JPH03905Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、例えば眉墨や液状口紅等の液状化粧
料を収納する化粧筆付き液体容器に関する。

「従来の技術」 従来のこの種のものとしては、容器形状をペン
シル形として一端に化粧筆を取付け、この化粧筆
に常時或いは所要時に化粧液を供給する方式が多
い。

「考案が解決しようとする問題点」 前記従来では、いずれの方式でも化粧筆は液部
に直接的に取付けられており、液垂れを防ぐのは
むずかしく、また化粧筆を抜き出して使用するの
で扱いも厄介である。

本考案は、筆を立てた正立状態では液を射出で
きず、倒立させたときのみ射出可能な液射出器を
内蔵し、従つて筆を抜き出すことなくこの液射出
器から化粧筆に液をワンタツチで供給する構成と
して効果的な液垂れ防止と扱いの簡便さを図つた
化粧筆付き液体容器を得るにある。

「問題点を解決するための手段」 本考案の化粧筆付き液体容器は、直筒状の筆軸
１と、下部をこの筆軸１上部に螺合装着して上方
に延び、先端開口部に化粧筆５を取付けた筆保持
筒２と、液容器体６、この容器体６口部に内嵌固
定され容器体６を倒立させると収納液が流入する
カツプ形の小径シリンダー７、容器体６口部から
上方に延設固定された案内筒部材８との固定側及
び、この案内筒部材８に内接した逆カツプ形の大
径シリンダー９頂壁からノズル１０を上方に貫通
突出して前記化粧筆５に連通させたノズル部材１
１、下端に前記小径シリンダー７に内接する筒状
の小径ピストン１２を、上部に前記大径シリンダ
ー９に内接する筒状の大径ピストン１３とノズル
１０を閉塞する吐出弁１４を有し、かつ大、小径
シリンダー９，７の貯溜室Ａ，Ｂを溝路１５を介
し連通し、さらに復帰ばね１６で常時上方に押上
げられている摺動部材１７との可動側を有して前
記筆軸１に格納され、倒立状態で容器体６底部を
押込むとノズル１０から液を射出する液射出器３
と、前記筆軸１下部に内装され、前記液射出器３
底部を押込む押ボタン４とで構成している。

「作用」 本考案の液体容器は、常時は第１図のように化
粧筆５を立てた状態、即ち正立状態にあり、また
液射出器３もノズル１０が上を向く正立状態にあ
り、このとき内容液は例えばイ線付近までの収納
状態とされており、従つてこの液は内部貯溜室
Ａ，Ｂに流入せず、この正立状態にて押しボタン
４を押込んでも液が化粧筆５に射出されることは
ない。

化粧するに当つては、容器を図示の正立状態か
ら倒立状態とする。すると、液射出器３におい
て、容器体６内の収納液は小径シリンダー７の液
流入兼吸気用孔１８から貯溜室Ｂ，Ａ、溝路１５
内に流入する。この状態で、押ボタン４により液
射出器３の容器体６底部を介し固定側を復帰ばね
１６に抗して押下げる。

すると、まず小径シリンダー７の液流入兼吸気
用孔１８が摺動部材１７の下部で閉塞されること
から貯溜室Ｂ、溝路１５、貯溜室Ａは容器体６内
からしや断され、これら貯溜液は押込みにより貯
溜室内容積が縮小することから加圧される。よつ
て貯溜室Ｂ側液は小径ピストン１２を介し摺動部
材１７を押下げようとし、貯溜室Ａ側液は逆に大
径ピストン１３を介し摺動部材１７を押上げよう
とするが、大径ピストン１３の方が小径ピストン
１２よりも加圧液の受圧面積が大きいことから、
大径ピストン１３を介した押上げ力が復帰ばね１
６力を加えた押下げ力を上回ると、摺動部材１７
は上方に押上げられて吐出弁１４が開弁し、貯溜
室Ａ内の加圧液はノズル１０から化粧筆５に射出
され、この化粧筆５に含浸される。この後、化粧
筆５を使用する。この液射出は、押ボタン４の押
込みを停止するか或いは液射出により摺動部材１
７の押上げ力が復帰ばね１６側の押下げ力より弱
くなることで停止する。

吐出弁１４が閉弁して復帰し始めると、図示の
矢示のように筆軸１と筆保持筒２の螺合部から液
射出器３内に吸気され、液射出に伴なう液容器体
６内の負圧を解消し、各部は原状態に戻る。

「実施例」 第１図、第２図が示す実施例は、既述した「問
題点を解決するための手段」で述べたところと同
様であり、重複を避けるためにこの既述部分につ
いての説明は省略し、既述しない事項についての
み説明する。

