JPH038568Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は包装用の箱に関し、特に開封防止機構
を備えた包装用の箱に関する。

〔従来技術とその問題点〕

一般に知られる包装用箱の構造は、箱本体が前
後壁及び左右壁によつて四角い筒状体となるよう
に形成し、箱本体を形成する後壁の上下両端部に
蓋板及び底板を折り曲げ自在に連設するという構
造となつている。

これらの包装用箱は、その用途が薬品などを収
容する包装用箱の場合には、内部に収容されてい
る薬品に不正な細工を施されたり、或いは、内容
物の抜取りをされる危険を防止するために開封防
止機構をもつた構成とされることが要求されてい
る。

上記のような目的を達成するために、製薬業者
は箱体に開封防止或いは改竄を防止するための構
成を付加しており、特に、開封操作が行われやす
い蓋板及び底板部分には多くの注意がはらわれて
いる。

しかしながら、従来より実施されている開封防
止等の機構は、殆どの場合、蓋板或いは底板部分
を二重構造等として構成し、万一開封された場合
には開封の痕跡が容易に確認できる構造としたも
のであつたが、二重構造等を採用しているために
箱体の構造が複雑となりやすいという製作上の問
題があつたほか、このような二重構造として製造
された箱体の場合でも糊代部分を鋭利な刃物で丁
寧に開披すれば蓋板或いは底板などに損傷を与え
ることなく内容物を取り出すことができるという
危険が依然として残るという欠点のあることが指
摘されていた。

〔考案の目的〕

本考案はこれらの問題に対応しようとするもの
であり、蓋板及び底板に連設形成している糊代部
分の貼着面が、（糊代部分に形成した貼着面とこ
の貼着面が接着される相手方の貼着面が）箱体を
組み立てられた後において外部から全く触れるこ
とができないように構成し、これによつて改竄、
開封防止の機能を発揮させ、内容物の安全な管理
を保証できるようにした包装用の箱を提供するこ
とを目的としている。

〔考案の要点〕

本考案は、差し込み舌片を有する蓋板及び底板
を上下にそれぞれ連設した前壁片と、左側壁片、
後壁片、右側壁片及び糊代片を順次連結して筒状
体を形成する箱本体と、箱本体を構成する後壁片
と同じ大きさを有し、上下には折り曲げ片をそれ
ぞれ連設している当接片本体との組合せからなり
前記当接片本体部分を前記後壁片の内側に当接一
体化させ、蓋板の上端に連設した差し込み舌片の
裏面と、底板の上端に連設した差し込み舌片の裏
面に形成した接着剤の塗布面が、当接片の裏面側
上下両端部近くにそれぞれ接着するように構成し
てなる開封防止機構を備えた包装用の箱の構造を
考案の要点としている。

〔実施例〕

以下に本考案の実施の一例を図面を参照して説
明する。

本考案は、箱本体を構成するための紙片Ａと、
前記箱本体の内部に当接一体化させる当接片Ｂと
によつて構成されている。

箱本体を構成する紙片Ａは、前壁片１、左側壁
片２、後壁片３及び右側壁片４を折り曲げ線１１
…１１を介して順次連続するように形成しており
前壁片１の上端には、先端に差し込み舌片５１を
有する蓋板片５を、また、前壁片１の下端には、
先端に差し込み舌片６１を有する底板片６がそれ
ぞれ折り曲げ自在に連設されている。

左側壁片２及び右側壁片４はその上下にそれぞ
れ折り込み片２１，２１並びに４１，４１を連設
している。

１２は前壁片１の上端部中央に形成した半円弧
状の切り取り部であり、その両端部は、蓋板片５
との境界部に刻設形成したミシン目状の切り取り
線５２と接続するようにしている。

１３は右側壁片４の端部に連設した糊代であり
前壁片１の端部に内側に当接して接着するように
している。

当接片Ｂは、箱本体を構成する後壁片３の内側
に当接できるように形成するものであり、後壁片
３の内側に当接させる当接片本体Ｂ１、その上下
にそれぞれ連設する折り曲げ片Ｂ２，Ｂ３とによ
つて構成されている。

なお、当接片本体Ｂ１の大きさは、後壁片３の
大きさと同一であり、またその上下に連設する折
り曲げ片Ｂ２及びＢ３は箱本体を構成する蓋板片
５及び底板片６と同一の大きさとしている。

また蓋板片５及び底板片６に連設した差し込み
舌片５１及び６１の裏面に形成した接着剤の塗布
面５３，６３は、当接片本体Ｂ１の上下両端部の
背面に当接して接着するようにしている。

〔包装用箱体の組み立て〕

上記のように構成した本考案の包装用箱は以下
にように組み立て形成する。

箱本体と当接片Ｂとを一体化させるための方法
としては 箱本体に当接片Ｂを予め接着させたのち箱体
を組み立てる方法。

自動組み立て機（カートナー）を利用して箱
本体を組み立てる際に、箱本体の材料（紙片
Ａ）と当接片Ｂの材料とを同時に供給し、前記
の機械によつて両者を同時に接着させながら組
み立てる方法。

