JPH038854B2 - - Google Patents
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- JPH038854B2 JPH038854B2 JP21063581A JP21063581A JPH038854B2 JP H038854 B2 JPH038854 B2 JP H038854B2 JP 21063581 A JP21063581 A JP 21063581A JP 21063581 A JP21063581 A JP 21063581A JP H038854 B2 JPH038854 B2 JP H038854B2
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B21—MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
- B21F—WORKING OR PROCESSING OF METAL WIRE
- B21F15/00—Connecting wire to wire or other metallic material or objects; Connecting parts by means of wire
- B21F15/10—Connecting wire to wire or other metallic material or objects; Connecting parts by means of wire wire with sheet metal
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Wire Processing (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は、定着具を埋殺して使用する工場生産
のプレストレストコンクリート部材に適するPC
鋼より線の定着部構造に関するものである。
のプレストレストコンクリート部材に適するPC
鋼より線の定着部構造に関するものである。
(従来技術)
従来、定着具を繰返し使用しないで埋殺して使
用する工場生産のプレストレストコンクリート部
材、例えば遠心力締固めプレテンシヨンPCパイ
ル等にはPC鋼材として鋼線または鋼棒が用いら
れ、その端部を温間(100〜500℃)、亜熱間(500
〜800℃)または冷間でヘツデイング加工するこ
とにより、埋殺し使用可能な定着部となる膨出部
を形成している。ところが、上記パイル等の高強
度化にともなつてPC鋼材も太径化、高強度化が
要求されてきており、この場合に、PC鋼線は、
その太径化、高強度化に限界があり、また、PC
鋼棒も高強度化には限度がある。すなわち、PC
鋼線は、JISG3536に示されるように高炭素鋼線
材を冷間引抜加工で細くし、引抜加工による減面
率を大きくとることにより高強度化を図つている
が、単線であるPC鋼線で太径とした場合、線材
径の制約上から大きな減面率を取ることは困難で
ある。実際に使用されているPC鋼線の最大径は
JIS3536では直径9mmで、その強度は145Kg/mm2程
度にすぎない。また、PC鋼棒は、JISG3109に示
されるように熱処理(焼入れおよび焼戻し)また
は引抜き加工の方法で製造されており、このうち
熱処理による場合、強度のコントロールは焼戻し
温度によつているが、高靭性、耐遅れ破壊特性を
得るためには充分な焼戻しを要するので高強度化
にはおのずから限界がある。一方、引抜き加工に
よる場合、太径の鋼棒では設備上の制限があつ
て、一般にはダイス1パス程度の小加工が普通で
ある。従つて、JISG3109では高強度のD種でも
145Kg/mm2程度にすぎない。
用する工場生産のプレストレストコンクリート部
材、例えば遠心力締固めプレテンシヨンPCパイ
ル等にはPC鋼材として鋼線または鋼棒が用いら
れ、その端部を温間(100〜500℃)、亜熱間(500
〜800℃)または冷間でヘツデイング加工するこ
とにより、埋殺し使用可能な定着部となる膨出部
を形成している。ところが、上記パイル等の高強
度化にともなつてPC鋼材も太径化、高強度化が
要求されてきており、この場合に、PC鋼線は、
