JP2774828B2 - 高速炉用燃料集合体及び高速炉の炉心並びに高速炉用燃料棒 - Google Patents
高速炉用燃料集合体及び高速炉の炉心並びに高速炉用燃料棒Info
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- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高速炉に係わり、特に熱的余裕の確保によ
り、長期運転及び高燃焼度化に好適な高速炉用燃料集合
体、及びこれを用いた高速炉の炉心、並びにこれらに装
荷される高速炉用燃料棒に関する。
り、長期運転及び高燃焼度化に好適な高速炉用燃料集合
体、及びこれを用いた高速炉の炉心、並びにこれらに装
荷される高速炉用燃料棒に関する。
高速炉の燃料集合体は、一般に、燃料ペレットを充填
した被覆管からなる高速炉用燃料棒を多数束ねて断面形
状が六角形のラッパ管で覆って構成される。高速炉の炉
心は上記の燃料集合体を、さらに束ねて円柱状に形成さ
れる。また、この炉心の周囲を、主として燃料親物質か
らなる軸方向及び径方向ブランケットで囲設して燃料の
増殖性を向上させている。炉心には燃料として濃縮ウラ
ンあるいはプルトニウムを富化したウランが、ブランケ
ットには天然ウランあるいは劣化ウランが、酸化物の化
学形態で装荷される。
した被覆管からなる高速炉用燃料棒を多数束ねて断面形
状が六角形のラッパ管で覆って構成される。高速炉の炉
心は上記の燃料集合体を、さらに束ねて円柱状に形成さ
れる。また、この炉心の周囲を、主として燃料親物質か
らなる軸方向及び径方向ブランケットで囲設して燃料の
増殖性を向上させている。炉心には燃料として濃縮ウラ
ンあるいはプルトニウムを富化したウランが、ブランケ
ットには天然ウランあるいは劣化ウランが、酸化物の化
学形態で装荷される。
近年、軽水炉の使用済み燃料から発生する半減期が数
百万年と非常に長いネプチニウム等の超ウラン元素を消
滅するために、高速炉のウランとプルトニウムの混合酸
化物燃料(MOX燃料)に超ウラン元素を均一に混合する
概念が検討されている(日本原子力学会1989年年会要旨
集C-24参照) 〔発明が解決しようとする課題〕 上記従来技術は、超ウラン元素の消滅と共に、燃焼に
よる反応度変化が小さいという超ウラン元素を富化した
MOX燃料の特長を踏まえ、長期運転及び高燃焼度化とい
った炉心の高性能化を目的としている。しかし、上記従
来技術では、超ウラン元素がウランに比べ(金属、ある
いは酸化物で)熱伝導率が小さく、融点も低いため、炉
心の熱的余裕が減少するという問題に関しては考慮して
いない。したがって、上記の炉心高性能化を実現するに
は至っていない。
百万年と非常に長いネプチニウム等の超ウラン元素を消
滅するために、高速炉のウランとプルトニウムの混合酸
化物燃料(MOX燃料)に超ウラン元素を均一に混合する
概念が検討されている(日本原子力学会1989年年会要旨
集C-24参照) 〔発明が解決しようとする課題〕 上記従来技術は、超ウラン元素の消滅と共に、燃焼に
よる反応度変化が小さいという超ウラン元素を富化した
MOX燃料の特長を踏まえ、長期運転及び高燃焼度化とい
った炉心の高性能化を目的としている。しかし、上記従
来技術では、超ウラン元素がウランに比べ(金属、ある
いは酸化物で)熱伝導率が小さく、融点も低いため、炉
心の熱的余裕が減少するという問題に関しては考慮して
いない。したがって、上記の炉心高性能化を実現するに
は至っていない。
また、超ウラン元素は、高速中性子に対して核分裂反
応断面積が大きいので、冷却材のナトリウムが沸騰した
場合に投入される反応度、所謂ボイド反応度が大きくな
