JPH06239796A - ハロゲン酢酸ビニルエステルの製造方法 - Google Patents
ハロゲン酢酸ビニルエステルの製造方法Info
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- JPH06239796A JPH06239796A JP5146441A JP14644193A JPH06239796A JP H06239796 A JPH06239796 A JP H06239796A JP 5146441 A JP5146441 A JP 5146441A JP 14644193 A JP14644193 A JP 14644193A JP H06239796 A JPH06239796 A JP H06239796A
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C67/00—Preparation of carboxylic acid esters
- C07C67/10—Preparation of carboxylic acid esters by reacting carboxylic acids or symmetrical anhydrides with ester groups or with a carbon-halogen bond
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- Organic Chemistry (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 ハロゲン酢酸ビニルエステルの製造方法
【構成】 一般式(I)
Haln Hm C- COO- CH=CH2 (I)
(上式中、HalはClまたはBrであり、nは1、2
または3でありそしてmは3−nである)で表されるハ
ロゲン酢酸ビニルを製造する際、一般式(II) Haln Hm C- COOH (II) (上式中、Hal、nおよびmは上記の意味を有する)
で表されるハロゲン酢酸を一般式(III) R- CH2-COO- CH=CH2 (III) (上式中、Rは水素または1ないし6個のC- 原子を有
するアルキル基を意味する)で表されるビニルエステル
と、液相において触媒、共触媒および促進剤の存在下に
反応せしめる。 【効果】 環境を汚染することなく、工業的規模におけ
る連続的操作が可能になる。
または3でありそしてmは3−nである)で表されるハ
ロゲン酢酸ビニルを製造する際、一般式(II) Haln Hm C- COOH (II) (上式中、Hal、nおよびmは上記の意味を有する)
で表されるハロゲン酢酸を一般式(III) R- CH2-COO- CH=CH2 (III) (上式中、Rは水素または1ないし6個のC- 原子を有
するアルキル基を意味する)で表されるビニルエステル
と、液相において触媒、共触媒および促進剤の存在下に
反応せしめる。 【効果】 環境を汚染することなく、工業的規模におけ
る連続的操作が可能になる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般式I Haln Hm C- COOH- CH=CH2 (I) (上式中、HalはClまたはBrであり、nは1、2
または3でありそしてmは3−nである)で表されるハ
ロゲン酢酸ビニルエステルの製造方法に関する。
または3でありそしてmは3−nである)で表されるハ
ロゲン酢酸ビニルエステルの製造方法に関する。
【0002】特に、本発明は、クロロ酢酸ビニルエステ
ル(Cl- CH2-COO- CH=CH2 )の製造方法に
関する。クロロ酢酸ビニルエステルおよび他のオレフイ
ン、特にアクリル酸よりなる共重合体は、空間的に網状
結合され、それによってこの重合体は、新しい性質を得
る。更に、クロロ酢酸ビニルエステルは、防汚被覆およ
び難燃性プラスチック用の特殊重合体の製造に使用され
る。
ル(Cl- CH2-COO- CH=CH2 )の製造方法に
関する。クロロ酢酸ビニルエステルおよび他のオレフイ
ン、特にアクリル酸よりなる共重合体は、空間的に網状
結合され、それによってこの重合体は、新しい性質を得
