JPH0382994A - 高速炉用燃料集合体及び高速炉の炉心並びに高速炉用燃料棒 - Google Patents

高速炉用燃料集合体及び高速炉の炉心並びに高速炉用燃料棒

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JPH0382994A
JPH0382994A JP1219039A JP21903989A JPH0382994A JP H0382994 A JPH0382994 A JP H0382994A JP 1219039 A JP1219039 A JP 1219039A JP 21903989 A JP21903989 A JP 21903989A JP H0382994 A JPH0382994 A JP H0382994A
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赤木 弘子
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高速炉に係わり、特に熱的余裕の確保により、
長期運転及び高燃焼度化に好適な燃料集合体、燃料棒及
び炉心に関する。
〔従来の技術〕
高速炉の燃料集合体は、一般に、燃料ペレットを充填し
た被覆管からなる燃料棒を多数束ねて断面形状が六角形
のラッパ管で覆って構成される。
高速炉の炉心は上記の燃料集合体を、さらに束ねて円柱
状に形成される。また、この炉心の周囲を、主として燃
料親物質からなる軸方向及び径方向ブランケットで囲設
して燃料の増殖性を向上させている。炉心には燃料とし
て濃縮ウランあるいはプルトニウムを富化したウランが
、ブランケットには天然ウランあるいは劣化ウランが、
酸化物の化学形態で装荷される。
近年、軽水炉の使用済み燃料から発生する半減期が数百
万年と非常に長いネプチニウム等の超ウラン元素を消滅
するために、高速炉のウランとプルトニウムの混合酸化
物燃料(MOX燃料)に超ウラン元素を均一に混合する
概念が検討されている(日本原子力学会1989年年会
要旨集C−24参照) 〔発明が解決しようとする課題〕 上記従来技術は、超ウラン元素の消滅と共に、燃焼によ
る反応度変化が小さいという超ウラン元素を富化したM
OX燃料の特長を踏まえ、長期運転及び高燃焼度化とい
った炉心の高性能化を目的としている。しかし、上記従
来技術では、超ウラン元素がウランに比べ(金属、ある
いは酸化物で)熱伝導率が小さく、融点も低いため、炉
心の熱的余裕が減少するという問題に関しては考慮して
いない。したがって、上記の炉心高性能化を実現するに
は至っていない。
また、超ウラン元素は、高速中性子に対して核分裂反応
断面積が大きいので、冷却材のナトリウムが沸騰した場
合に投入される反応度、所謂ボイド反応度が大きくなる
。さらに、超ウラン元素を混合した炉心では、共鳴エネ
ルギー領域の中性子の吸収が増え、高速中性子の割合が
増えるので、高速中性子照射量が増大し、燃料集合体の
スエリング(膨脹)や変形が顕著になり燃料寿命を制限
するという問題も生じる。
本発明の目的は、上記の問題点を解決し、熱的余裕の確
保が可能であり、かつ長期運転及び高燃焼度化に好適な
燃料集合体及び燃料棒を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記燃料集合体を用いて稼動率向
上、安全性向上及び燃料の長寿命化に好適な原子炉の炉
心を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、上記燃料集合体を用いて超ウ
ラン元素の効率的な消滅に好適な原子炉の炉心を提供す
ることにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の燃料集合体は、燃料棒のまわりの冷却材温度が
、燃料集合体の半径方向周辺部で低く、中心部で高くな
ることに着目し、酸化物の熱伝導率がウランに比べ約1
/3と小さい超“ウラン元素の富化度を、周辺部の燃料