る。さらに、超ウラン元素を混合した炉心では、共鳴エ
ネルギー領域の中性子の吸収が増え、高速中性子の割合
が増えるので、高速中性子照射量が増大し、燃料集合体
のスエリング(膨脹)や変形が顕著になり燃料寿命を制
限するという問題も生じる。
応断面積が大きいので、冷却材のナトリウムが沸騰した
場合に投入される反応度、所謂ボイド反応度が大きくな
る。さらに、超ウラン元素を混合した炉心では、共鳴エ
ネルギー領域の中性子の吸収が増え、高速中性子の割合
が増えるので、高速中性子照射量が増大し、燃料集合体
のスエリング(膨脹)や変形が顕著になり燃料寿命を制
限するという問題も生じる。
本発明の目的は、上記の問題点を解決し、熱的余裕の
確保が可能であり、かつ長期運転及び高燃焼度化に好適
な高速炉用燃料集合体及び高速炉用燃料棒を提供するこ
とにある。
確保が可能であり、かつ長期運転及び高燃焼度化に好適
な高速炉用燃料集合体及び高速炉用燃料棒を提供するこ
とにある。
本発明の他の目的は、上記燃料集合体を用いて稼動率
向上、安全性向上及び燃料の長寿命化に好適な高速炉の
炉心を提供することにある。
向上、安全性向上及び燃料の長寿命化に好適な高速炉の
炉心を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、上記燃料集合体を用いて超
ウラン元素の効率的な消滅に好適な高速炉の炉心を提供
することにある。
ウラン元素の効率的な消滅に好適な高速炉の炉心を提供
することにある。
本発明の高速炉用燃料集合体は、燃料棒のまわりの冷
却材温度が、燃料集合体の半径方向周辺部で低く、中心
部で高くなることに着目し、酸化物の熱伝導率がウラン
に比べ約1/3と小さいネプチニウム、アメリシウム、キ
ュリウムの富化度を、周辺部の燃料棒で大きく、中心部
の燃料棒で小さくした構成とする。
却材温度が、燃料集合体の半径方向周辺部で低く、中心
部で高くなることに着目し、酸化物の熱伝導率がウラン
に比べ約1/3と小さいネプチニウム、アメリシウム、キ
ュリウムの富化度を、周辺部の燃料棒で大きく、中心部
の燃料棒で小さくした構成とする。
本発明の他の高速炉用燃料集合体は、燃料棒のまわり
の冷却材温度が、燃料棒の燃料充填部の軸方向下部(冷
却材の流入側)で低く、上部(冷却材の流出側)で高く
なることに着目し、相対的に熱伝導率が小さいネプチニ
ウム、アメリシウム、キュリウムの富化度を、燃料棒の
下部で大きく、燃料棒の上部で小さくした構成とする。
の冷却材温度が、燃料棒の燃料充填部の軸方向下部(冷
却材の流入側)で低く、上部(冷却材の流出側)で高く
なることに着目し、相対的に熱伝導率が小さいネプチニ
ウム、アメリシウム、キュリウムの富化度を、燃料棒の
下部で大きく、燃料棒の上部で小さくした構成とする。
本発明の更に他の高速炉用燃料集合体は、ネプチニウ
ム、アメリシウム、キュリウムの富化度を周辺部の燃料
棒で大きく、中心部の燃料棒で小さくすると共に、燃料
棒の燃料充填部の軸方向中心部分に主として燃料親物質
からなるブランケット燃料を配置した構成とする。
ム、アメリシウム、キュリウムの富化度を周辺部の燃料
棒で大きく、中心部の燃料棒で小さくすると共に、燃料
棒の燃料充填部の軸方向中心部分に主として燃料親物質
からなるブランケット燃料を配置した構成とする。
本発明の他の高速炉用燃料集合体は、ネプチニウム、
アメリシウム、キュリウムの富化度を、燃料棒の燃料充
填部の下部で大きく、上部で小さくすると共に、燃料充
填部の軸方向中心部分に主として燃料親物質からなるブ
ランケット燃料を配置した構成とする。
アメリシウム、キュリウムの富化度を、燃料棒の燃料充
填部の下部で大きく、上部で小さくすると共に、燃料充
