JPH03877B2 - - Google Patents

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JPH03877B2
JPH03877B2 JP58050047A JP5004783A JPH03877B2 JP H03877 B2 JPH03877 B2 JP H03877B2 JP 58050047 A JP58050047 A JP 58050047A JP 5004783 A JP5004783 A JP 5004783A JP H03877 B2 JPH03877 B2 JP H03877B2
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methanol
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JP58050047A
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Hamao Umezawa
Akio Fujii
Yasuhiko Muraoka
Tokuji Nakatani
Takeyo Fukuoka
Katsutoshi Takahashi
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Microbial Chemistry Research Foundation
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は新規アミノプロピルアミノブレオマイ
シン誘導体に関する。ブレオオマイシンは1966年
本発明者の一人である梅沢らにより発見された制
癌性抗生物質で(梅沢ら:ジヤーナル・オブ・ア
ンチビオチクス、200頁、1966年)放線菌ストレ
プトミセス・バーチシラスにより生産される1原
子の2価の銅を容易にキレートする塩基性水溶性
糖ペプチドで、通常の培養法では16種の含銅体が
生産され、単離されている。(例えば、梅沢ら:
ジヤーナル・オブ・アンチビオチクス19A,210
頁,1966年)。又、米国特許第3922262号及び米国
特許Re30451号には種々のブレオマイシン類が開
示されている。そしてブレオマイシン類はその制
癌効果のすぐれていることから肺毒性などの副作
用はあるものの現在すでに癌治療の臨床面で広く
使用されており、とくに偏平上皮癌を中心に、皮
膚癌、頭頚部癌、肺癌、悪性リンパ腫などに優れ
た成績をあげている。 しかし、ブレオマイシンの制癌効果の面及び肺
毒性などの副作用の面で、特に肺毒性の面でさら
に改善されたブレオマイシン類の出現が望まれて
いる。 本発明者らはアミノプロピル−N−メチル−ア
ミノプロピルアミノブレオマイシン(以下
APMP−BLMという)がHela細胞の増殖を強く
抑制することに着目し、その肺毒性を減らすため
に種々研究した結果APMP−BLMの末端アミノ
基を種々の置換アルキル基で修飾することにより
その肺毒性が消失することを見い出し、本発明を
完成した。 本発明の新規アミノプロピルアミノブレオマイ
シン誘導体は含銅及び脱銅体の双方を含み、 一般式 〔〕 〔式中〔BX〕は次式 で表わせる(含銅体の場合はキレート銅を省略)
ブレオマイシン酸のカルボキシル基から水酸基を
除いた残基を示し、R1は低級アルキル基を示し、
R2は(1)水素原子、(2)ハロゲノベンジルオキシ、
低級アルコキシベンジルオキシ、ベンジルオキシ
ベンジルオキシ、C5−C13のシクロアルキルメチ
ルオキシを1つ以上置換したベンジル基を示し、
R3は(1)ハロゲノベンジルオキシ、低級アルコキ
シベンジルオキシ、ベンジルオキシベンジルオキ
シ、C5−C13のシクロアルキルメチルオキシを1
つ以上置換したベンジル基を示す〕で表わされ
る。 上記において、低級アルキル基としては、例え
ばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基等が、ハロゲ
ンとしては、例えばフツ素、塩素、臭素等が、ハ
ロゲノベンジルオキシとしては例えばフツ素、塩
素、臭素等で1つ以上置換されたベンジルオキシ
が、シクロアルキルメチルオキシとしては、例え
ばシクロペンチルメチルオキシ、シクロヘキシル
メチルオキシ、シクロヘプチルメチルオキシ、シ