その太径化、高強度化に限界があり、また、PC
鋼棒も高強度化には限度がある。すなわち、PC
鋼線は、JISG3536に示されるように高炭素鋼線
材を冷間引抜加工で細くし、引抜加工による減面
率を大きくとることにより高強度化を図つている
が、単線であるPC鋼線で太径とした場合、線材
径の制約上から大きな減面率を取ることは困難で
ある。実際に使用されているPC鋼線の最大径は
JIS3536では直径9mmで、その強度は145Kg/mm2程
度にすぎない。また、PC鋼棒は、JISG3109に示
されるように熱処理(焼入れおよび焼戻し)また
は引抜き加工の方法で製造されており、このうち
熱処理による場合、強度のコントロールは焼戻し
温度によつているが、高靭性、耐遅れ破壊特性を
得るためには充分な焼戻しを要するので高強度化
にはおのずから限界がある。一方、引抜き加工に
よる場合、太径の鋼棒では設備上の制限があつ
て、一般にはダイス1パス程度の小加工が普通で
ある。従つて、JISG3109では高強度のD種でも
145Kg/mm2程度にすぎない。
これに対し、PC鋼より線は、細径に引抜き加
工された素線を多数本(例えば7本もしくは19
本)より合せることにより形成されるので、全体
としては、太径であるが、素線は細径にして減面
率を大きくとることにより高強度とすることがで
き、例えば直径21.8mmで強度を185Kg/mm2程度と
することができる。このようにPC鋼より線は太
径化、高強度化が容易に可能であり、経済性にも
すぐれるため、上記パイル等へのPC鋼より線の
適用が要望されている。しかし、PC鋼より線の
端部定着手段として埋殺し使用可能で安価な構造
は未だ開発されておらず、このためPC鋼より線
を使用できないのが実情であつた。
工された素線を多数本(例えば7本もしくは19
本)より合せることにより形成されるので、全体
としては、太径であるが、素線は細径にして減面
率を大きくとることにより高強度とすることがで
き、例えば直径21.8mmで強度を185Kg/mm2程度と
することができる。このようにPC鋼より線は太
径化、高強度化が容易に可能であり、経済性にも
すぐれるため、上記パイル等へのPC鋼より線の
適用が要望されている。しかし、PC鋼より線の
端部定着手段として埋殺し使用可能で安価な構造
は未だ開発されておらず、このためPC鋼より線
を使用できないのが実情であつた。
つまり、PC鋼より線は、通常、チヤツクまた
はコンプレツシヨングリツプ等の定着金具により
定着されるが、いずれも、高価でかつ寸法も大き
く、埋殺し使用するには不適当である。また、前
述のヘツデイング定着法をPC鋼より線に応用す
る試みはなされているが、この場合にPC鋼より
線の破断強度に対して膨出頭部の強度が不足し、
このため実用化されるに至つていなかつた。
はコンプレツシヨングリツプ等の定着金具により
定着されるが、いずれも、高価でかつ寸法も大き
く、埋殺し使用するには不適当である。また、前
述のヘツデイング定着法をPC鋼より線に応用す
る試みはなされているが、この場合にPC鋼より
線の破断強度に対して膨出頭部の強度が不足し、
このため実用化されるに至つていなかつた。
(発明の目的)
本発明はこれらの事情に鑑み、PC鋼より線の
破断強度に見合う充分な定着部強度が得られ、し
かも小型で埋殺し使用するのに適し、経済性にも
すぐれたPC鋼より線の定着部構造を提供するも
のである。
破断強度に見合う充分な定着部強度が得られ、し
かも小型で埋殺し使用するのに適し、経済性にも
すぐれたPC鋼より線の定着部構造を提供するも
のである。
(発明の構成)
本発明のPC鋼より線の定着部構造は、PC鋼よ
り線の末端の所定の余長部を残した位置に圧着さ
れ、PC鋼より線の破断荷重の約2/3に相当する定
着力を有する長さに形成された筒状の定着金具
と、上記余長部にヘツデイングにより形成され
て、上記定着金具の軸方向端部に密着する膨出頭
部とを備えたものである。とくに本発明者は、後
述する実験データをもとにしてし、PC鋼より線
に定着金具と膨出頭部とを組合せた定着部を設
け、破断力の約2/3を上記定着部材で、残りを膨
出頭部で分担させることにより、100%の定着効
率をもたせながら定着金具を1/3〜1/2に短縮し得