填部の軸方向中心部分に主として燃料親物質からなるブ
ランケット燃料を配置した構成とする。
本発明の更に他の高速炉用燃料集合体は、上記におい
て、燃料棒に充填する燃料を核分裂性物質を富化しない
ブランケット燃料とした構成とする。
て、燃料棒に充填する燃料を核分裂性物質を富化しない
ブランケット燃料とした構成とする。
本発明の高速炉の炉心は、上記燃料集合体の内の少な
くとも一種類を円柱状に束ねた構成とする。
くとも一種類を円柱状に束ねた構成とする。
上記の構成により、本発明の高速炉用燃料集合体で
は、ネプチニウム、アメリシウム、キュリウムを均一に
富化した従来技術の燃料集合体に比べ、半径方向中心部
の燃料棒に充填した燃料へのネプチニウム、アメリシウ
ム、キュリウムの富化度が小さいため、燃料の中心温度
を低減することができる。また、半径方向周辺部の燃料
棒に充填した燃料へのネプチニウム、アメリシウム、キ
ュリウムの富化度は大きくなるが、この燃料棒の周囲で
は冷却材温度が低いので、燃料の中心温度は、半径方向
中心部の燃料棒と同等にすることができる。したがっ
て、集合体で平均して、従来技術と同じだけネプチニウ
ム、アメリシウム、キュリウムを富化した場合でも、熱
的余裕を確保することができる。
は、ネプチニウム、アメリシウム、キュリウムを均一に
富化した従来技術の燃料集合体に比べ、半径方向中心部
の燃料棒に充填した燃料へのネプチニウム、アメリシウ
ム、キュリウムの富化度が小さいため、燃料の中心温度
を低減することができる。また、半径方向周辺部の燃料
棒に充填した燃料へのネプチニウム、アメリシウム、キ
ュリウムの富化度は大きくなるが、この燃料棒の周囲で
は冷却材温度が低いので、燃料の中心温度は、半径方向
中心部の燃料棒と同等にすることができる。したがっ
て、集合体で平均して、従来技術と同じだけネプチニウ
ム、アメリシウム、キュリウムを富化した場合でも、熱
的余裕を確保することができる。
本発明の他の高速炉用燃料集合体では、ネプチニウ
ム、アメリシウム、キュリウムを均一に富化した従来技
術の燃料集合体に比べ、燃料棒の軸方向上部に充填した
燃料へのネプチニウム、アメリシウム、キュリウムの富
化度が小さいため、燃料の中心温度を低減することがで
きる。また、軸方向下部に充填した燃料へのネプチニウ
ム、アメリシウム、キュリウムの富化度は大きくなる
が、この燃料の周囲では冷却材温度が低いので、燃料の
中心温度は、軸方向上部の燃料と同等にすることができ
る。したがって、この場合も同様に、従来技術に比べて
熱的余裕を確保することができる。
ム、アメリシウム、キュリウムを均一に富化した従来技
術の燃料集合体に比べ、燃料棒の軸方向上部に充填した
燃料へのネプチニウム、アメリシウム、キュリウムの富
化度が小さいため、燃料の中心温度を低減することがで
きる。また、軸方向下部に充填した燃料へのネプチニウ
ム、アメリシウム、キュリウムの富化度は大きくなる
が、この燃料の周囲では冷却材温度が低いので、燃料の
中心温度は、軸方向上部の燃料と同等にすることができ
る。したがって、この場合も同様に、従来技術に比べて
熱的余裕を確保することができる。
上述の燃料集合体を用いて構成した本発明の高速炉の
炉心では、熱的余裕の確保が可能となることにより、ネ
プチニウム、アメリシウム、キュリウムの特徴を生かし
た長期運転及び高燃焼度化が実現できるため、原子炉の
稼動率が向上できる。また、これと同時に、ネプチニウ
ム、アメリシウム、キュリウムを効率的に消滅させるこ
とができる。
炉心では、熱的余裕の確保が可能となることにより、ネ
プチニウム、アメリシウム、キュリウムの特徴を生かし
た長期運転及び高燃焼度化が実現できるため、原子炉の