る。更に、クロロ酢酸ビニルエステルは、防汚被覆およ
び難燃性プラスチック用の特殊重合体の製造に使用され
る。
【0003】
【従来の技術】クロロ酢酸ビニルエステルは、液相にお
いてアセチレンを用いる水銀(II)塩触媒上でのクロ
ロ酢酸のビニル化によって製造されうる。しかしなが
ら、ドイツ特許第271,381号に記載された方法
は、処理および環境保全の問題となる触媒的にもはや活
性でない元素水銀および水銀(I)化合物の生成および
分離が副反応において生ずるので、環境保護の理由で工
業的規模における生産がもはや不可能である。
いてアセチレンを用いる水銀(II)塩触媒上でのクロ
ロ酢酸のビニル化によって製造されうる。しかしなが
ら、ドイツ特許第271,381号に記載された方法
は、処理および環境保全の問題となる触媒的にもはや活
性でない元素水銀および水銀(I)化合物の生成および
分離が副反応において生ずるので、環境保護の理由で工
業的規模における生産がもはや不可能である。
【0004】ハロゲン化されていないカルボン酸ビニル
エステル(3)の製造方法は、下記の反応式に従うカル
ボン酸ビニルエステルとカルボン酸とのビニル交換反応
である: (上式中、R1 はアルキルまたはアリールでありそして
R2 はカルボキシレートである)。ビニル交換反応の触
媒としては、水銀(II)化合物が使用されうるが(M
=Hg)、アセチレンを用いるビニル化の場合と同様に
毒性の問題をもたらす。
エステル(3)の製造方法は、下記の反応式に従うカル
ボン酸ビニルエステルとカルボン酸とのビニル交換反応
である: (上式中、R1 はアルキルまたはアリールでありそして
R2 はカルボキシレートである)。ビニル交換反応の触
媒としては、水銀(II)化合物が使用されうるが(M
=Hg)、アセチレンを用いるビニル化の場合と同様に
毒性の問題をもたらす。
【0005】ドイツ特許第1,127,888号におい
ては、より高級なハロゲン化されていないカルボン酸の
ビニルエステルの製造方法が記載されており、その際触
媒として水銀(II)化合物の代りにパラジウム化合物
が使用される(M=Pd)。
ては、より高級なハロゲン化されていないカルボン酸の
ビニルエステルの製造方法が記載されており、その際触
媒として水銀(II)化合物の代りにパラジウム化合物
が使用される(M=Pd)。
【0006】同じ著者によって出版された論文〔“ヘミ
ッシェ・ベリヒテ(ChemischeBerichte)"第102巻
(1969年)第2939ないし2950頁参照〕およ
び本発明者らの実験から、パラジウム(II)化合物
は、そのようなビニル交換反応の間に金属パラジウムま
で還元されることが推論される。従って、連続的な操作
は、除外される。
ッシェ・ベリヒテ(ChemischeBerichte)"第102巻
(1969年)第2939ないし2950頁参照〕およ
び本発明者らの実験から、パラジウム(II)化合物
は、そのようなビニル交換反応の間に金属パラジウムま
で還元されることが推論される。従って、連続的な操作
は、除外される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この操作方法をハロゲ
ン酢酸に移した場合には、ハロゲン酢酸ビニルエステル
よりの後刻の分離が不可能な多量の副生成物の生成が観
察される筈である。
ン酢酸に移した場合には、ハロゲン酢酸ビニルエステル
よりの後刻の分離が不可能な多量の副生成物の生成が観
察される筈である。
【0008】
【課題を解決しようとする手段】本発明者らは、この
度、驚くべきことには一般式Iで表されるハロゲン酢酸
ビニルエステルの製造は、一般式(II) Haln Hm C- COOH (II) (上式中、HalはClまたはBrであり、nは1、2
または3であり、mは3−nである)で表されるハロゲ
ン酢酸を一般式(III) R- CH2-COO- CH=CH2 (III) (上式中、Rは水素または1ないし6個のC- 原子を有
するアルキル基を意味する)で表されるビニルエステル
と、液相において触媒としてのパラジウム(II)化合
物、共触媒としての銅(II)化合物および促進剤とし
てのアルカリ金属化合物の存在下に、20o ないし10
0℃において0.1ないし10時間にわたって反応せし
