JPH038341B2 - - Google Patents

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JPH038341B2
JPH038341B2 JP13945283A JP13945283A JPH038341B2 JP H038341 B2 JPH038341 B2 JP H038341B2 JP 13945283 A JP13945283 A JP 13945283A JP 13945283 A JP13945283 A JP 13945283A JP H038341 B2 JPH038341 B2 JP H038341B2
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peroxide
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amount
active oxygen
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Takeshi Komai
Toshihiro Izumi
Shuji Suyama
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、熱分解速度の異なる二種のペルオキ
シド基を有する二官能性ペルオキシドの製造法に
関し、さらに詳しくは、分子中にジアシルペルオ
キシド結合とペルオキシエステル結合とを有する
二官能性ペルオキシドを収率高く、短時間で製造
する方法に関する。 従来から、熱分解速度の異なる二種以上のペル
オキシド基を有する多官能性ペルオキシドは、ブ
ロツク共重合体、耐衝撃性ポリスチレン、ABS
樹脂などを製造する際の重合開始剤として有用で
あるとされていた。 このような用途に用いられる二官能性ペルオキ
シドの製造法として、その分子中にジアシルペル
オキシド結合とペルオキシエステル結合とを有す
る二官能性ペルオキシドであるブチルジオキシカ
ルボニルプロピオニルペルオキシドを次に示すよ
うに三段階の反応で製造する方法が知られている
(ズール・オルグ・キム…Zhur.Org.Khim…、第
6巻,1585頁(1970))。 (1) まず次式()で示されるような酸無水物と
t−ブチルヒドロペルオキシドとをピリジン存
在下で反応させモノt−ブチルペルオキシズシ
ネートを生成させ (2) 次いで次式()に示されるように前記モノ
t−ブチルペルオキシズシネートをジメチルホ
ルムアミドの存在下、塩化チオニルで塩素化し
てt−ブチルジオキシカルボニルプロピオニル
クロライドを生成させ、 (3) しかる後に、次式()で示されるように前
記t−ブチルジオキシカルボニルプロピオニル
クロライドとジエチルエーテル及び過酸化水素
の混合物とをピリジン触媒下で反応させてt−
ブチルジオキシカルボニルプロピオニルペルオ
キシドを得る方法である。 また、(2)の段階で生成せるt−ブチルジオキシ
カルボニルプロピオニルクロライドを次式()
に示されるように25%水酸化カリウム水溶液及び
アセトンの存在下、ペルオキシアゼライン酸と反
応させることにより、ビス(t−ブチルペルオキ
シズシニル)アゼラオイルジペルオキシドを合成
する方法(ズール・オルグ・キム、第9巻、1076
頁(1973))も知られている。 しかし、このいずれの方法も反応の収率が低く
更に(2)の段階の塩素化反応に長時間を要するとい
う欠点を有していた。即ち前者のペルオキシドは
酸無水物からの全収率が24%にすぎず、また後者
のペルオキシドでは収率23%であり、その前段の
反応も入れるとコハク酸無水物から原料クロライ
ドまでの収率が前記刊行物に開示のデータでは
52.8%であるので全収率は12%にすぎないもので
あつた。 また、塩素化反応は完結までに室温で24〜48時
間も要している。これは、おそらく原料カルボン
酸に、特に熱及び酸類に不安定なペルオキシエス
テル結合を有しているためである。反応時間を短
縮する目的で通常の飽和脂肪酸の酸素化に要する
