JPH0386943A - 光記録媒体用保護膜とそれを用いた光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体用保護膜とそれを用いた光記録媒体

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JPH0386943A
JPH0386943A JP2061236A JP6123690A JPH0386943A JP H0386943 A JPH0386943 A JP H0386943A JP 2061236 A JP2061236 A JP 2061236A JP 6123690 A JP6123690 A JP 6123690A JP H0386943 A JPH0386943 A JP H0386943A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、光記録媒体用の新規な保護膜及びそれを構造
中に備えた光記録媒体に関するものである。さらに、詳
しくいえば、本発明は、高温、高湿の過酷な環境下での
使用が可能な光記録媒体を提供しうる、高い機械的強度
を有し、かつ剥離やクラックの発生が抑制された光記録
媒体用保護膜及びそれを備えた光記録媒体に関するもの
である。
従来の技術 近午、レーザーなどの光ビームを利用した光記録媒体は
、記録密度が高い、高速アクセスが可能である、信頼性
が高い、非接触型であるなどの理由により、高度情報社
会における記録媒体の中心的役割の担い手として注目さ
れ、積極的に研究が進められている。この記録媒体には
、コンパクトディスクやCD−ROMなどで代表される
再生専平型1、文書・画像フィルムなどとしての情報の
記録・再生が可能な追記型、フロッピーディスクで代表
される情報の記録、消去、再生が可能な書換え型の3種
類があり、いずれも実用に供されている。
ところで、前記の追記型や書換え型の光記録媒体におい
ては、基板上に記録層が設けられており、この記録層に
ついては、記録方法の原理や態様の異なった種々のもの
が開発されている。例えば追記型の場合にはナフトキノ
ンなどの有機色素や、Se、 Teなどのカルコゲン元
素を主体とした合金や酸化物などを用いた開孔方式のも
の、あるいはGa。
Ge、 Se、 In、 Sn、 5bSTe、 Pb
、 Biなどを主体とする合金などを用いた相変化方式
のものが開発されている。また、書換え型においては、
前記の相変化方式の外、遷移金属と重希土類との合金や
ガーネットを主体とする垂直磁化薄膜による光磁気方式
のものなどが開発されている。
ところで、これらの記録層に用いられる感材は、化学的
に不安定なものが多い上、薄膜で使用されるため、空気
中の酸素や水による酸化を受けやすく、記録や再生の性
能に関し、経時的に信頼性が低下するのを免れない。
このような欠点を解決するために、通常光記録媒体にお
ける記録層の上又は下若しくはその両方に保護層を設け
ることが行われている。この保護層には、一般に、酸素
や水の侵入を効果的に防止しうるバリア性に優れ、かつ
それ自体も化学的に安定な誘電体薄膜を用いることが有
利であることが知られており、その材料としては例えば
マグネシウム、ケイ素、アルミニウムなどの酸化物、窒
化物、酸窒化物やこれらの複合体、亜鉛などの金属の硫
化物やセレン化合物、さらにはこれらの混合物などの使
用が試みられている。
しかしながら、これらの材料から成る保護膜においては
、基板との密着性が乏しくて剥離が生じやすい上、脆く
てクラックを生じゃすいなどの欠点がある。このような
剥離やクランクを生じると、その部分の反射率が低下し
てエラーをひき起こすとともに、酸素や水が記録層に侵
入して腐食の原因となる。特に、光記録媒体を高温、高
湿環境下で使用する場合、該媒体の構成要素である基板
、保護層、記録層などの膨張率の差や残留応力による歪
が保護層と基板との間の剥離や保護層のクラックを誘発
