JPH039815Y2

JPH039815Y2 -

Info

Publication number: JPH039815Y2
Application number: JP1983105071U
Authority: JP
Priority date: 1983-07-06
Filing date: 1983-07-06
Publication date: 1991-03-12
Also published as: US4611695A; JPS6013276U; CA1218522A

Description

【考案の詳細な説明】本考案は自動車等の各種部品に塗装を施す際に
用いる塗装ブースの改良に関する。

従来、塗装ブースとしては、密閉された作業空
間内に塗装設備、その他の機器を設置し、作業者
自身も該作業空間内に入つて塗装作業を行なうと
いう形式のものが用いられていた。

そのため、該作業空間内に設置した各種機器に
は、該機器に塗料が侵入付着し、何らかの発火原
因により、爆発を誘起することを防止するための
防爆対策が必要であり、一方、作業者にとつて
は、その作業環境を健康的なものとするために、
塗料ミストな遮断するエアカーテン等の空調設備
が必要であつた。

しかし、すべての機器に防爆対策を施すことは
困難であり、又、コスト的にも問題があつた。
又、作業環境対策としてエアカーテンを用いる
と、該エアカーテンによつて被塗装物近傍の気流
が乱され、このため被塗装物への塗着効率が悪化
するという問題が発生するのみならず、エアカー
テンはまた作業環境対策としても充分なものでは
なかつた。逆に言えば、塗装品質を確保するため
の他に、作業環境を、あるレベルに保持するた
め、かなりの風量のエアが必要とされ、その為の
エネルギー費は高価なものとなる。さらに、上記
した様に各種機器、及び作業者を作業空間内に配
置するためには、塗装ブースそのものの占めるス
ペースが大きくなるという欠点もあつた。又、大
きな空間を占有する塗装ブースでは、塗装作業空
間に人間が存在することになり、手袋、マスク等
からの塵埃の混入がさけられず塗装品質にも問題
が生じる。

本考案は、上記したような従来の塗装ブースの
欠点に鑑み案出されたものであり、作業空間内に
配置する機器を最小限度に押えることにより、該
機器に対する防爆対策の軽減化を図るとともに、
一方、作業者は密閉された作業空間の外で作業し
得るようにして環境対策を不要とし、必要最小限
のエア風量に抑制することによつて、塗着効率の
向上を図り、塗装作業中の塵埃の混入を排除する
ことによつて塗装品質をも高め、しかも、エネル
ギーのロスを低減した塗装ブースを供給するこ
と、さらには、巨大な塗装ブースを工場に固定設
置することなく、コンパクトなモジユール・ブー
スとして設置できるので、工場のライン編成替え
に対してもフレキシブルに対応できるというメリ
ツトを実現することを目的とするものである。

本考案の塗装ブースは、側壁、天井、床等の隔
離体によつて外部空間から隔絶され、被塗装物が
設置される作業空間と、前記隔離体の一部に設け
られ、前記作業空間に開口する送風口、及び排気
口を有し、前記作業空間内の被塗装物設置箇所近
傍には、外部空間に設置された制御部によつて制
御される可動塗装手段が配置され、該制御部と該
可動塗装手段とは、隔離体を貫通し、該隔離体と
の間隙を気密封止された連結部材によつて機械的
に接続され、被塗装物設置箇所近傍の隔離体に
は、被塗装物出し入れ用扉が設けられていること
を特徴とするものである。

即ち本考案の塗装ブースは、密閉された作業空
間内に配置する機器を最小とし、かつ、作業者
は、作業空間外において作業し得るようにしたも
のである。

本考案において塗装は塗装機によつて行なう。
塗装機としては、可動塗装手段と制御部とからな
る自動塗装機を用いると塗装の自動化、高速化、
精密化を達成することができる。その場合におい
て制御部は作業空間外に配置し、一方、塗装ガン
等の可動塗装手段は作業空間内に配置する。制御
部と可動塗装手段との機械的接続は、隔離体を貫
通し、該隔離体との間隙を気密封止された連結部
材によつて行なう。

被塗装物を載置または支持するワークは、塗装
手段に対して相対運動可能とすることもできる。
ワークの運動方向の態様としては、回転運動、直
線運動、これらを組み合わせた運動等を採用でき
る。こうすることにより、被塗装物の被塗装面
は、まんべんなく塗装手段に対向し、むらのない
塗装を施すことができる。