反応温度(40〜70℃)で式()の反応を行なつ
た場合、副生する塩化水素又は塩素化剤自身がペ
ルオキシエステル基を分解させる可能性が充分あ
り、このため収率の低下をひきおこす。反応条件
しだいではペルオキシエステルの分解による暴走
反応又は爆発に至る危険性も有している。したが
つてこの反応は、このような副反応を避けるため
できる限り低温で行なうことが望ましく、その結
果、反応が完結するまでには極めて長時間反応さ
せる必要があり、実用上の問題点とされている。 そこで、本発明者らは、前記の従来法の欠点を
解消すべく鋭意研究した結果、従来法に較べ収率
が高く、かつ反応時間も短かく工業的に有利な製
造方法である本発明を完成した。 即ち、本発明は、次に示されるように2段階の
反応からなるものである。 一般式 (式中、Rは炭素数1〜5の直鎖又は分枝のア
ルキル基;炭素数5〜9のシクロアルキル基又は
置換シクロアルキル基;又は
【式】で示 されるアリール基、ここでR″は水素原子もしく
は炭素数1〜4の直鎖又は分枝のアルキル基を示
す。)で示されるヒドロペルオキシド1モルに対
し、 一般式 (式中、R′は(−CH2−)n但しm=1〜20;フエ
ニレン基;直鎖上にメチル、エチル、エテニル基
又はフエニル基が1〜2個分枝した炭素数が10〜
2のアルキレン基:分子内の二重結合の数が1〜
3個である炭素数が10〜20の不飽和炭化水素基又
はその直鎖上にメチル、エチル、エテニル基又は
フエニル基が1〜2個分枝した分枝不飽和炭化水
素基を示す。) で示される二塩基酸塩化物1モル〜10モルを反応
させて 一般式 (式中、R及びR′は前記に同じ) で示される化合物を生成させ、次いで該化合物又
は該化合物及び前記一般式()で示される二塩
基酸塩化物の混合物に過酸化水素を添加しアルカ
リ金属水酸化物の存在下で反応させて 一般式 (式中、R及びR′は前記に同じであり平均縮
合度nは2〜20である。) で示される二官能性ペルオキシドを製造する方法
である。 まず、一段目の反応であるヒドロペルオキシド
と二塩基酸塩化物との反応についてのべる。 この反応に用いられるヒドロペルオキシドは、
例えばt−ブチルヒドロペルオキシド、t−アミ
ルヒドロペルオキシド、t−ヘキシルヒドロペル
オキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチル
ヒドロペルオキシドのようなアルキルヒドロペル
オキシド又はクメンヒドロペルオキシド、ジイソ
プロピルベンゼンヒドロペルオキシドのようなア
ラルキルヒドロペルオキシド、P−メンタンヒド
ロペルオキシドのような脂環式ヒドロペルオキシ
ドなどであり、又二塩基酸塩化物は例えばブタン
二酸(コハク酸)、ペンタン二酸(グルタル酸)、
ヘキサン二酸(アジピン酸)、ヘプタン二酸(ピ
メリン酸)、オクタン二酸(コルク酸)、ノナン二
酸(アゼライン酸)、デカン二酸(セバシン酸)、
ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二
酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキ
サデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン
二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、ヘネイ
コサン二酸、ドコサン二酸、6−エチルドデカン
−1,12−ジカルボン酸、7−エチルヘキサデカ
ン−1,16−ジカルボン酸、7,8−ジフエニル
テトラデカン−1,14−ジカルボン酸、7,12−
ジメチル−7,11−オクタデカジエン−1,18−
ジカルボン酸、7−ビニル−9−ヘキサデセン−
1,16−ジカルボン酸、6−ビニルドデカン−
1,12−ジカルボン酸、7−テトラデカン−1,
14−ジカルボン酸及び7,11−オクタデカジエン
−1,18−ジカルボン酸などの塩化物がある。 ヒドロペルオキシドと二塩基酸塩化物との反応
は公知のペルオキシエステル化反応と同じ条件下