の二つが考えられ、その何れの方法を採用しても
差し支えないが、いずれの方法を採用した場合に
も、組み立てに際して当接片本体Ｂ１部分が後壁
片３の内側に当接されることによつて（若しくは
両者の一部が当接貼付されることによつて）両者
の一体化が図られるものである。

このようにして後壁片３と当接片Ｂとを一体化
させたものは、公知の筒状をした箱体の組み立て
手段と同様に前壁片１、左側壁片２、後壁片３、
右側壁片４が順次折り曲げられた後右側壁片２の
端部に連設した糊代１３を前壁片１の側端部の裏
面に当接貼着して筒状体となるように形成する。

筒状体に形成された箱体は、既に後壁片３の内
側に当接片本体Ｂ１が組合わされて当接一体化さ
れているので、左側壁片２、右側壁片４の上下に
連設している折り込み片２１，２１，４１，４１
をそれぞれ折り込んだのちその上方から当接片本
体Ｂ１の上下に連設した折り曲げ片Ｂ２，Ｂ３を
折り曲げ、次いで、蓋板片５、底板片６に連設し
た差し込み舌片５１，６１部分を当接片本体Ｂ１
の背面側に挿入することによつて完全な組み立て
を完了することができる。

この場合、蓋板片５及び底板片６に連設した差
し込み舌片５１及び６１の裏面に形成した接着剤
の塗布面５３，６３は当接片本体Ｂ１の裏面の上
下に当接して接着され箱体の閉止が行われる。

なお、封緘後の箱体を開封する時には、第３図
に例示するように蓋板片５の基端部と前壁片１の
上端境界部に刻設形成した切り取り線５２と、こ
れに連続する半円弧状の切り取り部１２とを開披
し、前記の切り取り部１２を引き上げることによ
つて開放を図ることができる。

但し一端開封をした蓋板片５は再度の閉止をす
ることはできない。

〔考案の効果〕

上記のように構成した本考案の効果を述べれば
以下のとおりである。

(1) 本考案の箱体は、蓋板片５及び底板片６の先
端に連設した差し込み舌片５１および６１の裏
面が（接着剤の塗布面５３，６３が）当接片本
体Ｂ１の背面側に挿入され、接着一体化されて
いるために、組み立てを完了した後の箱に（差
し込み舌片５１，６１部分から）開封の目的で
ナイフ等の鋭利な刃物を差し込んでも、差し込
まれた刃物類は差し込み舌片５１或いは６１の
背面と後壁片３の内側面との隙間部分を移動す
るだけであり、接着剤の塗布面５３，６３には
全く触れることができないので、絶対に開封を
される心配がないという優れた特徴を有してい
る。

(2) 上下両端部に形成した折り曲げ片Ｂ２，Ｂ３
をそれぞれ内側に折り曲げた当接片本体Ｂ１を
後壁片３の内側に当接させたのち、後壁片３の
上下に連設した差し込み舌片５１及び６１を当
接片本体Ｂ１の背面側に挿入させてこれと一体
化させるという簡単な構成であるので組み立て
の作業性に優れ、カートナー等の自動製箱機に
よる製造にも適当させることができ量産性を有
するという利点がある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものであり、第１図
は展開平面図、第２図は要部を拡大して示す箱体
の縦断側面図、第３図は蓋板の開披手段を示す斜
視図である。 Ａ……箱体を構成する紙片、１……前壁片、１
１……折り曲げ片、１２……切り取り部、１３…
…糊代、２……左側壁片、３……後壁片、４……
右側壁片、５……蓋板片、６……底板片、２１，
４１……折り込み片、５１，６１……差し込み舌
片、５２……切り取り線、５３，６３……接着剤
の塗布面、Ｂ……当接片、Ｂ２，Ｂ３……折り曲
げ片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 差し込み舌片５１を有する蓋板５及び差し込み
   舌片６１を有する底板６を上下にそれぞれ連設し
   た前壁片１、左側壁片２、後壁片３、右側壁片４
   及び糊代片１３を順次連結して筒状体を形成する
   箱本体と、箱本体を構成する後壁片３と同じ大き
   さを有し、上下には折り曲げ片Ｂ２及びＢ３をそ
   れぞれ連設した当接片本体Ｂ１を前記後壁片３の
   内側に当接一体化させ、蓋板５の上端に連設した
   差し込み舌片５１及び底板６の上端に連設した差
   し込み舌片６１の裏面に形成した接着剤の塗布面
   ５３及び６３が、当接片Ｂ１の裏面側の上下両端
   部にそれぞれ接着するように構成してなる開封防
   止機構を備えた包装用の箱。