しやすいなどの問題を生じ、光記録媒体の利用範囲が制
限されるのを免れない。
前記材料の中で、ケイ素の酸窒化物は比較的剥離やクラ
ックを生じにくい材料であるが、これのみから成る保護
層ではまだ不十分であるので、酸化ケイ素と組み合わせ
て2層化する方法が提案されている(特開昭63−16
8046号公報)。しかしながら、このような方法を用
いても、耐剥離性や耐クラツク性は必ずしも十分ではな
い上に、2層化するI;めの製造プロセスが1工程増え
、工業的に実施する場合不利となる。
発明が解決しようとする課題 本発明は、このような光記録媒体に用いられる従来の保
護膜が有する欠点を克服し、高い機械的強度を有し、か
つ剥離やクランクが発生しにくく、これを用いることに
より、高温、高湿の過酷な環境下での使用が可能な光記
録媒体を与えうる光記録媒体用保護膜を提供することを
目的としてなされたものである。
課題を解決するための手段 本発明者らは、光記録媒体用保護膜について種々研究を
重ねた結果、その中のケイ素、窒素及び酸素の原子数比
が特定の範囲にあるケイ素の酸窒化物から戊り、かつ特
定の膜組織を有する保護膜の使用、あるいはこれと最上
層に設けられ、かつ特定の硬化収縮率を有する紫外線硬
化樹脂から成る層の併用により、その目的を達成しうろ
ことを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成する
に至った。
すなわち、本発明は、光記録媒体における記録層の少な
くとも一方の面に設けられるケイ素の酸窒化物から戊る
保護膜であって、その原子数比が(Si+oJoOo)
、(SioN100Oo)及び(SioNoO+ oo
)を頂点とする三角座標において、A (SioNoO
*o)、B C5rs31NoOsg、 7)及びCC
3is*、 rNsi、 aozm、 +)の各点を順
次線分で結んだ三角形より内側の領域で表わされ、かつ
その微視的な膜組織において、粒界で囲まれた粒組織の
密度が1μm2当り10個以下であることを特徴とする
光記録媒体用保護膜又は前記保護膜から成る層と、光記
録媒体の最上層に設けられ、かつ硬化収縮率が5〜lO
%の紫外線硬化樹脂から成る層とから構成される光記録
媒体用保護膜及びこれらの保護膜を有する光記録媒体を
提供するものである。
以下、本発明の詳細な説明する。
本発明の保護膜におけるケイ素の酸窒化物は、その中の
ケイ素、窒素及び酸素の原子数比が(Si+aoNoO
a) 、(SioN100Oo)及び(SioNoO1
00)を頂点とする三角座標において、前記したA、B
、Cの3点を結ぶ線で囲まれた領域内の組成を有するこ
とが必要である。
一般に、ケイ素の酸窒化物は、比較的広い組成範囲内で
水や酸素に対するバリア性、化学的安定性、高温、高湿
環境下での安定性、過酷な使用環境下での機械的強度が
優れたものを与えるという特徴を有しているが、本発明
においては、前記三角座標において、2つの化学量論化
合物であるSin、とSi、N、とを結ぶ線分よりSi
側で表わされる組成範囲にあるものを用いることが必要
である。
この組成範囲を逸脱すると膜中に過剰の酸素や窒素が存
在することになり、これらが徐々に記録層中へ拡散し、
むしろ記録層の安定性をそこなう傾向がある。また、酸
素に対するケイ素の原子数比は1.5未満であることが
必要である。この原子数比が1.5以上では相対的に酸
素が欠損した酸窒化物となり、このような組成では未反
応のケイ素が経時的に酸素と結合して体積が増加するた
め、圧縮応力を生じて保護膜の剥離をひき起こすおそれ
がある。
第1図は、ケイ素と窒素と酸素との原子数比を示す三角
座標グラフであるが、本発明においては、この図のA(
Si60N、0゜)、B (Sisx、 5Nooss
、 7)及びC(Siss1NS4. so!、、 +
)の3点を順次線分で結んだ三角形より内側の領域の組
成をもつケイ素の酸窒素化物を用いることが必要である
さらに、本発明保護膜においては、使用するケイ素の酸