で後述するように触媒を用いて、又無触媒で行な
われる。 次に反応条件について詳しく説明する。 反応温度は通常のペルオキシエステルを製造す
る時と同じでよく、−10〜50℃であり、好ましく
は0〜30℃である。これより高い温度で反応を行
なうと、生成したペルオキシエステルが分解する
危険性があり、またこれより低い温度では反応を
完結させるのに長時間を必要とするため好ましく
ない。反応時間は反応温度及び二塩基酸塩化物と
ヒドロペルオキシドとのモル比により異なる。例
えば、反応温度が高い場合、あるいは二塩基酸塩
化物に対するヒドロペルオキシドのモル比がかな
り小さい場合は反応を完結せしめるに必要な時間
は短かくてよい。 通常は0.5〜3時間で充分である。 ヒドロペルオキシドと二塩基酸塩化物との比率
は、ヒドロペルオキシド1モルに対して二塩基酸
塩化物1モル以上であることが必要である。 二塩基酸塩化物が1モルに達しない場合は、反
応完了后反応生成物中に未反応の二塩基酸塩化物
が存在しないか、又は存在しても少量のため二段
目の反応が円滑に進行せず目的とする二官能性ペ
ルオキシドの収率が低い。また比率を大きくして
nが20をこえた場合は、本発明の目的である二官
能性が薄れる。したがつて実用上好ましくは1モ
ル以上10モル以下である。 この第1段目の反応を触媒を用いて行う場合、
一般にペルオキシエステルを合成する時に用いら
れる触媒が適用できる。すなわち有機塩基、例え
ばアンモニアまたはピリジン、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミなどの第3級アミンが用いら
れる。有機塩基の使用量は、ヒドロペルオキシド
に対して0.8〜1.5倍モル、好ましくは1〜1.2倍モ
ルである。その理由は0.8倍モル未満では、ペル
オキシエステル化反応が完結せず、1.5倍モルを
越えると、二塩基酸塩化物のロスが多くなる。 二塩基酸塩化物及びモノペルオキシエステルの
混合液と第3級アミン塩酸塩等の有機塩基との分
離は過により行なう。過方法としては、減圧
過、自然過、加圧過、遠心過のいずれの
方法を用いてもよい。 この第1段目の反応であるペルオキシエステル
化反応は無触媒で行なうこともできる。この場合
は反応により発生する塩化水素分子を系内から取
り除くことにより反応が進行することを利用する
ものである。具体的には、例えば減圧下で反応系
内を脱気させながら行なうか、乾燥空気又は窒素
のような不活性ガスを流通させながら行なえばよ
い。 第1段目の反応において反応生成物の粘度が
高い場合又は触媒として第3級アミンを用い、
第3級アミン塩酸塩の生成量が多くなる条件では
溶剤を使用して反応する方が好ましい。 溶剤を添加する目的は反応生成物の粘度が高
い場合は粘度を少にして反応を円滑にするためで
あり、第3級アミン塩酸塩の生成量が多くなる
場合は、同塩に二塩基酸塩化物やモノペルオキシ
エステルが付着してロスとなり収率の低下を防ぐ
ためである。 使用される溶剤としてはヘキサン、ベンゼン等
であるが、二塩基酸塩化物及びヒドロペルオキシ
ドに対して不活性な溶剤であればこの反応に使用
することができる。 次に、前記一段目の反応で得られた化合物と二
塩基酸塩化物の混合物をアルカリ金属水酸化物の
存在下で過酸化水素と反応させる2段目の反応を
行なう。 この反応に用いられるアルカリ金属水酸化物と
しては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等である。 2段目の反応における過酸化水素の使用量は1
段目の反応で得られた一般式()即ち で示される化合物の塩素量に対して0.5〜1.0倍モ
ル、好ましくは0.5〜0.7倍モルである。過酸化水
素の量がこれより少ないとジアシルペルオキシ化
反応が完結せず、加水分解などの副反応が起き純
度低下を招く。これより多い場合はこれより多く
ても反応に寄与しないので経済的に不利である。 また反応温度及び反応時間は通常のジアシルペ
ルオキシドの製造条件でよい。即ち反応温度は−