め、その後でフラッシュ蒸発において反応混合物から触
媒成分のうちの揮発性部分を分離し、次いでそれを酸化
により処理し、蒸発した部分を凝縮させ、そして凝縮物
を蒸留によって未反応のビニルエステル、粗ハロゲン酢
酸ビニルエステルおよび反応しなかったハロゲン酢酸に
分離し、上記粗ハロゲン酢酸ビニルエステルを5ないし
20℃において水で抽出し、それによって使用されたビ
ニルエステルから生成されたカルボン酸を水性相に移行
せしめ、そして有機相として分離されたハロゲン酢酸ビ
ニルエステルを場合によっては乾燥剤で処理することに
よって純粋な形で得られることを見出した。
度、驚くべきことには一般式Iで表されるハロゲン酢酸
ビニルエステルの製造は、一般式(II) Haln Hm C- COOH (II) (上式中、HalはClまたはBrであり、nは1、2
または3であり、mは3−nである)で表されるハロゲ
ン酢酸を一般式(III) R- CH2-COO- CH=CH2 (III) (上式中、Rは水素または1ないし6個のC- 原子を有
するアルキル基を意味する)で表されるビニルエステル
と、液相において触媒としてのパラジウム(II)化合
物、共触媒としての銅(II)化合物および促進剤とし
てのアルカリ金属化合物の存在下に、20o ないし10
0℃において0.1ないし10時間にわたって反応せし
め、その後でフラッシュ蒸発において反応混合物から触
媒成分のうちの揮発性部分を分離し、次いでそれを酸化
により処理し、蒸発した部分を凝縮させ、そして凝縮物
を蒸留によって未反応のビニルエステル、粗ハロゲン酢
酸ビニルエステルおよび反応しなかったハロゲン酢酸に
分離し、上記粗ハロゲン酢酸ビニルエステルを5ないし
20℃において水で抽出し、それによって使用されたビ
ニルエステルから生成されたカルボン酸を水性相に移行
せしめ、そして有機相として分離されたハロゲン酢酸ビ
ニルエステルを場合によっては乾燥剤で処理することに
よって純粋な形で得られることを見出した。
【0009】その上、本発明の方法は、選択的にそして
好ましくは下記事項を特徴とする: I.)ハロゲン酢酸としてクロロ酢酸(Cl- CH2-C
OOH)を使用すること; II.)ビニルエステルとして酢酸ビニル(CH3-CO
O- CH=CH2 )を使用すること; III.)触媒としてPdCl2 、Pd(CH3-CO
O)2またはPd(Cl- CH2-COO)2 を液相1l当
り10ないし100mmolの量で使用すること; IV.)共触媒としてCuCl2 、Cu(CH3-CO
O)2 または(Cl- CH2-COO)2 をパラジウムに
関して1:3ないし3:1のモル比で使用すること V.)助触媒としてNaCl、CH3-COONaまたは
Cl- CH2-COONaをパラジウムに関して2:1な
いし10:1のモル比において使用すること; VI.)60:40ないし90:10重量部のビニルエ
ステル/ハロゲン酢酸混合物を反応せしめること; VII.)粗ハロゲン酢酸ビニルエステルを1ないし1
0倍の量の水で抽出すること; VIII.)上記抽出をミキサー- セトラー装置または
塔内で連続的に実施すること; IX.)フラッシュ蒸発を薄膜蒸発器内で実施するこ
と; X.)a)フラッシュ蒸発の凝縮物から、そのままの形
でこの方法に再循環されうる未反応のビニルエステルを
分離し、 b)常圧蒸留の底部生成物を分別減圧蒸留において粗ハ
ロゲン酢酸ビニルエステルと生成されたカルボン酸とに
分離しそして c)上記減圧蒸留において底部生成物として残留した未
反応のハロゲン酢酸をプロセスに再循環せしめること; XI.)分離された触媒成分を空気中の酸素または過酸
化水素を用いて処理すること; XII.)水を含有するハロゲン酢酸ビニルエステルを
乾燥剤としての硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウムまた
は塩化カルシウムで処理すること。
好ましくは下記事項を特徴とする: I.)ハロゲン酢酸としてクロロ酢酸(Cl- CH2-C
OOH)を使用すること; II.)ビニルエステルとして酢酸ビニル(CH3-CO
O- CH=CH2 )を使用すること; III.)触媒としてPdCl2 、Pd(CH3-CO
