JPH038303Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、自動車室内或いトイレ等で使用する
据置型の消臭・芳香剤容器に関し、消臭剤と芳香
剤とを夫々別の容器に収容して機能させるもので
ある。

「従来の技術」 周知の如く、消臭剤は臭気若しくは臭気源に対
して化学的な反応剤（例えば二酸化塩素）を用い
て分解又は重複合を図ることにより無臭化させる
ものであり、他方、芳香剤は人の嗅覚を利用して
臭気よりも強力な気香を用いて、臭気にマスキン
グするものであり、共に、臭気を減少させる上で
有効である。

しかるに、消臭本来の目的からすれば、臭気に
対して、これを脱臭若しくは無臭気化して、か
つ、芳香を附すことにより、消臭剤による薬品香
などをなくして、その効果が顕著である。

そのための従来品として、消臭剤と芳香剤とを
混合して空中揮散させる手段が採用され、一部実
用に供されている。

「考案が解決しようとする問題点」 ところが、従来品のように消臭剤と芳香剤とを
混合すると、これに用いる両剤の適用可能な主成
分が制限されると共に、これ等両剤の各機能が低
下する傾向にある。

そこで、本考案では、消臭剤と芳香剤とにより
空気清涼化のための相乗効を充分に発揮する消
臭・芳香剤容器の開発を企図したものである。

「問題点を解決するための手段」 この目的は、本考案によれば、底板と通気口を
有する箱形のカバー体とからなる匣体に、消臭剤
と芳香剤とを夫々揮散口を備えた二個の容器に分
離収容する構成によつて達成される。

「作用」 即ち、一つの匣体に二個の容器を収容し、外観
上従来品と同様の一個体であるにもかかわらず、
匣体内に配置した二個の容器に夫々別々に消臭剤
と芳香剤とを分離して置くことにより、これ等両
剤の混合による機能低下を起こすことなく、それ
等両容器の各揮散口から空気中に発散した各剤が
空気中の臭気に対して夫々独立的に作用して、臭
気の無臭気化と香り付けとが図られる。

次に本考案の好ましい実施例に付いて添付図面
を参照して説明する。

「実施例」 第１図は本考案容器の一実施例を示す斜視図
で、ガラス材或いはプラスチツク材等の透明材か
らなる二個の容器１ａ，１ｂを底板２上に互いに
向き合わせて載置し、その上部にこれ等両容器１
ａ，１ｂを一体的に被うカバー体３を設けてあ
る。

そして、このカバー体３は、その分解斜視図を
第２図をもつて示す如く、天蓋６が略楕円形状の
箱部４の両側下部を斜めに削ぎ落とし、残された
下縁を前記底板２との係合部５に形成してあり、
その天蓋６には一方側に半月窓７を開穿し、該窓
７の半月形の中心部に円窓８を穿つと共に前記半
月窓７の対向位置の一部に係合爪９を切り起こし
形成してある。更に、天蓋６における他方側に
は、その直下の側壁に格子状の今一つの縦窓１０
を形成してある。

そして、この箱部４の天蓋６上に載置し部分熔
着等の手段によつて該箱部４に固定される調整板
１１には、前記半月窓７及び円窓８に対応する部
分を格子状の扇形開口部１２及び円形開口部１３
となし、特に円形開口部１３の裏面には前記円窓
８と嵌合する円堤１４を形成してある。１５は操
作板で、その円形外周にローレツトを刻設してあ
り、その中心部に前記円堤１４の外円に嵌合する
軸穴１６を開穿すると共に、前記扇形開口部１２
と同形の調整窓１７を開穿してあり、残りの裏面
周縁の一部にノツチ溝１８を形成してある。その
他、１９はストツパー、２０はストツパー溝を示
す。

そして、これ等箱部４、調整板１１及び操作板
１５は、第２図上一点鎖線で示す状態に組付けら
れる。この組付け状態で円窓８と軸穴１６及び円
形開口部１３の重なりを中心に、半月窓７には調
整窓１７及び扇形開口部１２が順次重なつて一連
の通気口を形成すると共に操作板１５の外周ロー
レツト部分が、第１図示の如く、調整板１１の側
縁から露呈して回動操作可能な状態にあり、この
回動操作域で前記ノツチ溝１８が係止爪９に臨む
ようになしてある。更に、この回動操作が前記ス
トツパーピン１９を調整窓１７の円弧周縁に臨ま
せたこことにより操作可能範囲の規制を受けるよ
うになしてある。

一方、前記容器１ａ及び１ｂは、第３図の分解
斜視図及び第４図の単体図に示す如く、互いに円
形にしてこれを向き合わせ配置したもので、透明
容器からなる本体２１はその平面形状が略半円形
であり、曲面壁の一部には、前記箱部４の側壁切
り落とし部の形状と一致する段部２２を形成して
ある。そして、該本体２１の上面の注入筒口２３
には、吸上げ芯２４を中心に差し通した受け駒２
５を載置するようになしてある。この受け駒２５
には、その上に使用時には取り外すシールキヤツ
プ２６の介在下に、前記芯２４の頭出し孔２７を
有す締め付けキヤツプ２８を被せ、更に、該キヤ
ツプ２８と嵌合する筒首２９を有す揮散環３０を
嵌合載置するようになしてある。又、載置取り付
けた揮散環３０はその上面に不織紙等からなる揮
散紙３１を設置してあり、前記芯２４の頂部と当
接するようになしてある。