るという事実を見出し、これに基づいて本発明を
完成したものである。
り線の末端の所定の余長部を残した位置に圧着さ
れ、PC鋼より線の破断荷重の約2/3に相当する定
着力を有する長さに形成された筒状の定着金具
と、上記余長部にヘツデイングにより形成され
て、上記定着金具の軸方向端部に密着する膨出頭
部とを備えたものである。とくに本発明者は、後
述する実験データをもとにしてし、PC鋼より線
に定着金具と膨出頭部とを組合せた定着部を設
け、破断力の約2/3を上記定着部材で、残りを膨
出頭部で分担させることにより、100%の定着効
率をもたせながら定着金具を1/3〜1/2に短縮し得
るという事実を見出し、これに基づいて本発明を
完成したものである。
(実施例)
第1図は本発明の定着部構造の具体例を示し、
同図において、1はPC鋼より線、2はヘツデイ
ング加工により形成された膨出頭部、3はPC鋼
より線1に圧着されたコンプレツシヨングリツプ
(定着金具)である。ここで、コンプレツシヨン
グリツプとは、スリーブをPC鋼材に圧着させて
定着部を形成するものをいう。つまりこのコンプ
レツシヨングリツプ3からなる定着金具は、スリ
ーブがPC鋼より線1に圧着することにより互い
の接触部分が塑性変形してPC鋼より線1と一体
化し、PC鋼より線1に外周から把持力を加える
ものである。図において、コンプレツシヨングリ
ツプ3は、スリーブ4と、増摩材としての断面三
角形状鋼線コイル5とを用い、この三角線コイル
5をPC鋼より線1とスリーブ4との間に介在さ
せた状態で、スリーブ4をPC鋼より線1に圧着
し、一体化している。ただし、増摩材としては上
記三角形コイル5に限らず、カーボランダム等適
宜の増摩材を使用し、あるいは、PC鋼より線1
自体に若干のネジ切り等で増摩作用をもたせても
よい。
同図において、1はPC鋼より線、2はヘツデイ
ング加工により形成された膨出頭部、3はPC鋼
より線1に圧着されたコンプレツシヨングリツプ
(定着金具)である。ここで、コンプレツシヨン
グリツプとは、スリーブをPC鋼材に圧着させて
定着部を形成するものをいう。つまりこのコンプ
レツシヨングリツプ3からなる定着金具は、スリ
ーブがPC鋼より線1に圧着することにより互い
の接触部分が塑性変形してPC鋼より線1と一体
化し、PC鋼より線1に外周から把持力を加える
ものである。図において、コンプレツシヨングリ
ツプ3は、スリーブ4と、増摩材としての断面三
角形状鋼線コイル5とを用い、この三角線コイル
5をPC鋼より線1とスリーブ4との間に介在さ
せた状態で、スリーブ4をPC鋼より線1に圧着
し、一体化している。ただし、増摩材としては上
記三角形コイル5に限らず、カーボランダム等適
宜の増摩材を使用し、あるいは、PC鋼より線1
自体に若干のネジ切り等で増摩作用をもたせても
よい。
上記コンプレツシヨングリツプ3は、PC鋼よ
り線1の末端の、膨出頭部2を形成するための余
長部を残した位置に圧着されており、その長さ
は、PC鋼より線の破断荷重の約2/3に相当する定
着力をもたせる程度に予め形成されている。これ
により、後に明らかにするように、コンプレツシ
ヨングリツプのみでPC鋼より線の破断荷重に相
当する定着力を持たせる場合と比べ、コンプレツ
シヨングリツプ3の長さは1/2〜1/3程度となる。
そして、PC鋼より線1の末端の上記余長部に、
膨出頭部2が、コンプレツシヨングリツプ3の軸
方向端部に密着する状態に形成されている。な
お、6は支圧板、7は支圧板6に形成した定着用
孔である。
り線1の末端の、膨出頭部2を形成するための余
長部を残した位置に圧着されており、その長さ
は、PC鋼より線の破断荷重の約2/3に相当する定
着力をもたせる程度に予め形成されている。これ
により、後に明らかにするように、コンプレツシ
ヨングリツプのみでPC鋼より線の破断荷重に相
当する定着力を持たせる場合と比べ、コンプレツ
シヨングリツプ3の長さは1/2〜1/3程度となる。
そして、PC鋼より線1の末端の上記余長部に、
膨出頭部2が、コンプレツシヨングリツプ3の軸
方向端部に密着する状態に形成されている。な
お、6は支圧板、7は支圧板6に形成した定着用
孔である。
この定着部構造を得る方法の一例を第2図によ
