JPH038807A - ピッチ系炭素繊維の製造方法 - Google Patents

ピッチ系炭素繊維の製造方法

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JPH038807A
JPH038807A JP13722389A JP13722389A JPH038807A JP H038807 A JPH038807 A JP H038807A JP 13722389 A JP13722389 A JP 13722389A JP 13722389 A JP13722389 A JP 13722389A JP H038807 A JPH038807 A JP H038807A
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carbonized
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JP13722389A
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Hiroyuki Kuroda
博之 黒田
Kikuji Komine
小峰 喜久治
Makoto Miyazaki
誠 宮崎
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Tonen General Sekiyu KK
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Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 、−1 本発明は、炭素質ピッチから製造されるピッチ系炭素繊
維の製造方法に関し、特に繊維束の1IlI着を解除し
た高品質のピッチ系炭素繊維を製造することを可能とし
たピッチ系炭素繊維の製造方法に関するものである。
本明細書にて「炭素繊維」とは特に明記しない場合には
炭素繊維のみならず黒鉛繊維をも含めて使用する。
【え立且遣 現在、レーヨン系やPAN系の炭素繊維並びにピッチ系
炭素繊維は種々の技術分野にて広く使用されるに至り、
特に1石油系ピッチ、石炭系ピッチ等の炭素質ピッチか
ら製造されるピッチ系炭素繊維は、レーヨン系やPAN
系の炭素l!I雑に比較して炭化収率が高く1弾性率等
の物理的特性も優れており、更に低コストにて製造し得
るという利点を有しているために近年注目を浴びている
現在、ピッチ系炭素繊維は、 (1)石油系ピッチ、石炭系ピッチ等から炭素繊維に適
した炭素質ビー、チを調製し、該炭素質ピッチを加熱溶
融して紡糸機にて紡糸し、集束してピッチ繊維束を製造
し、 (2)前記ピッチ繊維束を不融化炉で酸化性雰囲気下に
て温度O〜350℃までに加熱して不融化し、 (3)引き続いて、該不融化された繊維束を予備炭化炉
で不活性雰囲気下にて最高温度5oo−t500℃まで
加熱して予備炭化し、 (4)次いで、予備炭化された繊維束を炭化炉で不活性
雰囲気下にて温度1soo〜2000℃まで加熱して炭
化し、更には3000℃まで加熱して黒鉛化すること、 により製造されている。
が     よ − しかしながら、炭化或いは黒鉛化処理された炭素繊維は
、前の工程にて使用された集束剤、サイジング剤などの
油剤によって、又、熱処理時に発生する分解ガスによっ
て、更にはピッチ繊維自体が有している成分によって、
炭素繊維を構成しているtoo−tooooo木のフィ
ラメント(単糸)が互いに融着したり、或いは膠着した
りしており、炭素#amの物性低下、複合材料とした場
合の均質性の低下などを生ぜしめる原因となっているこ
とが分かつている。
本明細書にて「融着」とは複数本のフィラメントが一つ
の組織を形成する程度に結合し一体化した状態を意味し
、「膠着」とは複数本のフィラメントが単に接触した状
態にて結合しており、各フィラメントの組織は一体化せ
ず別々に存在している状態を意味する。
このような問題を解決するために、炭素繊維を複数個の
ローラ或いはバー等の間を通して強制的に屈曲せしめ機
械的に炭素繊維の融着或いは膠着を解除する開繊方法が
提案されているが、このような機械的方法で良好な結果