棒で大きく、中心部の燃料棒で小さくした構成とする。
本発明の他の燃料集合体は、燃料棒のまわりの冷却材温
度が、燃料棒の燃料充填部の軸方向下部(冷却材の流入
側)で低く、上部(冷却材の流出側)で高くなることに
着目し、相対的に熱伝導率が小さい超ウラン元素の富化
度を、燃料棒の下部で大きく、燃料棒の上部で小さくし
た構成とする。
本発明の更に他の燃料集合体は、超ウラン元素の富化度
を周辺部の燃料棒で大きく、中心部の燃料棒で小さくす
ると共に、燃料棒の燃料充填部の0 軸方向中心部分に主として燃料親物質からなるブランケ
ット燃料を配置した構成とする。
本発明の他の燃料集合体は、超ウラン元素の富化度を、
燃料棒の燃料充填部の下部で大きく、上部で小さくする
と共に、燃料充填部の軸方向中心部分に主として燃料親
物質からなるブランケット燃料を配置した構成とする。
本発明の更に他の燃料集合体は、上記において、燃料棒
に充填する燃料を核分裂性物質を富化しないブランケッ
ト燃料とした構成とする。
本発明の原子炉の炉心は、上記燃料集合体の内の少なく
とも一種類を円柱状に束ねた構成とする。
〔作用〕
上記の構成により、本発明の燃料集合体では、超ウラン
元素を均一に富化した従来技術の燃料集合体に比べ、半
径方向中心部の燃料棒に充填した燃料への超ウラン元素
の富化度が小さいため、燃料の中心温度を低減すること
ができる。また、半径方向周辺部の燃料棒に充填した燃
料への超ウラン元素の富化度は大きくなるが、この燃料
棒の周↓1 囲では冷却材温度が低いので、燃料の中心温度は、半径
方向中心部の燃料棒と同等にすることができる。したが
って、集合体で平均して、従来技術と同じだけ超ウラン
元素を富化した場合でも、熱的余裕を確保することがで
きる。
本発明の他の燃料集合体では、超ウラン元素を均一に富
化した従来技術の燃料集合体に比べ、燃料棒の軸方向上
部に充填した燃料への超ウラン元素の富化度が小さいた
め、燃料の中心温度を低減することができる。また、軸
方向下部に充填した燃料への超ウラン元素の富化度は大
きくなるが、この燃料棒の周囲では冷却材温度が低いの
で、燃料の中心温度は、軸方向上部の燃料と同等にする
ことができる。したがって、この場合も同様に、従来技
術に比べて熱的余裕を確保することができる。
上述の燃料集合体を用いて構成した本発明の原子炉の炉
心では、熱的余裕の確保が可能となることにより、超ウ
ラン元素の特徴を生かした長期運転及び高燃焼度化が実
現できるため、原子炉の稼工2 動車が向上できる。また、これと同時に、超ウラン元素
を効率的に消滅させることができる。
本発明の更に他の燃料集合体では、熱的余裕を確保でき
ることに加え、炉心の中心付近に位置する部分に中性子
の吸収体であるブランケット燃料を配置しているので、
従来技術に比べ、中性子束分布を平坦化でき、冷却材が
沸騰した場合のボイド反応度や、高速中性子照射量を低
減できる。このため、この燃料集合体を用いて構成した
本発明の原子炉の炉心では、原子炉の安全性の向上及び
燃料の長寿命化を図ることができる。
〔実施例〕
以下、本発明の好適実施例を図面により説明する。
まず、本発明の第1の実施例による燃料棒及び燃料集合
体を、本発明を高速炉に適用した場合につき第1図〜第
4図を参照して説明する。
第1図及び第2図において、本実施例の燃料集合体1は
、半径方向の最外層に第1の燃料棒2を配置し、その内
側に第2の燃料棒3を多数束ねて3 配置し、第1の燃料棒2の外側をフェライト鋼でできた
六角管状のラッパー管4で覆って構成されている。ラッ
パー管4の外周には軸方向に隔てて複数のスペーサパッ
ド5が設けられ、かつ上部にはハンドリングヘッド6が
、下部にはエントランスノズル7が設けられている。冷
却材であるナトリウム(図示せず)はエントランスノズ
ル7からラッパー管4内に流入し、燃料棒2及び3の間
を流れこれらを冷却して、上部に流出していく。
第1の燃料棒2は、第3図に示すように、フェライト鋼
の被覆管8内の燃料充填部15に、ウラン、プルトニウ
ムに超ウラン元素を富化した混合酸化物からなる燃料9