稼動率が向上できる。また、これと同時に、ネプチニウ
ム、アメリシウム、キュリウムを効率的に消滅させるこ
とができる。
本発明の更に他の高速炉用燃料集合体では、熱的余裕
を確保できることに加え、炉心の中心付近に位置する部
分に中性子の吸収体であるブランケット燃料を配置して
いるので、従来技術に比べ、中性子束分布を平坦化で
き、冷却材が沸騰した場合のボイド反応度や、高速中性
子照射量を低減できる。このため、この燃料集合体を用
いて構成した本発明の高速炉の炉心では、原子炉の安全
性の向上及び燃料の長寿命化を図ることができる。
を確保できることに加え、炉心の中心付近に位置する部
分に中性子の吸収体であるブランケット燃料を配置して
いるので、従来技術に比べ、中性子束分布を平坦化で
き、冷却材が沸騰した場合のボイド反応度や、高速中性
子照射量を低減できる。このため、この燃料集合体を用
いて構成した本発明の高速炉の炉心では、原子炉の安全
性の向上及び燃料の長寿命化を図ることができる。
以下、本発明の好適実施例を図面により説明する。
まず、本発明の第1の実施例による高速炉用燃料棒及
び高速炉用燃料集合体を、第1図〜第4図を参照して説
明する。
び高速炉用燃料集合体を、第1図〜第4図を参照して説
明する。
第1図及び第2図において、本実施例の高速炉用燃料
集合体1は、半径方向の最外層に第1の燃料棒2を配置
し、その内側に第2の燃料棒3を多数束ねて配置し、第
1の燃料棒2の外側をフェライト鋼でできた六角管状の
ラッパー管4で覆って構成されている。ラッパー管4の
外周には軸方向に隔てて複数のスペーサパッド5が設け
られ、かつ上部にはハンドリングヘッド6が、下部には
エントランスノズル7が設けられている。冷却材である
ナトリウム(図示せず)はエントランスノズル7からラ
ッパー管4内に流入し、燃料棒2及び3の間を流れこれ
らを冷却して、上部に流出していく。
集合体1は、半径方向の最外層に第1の燃料棒2を配置
し、その内側に第2の燃料棒3を多数束ねて配置し、第
1の燃料棒2の外側をフェライト鋼でできた六角管状の
ラッパー管4で覆って構成されている。ラッパー管4の
外周には軸方向に隔てて複数のスペーサパッド5が設け
られ、かつ上部にはハンドリングヘッド6が、下部には
エントランスノズル7が設けられている。冷却材である
ナトリウム(図示せず)はエントランスノズル7からラ
ッパー管4内に流入し、燃料棒2及び3の間を流れこれ
らを冷却して、上部に流出していく。
第1の燃料棒2は、第3図に示すように、フェライト
鋼の被覆管8内の燃料充填部15に、ウラン、プルトニウ
ムにネプチニウム、アメリシウム、及びキュリウムのう
ち少なくとも1つを富化した混合酸化物からなる燃料9
を充填し、その上下に劣化ウランの酸化物からなるブラ
ンケット燃料10を充填して構成されている。被覆管8の
下部にはガスプレナム11が形成され、被覆管8の両端は
端栓12で閉じられ、上部ブランケット燃料10と端栓12と
の間及び下部ブランケット燃料10とガスプレナム端栓13
との間にはスプリング14が配置されている。
鋼の被覆管8内の燃料充填部15に、ウラン、プルトニウ
ムにネプチニウム、アメリシウム、及びキュリウムのう
ち少なくとも1つを富化した混合酸化物からなる燃料9
を充填し、その上下に劣化ウランの酸化物からなるブラ
ンケット燃料10を充填して構成されている。被覆管8の
下部にはガスプレナム11が形成され、被覆管8の両端は
端栓12で閉じられ、上部ブランケット燃料10と端栓12と
の間及び下部ブランケット燃料10とガスプレナム端栓13
との間にはスプリング14が配置されている。
第2の燃料棒3は、第4図に示すように燃料充填部16
にウランとプルトニウムの混合酸化物からなる燃料17を