を得るには炭素繊維を相当厳しく屈曲させる、即ち「し
ごく」ことを必要とし、炭素繊維にとって好ましくない
毛羽立ちが発生した。又、例え斯る厳しい開繊作業を行
なったとしても一旦融着したフィラメントを解きほぐす
ことは不可能であった。
このような機械的開繊方法の代りに空気酸化による開繊
方法が提案されている(特開昭63−175122号)
、該開繊方法は、aOO℃〜1200℃にて一次炭化処
理した繊維束を酸素含有雰囲気下、350℃〜650℃
に加熱することによりN7&m東の開繊、更には表面積
向上を図らんとするものであるが、本発明者らの研究実
験の結果によると、斯る空気酸化による開繊方法では、
毛羽立ちもなく炭素繊維の開繊をある程度達成し得るが
、開繊のための処理時間が18〜200分と長い上に、
更に空気酸化が各フィラメントの中心部まで進行するこ
とが多く、炭素繊維の物性を大きく低下せしめることが
分かった。
本発明者らは、上記従来の開繊方法の問題点を解決する
べく多くの研究実験を行なった結果、溶融紡糸し、集束
されたピッチ繊維束を不融化したのち、ピッチ繊維束を
最高温度500−1500℃で加熱して予備炭化する際
に、微量酸素含有雰囲気を用いて予41a’R化を行な
えば、ピッチ繊維束を構成する各フィラメントの表面の
みを酸化して、各フィラメントの膠着を解除した状態で
ピッチ繊維束を予備炭化することができ、然もその表面
を酸化されたフィラメントは物性が低下するどころか反
って向上する傾向にあり、その結果予備炭化繊維束を焼
成して得られた炭素繊維は、各フィラメント間に膠着及
び融着が実質的に全く見受けられず、優れた物性を示す
ことを見出した。
本発明は斯る新規な知見に基ずきなされたものである。
従って、本発明の目的は、各フィラメント間に111J
7及び融着のない、優れた物性を示すピッチ系炭素繊維
を効率よく製造することができるピッチ系炭素繊維の製
造方法を提供することである。
ための と記目的は本発明に係るピッチ系炭素繊維の製造方法に
て達成される。要約すれば本発明は、不融化されたピッ
チ繊維束を予備炭化し、次いで)欠化し、必要に応じて
更に黒鉛化する炭素繊維の製造方法において、前記ピッ
チ繊維束の予備炭化を微ji)酸素含有雰囲気下、最高
温度500−1500℃で加熱することにより行なうこ
とを特徴とするピッチ系炭素繊維の製造方法である。
本発明では、紡糸、集束されたピッチ繊維束は、従来通
り不融化、予備炭化および炭化、必要に応じて更に黒鉛
化を経て炭素繊維とされるが、予備炭化を除く不融化、
炭化および黒鉛化は公知の方法で行なえばよい、即ち、
不融化はピッチ繊維束を酸化性雰囲気下、温度200℃
〜350℃で加熱することにより行なわれ、炭化はピッ
チ繊維束を予備炭化して得られた予(#炭化繊維束を不
活性雰囲気下、最高温度1500〜2000℃まで加熱
焼成することにより行なわれ、黒鉛化は更に最高温度3
000℃まで加熱焼成することにより行なわれる。
本発明では、このように製造される炭素繊維の膠着をな
くすために、不融化されたピッチm線束の予備炭化を、
100〜30000ppaz7)微量酸素含有雰囲気を
使用して、最高温度500〜1500℃で加熱すること
により行なうものである。
このような微量酸素含有雰囲気下でピッチ繊維束を加熱
すると、ピッチ繊維束を構成するフィラメントが予4n
炭化されると同時に、その含有酸素により各フィラメン
ト表面上の膠着原因物質が酸化、除去され、フィラメン
ト表面のみが軽度に酸化された状態で、フィラメントの
膠着が解除される。また表面を軽度に酸化されたフィラ
メントは、理由は定かではないが、物性が低下するどこ
ろか反って向上する。従って、本発明では、予備炭化に
より得られた予Iil炭化繊維束を焼成することにより
、フィラメントに111着が実質的に全く見受けられな
い高品質の炭素繊維を製造することが回部となる。
上記の微量酸素含有雰囲気中の酸素濃度が1100pp
未満であると、酸素が少な過ぎてピッチ繊維束のフィラ
メントの111着を有効に解除することができない、一
方、酸素濃度が30000ppmt−超えると、酸素が
多過ぎてピッチ繊維束のフィラメントを過度に酸化して
、フィラメントの中心部まで酸化を進行させてしまい、
炭素繊維の物性を大きく低下させる原因となる。従って