クロオクチルメチルオキシ、シクロデカニルメチ
ルオキシ、シクロウンデカニルメチルオキシ、シ
クロドテカニルメチルオキシ、シクロトリデカニ
ルメチルオキシ等が、低級アルコキシベンジルオ
キシとしては、例えばメトキシ、エトキシ、プン
ポキシ、ブトキシ等で置換されたベンジルオキシ
基があげられる。 上記
【式】としては例えば
【式】等があ げられる。 本発明化合物のうち代表的なものとしては例え
ば第一表の化合物があげられる。
【表】 上記一般式〔〕で示される本発明化合物は次
のように製造することができる。 一般式〔〕 〔式中〔BX〕,R1は前記と同じ。〕 で示されるアミノプロピルアミノブレオマイシン
に、一般式〔〕 R4−CHO 〔〕 〔式中R4は(1)ハロゲノベンジルオキシ、低級
アルコキシベンジルオキシ、ベンジルオキシベン
ジルオキシ、C5−C13のシクロアルキルメチルオ
キシを1つ以上置換したフエニル基を示す〕 で示されるカルボニル化合物を還元的に縮合する
ことにより、前記一般式〔〕の化合物を得るこ
とが出来る。 縮合に用いる還元剤としては、シアノ水素化ホ
ウ素ナトリウムなどの水素化ホウ素化合物などが
あげられる。またパラジウム炭素などの触媒をも
ちいて接触還元をおこなつてもよい。カルボニル
化合物の量は目的化合物等により異なるので一概
にいえないが、一般式〔〕の化合物1モルに対
し、0.5〜25モル、好ましくは0.7〜20モルであ
り、より具体的には1〜1.5モルを用いれば、主
としてR3が水素の誘導体、3モル以上用いれば
R2,R3が同じ誘導体が得られるが、望ましい添
加量はR2が水素の誘導体では1.2モル、R2,R3
同じ誘導体では10モルである。又式〔〕の化合
物としてメタノールに溶けにくい化合物をもちい
る場合には反応時間を増加させれば添加量を減じ
てもよい。 反応は溶媒として、メタノール、水、ジメチル
フオルムアミド、アセトニトリル、それらの混合
液が用いられる。温度は化合物により異なるが−
5〜70゜程度であり0〜50℃がよい。よりくわし
くは、R4が水素の誘導体では0℃から25℃、R2
R3が同じ誘導体で、特に立体障害の大きいアル
デヒド、又は溶解度の低いアルデヒドを用いる場
合は35〜50℃に暖めることが望ましい。反応時間
は3時間〜70時間がよい。立体障害の大きいアル
デヒド、又は溶解度の低いアルデヒドを用いる場
合は時間を長くすることが有効である。 以上のようにして得られた誘導体を単離するに
は、水素化ホウ素化合物を用いた場合には、塩酸
で反応液のPHを1に合わせ室温で5〜10分撹拌し
過剰の還元剤を分解したのち中和し、メタノール
を減圧で溜去した後、過剰のアルデヒドをエーテ
ル又はブタノールで抽出除去し、続いて次の脱塩
操作を行つた。即ち吸着樹脂たとえばアンバーラ
イト XAD−2(ローム・アンド・ハース社製)
を蒸留水を用いて充填したカラムに注入して、目
的物を吸着する。蒸留水で塩類をあらい流した
後、酸性の含水メタノール、たとえば、1/50規
定塩酸水溶液−メタノール(1:4v/v)で溶
出し、青色のブレオマイシン誘導体の分画を集め
必要ならば、陰イオン交換樹脂、ダウエツクス
44(OH型;ザ・ダウ・ケミカル社製)で中和し
たのち、減圧下で濃縮して凍結乾燥すると、誘導
体の青色粗粉末がえられる。 さらに純度をあげるためつぎの操作を行う。 上記の粉末を蒸留水に溶解し、あらかじめPH
4.5,1/20モル酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液で
平衡化したCMセフアデツクス C−25(Na+
型:フアルマシア、フアインケミカル社製)を充
填したカラムに注入し吸着する。上記の緩衝液に
連続的に塩化ナトリウムを加えることによりナト
リウム濃度を1.0モルまで徐々に上昇させる直線
濃度勾配法により溶出する。もし目的物の分画に
不純物の混入が認められれば、上記のクロマトグ
ラフイーにつづいて吸着樹脂たとえばアンバーラ
イト XAD−2を用いるクロマトグラフイーを
おこなつてもよい。樹脂を緩衝液、たとえば4%
酢酸アンモニウム水溶液、を用いて充填したカラ
ムに粗物質の水溶液を注入して、目的物を吸着す
る。緩衝液に連続的にメタノールを加えることに
よりメタノール濃度を徐々に上昇させる直線濃度
勾配法により溶出する。この時未反応の原料は最
も早く、次いでR4が水素の誘導体が溶出し、R3