充填して構成され、その他の構成は第1の燃料棒2と同
じである。
にウランとプルトニウムの混合酸化物からなる燃料17を
充填して構成され、その他の構成は第1の燃料棒2と同
じである。
次に、本発明の第2の実施例による高速炉用燃料棒及
び高速炉用燃料集合体について第5図〜第7図を用いて
説明する。図中、第1図〜第4図に示す部材と同等の部
材には同じ符号を付してある。
び高速炉用燃料集合体について第5図〜第7図を用いて
説明する。図中、第1図〜第4図に示す部材と同等の部
材には同じ符号を付してある。
本実施例の高速炉用燃料集合体20は、1種類の燃料
棒、即ち第3の燃料棒21のみを多数束ねて構成されてい
る。第3の燃料棒21は、燃料充填部22の下側、即ち冷却
材の流入側1/4にウラン、プルトニウムにネプチニウ
ム、アメリシウム、キュリウムを富化した混合酸化物か
らなる燃料9を、上側、即ち冷却材の流出側3/4にウラ
ンとプルトニウムの混合酸化物からなる燃料17を充填し
て構成されている。
棒、即ち第3の燃料棒21のみを多数束ねて構成されてい
る。第3の燃料棒21は、燃料充填部22の下側、即ち冷却
材の流入側1/4にウラン、プルトニウムにネプチニウ
ム、アメリシウム、キュリウムを富化した混合酸化物か
らなる燃料9を、上側、即ち冷却材の流出側3/4にウラ
ンとプルトニウムの混合酸化物からなる燃料17を充填し
て構成されている。
上述した2つの実施例による燃料集合体の効果を、第
8図に示す高速炉の炉心に基づいて評価した。この炉心
の半径方向外側には上記の燃料集合体1又は20でプルト
ニウム富化度を比較的高くした燃料集合体1A又は20A
を、内側には、プルトニウム富化度を比較的低くした燃
料集合体1B又は20Bを装荷してある。最外層にはブラン
ケット燃料集合体26を装荷してある。27は制御棒であ
る。
8図に示す高速炉の炉心に基づいて評価した。この炉心
の半径方向外側には上記の燃料集合体1又は20でプルト
ニウム富化度を比較的高くした燃料集合体1A又は20A
を、内側には、プルトニウム富化度を比較的低くした燃
料集合体1B又は20Bを装荷してある。最外層にはブラン
ケット燃料集合体26を装荷してある。27は制御棒であ
る。
炉心及び燃料の仕様並びに運転条件を第9図の表に示
す。即ち、原子炉熱出力は約2,600MW、電気出力は約1,0
00MW、等価炉心径と炉心高さはそれぞれ330cm及び100cm
である。ブランケット燃料10により構成される軸方向ブ
ランケット及びブランケット燃料集合体26により構成さ
れる径方向ブランケットの厚さは、それぞれ35cm及び30
cmである。運転期間は12ヶ月で、燃料交換バッチ数は炉
心で3、径方向ブランケットで4としている。
す。即ち、原子炉熱出力は約2,600MW、電気出力は約1,0
00MW、等価炉心径と炉心高さはそれぞれ330cm及び100cm
である。ブランケット燃料10により構成される軸方向ブ
ランケット及びブランケット燃料集合体26により構成さ
れる径方向ブランケットの厚さは、それぞれ35cm及び30
cmである。運転期間は12ヶ月で、燃料交換バッチ数は炉
心で3、径方向ブランケットで4としている。
燃料の組成は、外側炉心燃料集合体1A又は20Aでプル
トニウム富化度は約20%、内側炉心燃料集合体1B又は20
Bでは約16%ある。ネプチニウム、アメリシウム、キュ
リウムの富化度は、第1の実施例の燃料集合体1A及び1B
では、集合体内の最外層の燃料棒2で20%で、これより
内側の燃料棒3にはネプチニウム、アメリシウム、キュ
リウムのいずれも富化しない構成とする。第2の実施例
の燃料集合体20A及び20Bでは、燃料充填部22の下側1/4