つて説明する。同図は、コンプレツシヨングリツ
プ3の圧着およびヘツデイングを行なう前の状態
を示し、PC鋼より線1は既に支圧板6の定着用
孔7に挿入されている。このPC鋼より線1の端
部2′にヘツデイングできるだけの余長(PC鋼よ
り線径の1〜2倍)を残した位置で、PC鋼より
線1の外周に、前記三角形コイル5等の増摩材お
よびスリーブ4を配備し、スウエージング等によ
りスリーブ4を矢印イで示すようにPC鋼より線
に圧着する。この場合、膨出頭部形成用のヘツデ
イング機のチヤツキングダイス(図示せず)でス
リーブ4のスウエージングを行ない、上記ダイス
がスウエージングとチヤツキングの役割を同時に
果すようにすることもできる。この圧着作業と同
時に、ヘツデイング機のヘツデイングダイス10
にてPC鋼より線1をヘツデイングすることによ
り、膨出頭部2を形成する。こうして、膨出頭部
2とコンプレツシヨングリツプ3とが密着、一体
化した定着部を得る。しかる後、前記支圧板6で
緊張した後締止し、PC鋼より線1の定着を行な
う。
つて説明する。同図は、コンプレツシヨングリツ
プ3の圧着およびヘツデイングを行なう前の状態
を示し、PC鋼より線1は既に支圧板6の定着用
孔7に挿入されている。このPC鋼より線1の端
部2′にヘツデイングできるだけの余長(PC鋼よ
り線径の1〜2倍)を残した位置で、PC鋼より
線1の外周に、前記三角形コイル5等の増摩材お
よびスリーブ4を配備し、スウエージング等によ
りスリーブ4を矢印イで示すようにPC鋼より線
に圧着する。この場合、膨出頭部形成用のヘツデ
イング機のチヤツキングダイス(図示せず)でス
リーブ4のスウエージングを行ない、上記ダイス
がスウエージングとチヤツキングの役割を同時に
果すようにすることもできる。この圧着作業と同
時に、ヘツデイング機のヘツデイングダイス10
にてPC鋼より線1をヘツデイングすることによ
り、膨出頭部2を形成する。こうして、膨出頭部
2とコンプレツシヨングリツプ3とが密着、一体
化した定着部を得る。しかる後、前記支圧板6で
緊張した後締止し、PC鋼より線1の定着を行な
う。
膨出頭部2を形成する方法としては通常の冷間
ヘツデイング法でもよいが、高強度のPC鋼より
線の場合200℃〜600℃の温間又は亜熱間でのヘツ
デイング法の方が適している。この理由は、PC
鋼より線の場合、より線の構成素線が高強度であ
り、かつヘツデイング方向に対してある角度(よ
り角度)を有しているため、変形抵抗を出来るだ
け小さくしてヘツデイング加工をしてやる必要が
あるためである。ここで下限を200℃とし、上限
を600℃としたのはいずれも実験結果に基づくも
のであるが、200℃以下になると青熱脆化、又600
℃以上では赤熱脆化域に近づくため変形抵抗値が
大となるためである。
ヘツデイング法でもよいが、高強度のPC鋼より
線の場合200℃〜600℃の温間又は亜熱間でのヘツ
デイング法の方が適している。この理由は、PC
鋼より線の場合、より線の構成素線が高強度であ
り、かつヘツデイング方向に対してある角度(よ
り角度)を有しているため、変形抵抗を出来るだ
け小さくしてヘツデイング加工をしてやる必要が
あるためである。ここで下限を200℃とし、上限
を600℃としたのはいずれも実験結果に基づくも
のであるが、200℃以下になると青熱脆化、又600
℃以上では赤熱脆化域に近づくため変形抵抗値が
大となるためである。
又、この方法によると、ヘツデイング時に頭部
内側部分を、チヤツキングダイスでなくこれより
軟質のスリーブ4で受けとめるため、PC鋼より
線の素線とスリーブ4とのなじみを生じ、頭部内
側首部におけるPC鋼より線の素線の座屈による
強度低下を軽減するという副次的効果が得られ
る。
内側部分を、チヤツキングダイスでなくこれより
軟質のスリーブ4で受けとめるため、PC鋼より
線の素線とスリーブ4とのなじみを生じ、頭部内
側首部におけるPC鋼より線の素線の座屈による
強度低下を軽減するという副次的効果が得られ
る。
この定着部構造においては、PC鋼より線1の
破断荷重に相当する張力に対し、その約2/3がコ
ンプレツシヨングリツプ3により、残りの力が膨
出頭部2による分担して耐荷される。この場合、
コンプレツシヨングリツプ3と膨出頭部2とが軸