O)2またはPd(Cl- CH2-COO)2 を液相1l当
り10ないし100mmolの量で使用すること; IV.)共触媒としてCuCl2 、Cu(CH3-CO
O)2 または(Cl- CH2-COO)2 をパラジウムに
関して1:3ないし3:1のモル比で使用すること V.)助触媒としてNaCl、CH3-COONaまたは
Cl- CH2-COONaをパラジウムに関して2:1な
いし10:1のモル比において使用すること; VI.)60:40ないし90:10重量部のビニルエ
ステル/ハロゲン酢酸混合物を反応せしめること; VII.)粗ハロゲン酢酸ビニルエステルを1ないし1
0倍の量の水で抽出すること; VIII.)上記抽出をミキサー- セトラー装置または
塔内で連続的に実施すること; IX.)フラッシュ蒸発を薄膜蒸発器内で実施するこ
と; X.)a)フラッシュ蒸発の凝縮物から、そのままの形
でこの方法に再循環されうる未反応のビニルエステルを
分離し、 b)常圧蒸留の底部生成物を分別減圧蒸留において粗ハ
ロゲン酢酸ビニルエステルと生成されたカルボン酸とに
分離しそして c)上記減圧蒸留において底部生成物として残留した未
反応のハロゲン酢酸をプロセスに再循環せしめること; XI.)分離された触媒成分を空気中の酸素または過酸
化水素を用いて処理すること; XII.)水を含有するハロゲン酢酸ビニルエステルを
乾燥剤としての硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウムまた
は塩化カルシウムで処理すること。
【0010】本発明による方法においては、使用された
ハロゲン酢酸に関して過剰のビニルエステルを用いて操
作される。それによって、一方では、化学平衡が所望の
ハロゲン酢酸ビニルエステルの側に移動し、他方ではビ
ニルエステルが溶媒として作用するので、それによって
他の溶媒の添加が不必要になる。
ハロゲン酢酸に関して過剰のビニルエステルを用いて操
作される。それによって、一方では、化学平衡が所望の
ハロゲン酢酸ビニルエステルの側に移動し、他方ではビ
ニルエステルが溶媒として作用するので、それによって
他の溶媒の添加が不必要になる。
【0011】この方法は、開放系において加圧せずに、
またはそれぞれ使用されたビニルエステルに応じて生ず
る蒸気圧下に閉鎖系において20o ないし100℃の温
度で実施されうる。この反応は、平衡反応であり、その
経時的変化は、まず直線的であるが、しかしある限界値
に向って平坦化する。高沸点の副生成物の発生を避ける
ために、反応をすでに直線的な変換の過程の終りに平衡
に達する前に中止する。副生成物は、より高い温度およ
びより長引いた滞留時間の際にハロゲン化酢酸およびビ
ニルエステルから生成されるアシラールである。
またはそれぞれ使用されたビニルエステルに応じて生ず
る蒸気圧下に閉鎖系において20o ないし100℃の温
度で実施されうる。この反応は、平衡反応であり、その
経時的変化は、まず直線的であるが、しかしある限界値
に向って平坦化する。高沸点の副生成物の発生を避ける
ために、反応をすでに直線的な変換の過程の終りに平衡
に達する前に中止する。副生成物は、より高い温度およ
びより長引いた滞留時間の際にハロゲン化酢酸およびビ
ニルエステルから生成されるアシラールである。
【0012】フラッシュ蒸留は、フラッシュ蒸発の形で
も実施されることができ、すなわち高温の反応溶液は、
真空の適用によって弛緩される。蒸発は、逆反応を避け
るために、短い滞留時間および高い熱の供給をもって実
施しなければならない。
も実施されることができ、すなわち高温の反応溶液は、
真空の適用によって弛緩される。蒸発は、逆反応を避け
るために、短い滞留時間および高い熱の供給をもって実
施しなければならない。
【0013】粗ハロゲン酢酸ビニルエステルの精製の際
には、水による抽出によって比較的高い温度を避けなけ
ればならない。何故ならば、比較的高い温度において
は、水と接触してカルボン酸もまたハロゲン酢酸ビニル
エステルのアセトアルデヒドおよびハロゲン酢酸への加
水分解に触媒作用をするからである。水性相におけるエ
ステルの溶解度は、そのカルボン酸含量と共に上昇する
ので、生成物の損失を避けるために、抽出に2相の形成