15〜30℃、好ましくは−5〜15℃であり反応時間
は0.25〜1時間である。 以上の条件で二段目の反応を行なうことによ
り、一般式()、即ち、 で示されるジアシルペルオキシド結合とペルオキ
シエステル結合とを有する二官能性ペルオキシド
を含む反応生成液をうることができる。 反応終了後、生成した二官能性ペルオキシドが
固体の場合は過により反応液と分離し、水洗、
乾燥することにより目的とする二官能性ペルオキ
シドを得ることができる。また液体の場合は、静
置分離により反応液と分離し、水洗後、硫酸ナト
リウム、硫酸マグネシウム等の乾燥剤により乾燥
し過することにより二官能性ペルオキシドが得
られる。また溶剤を用いた場合でも溶剤を減圧留
去することにより、容易に二官能性ペルオキシド
が得られる。 前述した方法により製造した二官能性ペルオキ
シドは、赤外線吸収スペクトルの特性吸収波長、
核磁気共鳴スペクトルのδ値とその強度及びヨー
ド滴定法によりジアシルペルオキシド基とペルオ
キシエステル基に基づく活性酸素量を測定するこ
とにより構造が確認される。 以上の製造方法によれば、従来法に較べ著しく
高い収率で、かつ短時間で二官能性ペルオキシド
が得られる。 又本発明方法は更に原料であるヒドロペルオキ
シドに対する二塩基酸塩化物の比を調整すること
により、ジアシルペルオキシド結合部分とペルオ
キシエステル結合とが所要の比である二官能性ペ
ルオキシドを容易にうることができるという従来
法にはない特徴を有する。例えば一段目の反応に
おいて二塩基酸塩化物の使用量が大であると一分
子内のジアシルペルオキシド結合部分を大とする
ことができる。このようにジアシルペルオキシド
結合部分とペルオキシドエステル結合部分の比を
変えることができると、重合開始剤としての用途
の幅が拡がり特長的な使い方をすることができ
る。 次に実施例により、本発明を具体的に説明す
る。 実施例 1 撹拌機及び温度計のついた内容量300mlのフラ
スコに80.1g(0.3モル)のドデカン二酸の二塩化
物を入れ、ついで窒素気流下t−ブチルヒドロペ
ルオキシド18g(0.2モル)、ピリジン16.6g(0.21モ
ル)及びヘキサン50gの混合溶液を、フラスコ内
の温度を10〜15℃に保ちながら15分間で滴下し
た。滴下後、温度を15〜20℃に保ちながら1時間
反応を行なつた。その後、過によりピリジン塩
酸塩を取り除き、無色透明な液体130.2gを得た。
この液体の塩素量は9.5%であつた。次に撹拌機、
温度計のついた内容量500mlのフラスコに7%水
酸化ナトリウム水溶液229gを入れた後、10〜20
℃の条件下で50%過酸化水素水14.8gを加えた。
次いで、得られた無色透明な液体130.2gを0〜5
℃の条件下で滴下した。滴下後、内容物の温度を
0〜5℃に保ちながら30分間反応を継続した。反
応生成物を過して固体と廃水とに分離した後、
固体を水洗、乾燥して白色粉末68.5gを得た。収
率は81.7%であつた。ヨード滴定により活性酸素
量を測定した結果、全活性酸素量は7.68%であ
り、そのうちジアシルペルオキシド基に基づく活
性酸素量は3.99%であり、ペルオキシエステル基
に基づくそれは3.69%であつた。活性酸素量の組
成比から平均縮合度nは3.2であつた。また赤外
線吸収スペクトル及び核磁気共鳴スペクトルによ
り次式に示す二官能性ペルオキシドであることが
確認された。 実施例 2 t−ブチルヒドロペルオキシド10.8g(0.12モ
ル)及びピリジン10.0g(0.126モル)とした以外
は、実施例1に準じて処理を行ない126.3gの無色
透明な液体を得た。この液体の塩素量は11.4%で
あつた。次に7%水酸化ナトリウム水溶液266g
及び50%過酸化水素17.2gとした以外は、実施例
1に準じて処理を行ない61.5gの白色粉末を得た。
収率は79%であつた。ヨード滴定法による全活性
酸素量は7.44%であり、そのうちジアシルペルオ
キシド基に基づく活性酸素量は5.10%であり、ペ
ルオキシエステル基に基づく活性酸素量は2.34%
であつた。活性酸素量の組成比から平均縮合度n