を充填し、その上下に劣化ウランの酸化物からなるブラ
ンケット燃料10を充填して構成されている。被覆管8
の下部にはガスプレナム11が形成され、被覆管8の両
端は端栓12で閉じられ、上部ブランケット燃料10と
端栓12との間及び下部ブランケット燃料上0とガスプ
レナム端栓13との間にはスプリング↑4が配置されて
いる。
4 第2の燃料棒3は、第4図に示すように燃料充填部16
にウランとプルトニウムの混合酸化物からなる燃料17
を充填して構成され、その他の構成tま第1の燃料棒2
と同じである。
次に、本発明の第2の実施例による燃料棒及び燃料集合
体について第5図〜第7図を用いて説明する。図中、第
1図〜第4図に示す部材と同等の部材には同じ符号を付
しである。
本実施例の燃料集合体20は、1種類の燃料棒、即ち第
3の燃料棒21のみを多数束ねて構成されている。第3
の燃料棒21は、燃料充填部22の下側、即ち冷却材の
流入側1−/4にウラン、プルトニウムに超ウラン元素
を富化した混合酸化物からなる燃料9を、上側、即ち冷
却材の流出側3/4にウランとプルトニウムの混合酸化
物からなる燃料17を充填して構成されている。
上述した2つの実施例による燃料集合体の効果を、第8
図に示す高速炉の炉心に基づいて評価した。この炉心の
半径方向外側には上記の燃料集合体1又は20でプルト
ニウム富化度を比較的高く5 した燃料集合体1A又は2OAを、内側には、プルトニ
ウム富化度を比較的低くした燃料集合体1B又は20B
を装荷しである。最外層にはブランケット燃料集合体2
6を装荷しである。27は制御棒である。
炉心及び燃料の仕様並びに運転条件を第9図の表に示す
。即ち、原子炉熱出力は約2,600MW1電気出力は
約1.OOOMW、等価炉心径と炉心高さはそれぞれ3
30cm及び100cmである。
ブランケット燃料1.0により構成される軸方向ブラン
ケット及びブランケット燃料集合体26により構成され
る径方向ブランケットの厚さは、それぞれ35 cm及
び30CInである。運転期間は]−2ケ月で、燃料交
換バッチ数は炉心で3、径方向ブランケットで4として
いる。
燃料の組成は、外側炉心燃料集合体IA又は20Aでプ
ルトニウム富化度は約20%、内側炉心燃料集合体IB
又は20Bでは約16%ある。超ウラン元素の富化度は
、第]の実施例の燃料集合体1−A及びIBでは、集合
体内の最外層の燃料棒工6 2で20%で、これより内側の燃料棒3には超ウラン元
素を富化しない構成とする。第2の実施例の燃料集合体
20A及び20Bでは、燃料充填部22の下側1/4の
燃料9で20%で、これより上側3/4の燃料17には
超ウラン元素を富化しない構成とする。
超ウラン元素の重景組威比は、軒水炉の使用済み燃料を
再処理したものを想定し、第9図の表に示したものを使
用した。即ち、ネプチニウムー237が約80%で、ア
メリシウム−243が約10%、残りがアメリシウム−
2411キユリウム=242及びキュリウム−244で
、プルトニウムを含まないものとした。プルトニウムを
わずかに含む組成を用いる場合は、上記のプルトニウム
富化度を調整する必要がある。
次に、燃料中心温度の評価法について説明する。
超ウラン元素を混合した燃料では、ウランとプルトニウ
ムの混合酸化物(MOX)、及び超ウラン元素の酸化物
が固溶せずに、不規則な大きさをもつ粒塊となって、不
規則に配列しているものと考7 える。この燃料の実効熱伝導率は、下記の(1)式のよ
うに表わせる。
k1/ko−(β−λ)/(β+λ) ・・・(1)こ
こで、 ko=MOX燃料の熱伝導率 kl=MOX燃料に超ウラン元素を富化した燃料の熱伝
導率 λ−超ウラン元素の富化度 β−(1+ν)/(1−ν)    ・・・(2)ν=
kT/k。
kl−超ウラン元素燃料の熱伝導率 νを1/3、λ−0,2とすると、(1)式及び(2)
式より、k /koミ0.8となる。燃料中心温度と燃
料表面温度との差は、熱伝導率にほぼ反比例するから、
例えば、超ウラン元素を20%富化した燃料では、この