方向に密着しているため両者に確実に負荷が分担
耐荷される。つまり、もし両者の間に間隔がある
と、PC鋼より線にコンプレツシヨングリツプの
静止最大摩擦力(定着力)以上の負荷が作用した
ときコンプレツシヨングリツプがすべつて圧着摩
擦力が低下し、膨出頭部に当接したときに膨出頭
部にかかる分担力が過大となるが、上記両者を軸
方向に密着させれば確実にコンプレツシヨングリ
ツプ3の静止摩擦力と膨出頭部2とで負荷が分担
耐荷されることとなる。
破断荷重に相当する張力に対し、その約2/3がコ
ンプレツシヨングリツプ3により、残りの力が膨
出頭部2による分担して耐荷される。この場合、
コンプレツシヨングリツプ3と膨出頭部2とが軸
方向に密着しているため両者に確実に負荷が分担
耐荷される。つまり、もし両者の間に間隔がある
と、PC鋼より線にコンプレツシヨングリツプの
静止最大摩擦力(定着力)以上の負荷が作用した
ときコンプレツシヨングリツプがすべつて圧着摩
擦力が低下し、膨出頭部に当接したときに膨出頭
部にかかる分担力が過大となるが、上記両者を軸
方向に密着させれば確実にコンプレツシヨングリ
ツプ3の静止摩擦力と膨出頭部2とで負荷が分担
耐荷されることとなる。
次に、コンプレツシヨングリツプ3の長さを特
定した根拠およびその効果を示す実験データを示
す。
定した根拠およびその効果を示す実験データを示
す。
PC鋼より線にヘツデイングによつて膨出頭部
を形成した場合、膨出頭部の定着効率(PC鋼よ
り線の破断強度に対する膨出頭部の定着強度の比
率)は30〜50%程度、つまり略1/3〜1/2である。
従つて、コンプレツシヨングリツプ3と膨出頭部
2とに破断荷重を分担して耐荷させるには、膨出
頭部2の定着効率の上記範囲での不安定性を配慮
すると、その範囲内で膨出頭部2の定着強度が低
い値(破断強度の約1/3)のときにも不足分がコ
ンプレツシヨングリツプ3で補われるように、破
断荷重の約2/3をコンプレツシヨングリツプ3に、
残りを膨出頭部2に分担して耐荷させることが好
ましい。
を形成した場合、膨出頭部の定着効率(PC鋼よ
り線の破断強度に対する膨出頭部の定着強度の比
率)は30〜50%程度、つまり略1/3〜1/2である。
従つて、コンプレツシヨングリツプ3と膨出頭部
2とに破断荷重を分担して耐荷させるには、膨出
頭部2の定着効率の上記範囲での不安定性を配慮
すると、その範囲内で膨出頭部2の定着強度が低
い値(破断強度の約1/3)のときにも不足分がコ
ンプレツシヨングリツプ3で補われるように、破
断荷重の約2/3をコンプレツシヨングリツプ3に、
残りを膨出頭部2に分担して耐荷させることが好
ましい。
そして、上記コンプレツシヨングリツプ3は、
前述のようにスリーブがPC鋼より線1に圧着し
て互いの接触部分が塑性変形し、かつ、三角線コ
イル5がスリーブおよびPC鋼より線1に食込ん
で密着一体化した状態となつており、この状態で
の定着力はスリーブ長さに依存する。そこで、定
着力とスリーブ長さとの対応関係に基づき、上記
コンプレツシヨングリツプ3は破断荷重の約2/3
に相当する定着力を有する長さに設定されてい
る。つまり、コンプレツシヨングリツプ3のスリ
ーブ長さと定着荷重との関係は、定着効率試験結
果によると第3図のグラフに示すようになる。こ
のグラフはPC鋼より線に12.7mm径のものを用い、
増摩材に前記三角線コイルを使用したコンプレツ
シヨングリツプの、定着効率試験を行なつた結果
を示す。同グラフにおいて、PはPC鋼より線の
規格破断荷重(18700Kg)を示し、縦軸の定着荷
重はスリーブ長さを変化させて定着試験を行なつ
た場合の試験供試体の破断及び圧着スリーブから
抜け出した時の荷重を示す。このグラフ中の曲線
Aはコンプレツシヨングリツプだけを用いた場合
の試験結果、曲線Bは本発明のように膨出頭部2
とコンプレツシヨングリツプを組合わせた場合の
試験結果を示す。同グラフから明らかなように、
コンプレツシヨングリツプだけで規格破断力を持
たせようとすると、50〜60mmのスリーブ長が必要
となるのに対し、本発明の構造によりコンプレツ
シヨングリツプ3で規格破断荷重の約2/3を負担
させる場合、そのスリーブ長が約20mmとなり、上
記のコンプレツシヨングリツプのみによると場合
