JPH038950B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は光と熱エネルギーが付与されると、転
写特性を支配する物性が変化する転写記録媒体を
使用して画像形成する際に使用される光熱記録ヘ
ツド及前記光熱記録ヘツドを用いた記録装置に関
するものである。

＜従来の技術＞ 従来のプリンターやフアクシミリ等に於ける記
録方法の一つとして感熱記録方法がある。この方
法は熱転写性インクを塗布してなるシートのイン
ク層が被転写体たる記録紙に接するようにすると
共に、画情報に応じて発熱する熱ヘツドによつて
前記シートを選択加熱し、溶融したインクを記録
紙に転写することによつて画像記録を行うもので
ある。

＜発明が解決しようとする問題点＞ しかし、上記感熱記録方法は記録紙の表面が平
滑でないとインクが前記記録紙の中まで浸透出来
ず印字品質を低下させる欠点があり、更には熱ヘ
ツドをプラテンローラ等に一定圧力で押圧しなが
ら転写を行わなければならないので、複雑な押圧
機構を有するヘツドを使用しなければならなかつ
た。

上記従来の欠点に鑑み、２種以上のエネルギー
を転写記録媒体に付与することによつて記録を行
う方法が考えられているが、２種以上のエネルギ
ーを付与する為のヘツドは構造が複雑になると共
に大型化してしまう問題があつた。

本発明の目的は従来の上記問題点を解決した全
く新規な光熱記録ヘツド及び前記光熱記録ヘツド
を用いた記録装置を提供することにある。

＜問題点を解決するための手段＞ 上記従来の問題点を解決する以下述べる手段
は、発熱体と光導波体とを有し、前記光導波体の
端部から前記光導波体の内部に入射した光を、反
射により前記発熱体上若しくはその近傍に導くこ
とを特徴としてなる。

＜作用＞ 上記手段によれば、画信号に応じて発熱する発
熱体によつて熱エネルギーが、また光導波体から
導かれる光によつて光エネルギーが夫々転写記録
媒体に付与されるものである。

＜実施例＞ 次に前記手段を適用した光熱記録ヘツドの一実
施例を説明する。

第１図は本実施例に係る光熱記録ヘツドＡの一
部切断斜視説明図であり、第２図は断面説明図で
ある。図に於いて、１は記録ヘツドＡの基板であ
つて、アルミナ（Al₂O₃）やセラミツク等からな
り、該基板１上の一部には熱放散を緩和する為
の、ガラス或いは結晶化ガラスからなるグレーズ
層２が設けられている。

また前記グレーズ層２の上面には金、或いは銅
からなる電極３が複数本並列に配設され、且つ
夫々の電極３に掛かるようにして発熱体４が設け
られている。この発熱体４は酸化ルテニウム等の
電気抵抗体によつて構成されており、前記夫々の
電極３に跨がるように配設され、夫々の電極３に
接続された電源（図示せず）から画信号に応じた
パルスによつて所定電極間に電流が流れると、電
流が流れた電極間の発熱体４がジユール熱を発生
する如く構成されている。

次に５は光を前記発熱体４上に導く為の、透明
石英ガラスよりなる光導波体であつて、前記電極
３と反対側の基板１に配設され、且つ発熱体４付
近に於いて若干上方を向くと共に、発熱体４上面
を覆うように構成されている。また前記光導波体
５は基板１上に設けられたガラス材よりなる反射
体６で囲まれ、該反射体６と光導波体５の境界面
にアルミ蒸着を施すことによつて構成されてい
る。

また７は前記ヘツドに光エネルギーを供給する
為の光源であつて、該光源７から照射された光は
光学系８によつて集光され、前記光導波体５に導
かれるものである。

次に上記構成の光熱記録ヘツドＡを使用して画
像を記録する場合について説明する。

第３図は光熱記録ヘツドＡを使用した記録装置
の概略説明図であつて、９は熱により溶融又は軟
化した状態で光が照射されると、溶融温度又は軟
化点が上昇する性質を有する転写記録媒体９ａ
（バインダーポリマー、架橋剤、光開始剤、板定
剤、着色剤等を所定の配分で構成されている）を
フイルムに配したインク・ドナーフイルムであ
り、供給リール１０に巻き回されている。供給リ
ール１０から供給されたフイルム９はプラテンロ
ーラ１１と対向位置に配設された前記光熱記録ヘ
ツドＡに圧接し、該ヘツドＡによつてネガ情報が
形成される。

即ち、記録ヘツドＡに制御回路１２から画信号
に応じた熱パルスが伝達されると、該信号に応じ
た部分の発熱体４が発熱し、フイルム９の転写記
録媒体９ａが加熱される。またこのとき前記熱パ
ルスと同時に光源７から光が照射され、この光が
光導波体５によつて案内され、発熱体４上の転写
記録媒体９ａに照射される。これによつて光エネ
ルギーと熱エネルギーが転写記録媒体９ａに付与
され、それらのエネルギーで転写特性が変化する
転写記録媒体９ａにネガ情報が形成される。