温度差はMOX燃料に比べ約20%大きくなる(燃料中
心温度と冷却材人口温度の差で比較すれば、この値は約
15%となる)。
第10図は、第1の実施例における燃料集合体8 1の冷却材温度及び燃料中心温度の径方向分布を示して
いる。ここで、縦軸の温度は、冷却材入口温度を基準(
0)とし、この温度との差の相対値で表わしている。冷
却材温度分布は、第10図の曲線a1に示すように、周
辺部で低くなっている。
これは、燃料棒1本当りの冷却材の流量が燃料集合体1
の最外層で多くなっているためである。したがって、燃
料棒の平均線出力が集合体の半径方向で一定とすれば、
超ウラン元素を均一に5%富化した従来技術の場合の燃
料中心温度は曲線b1のようになる。ここで、実施例の
ように、冷却材温度の低い最外層の燃料棒2に超ウラン
元素を20%富化し、これより内側の燃料棒3には超ウ
ラン元素を富化しない構成とすると、燃料中心温度は曲
線C1のようになり、その最大値は、上記のblよりも
約4%低減される。
第11図は、第2の実施例における燃料集合体20の燃
料充填部22(炉心部)の軸方向の冷却材温度及び燃料
中心温度の分布を示している。冷却材温度分布は、第1
1図の曲線a2に示すよう9 に、下側(流入側)で低く、燃料棒を冷却するために上
側(流出側)に行くほど高くなっている。
したがって、燃料棒の線出力は、軸方向で余弦関数分布
に近くなるので、超ウラン元素を均一に5%富化した従
来技術の場合の燃料中心温度は曲線b2のようになる。
ここで、実施例のように、冷却材温度の低い燃料充填部
22の下側1/4に超ウラン元素を20%富化し、これ
より上側の374の燃料には超ウラン元素を富化しない
構成とすると、燃料中心温度は曲線C2のようになり、
その最大値は、上記のb2よりも約4%低減される。
以上のように、本発明の実施例では、熱的余裕を確保で
きるので、燃焼に伴う反応度変化が小さいという超ウラ
ン元素混合燃料の特長を活かして、長期運転及び高燃焼
度化を実現することができる。
また、高燃焼度化により、超ウラン元素を効率的に消滅
させることができる。
なお、第1の実施例では燃料集合体の最外層以外の燃料
棒3に、第2の実施例では燃料充填部22の上部3/4
の燃料17には、いずれも超ウラ0 ン元素を富化しない構成としたが、超ウラン元素をわず
かに富化しても良く、この場合、炉心の熱的余裕を損な
うことなく、−層の長期運転及び高燃焼度化を実現する
ことができる。これは、個別には説明しないが以下の実
施例においても同様である。
本発明の第3の実施例による燃料棒及び燃料集合体につ
いて第17図〜第19図を用いて説明する。
本実施例の燃料集合体30は、第1図〜第4図に示す第
1の実施例の燃料集合体1と同様に、第1及び第2の燃
料棒2A及び3Aを配置し、これらをラッパ管4で覆っ
て構成されている。第1及び第2の燃料棒2A、3Aは
、それぞれ燃料充填部15A、1.6Aの軸方向中心部
分に劣化ウランの酸化物からなるブランケット燃料10
を充填して構成されている。他の構成は第1の実施例の
燃料棒2,3と同じである。
本実施例の燃料集合体30を用いて第16図に示す炉心
を構成した。この炉心では、本実施例の1 燃料集合体30でプルトニウム富化度を比較的低くした
燃料集合体30Aを半径方向内側に、第1図〜第4図に
示す第1の実施例の燃料集合体1でプルトニウム富化度
を比較的高くした燃料集合体IAを半径方向外側に装荷
し、最外層にブランケット燃料集合体26を装荷した。
この場合には、第8図に示す炉心により説明した第1及
び第2の実施例の効果に加えて、燃料親物質のブランケ
ット燃料10が炉心の中心付近に配置されることから、
中性子束が平坦化され、前述のボイド反応度や高速中性
子照射量を低減することができるので、原子炉の安全性
の向上及び燃料の長寿命化を実現できる。
本発明の第4の実施例による燃料棒及び燃料集合体を第
17図〜第19図により説明する。本実施例の燃料集合
体31は、第5図〜第7図の実施例による燃料集合体2
0と同様に、1種類の第3の燃料棒21Aを配置し、こ