窒化物の組成が前記条件を満たすとともに、その微視的
な膜組織において、粒界で囲まれた粒組織の密度が1μ
m当り10個以下になっていることが必要である。ここ
でいう粒組織とは、粒界で完全に囲まれた膜の構造単位
を示す。
膜の作成方法が不適切であると、膜における上記の構造
単位が多数生成し、単位体積当りに多数の粒界を含むこ
とになる。膜の作成方法を改善することにより、前記の
粒組織を仕切っている粒界は次第に不連続になり、別々
であった粒組織同士がつながって、その総数は減少する
。これがさらに進むと、もはや1つの粒組織を完全に囲
むような連続した粒界は存在しなくなり、あたかも膜全
体が1つの粒組織であるかのような構造を呈する。
理想的には、膜組織内に粒組織を形成するような連続し
た粒界が1つも存在せず、全体が均一な膜構造となって
いるのが望ましいが、本発明の目的を遠戚するには、保
護膜の粒組織の密度が1μm!当り10個以下であれば
よい。通常の薄膜形成法では保護膜における微視的な膜
組織が島状になりやすく、クラックはこの組織と組織の
粒界から生じると考えられる。したがって、前記のよう
に粒組織の密度を1pI112当り10個以下とするこ
とにより、本発明保護膜はクラックが発生しにくくなり
、かつ機械的強度の高いものとなる。
本発明保護膜を形成する方法としては、例えばスパッタ
法、蒸着法、CVD法、イオンブレーティング法など、
公知の方法を用いることができるが、本発明の効果を十
分に発揮させるにはスパッタ法が好適である。また、ス
パッタ法により、所望の組成の酸窒化物を得るには、反
応性スパッタ法で膜を形成するのが有利である。
このようなスパッタ法で形成された薄膜の粒組織の大き
さは、主にガス圧とパワーに左右され、また、薄膜形成
時の組織の成長速度が核生成速度に比べて遅いと粒組織
は小さくなり、所望の保護膜が得られない。したがって
、スパッタのパワーを上げるか圧力を下げてレートを上
げるのが効果的であるが、一般にパワーによる粒組織の
制御法は、基板温度の上昇をもたらすなどの好ましくな
い事態を招来するおそれがあるので、ガス圧コントロー
ルによる制御法が有利である。ガス圧の具体的な値につ
いては、スパッタ装置により異なり、−概に定めること
はできないが、通常0.8Pa以下、好ましくは0.5
Pa以下で所望の膜組織を得ることができる。
また、ターゲットとしてはケイ素化合物を用いてもケイ
素元素を用いてもよいが、一般にはケイ素化合物の方が
所望の膜を形成しやすいので有利である。ケイ素元素を
用いる場合、基板上で反応と組織の成長とが平行して進
むため、相対的に核生成の速度が遅くなり、所望の粒組
織を形成するためのスパッタ条件(特にガス圧)の範囲
を狭くする必要があり、好ましくない。この方法を採用
する場合、反応ガスの分圧を過剰にし、Siターゲット
の表面を化合物の形にするのが望ましい。なお、Si3
N4ターゲットを用い、流量比を調節したアルゴンと酸
素との混合ガスでスパッタする方法では、本発明の酸窒
化物の組成より窒素が不足した膜になることがあるが、
このような場合には窒素ガスを混合すればよい。
このようにして成膜した保護膜が、所望の粒組織の大き
さを有しているかどうかを確認するには、サブミクロン
オーダーの分解能を有する透過型電子顕微鏡を用いて観
察するのがよい。この方法によると、通常1nm程度の
分解能、若しくはそれ以上の分解能が得られる。本発明
でいう粒組織はコントラストのはっきりした粒界で区切
られているので、容易にその数を求めることができる。
スパッタ法で形成される保護膜において、形成時のガス
圧を下げていくと、粒界のコントラストが次第に小さく
なり、粒組織と粒組織とが連続的につながっていく様子
がはっきり認められる。
本発明の目的である剥離やクラックをより効果的に防止
するには、光記録媒体の最上層に紫外線硬化樹脂から成
る保護膜を形成するのが有効である。この場合、該紫外
線硬化樹脂から保護膜は、その硬化収縮率が5〜lO%