と比べて1/3近くにまでスリーブ長が短縮される。
前述のようにスリーブがPC鋼より線1に圧着し
て互いの接触部分が塑性変形し、かつ、三角線コ
イル5がスリーブおよびPC鋼より線1に食込ん
で密着一体化した状態となつており、この状態で
の定着力はスリーブ長さに依存する。そこで、定
着力とスリーブ長さとの対応関係に基づき、上記
コンプレツシヨングリツプ3は破断荷重の約2/3
に相当する定着力を有する長さに設定されてい
る。つまり、コンプレツシヨングリツプ3のスリ
ーブ長さと定着荷重との関係は、定着効率試験結
果によると第3図のグラフに示すようになる。こ
のグラフはPC鋼より線に12.7mm径のものを用い、
増摩材に前記三角線コイルを使用したコンプレツ
シヨングリツプの、定着効率試験を行なつた結果
を示す。同グラフにおいて、PはPC鋼より線の
規格破断荷重(18700Kg)を示し、縦軸の定着荷
重はスリーブ長さを変化させて定着試験を行なつ
た場合の試験供試体の破断及び圧着スリーブから
抜け出した時の荷重を示す。このグラフ中の曲線
Aはコンプレツシヨングリツプだけを用いた場合
の試験結果、曲線Bは本発明のように膨出頭部2
とコンプレツシヨングリツプを組合わせた場合の
試験結果を示す。同グラフから明らかなように、
コンプレツシヨングリツプだけで規格破断力を持
たせようとすると、50〜60mmのスリーブ長が必要
となるのに対し、本発明の構造によりコンプレツ
シヨングリツプ3で規格破断荷重の約2/3を負担
させる場合、そのスリーブ長が約20mmとなり、上
記のコンプレツシヨングリツプのみによると場合
と比べて1/3近くにまでスリーブ長が短縮される。
コンプレツシヨングリツプのスリーブの材質、
減面率、増摩材等が変わつた場合でも、スリーブ
長と定着荷重との関係は、数量的には変化するも
のの、定性的には上記グラフと同様の傾向を示
す。従つて、本発明の構造において前記コンプレ
ツシヨングリツプ3の長さを、PC鋼より線の破
断荷重の約2/3に相当する定着力を有する長さに
形成することにより、コンプレツシヨングリツプ
のみで定着する場合に必要な長さの1/2〜1/3にす
ることができる。
減面率、増摩材等が変わつた場合でも、スリーブ
長と定着荷重との関係は、数量的には変化するも
のの、定性的には上記グラフと同様の傾向を示
す。従つて、本発明の構造において前記コンプレ
ツシヨングリツプ3の長さを、PC鋼より線の破
断荷重の約2/3に相当する定着力を有する長さに
形成することにより、コンプレツシヨングリツプ
のみで定着する場合に必要な長さの1/2〜1/3にす
ることができる。
(発明の効果)
以上のように、本発明の定着部構造によると、
PC鋼より線の破断荷重に相当する負荷の約2/3を
定着金具で、残りを膨出頭部で分担耐荷するよう
にしているため、上記破断荷重相当の負荷にも耐
え得る100%の定着効率を持たせながら、コンプ
レツシヨングリツプのみで定着する場合と比べて
コンプレツシヨングリツプの長さが約1/3〜1/2に
短縮され、安価で小型な定着部が得られる。そし
てこの定着部構造により、定着部を埋殺し使用す
る工場生産のプレストレストコンクリート部材
に、従来のPC鋼線またはPC鋼棒に代えてPC鋼
より線が使用できるようになり、その結果、次の
ような種々の効果が得られる。すなわち、まず、
PC鋼材の節約となる。つまり、PC鋼材の量は原
則的にその強度に比例するため、例えば異形PC
鋼棒(引張強さ=145Kg/mm2)をPC鋼より線(引
張強さ=190Kg/mm2)に代えれば〔190/145≒
1.3〕の強度アツプにより約3割の材料が節減さ
れる。また、高強度のPC鋼より線の使用により、
PC鋼材本数が減少し、このためカツテイングや
配線等の作業も少なくし得、作業能率を向上す
る。さらに、PC鋼線やPC鋼棒ではなし得ない高
荷重のプレストレスの導入が可能となる。
PC鋼より線の破断荷重に相当する負荷の約2/3を
定着金具で、残りを膨出頭部で分担耐荷するよう
にしているため、上記破断荷重相当の負荷にも耐
え得る100%の定着効率を持たせながら、コンプ
レツシヨングリツプのみで定着する場合と比べて
コンプレツシヨングリツプの長さが約1/3〜1/2に
短縮され、安価で小型な定着部が得られる。そし