、本発明では、微量酸素含有雰囲気中の酸素濃度は、1
00〜30000ppmの範囲内とする。
上記微壕酸素含有雰囲気は、従来の予#iI炭化で用い
られているアルゴン、窒素等の不活性雰囲気中にM素を
100〜30000ppmとなるように含有させること
により、調製される。
ピッチ繊維束を加熱する微量酸素含有雰囲気の加熱温度
は、従来と同様、最高500−1500℃とされる。加
熱温度が最高500℃に至らない場合は、ピッチ繊維束
を有効に予4#1炭化することができず、逆に最高15
00℃を越える場合は。
ピッチ繊維束を過度に炭化させてしまい、予#il炭化
の目的を果せない。
微植酸素雰囲気下、最高温度500〜1500℃でのピ
ッチ繊維束の加熱時間は、1〜20分とされる。加熱時
間が1分未満では、ピッチ繊維束を十分に予備炭化する
ことができず、逆に20分を超えると、ピッチ繊維束の
予備炭化は問題ないものの、雰囲気中に含有させた酸素
による酸化がフィラメントの表面に留まらず、中心部ま
で進行してしまい、炭素HA雑の物性低下を招くことに
なる。従って、加熱時間は1〜20分とすることが好ま
しい。
以上のような微量酸素含有雰囲気下での加熱によってピ
ッチ繊維束は予備炭化されると同時に、フィラメント表
面の膠着原因物質が酸化、除去され、膠着が解除される
第1図に、本発明に突って、不融化されたピッチ繊維束
をwIi量酸素含有雰囲気中で加熱することにより、予
備炭化と同時に開繊を行なった場合の予#il炭化繊維
東の膠着度と雰囲気の含有酸素濃度との関係を示す、比
較のために、不融化されたピッチ繊維束を従来通りその
まま不活性雰囲気中で予JIA炭化した場合の実験結果
を、第1図中に合せて示す。
本明細書にて、11着度(%)は、3000フイラメン
トから成る予備炭化繊維束を3 m m幅に切り取り、
これをエタノールに浸漬し、30秒間エアーを吹込み、
その後w4微鏡下で20倍の倍率でB 7? している
フィラメントの総本数(N)を数えることにより次の式
にて求められる。
11f着度= (N/3000)X100 (%)第1
図のグラフより、予備炭化繊維束のW1着度は、ピッチ
繊維束を不活性雰囲気下で予備炭化した場合の70%か
ら、1100−10000ppの微量1%i素含有雰囲
気下での予1炭化による開繊によって予#il炭化繊維
束の膠着度を10%以下とし得ることが分る・ 本発明では、微量酸素含有雰囲気下でのピッチ繊維束の
予備炭化によって、酸化、除去された膠着原因物質をフ
ィラメント表面とから取り除くために、予*ffl化#
a維東をアルカリ性の洗浄液で洗すすることが好ましい
、アルカリ性洗浄液とししては、NaOH,KOH,N
H3,NaHCO3、KHCOi ’Jの水溶液を使用
することができる。
このようなアルカリ洗浄液で予備炭化m線束を洗浄する
と、フィラメント表面とで酸化、除去された膠着原因物
質が洗浄液に溶解して、フィラメント表面から取り除か
れる。従って、たとえ次ぎの工程で予備炭化繊維束が再
度集束され、そして焼成されたとしてもフィラメント間
に膠着或いは融着が発生することがない。
次ぎに、本発明の製造方法の一実施例について説明する
第2図は、本発明の一実施例を示す説明図である。
第2図において、lOはピッチ繊維束Fの不融化炉で、
繊維束Fの走行方向に直列に不融化炉lO1予備炭化炉
30および洗浄装置70が配置されている。
本実施例で、不融化炉10は5つの個室R1〜R5を有
し、入口に近接した室R1は例えば190℃に、室R2
は220℃に、室R3は250℃に、室R4は280℃
に、室R5は310℃に加熱し保持される。又、不融化
炉10内には富酸素ガス(例えば混合比50150の酸
素拳窒素の混合ガス)が導入され、ファンにより強制的
に攪拌される。不融化炉lOの上流には、ポビンBから
不融化炉10に送給されるピッチm線束Fにテンション
をかけるm、!1束緊張手段12が設けられる。
予備炭化炉30は入口部より温度が例えば400.50
0.600.700.1100℃へと階段状に上昇する
ように加熱保持される。炉30内を微量酸素含有雰囲気
とするために、微量の酸素を含有させた例えば窒素ガス
が炉30内に供給される。微量酸素含有雰囲気中の酸素