れをラッパ管4で覆って構成されている。燃料棒21A
は、燃料充填部22Aの軸方向中心部分に劣化ウランの
酸化物2 からなるブランケット燃料10を充填して構成されてい
る。本実施例によっても、上述した第3の実施例(第1
2図〜第15図)と同様な効果が得られる。
本発明の第5及び第6の実施例による燃料棒及び燃料集
合体を第20図〜第23図及び第24図〜第26図によ
り説明する。本実施例の燃料集合体32.33は、第1
及び第2の燃料棒2B、3B及び第3の燃料棒21Bの
それぞれの燃料充填部15B、16B、22Bに設けた
ブランケット燃料10を、第3及び第4の実施例(第1
2図〜第15図及び第17〜19図)で燃料充填部の中
心部分に位置していたのを、その中心が燃料充填部15
B、16B、22Bの中心よりも下方になるように配置
したものである。
本実施例の効果を、第16図に示した高速炉の炉心の内
側領域に第3の実施例の燃料集合体30Aに代えて本実
施例の燃料集合体32又は33を装荷した場合につき説
明する。通常の炉心では、運転初期に、中性子の強い吸
収体(炭化硼素等)3 からなる制御棒27が炉心の上側から挿入されるため、
単位体積当りの出力は炉心上部で小さく、炉心下部で大
きくなる。しかし、本実施例の炉心では、炉心の下方に
、やはり中性子の吸収体であるブランケット燃料10が
配置されているので、出力分布を平坦化することができ
、炉心の熱的余裕の更なる向上を図ることができる。
本発明の第7及び第8の実施例による燃料棒及び燃料集
合体を第27図〜第29図及び第30図〜第32図によ
り説明する。本実施例の燃料集合体34.35は、第1
の燃料棒2C及び第3の燃料棒21Cの燃料充填部15
C,22Cに、第1及び第2の実施例(第1図〜第4図
及び第5図〜第7図)で充填した超ウラン元素を富化し
た中実の燃料9に代え、中空のペレット状の燃料9Cを
充填したものである。燃料集合体34の第2の燃料棒3
は第1の実施例の第2の燃料棒3と同じである。
中実の燃料の温度はその中心で最も高くなるので、ここ
に燃料を設けずに中空とすることで、最4 高温度を低減することができる。したがって、熱伝導率
の低い超ウラン元素の富化度を、第1及び第2の実施例
に比べ、さらに高(することができ、−層の長期運転・
高燃焼度化が可能となる。
本発明の第9及び第10の実施例による燃料棒及び燃料
集合体を第33図〜第36図及び第37図〜第39図に
より説明する。本実施例は、本発明をブランケット燃料
集合体に適用したものである。
第9の実施例による燃料集合体36は、第33図〜第3
6図に示すように、第1図〜第4図に示す実施例の燃料
集合体上と同様に第1及び第2の燃料棒2D及び3Dを
配置し、これらをラッパ管4で覆って構成されている。
第1の燃料棒2Dは、燃料充填部15Dに劣化ウランの
酸化物に超ウラン元素を富化したブランケット燃料37
を充填して構成されている。第2の燃料棒3Dは、燃料
充填部16Dに劣化ウランの酸化物からなるブランケッ
ト燃料上0を充填して構成されている。
第10の実施例による燃料集合体38は、第35 7図〜第39図に示すように、第5図〜第7図に示す実
施例の燃料集合体21と同様に、1種類の第3の燃料棒
21Dをラッパ管4で覆って構成されている。第3の燃
料棒21Dは、燃料充填部22Dの下側はぼ半分に、劣
化ウランの酸化物に超ウラン元素を富化したブランケッ
ト燃料37を充填し、上側のほぼ半分に劣化ウランの酸
化物からなるブランケット燃料10を充填して構成され
ている。
第1、第2及び第3の燃料棒2D、  3D、  21
Dのその他の構成は第1及び第2の実施例と同じである
第9及び第10の実施例の効果を、本実施例の燃料集合
体36又は38と第1の実施例(第1〜4図)による燃
料集合体1を交互に配列して構成した第40図に示す高
速炉の非均質炉心を用いて説明する。前述のボイド反応
度の増大は、仮想事故時に、超ウラン元素を富化した燃
料を冷却するナトリウムが沸騰することが原因であった