てこの定着部構造により、定着部を埋殺し使用す
る工場生産のプレストレストコンクリート部材
に、従来のPC鋼線またはPC鋼棒に代えてPC鋼
より線が使用できるようになり、その結果、次の
ような種々の効果が得られる。すなわち、まず、
PC鋼材の節約となる。つまり、PC鋼材の量は原
則的にその強度に比例するため、例えば異形PC
鋼棒(引張強さ=145Kg/mm2)をPC鋼より線(引
張強さ=190Kg/mm2)に代えれば〔190/145≒
1.3〕の強度アツプにより約3割の材料が節減さ
れる。また、高強度のPC鋼より線の使用により、
PC鋼材本数が減少し、このためカツテイングや
配線等の作業も少なくし得、作業能率を向上す
る。さらに、PC鋼線やPC鋼棒ではなし得ない高
荷重のプレストレスの導入が可能となる。
第1図は本発明の定着部構造の実施例を示す断
面図、第2図はこの定着部構造を得る方法の一例
を示す断面図、第3図はコンプレツシヨングリツ
プのスリーブ長さと定着荷重との関係を示すグラ
フである。 1……PC鋼より線、2……膨出頭部、3……
コンプレツシヨングリツプ(定着金具)。
面図、第2図はこの定着部構造を得る方法の一例
を示す断面図、第3図はコンプレツシヨングリツ
プのスリーブ長さと定着荷重との関係を示すグラ
フである。 1……PC鋼より線、2……膨出頭部、3……
コンプレツシヨングリツプ(定着金具)。
Claims (1)
- 1 PC鋼より線の末端の所定の余長部を残した
位置に圧着され、PC鋼より線の破断荷重の約2/3
に相当する定着力を有する長さに形成された筒状
の定着金具と、上記余長部にヘツデイングにより
形成されて、上記定着金具の軸方向端部に密着す
る膨出頭部とを備えたことを特徴とするPC鋼よ
り線の定着部構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21063581A JPS58112620A (ja) | 1981-12-28 | 1981-12-28 | Pc鋼より線類の定着部構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21063581A JPS58112620A (ja) | 1981-12-28 | 1981-12-28 | Pc鋼より線類の定着部構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS58112620A JPS58112620A (ja) | 1983-07-05 |
JPH038854B2 true JPH038854B2 (ja) | 1991-02-07 |
Family
ID=16592573
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21063581A Granted JPS58112620A (ja) | 1981-12-28 | 1981-12-28 | Pc鋼より線類の定着部構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS58112620A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0275431A (ja) * | 1988-09-12 | 1990-03-15 | Hokkai Koki Kk | Pc鋼より線転造ねじ加工方法 |
JPH0275430A (ja) * | 1988-09-12 | 1990-03-15 | Hokkai Koki Kk | Pc鋼より線頭部成形加工方法 |
JP2014201928A (ja) * | 2013-04-03 | 2014-10-27 | 株式会社富士ボルト製作所 | 定着金具の製造方法 |
-
1981
- 1981-12-28 JP JP21063581A patent/JPS58112620A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS58112620A (ja) | 1983-07-05 |
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