に必要とされる量よりも多量の水を使用することが合目
的的である。抽出は、多段階的に実施することが有利で
ある。好ましい結果は、ミキサー- セトラー装置におけ
る1段階抽出によって、または単一の振出しによって達
成されうる。より重い有機相として分離されたハロゲン
酢酸ビニルエステルは、1〜4重量%の水を含有する
が、このものは、乾燥剤の添加によって除去されうる。
には、水による抽出によって比較的高い温度を避けなけ
ればならない。何故ならば、比較的高い温度において
は、水と接触してカルボン酸もまたハロゲン酢酸ビニル
エステルのアセトアルデヒドおよびハロゲン酢酸への加
水分解に触媒作用をするからである。水性相におけるエ
ステルの溶解度は、そのカルボン酸含量と共に上昇する
ので、生成物の損失を避けるために、抽出に2相の形成
に必要とされる量よりも多量の水を使用することが合目
的的である。抽出は、多段階的に実施することが有利で
ある。好ましい結果は、ミキサー- セトラー装置におけ
る1段階抽出によって、または単一の振出しによって達
成されうる。より重い有機相として分離されたハロゲン
酢酸ビニルエステルは、1〜4重量%の水を含有する
が、このものは、乾燥剤の添加によって除去されうる。
【0014】
【実施例】本発明による方法は、連続的にまたは回分的
に実施されうる。 例1 還流冷却器を備えた1lの加熱ジャケット付きガラス管
反応器内に、クロロ酢酸ナトリウム塩11.7g(10
0mmol)、二塩化銅5.3gおよびクロロ酢酸28
3.5g(3mol)と共に二塩化パラジウム3.55
g(20mmol)を計量装入し、そして酢酸ビニル7
50g(8.72mol)を添加することによって撹拌
下に溶解する。この緑色の溶液を50℃に加熱し、そし
てこの温度において撹拌する。2時間後にこの溶液は、
クロロ酢酸ビニルエステル20.2重量%を含有し、そ
して反応は中断される。次に、上記溶液を150℃およ
び150mbarにおいてフラッシュ蒸発によりガラス
管反応器から留去せしめる。缶残として残渣26.9g
が残留し、このものは、触媒成分、高沸点の副生成物─
─実質的には1- アセトキシ -1- クロロアセトキシエ
タン──およびクロロ酢酸よりなるものである。凝縮物
1,027.5gを6段のトレーを有する鐘泡塔(30
mmφ)内で減圧下に蒸留する。34ないし56℃の塔
頂温度の間に220mbarないし90mbarにおい
て留分582.8gを取出す。このものは、酢酸ビニル
95.0重量%、アセトアルデヒド2.5重量%、酢酸
1.5重量%およびクロロ酢酸ビニルエステル0.6重
量%よりなるものである。次に、30℃の塔頂温度およ
び圧力15mbarにおいてクロロ酢酸ビニルエステル
62.6重量%、酢酸33.4重量%、酢酸ビニル2.
4重量%およびアセトアルデヒド0.6重量%よりなる
留分334.7gを取出す。蒸留缶残としてクロロ酢酸
110gが残留する。クロロ酢酸ビニルエステルおよび
酢酸よりなる留分を5℃に冷却し、そして同じ温度の水
400gと共に振出す。分離された下相は、216.6
gの重量があり、そしてクロロ酢酸ビニルエステル9
5.0重量%および水1.1重量%を含有する。 例2 ガラスライニングを施された100mlの特殊鋼製オー
トクレーブ内に、クロロ酢酸28.35g(0.3mo
l)、二酸化パラジウム0.36g(2mmol)、クロ
ロ酢酸ナトリウム塩1.17g(10mmol)および
二塩化銅0.54g(4mmol)を秤量して装入し、
そして酢酸ビニル75.09g(0.87mol)中に
溶解する。この混合物は、70℃に加熱され、その際内
部圧力は、0.5barに上昇する。30分後に室温ま
で冷却し、そしてオートクレーブから下記の表に記載さ
れた含量のアセトアルデヒド(AcH)、酢酸ビニル
(VINA)、酢酸(AcOH)、クロロ酢酸ビニルエ
ステル(CESVE)およびクロロ酢酸(CES)を有
する反応混合物105.5gが取出される。例1におい
て記載されたように、反応混合物をフラッシュ蒸発にお
いて留出物と触媒成分とに分離する。触媒成分を30%
の過酸化水素1ml(10mmol)と混合し、そして
加熱により水を除去する。この再生された触媒成分をそ
の次に新たに添加されたクロロ酢酸および酢酸ビニルと