の範囲にあることが必要である。この硬化収縮率が前記
の範囲を逸脱するとその効果が十分に発揮されなくなる
。これは、剥離やクラックを抑制するのに必要な応力の
値が不適切になるためである。すなわち、該紫外線硬化
樹脂の硬化収縮率が5%未満では剥離やクラックを抑制
するだけの応力が得られないし、10%を超えると応力
が高くなりすぎ、むしろ剥離やクラックを誘発するおそ
れが生じる。
該紫外線硬化樹脂層の膜厚は、通常15〜30μ重の範
囲で選ばれる。この膜厚が15μ黛未満では薄すぎて、
該紫外線硬化樹脂の硬化収縮率による応力の調節が困難
であるし、30μmを超えると光重合反応が不十分とな
るおそれが生じる。
本発明において、好適に用いられる該紫外線硬化樹脂の
モマノーとしては、例えばスチレン、エチルアクリレー
ト、エチレングリフールジアクリレート、エチレングリ
コールメタクリレート、ペンタエリスリトールアクリレ
ート、ペンタエリスリトールメタクリレート、ペンタエ
リスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラメタクリレート、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールグロパンジアクリレート、トリメ
チロールプロパンジメタクリレート、あるいはこれらの
誘導体などが挙げられる。これらのモマノーは1種用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。該
紫外線硬化樹脂層ツマ−を塗布する方法としては、公知
の方法、例えばスピンコード、グラビア塗布、スプレー
コート、ディッピングなどの方法を用いることができる
が、生産性の点からスピンコード法が特に好適である。
このようにして形成された保護膜の機械的強度の向上に
よっているので、この保護膜が施される光記録媒体は方
式、種類、材料について特に制限はない。例えば種類と
しては、再生専用型、追記型、書換え型のいずれであっ
てもよいし、方式も開孔方式、相変化方式、光磁気方式
などのいずれであってもよく、また、材料については、
再生専用型で一般に用いられるアルミニウムなどの金属
の外、カルコゲン系の合金や酸化物、希土類−遷移金属
合金、有機色素など、いずれにも適用できる。さらに、
基板材料の種類についても特に制限はなく、例えばガラ
ス、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹
脂など、いずれのものであってもよいが、これらの中で
高温、高湿で膨張率の大きいプラスチック基板に対し、
本発明保護膜は特に有用である。
本発明においては、ケイ素の酸窒化物から成る本発明の
保護膜を前記の光記録媒体における記録層の上又は下、
若しくはその両側に設け、さらに場合により、光記録媒
体の最上層に、本発明に係る紫外線硬化樹脂から成る保
護膜を設けることにより、高温、高湿の過酷な環境下で
の使用が可能な光記録媒体が得られる。
次に、添付図面に従って、本発明の光記録媒体の構造を
説明する。
第2図ないし第4図は、本発明の光記録媒体それぞれ異
なった構造例を示す拡大断面図であって、第2図におい
ては、基板l上に干渉層2、記録層3及び保護層が順次
積層され、4層から戊る光記録媒体が形成されている。
次に第3図においては、保護層4の上にさらに反射層5
が設けられ、5層から成る光記録媒体が形成されている
。また、第4図においては、上記の反射層5の上にさら
に紫外線硬化樹脂から成る保護層6が設けられ、6層か
ら戊る光記録媒体が形成されている。
発明の効果 光記録媒体における記録層の少なくとも一方の面に設け
られる本発明の光記録媒体用保護膜は、ケイ素の酸窒化
物から虞るものであって、特定の組成及び微視的な膜組
織を有するように成膜することにより、水や酸素に対す
るバリア性、化学的安定性、過酷な条件下での機械的強
度などが優れ、かつ剥離やクラックが発生しにくいもの
となる。