R4が同じ誘導体が最後に溶出する性質があるの
で、紫外線吸収モニターを用いることにより分離
することが可能である。もし目的物の分画に不純
物の混入が認められれば、上記のクロマトグラフ
イーを再度行い完全除去をはかればよい。 このようにして得られる目的物の分画のメタノ
ールを減圧で溜去した後、先に用いたアンバーラ
イトXAD−2脱塩法で脱塩したのち、凍結乾燥
すると、アミノプロピルアミノブレオマイシン誘
導体の含銅体が青色の無定形粉末で得られる。 このようにして得られるアミノプロピルアミノ
ブレオマイシン誘導体の含銅体を公知の方法たと
えばEDTAを用いる方法(特公昭52−31875)で
脱銅すれば脱銅体が得られる。 その一例を説明すると、含銅体を蒸留水に溶解
し、これを蒸留水で充填したアンバーライト
XAD−2のカラムに注入し吸着する。樹脂を塩
化ナトリウムと5%のエチレンジアミン四酢酸・
2ナトリウム(以下「EDTA・2Na」という)
からなる水溶液でカラムを洗うと、銅イオンは
EDTA・2Naにより運び去られ、アミノプロピ
ルアミノブレオマイシン誘導体(脱銅体)が樹脂
上に残る。塩化ナトリウムで洗いEDTA・2Na
を除去し、さらに蒸留水で洗浄する。最後に酸性
含水メタノール、たとえば1/50規定塩酸水溶液
−メタノール(1:4v/v)で溶出し波長290ミ
リミクロン付近に吸収極大を示す分画を集める。
ダウエツクス 44(OH型;ザ・ダウ・ケミカル
社製)でPH6.0に合わせた後、減圧下で濃縮し、
凍結乾燥するとアミノプロピルアミノブレオマイ
シン誘導体の脱銅体・塩酸塩が白色の無定型粉末
で得られる。 もし、上記の塩酸水溶液のかわりに、硫酸水溶
液を用いれば硫酸塩が得られる。このように上記
溶出工程で用いられる酸の種類を選択することに
より、所望の塩とすることができる。 以上に説明した方法により製造されるアミノプ
ロピルアミノブレオマイシン誘導体を6規定塩酸
水中で、105℃、20時間加水分解にかけると、
BLM類に共通する分解生成物〔L−トレオニン、
β−アミノ−β−(4−アミノ−6−カルボキシ
−5−メチル−ピリミジン−2−イル)プロピオ
ン酸、4−アミノ−3−オキシ−2−メチル−n
−ペンタン酸、β−オキシ−L−ヒスチジン、β
−アミノ−L−アラニン、2′−(2−アミノエチ
ル)−2.4′−ビチアゾール−4−カルボン酸〕と
アミンが検出された。又アンバーリスト15を用い
たメタノリシスでは、ブレオマイシンと同じL−
グロース、3−O−カルバモイル−D−マンノー
スのメチルグリコシドがガスクロマトグラフイー
で検出された。 以上の事実は本発明の方法によつて製造された
アミノプロピルアミノブレオマイシン誘導体が前
記式〔〕で表わされる化学構造を有することを
裏づけている。 本発明のブレオマイシン誘導体製造のための原
料である一般式〔〕の化合物としては、例えば
(1)3−〔N−(3−アミノプロピル)−N−メチル
アミノ〕プロピルアミノブレオマイシン(略号:
APMP)等があげられる。 これらの化合物は次のように合成される。 1 ブレオマイシン酸と一般式〔〕 〔式中R1,R2,nは前記と同じ〕 で示される化合物を、公知の方法(たとえば、特
開昭54−63089号参照)と同様にして、縮合する
か、(2)米国特許第Re30451号に開示される方法、
すなわち、一般式〔〕で示されるアミンを添加
して、ストレプトミセス・バーチシラス
(Streptomyces verticillus)に属するブレオマイ
シン生産菌例えばストレプトミセス・バーチシラ
スNK−68−144(American Type Culture
Collection No.31307)を培養することによつて
も得ることができる。 一般式〔〕の化合物としては、例えば、(1)ビ
ス(3−アミノプロピル)メチルアミン等があげ
られる。 又、もう一方の出発原料である一般式〔〕の
化合物としては、シクロトリデカンボアルデヒ
ド、3,4−ジ(p−クロロベンジルオキシ)ベ
ンズアルデヒド、3,4−ジ(m,p−ジクロロ
ベンジルオキシ)ベンズアルデヒド、3,4−ジ
(p−メトキシベンジルオキシ)ベンズアルデヒ
ド、4−(p−ベンジルオキシベンジルオキシ)
ベンズアルデヒド、p−シクロオクチルメチルオ
キシベンズアルデヒド、3,4,5−トリベンジ
ルオキシベンズアルデヒド等があげられる。 これら化合物のうち、3,4−ジ(p−クロロ