の燃料9で20%で、これより上側3/4の燃料17にはネプ
チニウム、アメリシウム、及びキュリウムのいずれも富
化しない構成とする。
トニウム富化度は約20%、内側炉心燃料集合体1B又は20
Bでは約16%ある。ネプチニウム、アメリシウム、キュ
リウムの富化度は、第1の実施例の燃料集合体1A及び1B
では、集合体内の最外層の燃料棒2で20%で、これより
内側の燃料棒3にはネプチニウム、アメリシウム、キュ
リウムのいずれも富化しない構成とする。第2の実施例
の燃料集合体20A及び20Bでは、燃料充填部22の下側1/4
の燃料9で20%で、これより上側3/4の燃料17にはネプ
チニウム、アメリシウム、及びキュリウムのいずれも富
化しない構成とする。
ネプチニウム、アメリシウム、キュリウムの重量組成
比は、軽水炉の使用済み燃料を再処理したものを想定
し、第9図の表に示したものを使用した。即ち、ネプチ
ニウム−237が約80%で、アメリシウム−243が約10%、
残りがアメリシウム−241、キュリウム−242及びキュリ
ウム−244とした。ここで、これらネプチニウム、アメ
リシウム、キュリウム以外の超ウラン元素であるプルト
ニウムをわずかに含む組成を用いる場合は、上記のプル
トニウム富化度を調整する必要がある。
比は、軽水炉の使用済み燃料を再処理したものを想定
し、第9図の表に示したものを使用した。即ち、ネプチ
ニウム−237が約80%で、アメリシウム−243が約10%、
残りがアメリシウム−241、キュリウム−242及びキュリ
ウム−244とした。ここで、これらネプチニウム、アメ
リシウム、キュリウム以外の超ウラン元素であるプルト
ニウムをわずかに含む組成を用いる場合は、上記のプル
トニウム富化度を調整する必要がある。
次に、燃料中心温度の評価法について説明する。ネプ
チニウム、アメリシウム、及びキュリウムのうち少なく
とも1つを混合した燃料では、ウランとプルトニウムの
混合酸化物(MOX)、及びネプチニウム、アメリシウ
ム、キュリウムの酸化物が固溶せずに、不規則な大きさ
をもつ粒塊となって、不規則に配列しているものと考え
る。この燃料の実効熱伝導率は、下記の(1)式のよう
に表わせる。
チニウム、アメリシウム、及びキュリウムのうち少なく
とも1つを混合した燃料では、ウランとプルトニウムの
混合酸化物(MOX)、及びネプチニウム、アメリシウ
ム、キュリウムの酸化物が固溶せずに、不規則な大きさ
をもつ粒塊となって、不規則に配列しているものと考え
る。この燃料の実効熱伝導率は、下記の(1)式のよう
に表わせる。
k1/k0=(β−λ)/(β+λ) ……(1) ここで、 k0=MOX燃料の熱伝導率 k1=MOX燃料にネプチニウム、アメリシウム、及びキュ
リウムのうち少なくとも1つを富化した燃料の熱伝導率 λ=ネプチニウム、アメリシウム、キュリウムの富化度 β=(1+ν)/(1−ν) ……(2) ν=kT/k0 kT=ネプチニウム、アメリシウム、及びキュリウムのう
ち少なくとも1つ燃料の熱伝導率 νを1/3、λ=0.2とすると、(1)式及び(2)式よ
り、k1/k0□0.8となる。燃料中心温度と燃料表面温度と
の差は、熱伝導率にほぼ反比例するから、例えば、ネプ
チニウム、アメリシウム、及びキュリウムのうち少なく
とも1つを20%富化した燃料では、この温度差はMOX燃
料に比べ約20%大きくなる(燃料中心温度と冷却材入口
温度の差で比較すれば、この値は約15%となる)。
リウムのうち少なくとも1つを富化した燃料の熱伝導率 λ=ネプチニウム、アメリシウム、キュリウムの富化度 β=(1+ν)/(1−ν) ……(2) ν=kT/k0 kT=ネプチニウム、アメリシウム、及びキュリウムのう