このような優れた特性を有する本発明保護膜を、光記録
媒体における記録層の少なくとも片側に設けることによ
り、該光記録媒体は、高温、高湿の過酷な環境下での使
用が可能な耐環境性に優れたものとなる。
さらに、この光記録媒体の最上層に、特定の硬化収縮率
を有する紫外線硬化樹脂から戒る保護膜を設けることに
より、該光記録媒体は、より耐環境性に優れたものとな
る。
実施例 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本
発明はこれらの例によってなんら限定されるものではな
い。
実施例1 直径130+++mの案内溝付きポリカーボネート基板
(厚さ1.2+II+x) 1上に、膜厚80nmの5
iNxOyから成る干渉層2、膜厚80nmのTb2o
FeyoCO+oから成る記録層3及び膜厚80nmの
Si、、N6003sから戒る保護層4を順次設けるこ
とにより、第2図に示す構造の光磁気ディスク媒体を作
成した。前記記録層は合金ターゲットによるDCマグネ
トロンスパッタ(ガス圧0 、4Pa、パワー200W
) 、保護層はSiターゲットによる反応性RFマグネ
トロンスパッタ(ガス圧Q、4Pa、 Nz分圧0.0
4Pa、 O,分圧0.05Pa、パワー400’ll
)により形成し、保護層を兼ねた干渉層はSiターゲッ
トを用いて成膜条件を種々設定して形成した。この際ス
パッタガスはAr、N2N o、の混合ガスを使用し、
ガスの分圧は形成される干渉層の組成が5i4sNi。
OSSとなるように調節した。
次に、ディスクの耐環境性を評価するため、ホットメル
ト系接着剤により、このディスクを2枚貼合わせたのち
、これを80℃、90%RHの加速寿命試験環境下に2
00時間放置した。
また、これとは別に、干渉層の膜構造を観察するため、
前記と同一の基板上に干渉層のみを形成したものを用意
し、分解能0.6層mの透過型電子顕微鏡(以下TEM
と略す)により粒組織を観察した。
使用した機器は日立製作新製H−500である。第1表
に、成膜条件とクラック発生の有無との関係を示す。
第 1 表 ガス圧の高い条件(No、 l )では、50〜100
時間で媒体にクラックが多数発生し、記録、再生ができ
なかった。
第5図ないし第7図は、上記の試料の膜組織のTEM写
真であるが、この第5図の試料No、lでは多数の粒界
がはっきり認められるのに対し、第6図の試料No、5
では、1μmの断面内に粒組織が1個しかなく、粒界の
ない均一なものになっている。さらに、第7図の試料N
o、3では、No、lと類似した粒界が認められるが、
連続した粒界が粒組織を囲むに至っておらず、1μが断
面内の粒組織の数は数個である。
以上の検討結果より、クラックの発生は粒界で完全に囲
まれた粒組織を断面lμI+!!当り数個以内にするこ
とにより防止できること、このような粒界の少ない膜を
形成するにはガス圧を下げるのが有効(本実施例の条件
では0.45Pa以下)であることが分る。なお、これ
らのTEM写真で波打つような濃淡の見られるものがあ
るが、これは観察用のサンプルが完全に平らでないため
に見かけ上コントラストがついたためであり、本発明で
いうところの粒界や粒組織とは無関係である。
実施例2 直径130朋の案内溝付きポリカーボネート基板(厚さ
1.2mm) l上に、膜厚120nmの5iNxOy
から戊る干渉層2、膜厚30nmのTb2oFetoC
OIoから戒る記録層3、膜厚35nmの5iasNt
oOssから成る保護層4及び膜厚40nmのアルミニ
ウムから成る反射層5を順次設けることにより、第4図
に示す構造をもつ光磁気ディスク媒体を作成した。
前記記録層は合金ターゲットによるDCマグネトロンス
パッタ(ガス圧0.4Pa1パワー200W)、保護層
はSiターゲットによる反応性RFマグネトロンスパッ
タ(ガス圧0.4Pa、 N2分圧0−04Pa、 O
,分圧0.05Pa、パワー400W) 、反射層はl
ターゲットによるRFマグネトロンスパッタ(ガス圧0