かかる組付け構造からなる容器１ａ及び１ｂを
互いに向き合わせて載置する前記底板２には、長
辺部の両側に係合爪片３２，３２を起立させ、上
方から圧入する前記箱部４の係合部５を嵌着せし
めるようになしてある。

このような構成より本考案の実施例によれば、
先ず、二個の容器１ａ，１ｂに液状の消臭剤と芳
香剤の夫々を別々にそれ等の注入筒口２３から入
れて、芯付きの受け駒２５を載置しての前述の組
付けを行ない、それ等両容器１ａ，１ｂを互いに
向き合わせて第１図の如くセツトして市販する。

構入者は使用に際して、カバー体３を一方の側
に押し倒すようにして、その係合部５を係止爪片
３２から外して開き、容器１ａ，１ｂの揮散環３
０を引き抜くと共に注入筒口２３の外周捻子溝と
螺合緊締している締め付けキヤツプ２８を取り外
して、シールキヤツプ２６を取り除いた後に、再
び締けキヤツプ２８及び揮散環３０を取り付け、
カバー体３をセツトする。

これによつて、吸上げ芯２４の頂部が揮散紙３
１の裏面に接するので、該芯２４を伝わつて吸い
上げられた消臭剤又は芳香剤は該紙３１に拡散し
て空中に揮散する。

この状態で、容器１ａはその揮散紙３１の面が
カバー体３における扇形開口部１２と円形開口部
１３の直下に位置する一方、容器１ｂのそれはカ
バー体３即ち箱体４の天蓋の下に位置する。

しかして、芳香剤としてその揮散蒸気が空気よ
りも重い場合には、容器１ｂにその芳香剤を入れ
ておくことにより、芳香付けされた空気はカバー
体３縦窓１０から外方に流出する。

この空気の流れによつて、前記扇形開口部１２
及び円形開口部１３からカバー体３内に空気が流
入するが、この流入空気中の臭気にその直下の揮
散紙３１から発散した消臭剤が作用して、これを
無臭化し、空気流の次の流れに位置に存在する芳
香剤蒸気によつて香り付けされてカバー体３外に
流出することとなる。

そして、空気よりも軽い揮散蒸気の芳香剤を用
いるときには、容器１ａ，１ｂの前記位置を逆に
することにより、カバー体３内における空気流が
逆流し、これに乗じて、空気中の臭気消臭後に香
り付けを行う前述の作用と同様な作用を発揮させ
ることができる。

更に、この空気の流れの量は、操作板１５を回
動操作し扇形開口部１２における開口面積の一部
を該板１５の重なりで被い挾めることにより加減
することが出来る。

又、箱部４の削ぎ落とし部と一致して、該部を
段部２２で受ける容器１ａ，１ｂは、外部はから
これを視認することができ、かつ、透明容器内の
液剤の残量を直接視認することも出来る。

「考案の効果」 このように本考案容器は、底板と通気口を有す
る箱形のカバー体とからなる匣体に、消臭剤と芳
香剤とを各々揮散口を備えた二個の容器に分離収
容したことにより、外観上は一個の容器体である
にもかかわらず、収容した二個の容器に夫々別々
に消臭剤と芳香剤とを入れたので、これ等両剤の
容器中での混合を防いで、揮散する両剤の空気中
での夫々の機能を充分に発揮させることができ
て、殊に、前記二個の容器の外側壁面の一部を、
カバー体の側壁の一部切除縁との衝合段部として
形成したので、カバー体への容器格納下の使用状
態で、容器及びその収容剤を得るため、容器全体
のデザイン効果と二種類の収容剤の存在を強調し
得ると共に、これ等収容剤の有効存続状態を確認
することができ、従来品には期待することのでき
ない卓越した消臭・芳香効果を有するもので、実
用に供して極めて有用なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案容器の一実施例を示す斜視図、
第２図は本考案容器におけるカバー体の分解斜視
図、第３図は同じく収容容器の分解斜視図、第４
図は収容容器の組付け単体図、第５図は本考案容
器における底板の斜視図である。 １ａ，１ｂ……容器、２………底板、３……カ
バー体、１０……縦窓、１２……扇形開口部、１
３……円形開口部、１５……操作板、２２……段
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 底板と通気口を有する箱形のカバー体とから
   なる匣体に、消臭剤と芳香剤とを各々揮散口を
   備えた二個の容器に分離収容するに際し、これ
   等二個の容器の外側壁面の一部が、前記カバー
   体の側壁の一部切除縁との衝合段部として形成
   され、容器及び収容剤を視認し得るように構成
   してなる消臭・芳香剤容器。 (2) 前記二個の容器が、それ等の匣体内収容突き
   合わせ面が垂直面からなる半月状のガラス材等
   からなる透明壜体である実用新案登録請求の範
   囲第(1)項記載の消臭・芳香剤容器。 (3) 前記カバー体における通気口が、上面の偏倚
   位置と該位置の対側の側壁面との二ヶ所に設け
   てある実用新案登録請求の範囲第(1)項記載の消
   臭・芳香剤容器。 (4) 前記通気口の少なくとも一つに、開口面積を
   加減し得る調整装置を附設してある実用新案登
   録請求の範囲第(1)項記載の消臭・芳香剤容器。