。しかし、本実施例の非均質炉心では、ブランケット燃
6 料集合体36又は38は通常の炉心燃料集合体に比べ熱
出力が小さいので、事故時にもナトリウムの沸騰は起こ
らない。したがって、第8図に示した炉心に比べ、ボイ
ド反応度を低減することができる。したがって、原子炉
の安全性の向上を実現できる。これは、炉心燃料集合体
lに代え超ウラン元素を富化しない燃料集合体を用い、
ブランケット燃料集合体36又は38にのみ超ウラン元
素を富化した場合には、より一層効果的となる。
なお、第8図、第16図及び第40図に示す炉心におい
て、炉心の最外周に通常のブランケット燃料集合体26
を配置したが、第9又は第10の実施例によるブランケ
ット燃料集合体36又は38を配置しても良く、この場
合にはこの径方向のブランケット領域においても熱的余
裕を確保すると共に、超ウランを効率的に消滅させるこ
とができる。
また、上述した実施例においては、超ウラン元素を富化
した燃料として、ウランとプルトニウムの混合酸化物を
、炉心構造材としてフェライト鋼7 を、制御棒の中性子吸収材として炭化硼素を、冷却材と
してナトリウムをそれぞれ使用したか、その他の燃料、
構造材、冷却材、中性子吸収材を使用した場合にも本発
明は適用できる。また、」二記の実施例では、炉心燃料
の上下にプランケット燃料を充填した構成としたが、ブ
ランケット燃料を含まない構成としても本発明の効果は
得られる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の燃料棒、燃料集合体及び
原子炉の炉心によれば、従来技術に比べ、熱的余裕の確
保が可能となり、超ウラン元素の特徴を活かした長期運
転及び高燃焼度化が実現できる。したがって、原子炉の
稼動率の向上や燃料サイクル費の低減という効果が得ら
れる。また、これと同時に、超ウラン元素を効率的に消
滅させることができる。
本発明のその他の燃料棒、燃料集合体及び原子炉の炉心
によれば、ボイド反応度や高速中性子照射量を低減でき
るため、原子炉の安全性の向上や燃料サイクルコストの
低減という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明の第(の実施例による燃料集
合体を示し、第1図は第2図のI−I線に沿った水平断
面図、第2図は燃料集合体の斜視図であり、第3図及び
第4図はそれぞれ第1の実施例の第1及び第2の燃料棒
の垂直断面図であり、第5図及び第6図は本発明の第2
の実施例による燃料集合体を示し、第5図は第6図のV
−V線に沿った断面図、第6図は燃料集合体の斜視図で
あり、第7図は第2の実施例の第3の燃料棒の垂直断面
図であり、第8図は本発明の第1の実施例による原子炉
の炉心の1/2のみを示す水平断面図であり、第9図は
炉心及び燃料の仕様並びに運転条件を示す図であり、第
10図は本発明の燃料集合体と従来の燃料集合体の径方
向の温度分布特性を比較して示す図であり、第11図は
本発明の燃料集合体及び炉心と従来の燃料集合体及び炉
心の軸方向の温度分布特性を比較して示す図であり、第
1,2図〜第15図は本発明の第3の実施例による燃料
集合体及び燃料棒を示す第1図〜第4図と9 同様な図であり、第13図に第12図の水平断面位置を
xn線で示しており、第七6図は本発明の第2の実施例
による原子炉の炉心の1/2のみを示す水平断面図であ
り、第17図〜第19図は本発明の第4の実施例による
燃料集合体及び燃料棒を示す第5図〜第7図と同様な図
であり、第18図に第17図の水平断面位置をX■線で
示しており、第20図〜第23図は本発明の第5の実施
例による燃料集合体及び燃料棒を示す第1図〜第4図と
同様な図であり、第21図に第20図の水平断面位置を
xX線で示しており、第24図〜第26図は本発明の第
6の実施例による燃料集合体及び燃料棒を示す第5図〜
第7図と同様な図であり、第25図に第24図の水平断
面位置をXXIV線で示しており、第27図〜第29図
は本発明の第7の実施例による燃料集合体及び燃料棒を
示す第」図〜第3図と同様な図であり、第28図に第2