は5.4であつた。また赤外線吸収スペクトル及び
核磁気共鳴スペクトルにより次式に示す二官能性
ペルオキシドであることが確認された。 実施例 3 t−ブチルヒドロペルオキシド5.4g(0.06モル)
及びピリジン5.0g(0.063モル)とした以外は、実
施例1に準じて処理を行ない124.6gの無色透明な
液体を得た。この液体の塩素量は12.8%であつ
た。次に7%水酸化ナトリウム水溶液295g及び
50%過酸化水素水19.1gとした以外は、実施例1
に準じて処理を行ない61.2gの白色粉末を得た。
収率は83.3%であつた。ヨード滴定法による全活
性酸素量は7.24%であり、そのうちジアシルペル
オキシド基に基づく活性酸素量は6.01%であり、
ペルオキシエステル基に基づく活性酸素量は1.23
%であつた。活性酸素量の組成比から平均縮合度
は10.8であつた。また赤外線吸収スペクトル及び
核磁気共鳴スペクトルにより次式に示す二官能性
ペルオキシドであることが確認された。 実施例 4 実施例1で用いたのと同じ反応器に71.7g(0.3
モル)のセバシン酸塩化物を入れ、その中にt−
アミルヒドロペルオキシド20.8g(0.2モル)とピ
リジン17.4g(0.22モル)及びヘキサン50gの混合
溶液を10〜15℃に保ちながら15分間で滴下した。
滴下後、10〜15℃で2時間反応を継続した。ピリ
ジン塩酸塩を過により取り除き無色透明な液体
131.2gを得た。この液体の塩素量は9.7%であつ
た。実施例1で用いたのと同じ500mlのフラスコ
に7%水酸化カリウム水溶液316gを入れた後、
10〜20℃の条件下で50%過酸化水素水15.2gを加
えた。次いで得られた無色透明な液体131.2gを0
〜5℃で滴下した。滴下後、内容物の温度を5〜
10℃に保ちながら20分間反応を継続した。反応生
成物を過して固体と廃水とに分離した後、固体
を水洗乾燥することにより55.7gの白色粉末を得
た。収率は70.9%であつた。ヨード滴定法による
全活性酸素量は8.10%であり、そのうちジアシル
ペルオキシド基に基づく活性酸素量は4.36%であ
り、ペルオキシエステル基に基づく活性酸素量は
3.74%であつた。活性酸素量の組成比から平均縮
合度は3.4であつた。また赤外線吸収スペクトル
及び核磁気共鳴スペクトルにより次式に示す二官
能性ペルオキシドであることが確認された。 実施例 5 二塩基酸塩化物としてエイコサン二酸塩化物
113.7g(0.3モル)とヒドロペルオキシドとしてt
−ヘキシルヒドロペルオキシド23.6g(0.2モル)
を用いた以外は、実施例1に準じて処理を行ない
165.3gの無色透明な液体を得た。この液体の塩素
量は7.3%であつた。次に7%水酸化ナトリウム
水溶液223.4gと50%過酸化水素水14.4gとした以
外は、実施例1に準じた処理を行ない88.5gの白
色粉末を得た。収率は72%であつた。ヨード滴定
法による全活性酸素量は5.06%であり、そのうち
ジアシルペルオキシド基に基づく活性酸素量は
2.68%であり、ペルオキシエステル基に基づく活
性酸素量は2.38%であつた。活性酸素量の組成比
から平均縮合度nは3.3であつた。また赤外線吸
収スペクトル及び核磁気共鳴スペクトルにより次
式に示すような二官能性ペルオキシドであること
が確認された。 実施例 6 二塩基酸塩化物としてアジピン酸塩化物54.9g
(0.3モル)と、ヒドロペルオキシドとして98%ク
メンヒドロペルオキシド4.7g(0.03モル)とピリ
ジン2.4g(0.03モル)とした以外は、実施例1に
準じた処理を行ない101.9gの無色透明な液体を得
た。この液体の塩素量は18.5%であつた。次に10
%水酸化ナトリウム水溶液254.9gと50%過酸化水
素水25.3gとした以外は、実施例1に準じて処理
を行ない37.8gの白色粉末を得た。収率は67.1%
であつた。ヨード滴定法による全活性酸素量は
10.29%であり、そのうちジアシルペルオキシド
基に基づく活性酸素量は9.17%であり、ペルオキ
シエステル基に基づく活性酸素量は1.12%であつ
