JPH038835B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は樹脂製品の一部にのみ塗装を施す方法
に関する。

（従来の技術） 最近では多くの製品が樹脂を、押出成形、射出
成形、吹込成形或いは真空成形することによつて
製造されている。

例えば自動車用バンパーも樹脂一体製品として
製造されており、このバンパーとしてはバンパー
部及びグリル部を備えたスカート部を一体成形し
たものがある。

そして、スカート部及びグリル部をも一体的に
成形した自動車用バンパーにあつては、車体外観
の統一性を図るため、一部のみ、例えばスカート
部のみを車体色と同一色に塗装する場合がある。

このように、例えばスカート部のみを部分塗装
する場合の従来方法は、塗装見切線に沿つた非塗
装部側にテープを貼着して塗装を行う方法が一般
的に行われてきたが、この方法によると、先ず見
切線に沿つてテープを貼る作業に手間がかかり、
特に曲面部にあつてはテープの折れ、重なり等に
より密着不良箇所が生じ、塗装に際にこの部分に
塗料が食み出す不利がある。

このため、特開昭57−35970号に示す如きスト
リツパブルペイントを用いる方法が知られてい
る。この方法は樹脂成形品の表面全面にストリツ
パブルペイントを塗布乾燥せしめ、次いで見切線
に沿つてストリツパブルペイントを切断し、塗装
部分のストリツパブルペイントを剥離した後に塗
装を行うようにしたものである。

（発明が解決しようとする問題点） 上述したストリツパブルペイントを用いる方法
にあつては、ストリツパブルペイントを塗布乾燥
せしめ、更にこれを切断するという工程があるた
め、作業自体が面倒であり、また刃具によつてス
トリツパブルペイントを切断する際に引きずりを
生じ、この部分に後の塗装をおいて塗料が出する
不利があり、更には刃具で樹脂成形品表面を傷つ
けることもある。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するための手段は、樹脂成形
品の塗装見切線に沿つて塗膜の厚さよりも低い断
面△状状の突状を一体成形し、この突状を含む樹
脂成形品の表面にストリツパブルペイントを塗布
し、このストリツパブルペイントを乾燥せしめて
樹脂被膜のうち塗装部表面に付着する樹脂被膜を
前記突状に沿つて剥離し、、次いで該塗装部表面
に塗料を塗布し、該塗料の乾燥を待つて非塗装部
表面のストリツパブルペイント樹脂被膜とこれに
付着した塗料とを剥離し、部分的に塗料による塗
膜を形成するようにした樹脂成形品の部分塗装方
法である。

（実施例） 以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて説
明する。

第１図は樹脂成形品としての塗装前の自動車用
フロントバンパーを示し、フロントバンパー１は
バンパー部２、スカート部３を一体成形してな
り、スカート部３前面にはグリル部４が様に一体
成形されている。そして、バンパー部２とスカー
ト部３との境界部及グリル部４の周囲には見切線
に沿つて突状５が一体成形されている。

この突状５は断面図である第２図及び拡大図で
ある第３図に示す如く、先部が尖つた断面△状を
なし、その高さは後に形成する塗膜厚さ以下（等
しい場合を含む）とするのが好ましく、具体的に
は高さ(h)は0.1〜0.2mm程度とし、且つ突状５の先
端角（θ）は15〜45゜とする。

次に上記フロントバンパー１のスカート部３に
部分塗装を施す手順を第４図乃至第７図に基づい
て説明する。尚、図面ではバンパー部２とスカー
ト部３との境界部について示したが、スカート部
３とグリル部４との境界部についても手順は同じ
である。

先ず、第４図に示すようにバンパー部２とスカ
ート部３にかけて突状５を覆うようにストリツパ
ブルペイントを塗布し、このストリツパブルペイ
ントを乾燥せしめて樹脂被膜６とする。

次いで第５図に示す如く非塗装部、即ちバンパ
ー部２表面の樹脂被膜６ａを残し、塗装部、即ち
スカート部３表面の樹脂被膜６ｂを剥離する。こ
の場合、樹脂被膜６は突状５の部分において極め
て薄厚となつているか、或いは分離しているた
め、特別の刃具を用いることなく、単に樹脂被膜
６ｂを引つ張るだけで剥離することができる。

この後第６図に示す如く、スプレーガン７を用
いてスカート部３表面に塗料８を噴霧する。そし
て塗料８が乾燥したならば第７図に示すように、
バンパー部２表面の樹脂被膜６ａを剥離する。而
してスカート部３のみが塗装された部分塗装樹脂
成形品を得る。ここで塗膜の厚さ（ｔ）は第７図
にも示すように突状５の高さ以上のものとするの
が好ましい。このようにすることで塗装後に突状
５が目立つことがない。

（発明の効果） 以上に説明した如く本発明によれば、部分塗装
を施す樹脂成形品の塗装見切線に沿つて予め突状
を形成したので、後にストリツパブルペイントを
塗布して樹脂被膜を形成した場合に、刃具等を用
いることなく、突状に沿つて樹旨被膜を麗に剥離
することができ、塗装部と非塗装部の境界を明確
にすることができる。また、塗膜の厚さを突状の
高さ以上とすれば、塗装後に突状が目立つことも
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る樹脂成形品の一例として
の自動車用フロントバンパーの斜視図、第２図は
フロントバンパーの断面図、第３図は第２図の要
部拡大図、第４図乃至第７図はフロントバンパー
に部分塗装を施す工程を示した断面図である。 尚、図面中１は樹脂成形品であるフロントバン
パー、２はバンパー部、３はスカート部、４はグ
リル部、５は突状、６はストリツパブルペイント
が乾燥した樹脂被膜、８は塗料である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 樹脂成形品の塗装見切線に沿つて塗膜の厚さ
   よりも低い断面△状の突状を体成形し、この突状
   を含む樹脂成形品の表面にストリツパブルペイン
   トを塗布し、このストリツパブルペイントを乾燥
   せしめて樹脂被膜とし、この樹脂被膜のうち塗装
   部表面に付着する樹脂被膜を前記突状に沿つて剥
   離し、次いで該塗装部表面に塗料を塗布し、該塗
   料の乾燥を待つて非塗装部表面のストリツパブル
   ペイント樹脂被膜とこれに付着した塗料とを剥離
   し、部分的に塗料による塗膜を形成するようにし
   たことを特徴とする樹脂成形品の部分塗装方法。