7図の水平断面位置をXX■線で示しており、第30図
〜第32図は本発明の第8の実施例による燃料集合体及
び燃料棒を示す第5図〜第7図と同様な図であ0 リ、第31図に第30図の水平断面位置をXXX線で示
しており、第33図〜第36図は本発明の第9の実施例
による燃料集合体及び燃料棒を示す第1図〜第4図と同
様な図であり、第34図に第33図の水平断面位置をx
xxi線で示しており、第37図〜第39図は本発明の
第10の実施例による燃料集合体及び燃料棒を示す第5
図〜第7図と同様な図であり、第38図に第37図の水
平断面位置をxxxW線で示しており、第40図は本発
明の第3の実施例による原子炉の炉心の1/2のみを示
す水平断面図である。 符号の説明 1.20.30〜36.38・・・燃料集合体2.2A
〜2D・・・第1の燃料棒 3.3A〜3D・・・第2の燃料棒 9・・・核分裂性物質を含む燃料(超ウラン元素富化)
1.0・・・ブランケット燃料 15.15A〜1.5 D・・・燃料充填部1.6.1
.6A〜16D・・・燃料充填部17・・・核分裂性物
質を含む燃料 1

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)燃料充填部に充填した核分裂性物質を含む燃料に
    ネプチニウム、プルトニウム、アメリシウム、キュリウ
    ム等の超ウラン元素を富化した複数の燃料棒を含み、こ
    れら燃料棒をそれらの間を軸方向に流れる流体により冷
    却する燃料集合体において、 前記燃料棒を少なくとも半径方向周辺部に位置する複数
    の第1の燃料棒で構成し、この第1の燃料棒の燃料充填
    部に充填した前記燃料の超ウラン元素の富化度を、半径
    方向のより内側に位置する複数の第2の燃料棒のそれよ
    りも高くしたことを特徴とする燃料集合体。
  2. (2)請求項1記載の燃料集合体において、前記第1の
    燃料棒を半径方向の最外層に配置したことを特徴とする
    燃料集合体。
  3. (3)請求項1又は2記載の燃料集合体において、前記
    第2の燃料棒の燃料充填部に充填した燃料には超ウラン
    元素を富化しないことを特徴とする燃料集合体。
  4. (4)燃料充填部に充填した核分裂性物質を含む燃料に
    ネプチニウム、プルトニウム、アメリシウム、キュリウ
    ム等の超ウラン元素を富化した複数の燃料棒を含み、こ
    れら燃料棒をそれらの間を軸方向に流れる流体により冷
    却する燃料集合体において、 前記燃料棒を、前記燃料充填部の少なくとも前記流体の
    流入側部分に前記超ウラン元素を富化した第3の燃料棒
    で構成し、前記超ウラン元素の富化度を前記燃料充填部
    の他の部分のそれよりも高くしたことを特徴とする燃料
    集合体。
  5. (5)請求項4記載の燃料集合体において、前記第3の
    燃料棒の燃料充填部の前記他の部分には超ウラン元素を
    富化しないことを特徴とする燃料集合体。
  6. (6)請求項1又は4記載の燃料集合体において、前記
    第1又は第3の燃料棒の燃料充填部の軸方向中心部分に
    、主として燃料親物質からなるブランケット燃料を充填
    したことを特徴とする燃料集合体。
  7. (7)請求項1又は4記載の燃料集合体において、前記
    第1又は第3の燃料棒の燃料充填部の軸方向中心部分か
    ら変位した部分に、主として燃料親物質からなるブラン
    ケット燃料を充填したことを特徴とする燃料集合体。
  8. (8)請求項1又は4記載の燃料集合体において、前記
    第1又は第3の燃料棒の燃料充填部に充填した超ウラン
    元素の富化度の高い燃料を中空のペレット状としたこと
    を特徴とする燃料集合体。
  9. (9)請求項1又は4記載の燃料集合体において、前記
    燃料充填部に、前記核分裂性物質を含む燃料に代えて、
    核分裂性物質を富化しない、主として燃料親物質からな
