JPH038409Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は射出成形用型に関する。

（従来の技術） 従来、スピアーシステム方式と称される射出成
形用型においては、第３図に於けるように、移動
側型６′を構成する雌雄両金型１′，２′によつて
形成される型窩３′内に溶融樹脂を充填後、ゲー
トランド部４′の樹脂が固化されゲート５′が閉塞
される。そして次の射出成形工程において、ラン
ナー８′内に保持されるスピアーヒーター７′によ
つてゲートランド部４′の樹脂が溶融されゲート
５′が開口されて溶融樹脂の射出充填が行われる。

このような射出成形用型を使用して成形樹脂自
体やその着色を替えて成形するような場合、移動
側型６′を分割して固定側型９′から引き離しラン
ナー８′内の樹脂を固定側型９′に残す。この際ラ
ンナー８′内の樹脂はゲートランド部４′の部分及
びランナー８′内壁１０′と接する部分が固化され
る。そして樹脂注入口１１′から樹脂圧を掛けこ
れを取り外すようになされる。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら上記のような射出成形用型におい
ては、金型を分割してもランナー８′内の樹脂部
分が分割部分の外側に少ししか出ない為、樹脂注
入口１１′から樹脂圧を掛け取り外す際に時間が
かかり、成形工程が長くなり生産性が上がらない
欠点があつた。またランナー８′内の樹脂部分を
樹脂注入口１１′から樹脂圧を掛け取り外す際に、
ゲートランド部４′の樹脂の固化がスピアーヒー
ター７′の熱により十分でないことが多く、樹脂
圧が十分に掛からなくなるので空気を吹き付ける
等により冷却固化する必要があつた。

本考案は上記従来の欠点を解消し、ランナー
８′内の樹脂部分の除去を短時間でしかも容易に
行うことができ、またゲートランド部４′の樹脂
の冷却の為に空気を吹き付けたりする必要がな
い、射出成形用型を提供するものである。

（問題点を解決する為の手段） 本考案は、所望成形品形状に適合する型窩３が
形成される移動側型６と、この移動側型６と閉合
及び分割される固定側型１２からなり、固定側型
１２から移動側型６にかけてスピアーヒーター７
が内部に設けられているランナー部１０が形成さ
れ、移動側型６部分に形成されるランナー部１０
から型窩３に連続する部分にはゲートランド部４
が設けられており、移動側型６部分に形成される
ランナー部１０の周壁面に螺旋状溝１５が形成さ
れ、この螺旋状溝１５は移動側型６における固定
側型１２との閉合面側の端面に達するものとされ
ている、射出成形用型に関するものである。

（実施例） 次に本考案射出成形用型の一例を図面を参照し
ながら説明する。

１は雌型、２は雄型であり、これら雌雄両金型
１，２によつて移動側型６が構成される。また雌
雄両金型１，２の閉合により所望の成形品形状の
型窩３が形成される。４は移動側型６部分に形成
されるランナー部１０から型窩３に連続する部分
に形成されるゲートランド部４であり、ゲートラ
ンド部４はスピアーヒーター７の尖端部８によ
り、加熱されるようになされる。スピアーヒータ
ー７はランナー部１０内に設けられ、棒状本体９
の両端部が次第に先細りにされると共に尖端部８
を有するヒーターであり、通電により成形時にお
いてランナー部１０及びゲートランド部４を加熱
する働きを有し、また固定側型１２と移動側型６
を分割した際に通電が切られて加熱が停止される
ようになされている。

ランナー部１０は移動側型６内ではゲートラン
ド部４に連続する先端部が移動側型６を構成する
雌型１に形成され、またランナーブツシユ１１及
び固定側型１２により中間部及び後端部が形成さ
れている。ランナー部１０は固定側型１２におい
て樹脂通路１３を経て樹脂注入口１４に通ずる。
そしてランナー部１０の移動側型６を構成する雌
型１に形成される部分における周壁面に螺旋溝１
５が形成される。この螺旋溝１５は周壁面に沿つ
て一ピツチ以上を有するように形成され、かつ移
動側型６における雌型１の、固定側型１２との閉
合面側の端面に達するものとされる。

（作用） 上記の射出成形用型を使用して成形を行うに際
して、樹脂注入口１４から溶融樹脂を注入する。
樹脂は固定側型１２における樹脂通路１３を経て
ランナー部１０に入り、固定側型１２、ランナー
ブツシユ１１により形成されるランナー部１０通
路を経てゲートランド部４から型窩３内に注入さ
れる。樹脂の注入が終わるとスピアーヒーター７
によるランナー部１０の加熱が停止されゲートラ
ンド部４の樹脂は固化されゲート１６が閉塞され
る。

次いで成形品の取外しが行われるが、この為に
移動側型６が後退する。ランナー部１０によつて
成形された部分１７はスピアーヒーター７の加熱
停止によりランナー部１０周壁面に接する部分が
冷却され筒状の殻となつているが内部はスピアー
ヒーター７の余熱によつて溶融状態が保持されて
いる。しかし移動側型６の後退によりランナー部
１０によつて成形された部分１７が抜け出る。そ
して雌型１の周壁面に形成される螺旋溝１５によ
つて成形される部分によつて移動側型６側に付い
た状態となる。次いでランナー部１０によつて成
形された部分１７を把持して螺旋溝１５に沿つて
逆回転させるとこの成形部分１７はゲート１６部
分で切断され容易に取り外される。この工程と同
時又は後に、移動側型６の雌雄両金型１，２を開
きランナー部のない成形品を取り出すことができ
る。

（考案の効果） 本考案射出成形用型によれば、上記の構成を備
えているので、ランナー１０により成形された部
分１７の取外しを短時間でしかも容易に行うこと
ができる。また従来のこの種射出成形用型におけ
るようにゲートランド部４′の樹脂の冷却の為に
空気を吹き付けたりする必要がないものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案射出成形用型の一例を示し、射
出成形時の状態での縦断面図、第２図は同上のラ
ンナーにより成形された部分を取り外す状態を示
す縦断面図、第３図は従来の射出成形用型におけ
る射出成形時の状態での縦断面図、第４図は同上
の型を分割した状態での縦断面図である。 １……雌型、２……雄型、３…型窩、４……ゲ
ートランド部、６……移動側型、７……スピアー
ヒーター、８……尖端部、１０……ランナー部、
１５……螺旋溝、１７……ランナー１０により成
形された部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所望成形品形状に適合する型窩３が形成される
   移動側型６と、この移動側型６と閉合及び分割さ
   れる固定側型１２からなり、固定側型１２から移
   動側型６にかけてスピアーヒーター７が内部に設
   けられているランナー部１０が形成され、移動側
   型６部分に形成されるランナー部１０から型窩３
   に連続する部分にはゲートランド部４が設けられ
   ており、移動側型６部分に形成されるランナー部
   １０の周壁面に螺旋状溝１５が形成され、この螺
   旋状溝１５は移動側型６における固定側型１２と
   の閉合面側の端面に達するものとされている、射
   出成形用型。