被塗装物の作業空間への出し入れは被塗装物設
置箇所近傍の隔離体に設けた扉を介して行なう。
なお、隔離体は、側壁、天井、床等から成り、前
記扉は一般に側壁に設ける。扉は前記塗装機の制
御部によつてその開閉を制御され、該塗装機と連
動して開閉する自動開閉扉を用いても良く、ある
いは手動で開閉する扉としても良い。

作業空間内における気流は、可動塗装手段から
噴霧された霧状の塗料を効率よく被塗装物に付着
させ、余分の塗料をすみやかに作業空間外へ排気
し得るものとする。従つて、作業空間内の気流を
制御する送風口と排気口とは、被塗装物設置箇所
を中心とし、各反対側に対称に設けると良い。こ
の場合において、可動塗装手段の塗料噴霧口は、
被塗装物設置箇所の送風口側に位置するようにす
る。各反対側に対称に設けるとは、例えば、作業
空間上方に送風口を設け、下方に排気口を設けた
り、作業空間、前上方に送風口を設け、後下方に
排気口を設けることをいう。送風口には外部の塵
埃が作業空間に侵入するのを防止するためのフイ
ルター等の塵埃濾過手段等を設けると良い。又、
気流の強さは必要に応じ適宜調節し得るものとす
ると良い。例えば、最良のやり方は、扉が開く前
に気流を強くし、作業空間内の塗料、有機溶剤等
が排気口から排気されてから気流を停止させて扉
を開く。

作業空間下方には余分な塗料が付着するのを防
止するために作業空間に向けて開放された流水路
を設けると良い。

本考案の塗装ブースによると、作業者は作業空
間内の有機溶剤等を吸入するおそれがなく作業環
境は良好である。又、作業空間内においては、作
業者保護のためのエアカーテン等が不要であり、
したがつて作業空間内の気流は塗着効率を最良と
するように設定できるばかりでなく、塗装中の塵
埃混入がなくなり高品質の塗膜が得られる。又、
作業空間内に配置される機器は少ないために防爆
対策のコストも低減することができる。

以下、本考案を実施例に基づき説明する。

第１図は本考案の一実施例である塗装ブース側
面の断面を模式的に示した図であり、第２図は正
面図である。

第１図に示すように本実施例の塗装ブースの作
業空間１は隔離体１０によつて外部空間から隔絶
される。作業空間１内には被塗装物５が設置具５
１によつて設置され、該被塗装物５の近傍の隔離
体には被塗装物出し入れ用扉３が設けられてい
る。該扉３は扉密閉用ガイド３１に支持されて、
図の上下方向に摺動する。該扉３の摺動は扉開閉
用チエーン３２を介し、扉開閉用シリンダ３３に
よつて行なわれる。扉は、横へ両開きに構成して
もよい。上部の隔離体には、送風口を構成する送
風ダクト２１が設けられ、該送風ダクトの他端は
図示しない送風機の吐出側に連通されている。ま
た送風ダクト２１が作業空間１に開口する部分に
は塵埃濾過手段としてのフイルター２１１が設け
られている。一方、作業空間１内において被塗装
物５より下方の隔離体には排気口を構成する排気
ダクト２２が設けられている。又、作業空間下部
には塗料の付着を防止するための流水路２５が設
けられている。流水路２５の水は水槽２６へ流入
し、ポンプ２７によつて上部水槽２８に供給さ
れ、該上部水槽２８からび前記流水路２５に環流
される。作業空間１内において被塗装物５の近傍
には可動塗装手段である塗装ガン４１が配置さ
れ、該塗装ガン４１は可動アーム４２によつて支
持される。可動アーム４２は連結部材４３によつ
て作業空間外に設けられた制御部４４と連結され
る。なお、連結部材４３は隔離体１０を貫通し、
該隔離体１０と該連結部材４３との間隙は気密に
シールされている。