濃度は、本発明の範囲内の100〜30000ppmに
調製される。
洗浄装2t70は、アルカリ洗浄液71が貯溜された貯
槽72とこれに続く洗浄用の水77が貯溜された貯槽7
8とを備え、貯槽78の方は内部を仕切板73にて複数
に1本実施例では2つに区分されている。貯槽72.7
8内には案内ローラ74が配aされ、各貯槽の上方にも
予1#l炭化繊維束を各貯槽内へと或いは貯槽から槽外
へと案内する案内ローラ75が配置されている。特に貯
槽78の上方に配置された案内ローラ75にはその上に
ノズル76が配置され、貯槽72のアルカリ洗浄液71
中を通過した予’a 炭化繊維束Fが案内ローラ75を
通過する際に、ノズル76より水を予備炭化繊維束Fに
噴射して、付着しているアルカリ洗浄液を洗い流し、洗
浄をなすように構成される。貯槽78内の水77は常時
新鮮な水が貯溜されるように、供給されるのが好ましい
以上の構成にて、溶融紡糸し、集束されたピッチ繊維束
FがポビンBから不融化炉10に送給されると、ピッチ
繊維束Fは炉lO内を通糸される間に不融化され、次い
で不融化された繊維束Fは予備炭化炉30に入る。そし
てピッチ繊維束Fは炉30内を通糸される間に、微量酸
素含有雰囲気下で加熱されることにより、予備炭化され
ると同時に膠着が解除される。このようにしてピッチ繊
維束を予備炭化して得られた予備炭化繊維束Fは、引続
いて洗浄装置70に入り、その貯槽72のアルカリ洗浄
液71、貯槽73の水77で洗浄される。洗浄された予
備炭化繊維束は、必要に応じて屹燥器(図示せず)にて
乾燥され、ポビンBに巻泡られるか、或いは直ちに次の
工程の焼成炉へと連続して通糸さる。焼成炉では、不活
性雰囲気下にて1500〜2000℃まで加熱して炭化
し、更には3000℃まで加熱して黒鉛化し、炭素繊維
が製造される。
以北のようにして製造される炭素m維は、不融化された
ピッチ繊維束を予備炭化する際に、微量酸素含有雰囲気
を用いて繊維束のフィラメントの表面を軽度に酸化する
ことにより開繊を行なっているので、膠着および融着が
なく、13JI繊を行なわない場合は勿論、機械的開繊
、空気酸化による開繊を行なう従来法に比べ、引張り強
度等の諸物性が著しく向上する。またその開繊は予4a
炭化に使用する雰囲気を微量酸素含有雰囲気とすること
で行なえるので、従来の開繊方法のように開繊のための
特別な装置、設備を必要とせず、また特別な開繊処理時
間を採る必要もない、従って炭素繊維の製造時間を短縮
化するできる。
以下2本発明に係るピッチ系炭素繊維の製造方法を具体
的な実施例に即して説明する。
実施例1 炭素#a維の製造に使用するピッチ繊維を製造するに当
り、光学的異方性相を約55%含有し、軟化点が232
℃である炭素質ピッチを前駆体ピッチとして使用した。
この前駆体ピッチを遠心分離により光学的異方性相の多
いピッチと光学的等方性相の多いピッチとを連続的に分
離し、それぞれ抜き出した。
得られた光学的異方性相を多く含むピッチは、光学的異
方性相を98%含み、軟化点は265℃、キノリンネ溶
分は29.5%であった。該炭素m鉱用ピッチを500
孔の紡糸口金を有する溶融紡糸a(ノズル孔径:直径0
.3mm)に通し、355℃で200mmHgの窒素ガ
ス圧で押し出して紡糸した。
紡糸した500本のフィラメントはエアーサッカーで略
集東してオイリングローラに導き、糸に対して約0.2
重量%の割合で集束用油剤を供給し、500フイラメン
トから成るピッチ繊維束を形成した。油剤としては、2
5℃における粘度が14cstのメチルフェニルポリシ
ロキサンを使用した。
該ピッチ繊維束は、ノズル下部に設けた高速で回転する
直径210mm、輻200 m mのステンレス鋼製の
ボビンに巻き取り、約500m/分の巻き取り速度で1
0分間紡糸した。ボビン1回転当たりのトラパースのピ
ッチは10mm71回転であった。紡糸の間に糸切れは
発生しなかった。
次いで、ピッチ繊維束を巻いた前記ボビン6個を解舒し
、そしてオイリングローラを使用して耐熱性油剤を付与
しながら合糸し、3000フイラメントから成るピッチ
繊維束を形成し、他のステンレス製ボビンに巻取った。
合糸時に油剤としては25℃で40cstのメチルフェ
ニルポリシロキサン(フェニル&含有fjt45モル%