.4Pa、パワー200W)により形成した。保護層を
兼ねた干渉層は、Siターゲットの反応性スパッタ及び
Si3N4ターゲットを用いて成膜し、それぞれスパッ
タ条件を種々設定した。この際、スパッタガスはAr。
N、、O,の混合ガスを使用し、ガスの分圧は形成され
る干渉層の組成が5i4sN2゜03.となるように調
節した。
次に、ディスクの耐環境性を評価するため、ホットメル
ト系接着剤により、このディスクを2枚貼合わせたのち
、これを80℃、90%RHの加速寿命試験環境下に2
00時間放置した。
第2表に皮膜条件とクラック発生の有無との関係を示す
第 表 実施例1と同様に、ガス圧が高い条件、すなわち多数の
粒界が認められる条件では50〜100時間で媒体にク
ラックが多数発生し、記録、再生ができなかった。粒界
の少ない膜を形成するだめのガス圧はターゲットがSi
であるかSi3N、であるかによって異なり、前者の場
合は0.45Pa以下、後者の場合は0.65Pa以下
が好ましい。
実施例3 直径130mmの案内溝付きポリカーボネート基板(厚
さ1.2mm)上に、実施例2と同じ構成の光磁気ディ
スク媒体を形成した。このうち記録層は合金ターゲット
によるDCマグネトロンスパッタ(ガス圧0.4Pa1
パワー200W)、保護層はStケタ−ットによる反応
性RFマグネトロンスパッタ(ガス圧0.4Pa、 N
、分圧0.04Pa、 O,分圧0.05Pa、パワー
400W)、反射層AQケタ−ットによるRFマグネト
ロンスパッタ(ガス圧0.4Pa、パワー200W)に
より形成した。保護層を兼ねた干渉層はSi、N、ター
ゲットをA「とN、と0.との混合ガスにより反応性ス
パッタして成膜し、ガスの分圧を調節して種々の組成の
ものを作成した。スパッタ条件はガス圧Q、4Pa。
パワー200Wに固定した。
次に、ディスクの耐環境性を評価するため、ホ・ニドメ
ルト系接着剤により、このディスクを2枚貼合わせたの
ち、これを80°C190%RHの加速寿命試験環境下
に500時間放置した。
また、これとは別に、干渉層の膜構造を観察するため、
前記と同一の基板上に干渉層のみを形成したものを用意
し、TEMにより粒組織を観察した。第3表に、膜組成
とクランク発生の有無及び剥離発生の有無との関係を示
す。
第    3    表 本実施例においては、すべてのディスクについて500
時間経過してもクラックは発生しなかった。
第5図はこの例におけるNo、17の膜組織のTEM写
真である。この写真図から明らかなように、粒組織は1
μm2の断面内に粒組織が1個しかなく、粒界のない均
一な膜になっていることが分る。しかし、三角座標にお
いて、2つの化学量論化合物である5in2とSi、N
、を結ぶ線分よりSi側で表わされる組成範囲にあり、
かつ酸素に対するケイ素の原子数比が1.5以上のもの
では、200時間経過後より、基板と干渉層との間に剥
離が発生し、記録、再生ができなくなった。
以上の結果より、本実施例のいずれの組成であっても粒
界を減少させることによりクラックを防ぐことはできる
が、第1図の範囲を逸脱した組成では剥離が発生してし
まい、記録・再生に支障をきたすことが分る。なお、第
5図のTEM写真で波打つような濃淡が見られるが、こ
れも実施例1と同様、本発明でいうところの粒界や粒組
織とは無関係である。
実施例4 直系86mmの案内溝付きポリカーボネート基板(厚さ
1 、2mm)上に、実施例2と同じ構成の光磁気ディ
スク媒体を形成した。このうち記録層は合金ターゲット
によるDCマグネトロンスパッタ(ガス圧0 、4Pa
、パワー200W) 、保護層は、Siターゲットlこ
よる反応性RFマグネトロンスパッタ(ガス圧0.4P
a、 N、分圧0.04Pa、 O,分圧0.05Pa
、パワー400W) 、反射層はAffターゲットにょ
るRFマグネトロンスパッタ(ガス圧0.4Pa、パワ
ー200W)により形成した。保護層を兼ねた干渉層は
、Si3N。
ターゲットをArとN、とO5の混合ガスにより反応性