筆軸１は細長な直筒状のもので、上部内面には
螺溝を形成し、また下部内面には段形に係止部１
９を突出し、さらに下端の一側２０を切欠き押ボ
タン４の押込みを可能としている。

筆保持筒２は、下部外周の螺条２１を前記螺溝
に螺合させて筆軸１上部に螺着しており、また化
粧筆５は筆カバー２２を介し取付けており、化粧
筆５直下部には筒体２３を垂下した補助部材２４
を内嵌固定し、この補助部材２４から化粧筆５に
かけての軸芯部に液導入路としてパイプ２５を内
装してある。２６はＯリングである。

液射出器３で、容器体６と案内筒部材８は螺合
装着され、この案内筒部材８は容器体６口部に内
設した小径シリンダー７を押え固定している。ま
たノズル部材１１は、大径シリンダー９下端の外
向きフランジ２７を案内筒部材８の中間部の下向
き段部に係合させて抜けださないよう摺動可能に
内接させてある。摺動部材１７は、上部を弁棒２
８に、下部を筒部２９とし、筒部２９上部に数個
の連通孔３０を明けて上部外面に縦設した数条の
溝路１５を筒部２９、つまり貯溜室Ｂに連通させ
ている。大径ピストン１３は上部側外面に嵌着し
た別部材のピストン部材３１上端に断面弧状の弾
性周壁体で形成され、大径シリンダー９内面に摺
動可能に圧接されて貯溜室Ａを形成し、また下端
に設けたスカート状の吸気用弁３２を大径シリン
ダー７上部に内接させてある。３３と３４は、貯
溜室Ａ，Ｂの内容積を調整するブロツクと棒体、
３５はパツキングである。

この液射出器３は、上端のノズル１０を前記補
助部材２４の筒体２３に内嵌し、ノズル１０先端
のノズル口をパイプ２５に連通接合させて底部側
から押込み可能に筆軸１に内装してある。

押ボタン４は、液射出器３の容器体６底面に当
て且つ筆軸１下部の係止部１９に係止した止め栓
３６に嵌着して抜け出すことなく押込み可能に設
けられており、切欠き２０により一定ストローク
押込みできるように配設してある。尚、この押ボ
タン４は筆軸１下端と面一であり、不用意な押下
げが防止できる。

３７はキヤツプを示す。

上記各部は、復帰ばね１６を除き合成樹脂材で
成形製作する。

「考案の効果」 上記本考案では、化粧筆５への液供給用として
液射出器３を内蔵し、化粧時にこの液射出器３か
ら化粧筆５に化粧液を供給する方式であり、しか
もこの液射出器３は常時閉弁の吐出弁１４を有
し、また正立状態ではたとえ押ボタン４を押し操
作しても液は射出されないので、外部への液垂れ
が生じる懸念はなく、取扱い上も安全である。ま
た化粧時には容器を倒立させ、こ状態でノツク式
ペンのように片手で把持して押ボタン４を押込む
ワンタツチで液が化粧筆５に供給できるので、化
粧筆５を抜き出す必要はなく操作は至極簡便であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案化粧筆付き液体容器の一実施例
の要部を縦断して示した正面図、第２図は同容器
に内蔵する液射出器の縦断面図である。 １……筆軸、２……筆保持筒、３……液射出
器、４……押ボタン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 直筒状の筆軸１と、下部をこの筆軸１上部に螺
   合装着して上方に延び、先端開口部に化粧筆５を
   取付けた筆保持筒２と、液容器体６、この容器体
   ６口部に内嵌固定され容器体６を倒立させると収
   納液が流入するカツプ形の小径シリンダー７、容
   器体６口部から上方に延設固定された案内筒部材
   ８との固定側及び、この案内筒部材８に内接した
   逆カツプ形の大径シリンダー９頂壁からノズル１
   ０を上方に貫通突出して前記化粧筆５に連通させ
   たノズル部材１１、下端に前記小径シリンダー７
   に内接する筒状の小径ピストン１２を、上部に前
   記大径シリンダー９に内接する筒状の大径ピスト
   ン１３とノズル１０を閉塞する吐出弁１４を有
   し、かつ大、小径シリンダー９，７の貯溜室Ａ，
   Ｂを溝路１５を介し連通し、さらに復帰ばね１６
   で常時上方に押上げられている摺動部材１７との
   可動側を有して前記筆軸１に格納され、倒立状態
   で容器体６底部を押込むとノズル１０から液を射
   出する液射出器３と、前記筆軸１下部に内装さ
   れ、前記液射出器３底部を押込む押ボタン４とか
   らなる化粧筆付き液体容器。