)を使用した。付与量は糸に対し0゜5%であった。
以上の如くにして製造したピッチ繊維束Fを、第2図に
示す不融化炉10および予備炭化炉30を使用して、そ
れぞれ不融化および予備炭化した。
本実施例で使用した不融化炉10は、5つの個室R1−
R5を有し、入口に近接した室R1はL90℃に、室R
2は220℃に、室R3は250℃に、室R4は280
℃に、室R5は310℃に加熱し保持された。又、不融
化炉lO内には富酸素ガス(酸素e窒素の混合ガス:混
合比50150)を導入し、ファンにより強制的に攪拌
した。
このときの風速は0 、7 m / S e Cとされ
た。そして、毎分0.5回の割合で流通置換し炉内の古
・いガスを排出した。
ピッチ繊維束Fは不融化炉10内を0.3m/分にて移
動され、又該繊維束Fには繊維束緊張手段12を調整し
て20gのテンションがかけられた。
上記構成にてピッチ繊維束Fを不融化処理するのに饗し
た時間は15分であった。不融化中、ボビンからのピッ
チ繊維束Fの解舒は円滑に行なわれた。不融化炉内での
繊維束の断糸もなく、円滑に不融化処理が実施できた。
このようにして不融化されたピッチm維東Fは、連続し
て予備炭化炉30へ送給した。
本実施例によれば、予(#1炭化炉30は入口部より 
 400  、  500  、  600.   7
00.   1100  ℃へと階段状に上昇する態様
にて加熱保持され、且つ炉内を本発明の範囲内の微量酸
素含有雰囲気とするためにloooppmの酸素を含有
する窒素ガスが供給された。予備炭化に要した時間は7
分であった。
不融化ピッチ繊維束Fは、予備炭化炉30内を通糸され
る間に微量酸素含有雰囲気下での加熱により、予備炭化
されると同時に膠着が解除された。
該予備炭化繊維束Fは、強度1.50Pa、弾性率12
0GPaであった。また予備炭化繊維束Fは、膠着が除
去(脱膠着)されており、綿状にふわふわとなっていて
、しなやかなものであった、この予備炭化繊維束Fの膠
着度は9%であった。
次に、脱膠着処理された予備炭化繊維束Fは。
通常の方法に従って最高温度2500℃にセットされた
焼成炉に連続的に通して焼成し、ボビンに巻取った。焼
成時に繊維束には200gのテンションが付与された。
このようにして得た黒鉛繊維は、黒鉛化前の予備炭化繊
維束と同様に、n着の少ないふわふわしたしなやかな!
a維であり、WI着度は10%であった。黒鉛化前に比
較すると膠着度は上昇しているが、実質的に黒鉛化によ
る膠着の増加は見られなかった。
この黒鉛繊維についてJIS−R−0601に規定する
樹脂含浸ストランド試験法により樹脂含浸ストランドの
引張強度を測定した結果、そのストランド強度は350
Kg/mm’であった。
比較例1 ピッチ繊維束Fを不融化したのち、従来通り窒素ガスに
よる不活性雰囲気下で予4m炭化した以外は実施例1と
同様に処理して、黒鉛繊維を得た。
この場合、予@炭化後の予備炭化m線束の膠着度は70
%であり、2500℃で焼成して得た黒鉛繊維の膠着度
は80%であり、予備炭化繊維束の膠着度より更に増加
していた。黒鉛#a維は繊維束が固く硬直していた。
このようにして製造した黒鉛m維の樹脂含浸ストランド
強度は280Kg/mm’であった。実施例1のm維よ
り物性が低下していることが明らかである。
比較例2 ピッチm維東Fを不融化したのち、従来通り窒素カスに
よる不活性雰囲気下で予備炭化した以外は実施例1と同
様に処理して、黒鉛繊維を得た。
次いで第3図に示す開繊処理装2120にかけて機械的
開繊を行なった。
開繊処理装置20は、第3図に示されるように、繊維束
Fの走行方向に間隔をあけて配置された1対のガイドロ
ーラ21a、21b(共に黒鉛製)およびその下方に配
置された直径30mmの開繊ローラ22(黒鉛製)から
なっており、繊維束Fを一方のガイドローラ21aから
開繊ローラ22に掛は回して他方のカイトローラ21b
に導くことにより、繊維束を屈曲しながら走行させ機械
的に開繊するようになっている。
以上のようにして機械的開繊された後の黒鉛繊維束の膠
着度は65%でった。
黒鉛m雑の樹脂含浸ストランド強度は285Kg / 
m rn’であった0機械的開繊ではfflll着を解
除するのに不十分であることが判る。