ベンジルオキシ)ベンズアルデヒド、3,4−ジ
(3′,4′−ジクロロベンジルオキシ)ベンズアル
デヒド、3,4(p−メトキシベンジルオキシ)
ベンズアルデヒド、4−(4′−ベンジルオキシベ
ンジルオキシ)ベンズアルデヒド)、4−シクロ
オクチルメチルオキシベンズアルデヒドは新規化
合物であり、以下に述べる方法で製造される。 〔式中R7はp−メトキシベンジル、3,4−
ジクロロベンジル、p−クロロベンジル、p−ベ
ンジルオキシベンジル、シクロオクチルメチルで
あり、Xはハロゲン、nは0又は1である〕 即ち、式〔〕で表わされる化合物と式〔〕
で表わされる化合物をアセトンなどの溶媒中で、
常温ないし溶媒の沸点までの温度で反応させれば
よい。反応終了後、溶媒を留去し、残渣に水及び
クロロホルムエーテルなどの有機溶媒を加えると
アルデヒドは有機相に得られる。必要なら再結晶
又は粗生成物をシリカゲル又は吸着樹脂を用いた
カラムクロマトグラフイーで精製することにより
純品が得られる。 又、シクロトリデカンカルボアルデヒドは、新
規化合物であり、以下に述べる方法で製造出来
る。 亜鉛末、無水テトラヒドロフラン、ジブロモメ
タンの混合物に四塩化チタンを加え、これにシク
ロトリデカノンを加え反応させると、メチレンシ
クロトリデカンが得られる。ついでメタクロロ過
安息香酸でエポキシ化し、これを精製する。これ
を無水ジクロロメタン中で三弗化硼素エーテルコ
ンプレツクスと反応させるとシクロトリデカンカ
ルボアルデヒドが得られる。 次に本発明のアミノプロピルアミノブレオマイ
シン誘導体の代表的な化合物につき、理化学的性
質を第2表に示す。
【表】 次に本発明の化合物の代表例によつて調べた生
物学的諸性質を以下に説明する。 1 ミコバクテリウム・スメグマチス・
ATCC697、及びバチルス・スブチリスに対す
る抗菌活性 上記の検定菌を用いて、寒天平板円筒法により
測定した。ただし、標準物質ブレオマイシンA2
(脱銅体)を1000mcg力価/mgとした。 2 培養HeLaS3細胞に対する増殖阻害効果 プラスチツク・シヤーレの培養基(10%仔牛清
添加MEM)にHeLaS3細胞を接種し、2日後に
ブレオマイシン類を添加した。さらに3日間培養
を続けた後、細胞数を測定した。増殖阻害率は次
式 阻害率(%)=100×(B−A)/(B−C) 〔式中、Aは被験試料添加後3日目の最終細胞
数、Bは被験試料を添加しない対照における最終
細胞数、Cは被験試料添加時の細胞数を表わす。〕
を用いて算出した。試料濃度と阻止率のグラフか
ら、ID50値(50%阻害のための濃度)を求めた。
以上1)、2)の結果を第3表に示す。
【表】 第3表から、本発明化合物は培養HeLaS3細胞
に対する増殖阻害活性が強く、優れた抗菌活性を
も有していることがわかる。 3 マウスの肺毒性(肺線維化) ICR系マウス(雄性15週令)を一群9匹として
用いた。各薬剤の投与量は、5mg/Kgとし、1日
1回、連続10日間、腹腔内注射し投与終了後、5
週間飼育し、観察後、屠殺剖検し、肺の線維化の
頻度、及び程度を調べた。 成績は、投与群の肺線維化をもつマウス数の頻
度(Incidence)及び、の強弱の程度(Grade)
について比較した。その結果を第4表に示す。
【表】 なお表中の点数は下記のとおりである。 0点:線維化を認めない。 1点:肺胞に浸出液の蓄積がみられ、肺胞中隔
に線維化様変化が見られる。 2点:数か所にみられる線維化 4点:散在性にみられる線維化 6点:2/3以上の広範囲にみられる線維化 また、表中の比はブレオマイシンコンプレツク
スとの比率を示す。 第4表から明らかなように本発明化合物を投与
した群からいずれも肺線維化が全く認められなか
つた。 従来のブレオマイシン類は肺線維化という副作
用を有しており、その除去が困難であつたことか
らすると、本発明において、動物実験ではある
が、肺線維化の全く認められない化合物が得られ
たことは驚くべきことである。 以上の生物学的性質から明らかなように、本発
明化合物は制癌作用を有し、肺毒性などの副作用
を大巾に軽減したものである。従つて、本発明化
合物は副作用の少ない制癌剤として期待されるも
のである。 制癌剤として使用する場合、一般的に使用され
る種々の剤型、例えば固型剤、軟膏、液剤などの
形で使用しうるが、通常注射剤として使用され、
その投与量は1週間当り1〜5回投与で総量5〜