スパッタして成膜し、ガスの分圧を調節して組成をSi
4゜N6003゜となるようにした。スパッタ条件はガ
ス圧0.4Pa、パワー200wに固定した。
この光磁気ディスク媒体の最上層としてペンタエリスリ
トールトリメタクリレートのインプロパツール溶液をス
ピンコードし、これを紫外線硬化させて保護層とした。
その際、紫外線の照射強度と照射時間を変化させて、種
々の硬化収縮率のものを作成した。膜厚はすべて20p
mとした。以上のようにして作成した光磁気ディスクの
構造を第6図に示す。
次に、ディスクの耐環境性を評価するため、8゜’01
90%RHの加速寿命試験環境下に2000時間放置し
た。本実施例ではディスクを貼り合わせることはせず、 単板構造とした。
その結果を第4表 に示す。
第 表 本実施例で明らかなように、ディスクの最上層に紫外線
硬化樹脂から戊る保護層を追加することによって、単板
構造でも2000時間まで剥離、クラ・7りの発生が抑
制されるが、紫外線硬化樹脂の硬化収縮率が5.0%よ
り低い場合はクラックが、10.0%より高い場合は剥
離が発生することが和分る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の光記録媒体用保護膜の組成範囲を示す
三角座標図、第2図、第3図及び第4図は、それぞれ本
発明光記録媒体の異なった構造例を示す断面図、第5図
ないし第7図は、それぞれ光記録媒体用保護膜の膜組織
を示す電子顕微鏡写真図である。 図中符号lは基板、2は干渉層、3は記録層、4は保護
層、5は反射層、6は紫外線硬化樹脂から成る保護層で
ある。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 光記録媒体における記録層の少なくとも一方の面に
    設けられるケイ素の酸窒化物から成る保護膜であって、
    その原子数比が(Si_1_0_0N_0O_0)、(
    Si_0N_1_0_0O_0)及び(Si_0N_0
    O_1_0_0)を頂点とする三角座標において、A(
    Si_6_0N_0O_4_0)、B(Si_3_3_
    ._3N_0O_6_6_._7)及びC(Si_3_
    9_._1N_3_4_._6O_2_6_._1)の
    各点を順次線分で結んだ三角形より内側の領域で表わさ
    れ、かつその微視的な膜組織において、粒界で囲まれた
    粒組織の密度が1μm^2当り10個以下であることを
    特徴とする光記録媒体用保護膜。 2 請求項1記載の保護膜から成る層と、光記録媒体の
    最上層に設けられ、かつ硬化収縮率が5〜10%の紫外
    線硬化樹脂から成る層とから構成される光記録媒体用保
    護膜。 3 記録層の少なくとも一方の面に請求項1記載の保護
    膜を有することを特徴とする光記録媒体。 4 請求項2記載の保護膜を有することを特徴とする光
    記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6908725B2 (en) 2001-01-16 2005-06-21 Dphi Acquisitions, Inc. Double-sided hybrid optical disk with surface topology
US7368222B2 (en) * 2001-01-16 2008-05-06 Dphi Acquisitions, Inc. Optical data storage media with enhanced contrast
US7914711B2 (en) * 2002-01-24 2011-03-29 Dphi Acquisitions, Inc. Use of mother stamper for optical disk molding

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