比較例3 予備炭化炉30での酸素含有雰囲気の酸素濃度を500
00ppmとした以外は実施例1と同様に処理して、黒
鉛kamを得た。
予備炭化後の予備炭化繊維及び黒鉛化後の黒鉛繊維の膠
着は全く見られなかったが、樹脂含浸ストランド強度は
180Kg/mrn’と著しく低下していた。
比較例4 予備炭化炉30での酸素含有雰囲気の酸素濃度を50p
pmとした以外は実施例1と同様に処理して、黒鉛繊維
を得た。
予備炭化処理後の予備炭化繊維の膠着度は60%であり
、酸素含有雰囲気下での予Ja炭化時のピッチ繊維束の
酸化による膠着解除の効果は見られなかった。
実施例2 予4n炭化炉30での微量酸素含有雰囲気の酸素濃度を
110000ppとした以外は、実施例1と同様に処理
して黒鉛繊維を製造した。
予備炭化炉30での予備炭化後の予@炭化m#1東の膠
着度は、3%であった。黒鉛化後の黒鉛繊維の膠着度は
5%であった。この黒鉛繊維について樹脂含浸ストラン
ド強度を測定したら、281Kg/ばの値が得られた。
実施例3 予備炭化によって得られた予備炭化繊維束を洗n装置7
0で洗浄した以外は実施例1と同様に処理して黒鉛!a
雄を製造した。
予備炭化繊維束Fは、連続して洗浄装置70に通糸して
、該洗浄装2t70の貯槽72でアルカリ洗浮液71に
より洗浄され、続いて貯槽78で木77により洗浄され
たのち、−旦ポビンBに巻取った。
該予備炭化繊維束の膠着度は7%であり、2500℃で
焼成して得た黒鉛繊維の膠着度は7%であった。
このようにして製造した黒鉛繊維の樹脂含浸ストランド
強度は355Kg/mm’であった。
先且立盈」 単玉説明したように、本発明の炭素繊維の製造方法によ
れば、紡糸、集束されたピッチam束を加熱して予備炭
化する際に、微量の酸素を含有する雰囲気を用いて加熱
しているので、ピッチ繊維束の予備炭化と同時にそのフ
ィラメントのWl箔を解除することができ、その結果予
備炭化後の繊維束を焼成することにより膠着および融着
のない高品質の炭素繊維を製造することができる。又、
本発明の方法は、繊維束の開繊のための特別な開繊装置
や設備を必要とすることがなく、単に予備炭化処理の雰
囲気に微量酸素含有雰囲気を使用するだけで済み、また
開繊のために炭素繊維の製造効率を低減させると言うよ
うな問題自体を生じることがない、従って、不融化処理
から炭化、黒鉛化処理まで一貫した炭素繊維の効率良い
連続製造を可能とする。
第1因
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の方法における予@炭化で使用する微
量酸素含有雰囲気の酸素濃度と予備炭化繊維束の膠着度
との関係を示すグラフである。 第2図は5本発明の方法の一実施例を示す説明図である
。 第3図は、本発明との比較例で使用した開繊処理装置を
示す概略構成図である。 lO:不融化炉 20:開繊処理装置 22:開繊ローラ 30:予@炭化炉 70:洗浄装置 第3図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)不融化されたピッチ繊維束を予備炭化し、次いで炭
    化し、必要に応じて更に黒鉛化する炭素繊維の製造方法
    において、前記ピッチ繊維束の予備炭化を微量酸素含有
    雰囲気下、最高温度500〜1500℃で加熱すること
    により行なうことを特徴とするピッチ系炭素繊維の製造
    方法。 2)前記微量酸素含有雰囲気の酸素濃度が100〜30
    000ppmである請求項1記載のピッチ系炭素繊維の
    製造方法。
JP13722389A 1989-05-30 1989-05-30 ピッチ系炭素繊維の製造方法 Pending JPH038807A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010001022A (ja) * 2009-09-30 2010-01-07 Asahi Rubber Inc 電球被覆体及び発光体
US8690045B2 (en) 2011-03-07 2014-04-08 Jae Hyuck JANG Spreadable box

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