再び反応せしめる。試験結果を表1に要約して示す。
に実施されうる。 例1 還流冷却器を備えた1lの加熱ジャケット付きガラス管
反応器内に、クロロ酢酸ナトリウム塩11.7g(10
0mmol)、二塩化銅5.3gおよびクロロ酢酸28
3.5g(3mol)と共に二塩化パラジウム3.55
g(20mmol)を計量装入し、そして酢酸ビニル7
50g(8.72mol)を添加することによって撹拌
下に溶解する。この緑色の溶液を50℃に加熱し、そし
てこの温度において撹拌する。2時間後にこの溶液は、
クロロ酢酸ビニルエステル20.2重量%を含有し、そ
して反応は中断される。次に、上記溶液を150℃およ
び150mbarにおいてフラッシュ蒸発によりガラス
管反応器から留去せしめる。缶残として残渣26.9g
が残留し、このものは、触媒成分、高沸点の副生成物─
─実質的には1- アセトキシ -1- クロロアセトキシエ
タン──およびクロロ酢酸よりなるものである。凝縮物
1,027.5gを6段のトレーを有する鐘泡塔(30
mmφ)内で減圧下に蒸留する。34ないし56℃の塔
頂温度の間に220mbarないし90mbarにおい
て留分582.8gを取出す。このものは、酢酸ビニル
95.0重量%、アセトアルデヒド2.5重量%、酢酸
1.5重量%およびクロロ酢酸ビニルエステル0.6重
量%よりなるものである。次に、30℃の塔頂温度およ
び圧力15mbarにおいてクロロ酢酸ビニルエステル
62.6重量%、酢酸33.4重量%、酢酸ビニル2.
4重量%およびアセトアルデヒド0.6重量%よりなる
留分334.7gを取出す。蒸留缶残としてクロロ酢酸
110gが残留する。クロロ酢酸ビニルエステルおよび
酢酸よりなる留分を5℃に冷却し、そして同じ温度の水
400gと共に振出す。分離された下相は、216.6
gの重量があり、そしてクロロ酢酸ビニルエステル9
5.0重量%および水1.1重量%を含有する。 例2 ガラスライニングを施された100mlの特殊鋼製オー
トクレーブ内に、クロロ酢酸28.35g(0.3mo
l)、二酸化パラジウム0.36g(2mmol)、クロ
ロ酢酸ナトリウム塩1.17g(10mmol)および
二塩化銅0.54g(4mmol)を秤量して装入し、
そして酢酸ビニル75.09g(0.87mol)中に
溶解する。この混合物は、70℃に加熱され、その際内
部圧力は、0.5barに上昇する。30分後に室温ま
で冷却し、そしてオートクレーブから下記の表に記載さ
れた含量のアセトアルデヒド(AcH)、酢酸ビニル
(VINA)、酢酸(AcOH)、クロロ酢酸ビニルエ
ステル(CESVE)およびクロロ酢酸(CES)を有
する反応混合物105.5gが取出される。例1におい
て記載されたように、反応混合物をフラッシュ蒸発にお
いて留出物と触媒成分とに分離する。触媒成分を30%
の過酸化水素1ml(10mmol)と混合し、そして
加熱により水を除去する。この再生された触媒成分をそ
の次に新たに添加されたクロロ酢酸および酢酸ビニルと
再び反応せしめる。試験結果を表1に要約して示す。
【0015】 表 1 バッチ1 バッチ2 バッチ3 反応混合物 重量% 重量% 重量% AcH 0.9 0.8 0.6 VINA 59.5 60.7 62.4 AcOH 8.1 7.3 6.1 CESVE 13.8 12.6 10.6 CES 16.1 17.0 18.6 ------------------------------------------------------------------------ 効率 VINA- 変換率(%) 16.3 14.7 12.3 CES- 〃 (%) 40.6 36.7 31.3 RZA (g/l.h) 290 266 242 ──────────────────────────────────── RZA:空時収率 上記の分析結果は、ガスクロマトグラフィーによって確
認された。 例3(比較例) 銅の添加されていないパラジウム触媒を用いた場合の空
時収率の低下が確められた。
認された。 例3(比較例) 銅の添加されていないパラジウム触媒を用いた場合の空
時収率の低下が確められた。
【0016】ガラスライニングの施された100mlの
特殊鋼製オートクレーブ内において、クロロ酢酸28.