200mg/週程度になる。 次に本発明を実施例により具体的に説明する。 実施例 1 Aステツプ 3−〔N−メチル−N−(3−アミノプロピル)
アミノ〕プロピルブレオマイシン3塩酸塩(含銅
体)1.0gを30mlのメタノールに溶解し、シクロ
トリデカンカルボキサアルデヒド156.5mgを添加
し、ついで26mgのシアノ水素化ホウ素ナトリウム
を添加した。室温16時間反応した後、6規定塩酸
水溶液で反応液のPHを1.0に下げ、10分間放置し
て反応を止めた。1規定水酸化ナトリウムで中和
したのち、減圧下でメタノールを溜去し、残渣に
蒸留水を加えて50mlとした。これを50mlのエーテ
ルで抽出し過剰のアルデヒドを除いた。予め4%
酢酸アンモニウム水溶液/2%酢酸水溶液(1:
1v/v)を用いて充填したアンバーライト
XAD−2・(ローム・アンド・ハース社製)のカ
ラムに(100ml容)に注入して、目的物を吸着し
た。 上記緩衝液500mlにメタノール500mlを連続的に
加える直線濃度勾配法により溶出した。メタノー
ル濃度65%前後で溶出される波長290ミリミクロ
ン付近に吸収極大を示す目的の分画200mlをあつ
めた。この分画からメタノールを減圧溜去して得
た水溶液を予め蒸留水で充填したアンバーライト
XAD−2(ローム・アンド・ハース社製)のカ
ラムに(100ml容)に注入して、目的物を吸着し
た。蒸留水150mlでカラムをあらつた後、1/
50M塩酸水溶液−メタノール(1:4v/v)で
溶出した。ブレオマイシン誘導体の青色の分画を
集め、陰イオン交換樹脂、ダウエツクス 44
(OH型;ザ・ダウ・ケミカル社製)で中和した
のち、減圧下で濃縮して凍結乾燥した。 上記の粉末を蒸留水10mlに溶解し、あらかじめ
PH4.5,1/20モル酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液
で平衡化したCMセフアデツクス C−25(Na+
型:フアルマシア、フアインケミカル社製)を充
填したカラム(100ml容)に注入し吸着した。上
記の緩衝液に連続的に塩化ナトリウムを加えるこ
とによりナトリウム濃度を1.0モルまで徐々に上
昇させる直線濃度勾配法により溶出した。550ml
の溶出液を流し、0.65モル前後で溶出する青色の
分画120mlを集め、先に用いたアンバーライト
XAD−2脱塩法で脱塩したのち、凍結乾燥する
と、3−{N−メチル−N−〔3′−(シクロトリデ
カニルメチルアミノ)プロピル〕アミノ}プロピ
ルアミノブレオマイシンの含銅体849.1mgが青色
の無定形粉末で得られた。(収率73.3%) Bステツプ Aステツプで得た含銅体872mgを18mlの蒸留水
に溶解し、脱銅のため蒸留水で充填したアンバー
ライトXAD−2のカラム(100ml容)に注入し吸
着する。樹脂を塩化ナトリウムと5%の
EDTA・2Naからなる水溶液300mlで洗い、2%
塩化ナトリウム100ml、蒸留水150mlの順序で洗浄
した後、最後に1/50規定塩酸水溶液−メタノール
(1:4v/v)で溶出し波長290ミリミクロン付
近に吸収極大を示す分画を集めた。ダウエツクス
44(OH型;ザ・ダウ・ケミカル社製)でPH6.0に
合わせた後、減圧下で濃縮し、凍結乾燥して3−
{N−メチル−N−〔3′−(シクロトリデカニルメ
チルアミノ)プロピル〕アミノ}ピロプルアミノ
ブレオマイシン(化合物No.32)の脱銅体・3塩酸
塩714.4mgが白色の無定型粉末で得られた。(収率
90%) 本品の蒸留水で測定した紫外吸収極大は
291mμE1%/1cmは99であつた。臭化カリ錠剤
法で測定した赤外吸収極大波数(cm-1)は3350,
2930,2860,1655,1550,1450,1255,1135,
1100,1055,1020,970,805であつた。 その他の理化学的性状は第2表に示した通りで
ある。 本実施例と同様にして第5表の化合物が製造さ
れた。
【表】 キシベンズアルデヒド
参考例 1 3,4−ジ−(3′,4′−ジクロロベンジルオキ
シ)ベンズアルデヒドの合成 3,4−ジヒドロオキシベンズアルデヒド2g
をアセトン40mlに溶解しこれに無水炭酸カリウム
4.40gと3,4−ジクロロベンジルブロミド6.24
gを加え24時間還流した。アセトンを減圧溜去し
た後、水200mlを加えクロロホルム200mlで目的物