た。活性酸素量の組成比から平均縮合度nは17.5
であつた。また赤外線吸収スペクトル及び核磁気
共鳴スペクトルにより次式に示すような二官能性
ペルオキシドであることが確認された。 実施例 7 二塩基酸塩化物として7−エチルヘキサデカン
−1,16−ジカルボン酸塩化物113.7g(0.3モル)
と、溶剤としてベンゼン80gを用いる以外は、実
施例1に準じて処理を行ない178gの淡黄色液体
を得た。この液体の塩素量は6.7%であつた。次
に撹拌機と温度計のついた1のフラスコ中に、
7%水酸化カリウム水溶液309.7gを入れた後、10
〜20℃の条件下で50%過酸化水素水14.3g加えた。
その後、得られた淡黄色液体178gを−5〜0℃
で滴下した。滴下後、内容物の温度を−5〜0℃
に保ちながら1時間反応を継続し、水洗後、廃水
と分離することにより156gの油層を得た。その
後、油層中のベンゼンを留去することにより82g
の粘稠液体を得た。収率は68%であつた。ヨード
滴定法による全活性酸素量は5.27%であり、その
うちジアシルペルオキシド基に基づく活性酸素量
は2.64%であり、ペルオキシエステル基に基づく
活性酸素量は2.63%であつた。活性酸素量の組成
比から平均縮合度nは3.0であつた。また赤外線
吸収スペクトル及び核磁気共鳴スペクトルによ
り、次式に示す二官能性ペルオキシドであること
が確認された。 実施例 8 ヒドロペルオキシドとしてP−メンタンヒドロ
ペルオキシド34g(0.2モル)とした以外は実施例
1に準じて処理を行ない、44.8gの無色透明な液
体を得た。この液体の塩素量は8.5%であつた。
次に7%水酸化ナトリウム水溶液228g及び50%
過酸化水素水14.7gとした以外は実施例1に準じ
て処理を行ない72.8gの白色粉末を得た。収率は
71.4%であつた。ヨード滴定法による全活性酸素
量は6.42%であり、そのうちジアシルペルオキシ
ド基に基づく活性酸素量は3.43%であり、ペルオ
キシエステル基に基づく活性酸素量は2.99%であ
つた。活性酸素量の組成比から平均縮合度nは
3.3であつた。また赤外線吸収スペクトル及び核
磁気共鳴スペクトルにより次式に示す二官能性ペ
ルオキシドであることが確認された。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 (式中、Rは炭素数1〜5の直鎖又は分枝のア
    ルキル基;炭素数5〜9のシクロアルキル基又は
    置換シクロアルキル基;又は【式】で示 されるアリール基、ここでR″は水素原子、もし
    くは炭素数1〜4の直鎖又は分枝のアルキル基を
    示す。)で示されるヒドロペルオキシド1モルに
    対し、 一般式 (式中、R′は(−CH2−)n、但しm=1〜20;フ
    エニレン基;直鎖上にメチル、エチル、エテニル
    又はフエニル基が1〜2個分枝した炭素数が10〜
    20のアルキレン基;分子内の二重結合の数が1〜
    3である炭素数10〜20の不飽和炭化水素基又は直
    鎖上にメチル基、エチル基、エテニル基又はフエ
    ニル基が1〜2個分枝した分枝不飽和炭化水素基
    を示す。)で示される二塩基酸塩化物1モル〜10
    モルを反応させて 一般式 (式中、RおよびR′は前記に同じ)で示され
    る化合物を生成させ、次いで該化合物又は該化合
    物及び前記一般式()で示される二塩基酸塩化
    物の混合物に過酸化水素を添加し、アルカリ金属
    水酸化物の存在下で反応させて 一般式 (式中RおよびR′は前記に同じであり、nは
    2〜20である。)で示されるジアシルペルオキシ
    ド結合とペルオキシエステル結合とを有する二官
    能性ペルオキシドを製造する方法。
JP13945283A 1983-08-01 1983-08-01 二官能性ペルオキシドの製造法 Granted JPS6032764A (ja)

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