35g(0.3mol)、二塩化パラジウム0.36g
(2mmol)およびクロロ酢酸ナトリウム塩1.17
g(10mmol)を秤量し、そして酢酸ビニル75.
09g(0.87mol)中に溶解せしめる。この混合
物を70℃に加熱する。30分後に室温まで冷却し、そ
してオートクレーブから下記の表2に記載された含量を
有する反応混合物105.0gを取出す。この反応混合
物をフラッシュ蒸発によって留出物および触媒成分に分
離する。この触媒成分は、新たに添加されたクロロ酢酸
および酢酸ビニルと再び反応せしめる。
特殊鋼製オートクレーブ内において、クロロ酢酸28.
35g(0.3mol)、二塩化パラジウム0.36g
(2mmol)およびクロロ酢酸ナトリウム塩1.17
g(10mmol)を秤量し、そして酢酸ビニル75.
09g(0.87mol)中に溶解せしめる。この混合
物を70℃に加熱する。30分後に室温まで冷却し、そ
してオートクレーブから下記の表2に記載された含量を
有する反応混合物105.0gを取出す。この反応混合
物をフラッシュ蒸発によって留出物および触媒成分に分
離する。この触媒成分は、新たに添加されたクロロ酢酸
および酢酸ビニルと再び反応せしめる。
【0017】 表 2 バッチ1 バッチ2 バッチ3 反応混合物 重量% 重量% 重量% AcH 0.7 0.2 0.1 VINA 60.1 70.1 >1.1 AcOH 7.8 0.5 >0.1 CESVE 13.7 1.0 >0.1 CES 16.3 26.2 26.9 ------------------------------------------------------------------------ 効率 VINA- 変換率(%) 15.6 1.6 0.2 CES- 〃 (%) 39.7 3.0 0.3 RZA (g/l.h) 273 20 >2 ──────────────────────────────────── RZA:空時収率
Claims (2)
- 【請求項1】 一般式(I) Haln Hm C- COO- CH=CH2 (I) (上式中、HalはClまたはBrであり、nは1、2
または3でありそしてmは3−nである)で表されるハ
ロゲン酢酸ビニルの製造方法において、一般式(II) Haln Hm C- COOH (II) (上式中、Hal、nおよびmは上記の意味を有する)
で表されるハロゲン酢酸を一般式(III) R- CH2-COO- CH=CH2 (III) (上式中、Rは水素または1ないし6個のC- 原子を有
するアルキル基を意味する)で表されるビニルエステル
と、液相において触媒としてのパラジウム(II)化合
物、共触媒としての銅(II)化合物および促進剤とし
てのアルカリ金属化合物の存在下に、20o ないし10
0℃において0.1ないし10時間にわたって反応せし
め、その後でフラッシュ蒸発において反応混合物から触
媒成分のうちの揮発性部分を分離し、次いでそれを酸化
により処理し、蒸発した部分を凝縮させ、そして凝縮物
を蒸留によって未反応のビニルエステル、粗ハロゲン酢
酸ビニルエステルおよび反応しなかったハロゲン酢酸に
分離し、上記粗ハロゲン酢酸ビニルエステルを5ないし
20℃において水で抽出し、それによって使用されたビ
ニルエステルから生成されたカルボン酸を水性相に移行
せしめ、そして有機相として分離されたハロゲン酢酸ビ
ニルエステルを場合によっては乾燥剤で処理することを
特徴とする上記ハロゲン酢酸ビニルエステルの製造方
法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の方法において、 a)フラッシュ蒸発の凝縮物から常圧下に未反応のビニ
ルエステルを分離し、それをこの形で上記方法に再循環
せしめることができ、そして b)常圧蒸留の残液を分別減圧蒸留において粗ハロゲン
酢酸ビニルエステルおよび生成されたカルボン酸に分離
し、そして c)減圧蒸留の際に底部生成物として残留した未反応の
ハロゲン酢酸を上記方法に再循環せしめることを特徴と
する上記方法。
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KR100401284B1 (ko) * | 1997-06-03 | 2004-01-31 | 주식회사유한양행 | 1-브로모에틸 아세테이트의 제조방법 |
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