ち少なくとも1つ燃料の熱伝導率 νを1/3、λ=0.2とすると、(1)式及び(2)式よ
り、k1/k0□0.8となる。燃料中心温度と燃料表面温度と
の差は、熱伝導率にほぼ反比例するから、例えば、ネプ
チニウム、アメリシウム、及びキュリウムのうち少なく
とも1つを20%富化した燃料では、この温度差はMOX燃
料に比べ約20%大きくなる(燃料中心温度と冷却材入口
温度の差で比較すれば、この値は約15%となる)。
第10図は、第1の実施例における燃料集合体1の冷却
材温度及び燃料中心温度の径方向分布を示している。こ
こで、縦軸の温度は、冷却材入口温度を基準(0)と
し、この温度との差の相対値で表わしている。冷却材温
度分布は、第10図の曲線a1に示すように、周辺部で低く
なっている。これは、燃料棒1本当りの冷却材の流量が
燃料集合体1の最外層で多くなっているためである。し
たがって、燃料棒の平均線出力が集合体の半径方向で一
定とすれば、ネプチニウム、アメリシウム、及びキュリ
ウムのうち少なくとも1つを均一に5%富化した従来技
術の場合の燃料中心温度は曲線b1のようになる。ここ
で、実施例のように、冷却材温度の低い最外層の燃料棒
2にネプチニウム、アメリシウム、及びキュリウムのう
ち少なくとも1つを20%富化し、これより内側の燃料棒
3にはネプチニウム、アメリシウム、キュリウムのいず
れも富化しない構成とすると、燃料中心温度は曲線c1の
ようになり、その最大値は、上記のb1よりも約4%低減
される。
材温度及び燃料中心温度の径方向分布を示している。こ
こで、縦軸の温度は、冷却材入口温度を基準(0)と
し、この温度との差の相対値で表わしている。冷却材温
度分布は、第10図の曲線a1に示すように、周辺部で低く
なっている。これは、燃料棒1本当りの冷却材の流量が
燃料集合体1の最外層で多くなっているためである。し
たがって、燃料棒の平均線出力が集合体の半径方向で一
定とすれば、ネプチニウム、アメリシウム、及びキュリ
ウムのうち少なくとも1つを均一に5%富化した従来技
術の場合の燃料中心温度は曲線b1のようになる。ここ
で、実施例のように、冷却材温度の低い最外層の燃料棒
2にネプチニウム、アメリシウム、及びキュリウムのう
ち少なくとも1つを20%富化し、これより内側の燃料棒
3にはネプチニウム、アメリシウム、キュリウムのいず
れも富化しない構成とすると、燃料中心温度は曲線c1の
ようになり、その最大値は、上記のb1よりも約4%低減
される。
第11図は、第2の実施例における燃料集合体20の燃料
充填部22(炉心部)の軸方向の冷却材温度及び燃料中心
温度の分布を示している。冷却材温度分布は、第11図の
曲線a2に示すように、下側(流入側)で低く、燃料棒を
冷却するために上側(流出側)に行くほど高くなってい
る。したがって、燃料棒の線出力は、軸方向で余弦関数
分布に近くなるので、ネプチニウム、アメリシウム、及
びキュリウムのうち少なくとも1つを均一に5%富化し
た従来技術の場合の燃料中心温度は曲線b2のようにな
る。ここで、実施例のように、冷却材温度の低い燃料充
填部22の下側1/4にネプチニウム、アメリシウム、及び
キュリウムのうち少なくとも1つを20%富化し、これよ
り上側の3/4の燃料にはネプチニウム、アメリシウム、
キュリウムのいずれも富化しない構成とすると、燃料中
心温度は曲線c2のようになり、その最大値は、上記のb2
よりも約4%低減される。
充填部22(炉心部)の軸方向の冷却材温度及び燃料中心
温度の分布を示している。冷却材温度分布は、第11図の
曲線a2に示すように、下側(流入側)で低く、燃料棒を
冷却するために上側(流出側)に行くほど高くなってい
る。したがって、燃料棒の線出力は、軸方向で余弦関数