次に前記ネガ情報は転写手段によつて記録シー
ト１３に転写されるものであるが、これは内部に
ヒーター１４を有するヒートローラ１５と、該ヒ
ートローラ１５と対向して配置されると共に、ヒ
ートローラ１５を押圧するピンチローラ１６間に
前記ネガ情報が形成されたフイルム９と記録シー
ト１３を密着して挿通することによつて記録画像
が記録シート１３に転写されるものである。

上記の如く光と熱エネルギーによつて転写特性
が変化する転写記録媒体を使用した記録装置に於
いて、本実施例の光熱記録ヘツドは光と熱を同時
に且つ同一方向から供給することが出来るもので
ある。

尚、前述の実施例に於いて、反射体６として光
導波体５の光の屈折率よりも小さい屈折率のガラ
ス材を使用すれば、反射体６と光導波体５との境
界面で光導波体５からの臨界角以下の光を全反射
させて、光源７の光を発熱体４上に導くことが出
来る。

また光導波体５と空気または真空との屈折率の
差での全反射の原理を利用すれば反射体６を省略
することも出来る。

更に、前述の実施例に於いては光導波体５によ
つて発熱体４の上面に光が導かれるように構成し
たが、第４図に示すように発熱体４上面の光導波
体５内に直径数ミクロンのアルミニウム金属粉を
用いた光拡散材５ａを構成すれば、光導波体５で
発熱体４上に導かれた光エネルギーは光拡散材５
ａによつて均一に分散され、光エネルギーが転写
記録媒体に均一に付与されるものである。

尚、前記光拡散材５ａを構成する例としては前
記アルミニウム金属粉のみに限らず、錫粉、鉄
粉、或いは耐熱樹脂粉等を用いてもよい。

更に光拡散材５ａの構成は光導波体５の内部で
なくてもよく、発熱体４の上部に位置する光導波
体５上面に光拡散材を塗布した光拡散層を構成し
ても同様な効果を得ることが出来る。

また前記実施例では光拡散材５ａを用いたが、
第５図に示す如く発熱体４上の光導波体５内に、
光放射面に対して先端が細くなるような微小突起
部を設け、或いは荒らし加工をすることによつ
て、光散乱部５ｂを形成しても前記光拡散材５ａ
を構成した場合と同様に光エネルギーを転写記録
媒体に対して均一に付与することが出来る。

また前記の場合は光散乱部５ｂを光導波体５の
内部のみに設けたが、更に光導波体５上面にも設
け、該上面に設けた光散乱部が転写記録媒体に接
触したときに平滑になるように該上面に屈折率の
異なつた部材を充填する構成にすれば、光をより
均一に照射することが出来るものである。

＜発明の効果＞ 本発明は上述の如く、ヘツドに熱エネルギーを
付与する発熱体と、光エネルギーを付与する光導
波体を設けた為に、小型ヘツドにして光と熱のエ
ネルギーを転写記録媒体に同時に、且つ同じ側か
ら付与することが出来、従つて記録ヘツドの対向
側にプラテンローラ等を配設することが出来るの
で、ヘツドと転写記録媒体との密着度を高めるこ
とが出来ると共に転写性能も向上し、且つ転写速
度も速めることが可能となる等の特徴を有するも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の光熱記録ヘツドの
斜視説明図、第２図は断面説明図、第３図は記録
構成の説明図、第４図及び第５図は他の実施例の
説明図である。 Ａはヘツド、１は基板、２はグレーズ層、３は
電極、４は発熱体、５は光導波体、５ａは光拡散
材、５ｂは光散乱部、６は反射体、７は光源、８
は光学系、９はインク・ドナーフイルムである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 発熱体と光導波体とを有し、前記光導波体の
   端部から前記光導波体の内部に入射した光を、反
   射により前記発熱体上若しくはその近傍に導くこ
   とを特徴とする光熱記録ヘツド。 ２ 前記発熱体上に位置する光導波体に光拡散材
   を設けてなる特許請求の範囲第１項記載の光熱記
   録ヘツド。 ３ 前記発熱体上に位置する光導波体に光散乱部
   を設けてなる特許請求の範囲第１項記載の光熱記
   録ヘツド。 ４ 発光体と、光熱記録ヘツドと、前記光熱記録
   ヘツドを制御する制御回路とを有する記録装置で
   あつて、前記光熱記録ヘツドが、発熱体と光導波
   体とを基板上に有すると共に、前記光導波体の端
   部から前記光導波体の内部に入射した前記発光体
   の光を、反射により前記発熱体上若しくはその近
   傍に導くものであることを特徴とする記録装置。