔００１６〕 この仕掛ボビン１は、ボビン本体２とふた板１０とからなる。 ボビン本体２の裏円板部３は、その裏面３Ｂに同心円のリング状凸条３Ｒを突 設し、中央にキーみぞ３ｍを備えた駆動用軸穴３ａを穿設し、そのキーみぞ３ｍ を通る直径上において裏円板部３の外周面から角形切欠３ｋを切欠しており、前 記直径に直交する半径上において外周縁３ｅ裏面に円形突起３ｔを突設している 。 〔００１７〕 一方、裏円板部３の表面３Ａには、同心円の糸巻円筒部４を突設し、その先端 に裏円板部３と等しい外周を有するつば部５を形成し、前記外周縁３ｅ，糸巻円 筒部４及びつば部５により横断面角Ｕ字形の糸巻みぞ６を形成している。 〔００１８〕 つば部５は、前記角形切欠３ｋに対向した個所に、外周から切り込む一対の糸 止めスリット５ｓ_１を設け、さらにこの糸止めスリット５ｓ_１に対称した個所に 一対の糸止めスリット５ｓ_２を刻設している。また、前記円形突起３ｔに対向す る個所に、仕掛ボビン１の連結に際し次の仕掛ボビンの円形突起に嵌合する円孔 ５ａを穿設している。 〔００１９〕 糸巻みぞ６の糸巻面６Ｆ（糸巻円筒部４の外周面）では、その中央がわずかに 隆起して横断面弧状を呈しており、両斜面を裏側区分糸巻面６ｂと表側区分糸巻 面６ａとにしている。 裏側区分糸巻面６ｂは、前記角形切欠３ｋに対応する個所に段違い平行な２本 の円周方向長穴を穿設し、針掛け長穴６ｎ_１，６ｎ_１としている。 表側区分糸巻面６ａは、前記糸止めスリット５ｓ_２に対向する個所に前述と同 様に針掛け長穴６ｎ_２，６ｎ_２を穿設している。 〔００２０〕 裏円板部３の表面３Ａには、つば部５の表面と同じ高さで、内径が前記リング 状凸条３Ｒの外径と等しく、外周面に段部７ｄを有する連結用円筒部７を同心円 にして立設している。なお、その円筒部７の端縁の一部に段部７ｄを含めてＵ字 形のふた取外し用切欠７ｋを切り欠いている。 〔００２１〕 さらに中央部には、前記駆動用軸穴３ａに連なる軸穴８ａを有するボス部８を 立設していて、そのボス部８と連結用円筒部７とを一体に結合する補強部９を十 字形に配置して立設している。 〔００２２〕 ドーナツ形のふた板１０は、連結用円筒部７と糸巻円筒部４との間に形成され るドーナツ形の空域２ｋに嵌合してこれを閉鎖する場合、段部７ｄに当接してそ の表面は、つば部５の表面と同一平面となる。そして、ふた板１０の外周には、 対称位置にのこぎり歯状に形成した一対の糸通しみぞ１０ｍ_１，１０ｍ_２を刻設 している。 〔００２３〕 上記構成となっているこの仕掛ボビン１の使用方法について述べる。 まず、テグス販売の場合は、所要数の仕掛ボビン１を一体的に連結した集合体 とし、不図示の巻取機駆動軸に取り付ける。この仕掛ボビン１の連結は、次の仕 掛ボビン（不図示）の円形突起とリング状凸条とを、それぞれ円孔５ａと連結用 円筒７の内面とに嵌合させることにより行う。 〔００２４〕 次に、前記駆動軸に取り付けられた各仕掛ボビン１に対応して配設されている 元ボビン（不図示）からテグスＴの先端部を糸止めスリット５ｓ_１にそれぞれ係 止した後、駆動軸を回転して所定の長さに巻き取ったところで、中間部を他の糸 止めスリット５ｓ_１に引っ掛け止めしてから切断する。このとき次の仕掛ボビン の角形切欠が前記スリットｓ_１に対向して設けられているため隙間があき、これ によって糸止めを容易に行うことができる。なお、糸巻面６Ｆの中央が隆起して いてもその高さは低いので、販売用のテグスＴに折曲げ癖を付けたり、巻取りに 支障を生ずることはない。 〔００２５〕 この仕掛ボビン１によりテグスＴを購入した釣人は、仕掛ボビン１からテグス Ｔを引き出して、例えば図３に示すように、釣針ｈやスナップ付きより戻しｙを 縛着して仕掛Ｓを作る。 〔００２６〕 そこで、テグスＴを使いきって空になった仕掛ボビン１の裏円板部３の外周を 片手で把持し、他の手で図２に示すように、仕掛Ｓ_１の２本の釣針ｈ_１を一対の 針掛け長穴６ｎ_１に引っ掛け、テグスＴ_１を裏側区分糸巻面６ｂに巻き付ける。 そして、テグスＴ_１の末端部を糸止めスリット５ｓ_１を通して挟持させ、つば部 ５の表面に出たスナップ付きより戻しｙ_１を空域２Ｋ内に収納し、前記末端部を 糸通しみぞ１０ｍ_１に位置させふた板１０を連結用円筒部７の段部７ｄに当接さ せて空域２Ｋに嵌め込む。 〔００２７〕 次に、他の仕掛Ｓ_２も仕掛Ｓ_１とほぼ同様に、２本の釣針ｈ_２を一対の針掛け 長穴６ｎ_２に引っ掛けてテグスＴ_２を表側区分糸巻面６ａに巻き付ける。