    るブランケット燃料を充填したことを特徴とする燃料集
    合体。
  10. (10)請求項1から請求項9記載の燃料集合体の少な
    くとも1種類を用いて構成したことを特徴とする原子炉
    の炉心。
  11. (11)燃料充填部に充填した核分裂性物質を含む燃料
    に超ウラン元素を富化して構成され、軸方向に流れる流
    体により冷却される燃料棒において、 前記燃料充填部の軸方向中心部分に、主として燃料親物
    質からなるブランケット燃料を充填したことを特徴とす
    る燃料棒。
  12. (12)燃料充填部に充填した核分裂性物質を含む燃料
    に超ウラン元素を富化して構成され、軸方向に流れる流
    体により冷却される燃料棒において、 前記燃料充填部の軸方向中心部分から変位した部分に、
    主として燃料親物質からなるブランケット燃料を充填し
    たことを特徴とする燃料棒。
  13. (13)燃料充填部に充填した核分裂性物質を含む燃料
    に超ウラン元素を富化して構成され、軸方向に流れる流
    体により冷却される燃料棒において、 前記燃料充填部に充填した超ウラン元素の富化度の高い
    燃料を中空のペレット状としたことを特徴とする燃料棒
  14. (14)燃料充填部に充填した核分裂性物質を含む燃料
    に超ウラン元素を富化して構成され、軸方向に流れる流
    体により冷却される燃料棒において、 前記燃料充填部の少なくとも前記流体の流入側部分に前
    記超ウラン元素を富化し、この超ウラン元素の富化度を
    前記燃料充填部の他の部分のそれよりも高くしたことを
    特徴とする燃料棒。
  15. (15)請求項14記載の燃料棒において、前記燃料充
    填部の前記他の部分には超ウラン元素を富化しないこと
    を特徴とする燃料棒。
  16. (16)請求項14記載の燃料棒において、前記燃料充
    填部の軸方向中心部分に、主として燃料親物質からなる
    ブランケット燃料を充填したことを特徴とする燃料棒。
  17. (17)請求項14記載の燃料棒において、前記燃料充
    填部の軸方向中心部分から変位した部分に、主として燃
    料親物質からなるブランケット燃料を充填したことを特
    徴とする燃料棒。
  18. (18)請求項14記載の燃料棒において、前記燃料充
    填部に充填した超ウラン元素の富化度の高い燃料を中空
    のペレット状としたことを特徴とする燃料棒。
  19. (19)請求項14記載の燃料棒において、前記燃料充
    填部に、前記核分裂性物質を含む燃料に代えて、核分裂
    性物質を富化しない、主として燃料親物質からなるブラ
    ンケット燃料を充填したことを特徴とする燃料棒。
  20. (20)核分裂性物質に超ウラン元素を富化した燃料を
    含み、これら燃料を軸方向に流れる流体により冷却する
    燃料集合体において、前記超ウランの富化度を、前記流
    体の温度が所定の温度以下となる部位では大きく、前記
    所定の温度以上となる部位では小さくしたことを特徴と
    する燃料集合体。
  21. (21)請求項20記載の燃料集合体において、前記流
    体の温度が所定の温度以上となる部位には前記超ウラン
    元素を富化しないことを特徴とする燃料集合体。
  22. (22)核分裂性物質に超ウラン元素を富化した燃料を
    含む燃料集合体を流体で冷却する原子炉の炉心において
    、前記超ウランの富化度を、前記流体の温度が所定の温
    度以下となる部位では大きく、前記所定の温度以上とな
    る部位では小さくしたことを特徴とする原子炉の炉心。
  23. (23)請求項22記載の原子炉の炉心において、前記
    流体の温度が所定の温度以上となる部位には前記超ウラ
    ン元素を富化しないことを特徴とする原子炉の炉心。
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