本実施例の塗装ブースによる塗装は以下の様に
して行なわれる。

まず、人６が被塗装物５を設置治具５１にセツ
トし、セツト終了後、起動ボタンを押すことによ
つて自動扉３を閉じる。続いて塗装ガン４１によ
つて被塗装物５に塗装を施す。ここに、塗装ガン
４１の制御は外部空間に設置された制御部４４に
よつて行なう。塗装ガン４１による塗装開始と連
動し、図示しない送風機は始動し、送風ダクト２
１を介して作業空間１内へ送風を開始する。従つ
て作業空間１内には図の上方から下方へ向かう気
流が発生する。又、塗装ガン４１の塗装開始と連
動し設置治具５１は部品回転用アクチユエータ５
２によつて回転し、該設置治具５１に載置された
被塗装物５の塗装をまんべんなく行なわしむるよ
うにする。制御部４４に予めセツトされた所定の
塗装が終了すると塗装ガン４１は塗装を止め、あ
るタイミングの後、送風機を停止させ気流をと
め、それに連動し被塗装物出し入れ用扉３が開
く。人６は該開いた部分から被塗装物５を取り出
し、あらたな被塗装物と変換する。あらたな被塗
装物がセツトされた後、上記作業が繰返される。

上記実施例においては扉３の開閉、塗装ガン４
１による塗装、及び送風口２１からの送風量の調
整等を連動して行なつたが、これらは必要に応じ
手動とすることもできる。又、送風ダクト２１と
排気ダクト２２とは上下に設けてあるが必要に応
じ左右に設けることもできる。又、塗装ガン４１
は上気実施例では１つのみを用いたが必要に応じ
複数個設置することもできる。又、設置治具５１
は、連続回転としたが分割のインデツクス動作で
もよい。さらに、設置治具は作業後、ハネ出し装
置により被塗装ワークを設置治具より自動的にと
り出し、作業者は直接、次の被塗装物をセツトす
ることが出来るようにしてもよい。

以上、要するに本考案の塗装ブースは隔離体に
よつて外部空間から隔絶された作業空間を有し、
塗装ガン等の塗装手段は作業空間内に、又、その
制御部は作業空間外に置き、塗装手段と制御部と
は隔離体を貫通し、該隔離体との間隙を気密にシ
ールされた連結部材によつて機械的に接続し、さ
らに、作業者を作業空間外においたものである。

実施例に述べたところからも明らかなように本
考案の塗装ブースによると作業者の作業環境は極
めて良好である。又、作業空間内に配置される機
械は少ないため、その防爆対策も比較的容易であ
る。又、作業者が作業空間内に居ないためにエア
カーテン等の空調設備が不要であり、従つて塗料
の塗着効率も良好である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の塗装ブースの側面
の断面を模式的に示した図であり、第２図は該塗
装ブースの正面図である。１……作業空間、１０……隔離体、２１……送
風ダクト、２２……排気ダクト、３……被塗装物
出し入れ用扉、４１……塗装ガン、４４……制御
部、５……被塗装物、６……人。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) 側壁、天井、床等の隔離体によつて外部空間
から隔絶され、被塗装物が設置される作業空間
と、前記隔離体の一部に設けられ、前記作業空間
に開口する送風口、及び排気口を有し、前記作業空間内の被塗装物設置箇所近傍に
は、外部空間に設置された制御部によつて制御
される可動塗装手段が配置され、該制御部と該可動塗装手段とは、隔離体を貫
通し、該隔離体との間隙を気密封止された連結
部材によつて機械的に接続され、被塗装物設置箇所近傍の隔離体には、被塗装
物出し入れ用扉が設けられていることを特徴と
する塗装ブース。 (2) 前記送風口は被塗装物設置箇所上方に設けら
れ、前記排気口は被塗装物設置箇所下方に設け
られている実用新案登録請求の範囲第１項記載
の塗装ブース。 (3) 前記作業空間下方には、作業空間に開放され
た流水路が設けられている実用新案登録請求の
範囲第１項記載の塗装ブース。 (4) 前記被塗装物を支持するワークは回転可能で
あり、被塗装物はワークの回転運動に伴い回転
して、前記塗装手段に対して、被塗装面を順次
対向させる実用新案登録請求の範囲第１項記載
の塗装ブース。 (5) 前記被塗装物を支持するワークは前記塗装手
段から遠ざかる方向及び該塗装手段に近づく方
向に直線運動可能であり、被塗装物はワークと
ともに前記直線運動をして、前記塗装手段に対
して被塗装面を順次対向させる実用新案登録請
求の範囲第１項記載の塗装ブース。 (6) 前記直線運動は、ワーク駆動モータの回転運
動を、カム等の駆動力伝達手段を介して、変換
して得る実用新案登録請求の範囲第５項記載の
塗装ブース。