そして テグスＴ_２の末端部を糸止めスリット５ｓ_２を通して挟持させ、結合用円筒部７ のふた取外し用切欠７ｋ指先を挿し入れてふた板１０を開き、空域２Ｋの空所に スナップ付きより戻しｙ_２を収納した後、再びふた板１０を閉める。そこで、仕 掛Ｓ_１，Ｓ_２は、仕掛ボビン１に格納されて携行容易となる。 〔００２８〕 魚釣りの準備をする場合は、片手で仕掛ボビン１の表側を手前にして把持し、 他の手でふた板１０を開いてスナップ付きより戻しｙ_２を取り出した後、ふた板 １０を閉め、前記片手の親指を軸穴８ａに、中指を駆動用軸穴３ａに当てて軽く 保持し、他の手で前記より戻しｙ_２を、次にテグスＴ_２を引っ張れば、仕掛ボビ ン１は円盤状の外面に突起などの障害物が無く、釣針ｈ_２の針先も空域２Ｋに位 置していて糸巻面６Ｆに存在しないため、順調に回転し迅速容易に仕掛Ｓ_２が取 り出せる。 また、これと同様に操作して仕掛Ｓ_１も取り出すことができる。 〔００２９〕 〔考案の効果〕 以上説明したように本考案の仕掛巻式テグス用ボビンは、裏円板部の表面につ ば部を備えた同心円の糸巻円筒部を立設して糸巻みぞを形成し、その糸巻面に円 周方向の針掛け長穴を穿設し、つば部の外周に糸止めスリットを刻設し、また、 裏円板部の表面に同心円の結合用円筒部を立設し、その円筒部と糸巻円筒部との 間に形成され、スナップ付きより戻しの収納場所となる空域にドーナツ形のふた 板を嵌着する構成としたため、購入したテグスを全部取り出した後でも仕掛巻に 活用できるので、廃品の発生を阻止し資源の節約となる。 〔００３０〕 また、係止した釣針の針先は、前記空域に位置しており、仕掛巻は外形が円盤 状で突出物が無いため順調に回転することができるので、魚釣りの準備が容易迅 速に整えられるだけでなく、テグスに折曲げ癖が生じないため魚の食いが素晴ら しく釣果が拡大する。さらに、スナップ付きより戻しも完全に収納できるので、 全体がコンパクトになって取扱いや携行がたやすく便利である。

【図面の簡単な説明】

〔図１〕本考案に係る仕掛巻式テグス用ボビンの斜視図
で、同図（ａ）は裏面側から見た図、同図（ｂ）はボビ
ン本体とふた板とを表面側から見た図である。 〔図２〕仕掛巻式テズク用ボビンに仕掛を装着した状態
を示す斜視図である。 〔図３〕仕掛の外観図である。 〔図４〕従来のテズク用ボビンの斜視図で、同図（ａ）
は裏面側から見た図であり、同図（ｂ）は表面側から見
た図である。 〔図５〕従来の平板状仕掛巻の平面図である。 〔図６〕従来の円形シート仕掛巻の平面図である。 〔図７〕従来の万能仕掛巻の斜視図である。 〔符号の説明〕 １ 仕掛巻式テグス用ボビン ２ ボビン本体 ２Ｋ 空域 ３ 裏円板部 ３Ｒ リング状凸条 ３ａ 駆動用軸穴 ３ｅ 外周縁 ３ｋ 角形切欠 ４ 糸巻円筒部 ５ つば部 ５ｓ 糸止めスリット ６ 糸巻みぞ ６Ｆ 糸巻面 ６ａ 表側区分糸巻面 ６ｂ 裏側区分糸巻面 ６ｎ 針掛け長穴 ７ 連結用円筒部 ７ｄ 段部 ７ｋ ふた取外し用切欠 ８ ボス部 ８ａ 軸穴 １０ ふた板 １０ｍ 糸通しみぞ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 〔請求項１〕駆動用軸穴を有し、裏面に同心円のリング
   状凸条を突設した裏円板部の表面に、その裏円板部と同
   じ外径のつば部を備え、裏円板部の外周縁とで断面Ｕ字
   形の糸巻みぞを形成するように突設した同心円の糸巻円
   筒部と、前記駆動用軸穴に連なる軸穴を有するボス部と
   をそれぞれ突出したテグス用ボビンであって、裏円板部
   表面に、前記リング状凸条の外径に等しい内径を有し、
   外周面にふた受け用の段部を形成するとともに、ふた取
   外し用切欠を端縁の一部に切欠した連結用円筒部を立設
   し、前記糸巻みぞの糸巻面中央を全周にわたり横断面弧
   状に隆起させて一対の区分糸巻面を形成し、各区分糸巻
   面の対称個所にそれぞれ円周方向に沿った針掛け長穴を
   穿設するとともに、これら針掛け長穴に対応したつば部
   の外周位置にそれぞれ糸止めスリットを設け、さらに、
   一方の糸止めスリットに対向した裏円板部の外周縁位置
   に角形切欠を切り欠いて形成したボビン本体と、前記連
   結用円筒部と糸巻円筒部との間の空域を閉鎖する、周辺
   に糸通しみぞを刻設したドーナツ形のふた板とを組み合
   わせて構成したことを特徴とする仕掛巻式テグス用ボビ
   ン。