を抽出した。クロロホルム層を無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥しクロロホルムを減圧溜去すると白色結
晶が析出した。 この粗結晶をエチルアルコールから再結晶し、
4.99gの無色結晶を得た。融点181−183℃ 本品のKBr錠剤法による赤外吸収スペクトル
は下記の吸収極大を示した。 658,693,710,760,795,805,830,875,
1030,1135,1168,1200,1245,1280,1370,
1403,1437,1460,1470,1510,1585,1600,
1690,2730,2830,2870,2910,3070, また、重クロロホルム中で測定したNMRスペ
クトルは下記のシグナルを認めた。 5.20(s)2H 6.93〜7.67(m)9H 5.23(s)2H 9.87 (s)1H 本参考例と同様にして次の化合物を得た。
【表】 参考例 2 シクロトリデカンカルボアルデヒドの製造 亜鉛末3g、無水テトラヒドロフラン50ml、ジ
ブロモメタン2.66gの混合物にかきまぜながら、
無水四塩化チタン2.13gのジクロロメタン5ml溶
液を滴下する。15分後、この溶液にシクロトリデ
カン2gの無水テトラヒドロフラン8ml溶液を滴
下する。室温で12時間反応後、ペンタン50mlを加
えて希釈した後、1M−塩酸100mlを加えてふりま
ぜる。有機層を水、希NaHCO3水、飽和NaCl水
で順次洗い、乾燥後、濃縮して、メチレンシクロ
トリデカンを得る。これを無水ジクロロメタン40
mlに溶解し、−15℃に冷却した後、かきまぜなが
ら、メタクロロ過安息香酸2.64gの無水ジクロロ
メタン40ml溶液を滴下する。3時間反応後、有機
層を10%亜硫酸ナトリウム、7%NaHCO3、飽
和NaCl水で順次洗い、乾燥後、減圧下濃縮する。
残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフイー
(展開液;石油エーテル:酢酸エチル=20:1)
により精製し、エポキシド2.04g(ケトン体より
95%)を得る。このエポキシドを無水ジクロロメ
タンに溶解し、−18℃に冷却し、三沸化硼素エー
テルコンプレツクスを滴下する。滴下終了後、水
を加え、次いで有機層を分離・濃縮し、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフイーにより精製して油状
のシクロトリデカンカルボアルデヒドを得る。収
率60−70% IR 723,735,825,970,1070,110,1128,
1196,1220,1255,1285,1350,1420,
1450,1465,1590,1710,1735,2700,
2870,2920 NMR 1.39(br,s),24H,(−C 2−×12) 2.1〜2.5(m), 1H,(−C−) 9.58(d,J=1.8Hz),1H,(−CO)。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 〔式中〔BX〕はブレオマイシン酸のカルボキ
    シル基から水酸基を除いた残基を示し、R1は低
    級アルキル基を示し、R2は(1)水素原子、(2)ハロ
    ゲノベンジルオキシ、低級アルコキシベンジルオ
    キシ、ベンジルオキシベンジルオキシ、C5−C13
    のシクロアルキルメチルオキシ、で1つ以上置換
    されたベンジル基を示し、R3は(1)ハロゲノベン
    ジルオキシ、低級アルコキシベンジルオキシ、ベ
    ンジルオキシベンジルオキシ、C5−C13のシクロ
    アルキルメチルオキシ、で1つ以上置換されたベ
    ンジル基を示す〕で表わされるアミノプロピルア
    ミノブレオマイシン誘導体。
JP5004783A 1983-03-25 1983-03-25 新規なアミノプロピルアミノブレオマイシン誘導体及びその製造法 Granted JPS59175497A (ja)

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JPS636078A (ja) * 1986-06-27 1988-01-12 Nippon Zeon Co Ltd 半導体用薬剤の収納容器部材

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