分布に近くなるので、ネプチニウム、アメリシウム、及
びキュリウムのうち少なくとも1つを均一に5%富化し
た従来技術の場合の燃料中心温度は曲線b2のようにな
る。ここで、実施例のように、冷却材温度の低い燃料充
填部22の下側1/4にネプチニウム、アメリシウム、及び
キュリウムのうち少なくとも1つを20%富化し、これよ
り上側の3/4の燃料にはネプチニウム、アメリシウム、
キュリウムのいずれも富化しない構成とすると、燃料中
心温度は曲線c2のようになり、その最大値は、上記のb2
よりも約4%低減される。
以上のように、本発明の実施例では、熱的余裕を確保
できるので、燃焼に伴う反応度変化が小さいというネプ
チニウム、アメリシウム、キュリウム混合燃料の特長を
活かして、長期運転及び高燃焼度化を実現することがで
きる。また、高燃焼度化により、ネプチニウム、アメリ
シウム、キュリウムを効率的に消滅させることができ
る。
できるので、燃焼に伴う反応度変化が小さいというネプ
チニウム、アメリシウム、キュリウム混合燃料の特長を
活かして、長期運転及び高燃焼度化を実現することがで
きる。また、高燃焼度化により、ネプチニウム、アメリ
シウム、キュリウムを効率的に消滅させることができ
る。
なお、第1の実施例では燃料集合体の最外層以外の燃
料棒3に、第2の実施例では燃料充填部22の上部3/4の
燃料17には、いずれもネプチニウム、アメリシウム、キ
ュリウムを富化しない構成としたが、ネプチニウム、ア
メリシウム、キュリウムのうち少なくとも1つをわずか
に富化しても良く、この場合、炉心の熱的余裕を損なう
ことなく、一層の長期運転及び高燃焼度化を実現するこ
とができる。これは、個別には説明しないが以下の実施
例においても同様である。
料棒3に、第2の実施例では燃料充填部22の上部3/4の
燃料17には、いずれもネプチニウム、アメリシウム、キ
ュリウムを富化しない構成としたが、ネプチニウム、ア
メリシウム、キュリウムのうち少なくとも1つをわずか
に富化しても良く、この場合、炉心の熱的余裕を損なう
ことなく、一層の長期運転及び高燃焼度化を実現するこ
とができる。これは、個別には説明しないが以下の実施
例においても同様である。
本発明の第3の実施例による高速炉用燃料棒及び高速
炉用燃料集合体について第12図〜第16図を用いて説明す
る。
炉用燃料集合体について第12図〜第16図を用いて説明す
る。
本実施例の高速炉用燃料集合体30は、第1図〜第4図
に示す第1の実施例の燃料集合体1と同様に、第1及び
第2の燃料棒2A及び3Aを配置し、これらをラッパ管4で
覆って構成されている。第1及び第2の燃料棒2A,3A
は、それぞれ燃料充填部15A,16Aの軸方向中心部分に劣
化ウランの酸化物からなるブランケット燃料10を充填し
て構成されている。他の構成は第1の実施例の燃料棒2,
3と同じである。
に示す第1の実施例の燃料集合体1と同様に、第1及び
第2の燃料棒2A及び3Aを配置し、これらをラッパ管4で
覆って構成されている。第1及び第2の燃料棒2A,3A
は、それぞれ燃料充填部15A,16Aの軸方向中心部分に劣
化ウランの酸化物からなるブランケット燃料10を充填し
て構成されている。他の構成は第1の実施例の燃料棒2,
3と同じである。
本実施例の燃料集合体30を用いて第16図に示す高速炉
の炉心を構成した。この炉心では、本実施例の燃料集合
体30でプルトニウム富化度を比較的低くした燃料集合体
30Aを半径方向内側に、第1図〜第4図に示す第1の実
施例の燃料集合体1でプルトニウム富化度を比較的高く
した燃料集合体1Aを半径方向外側に装荷し、最外層にブ
ランケット燃料集合体26を装荷した。この場合には、第
8図に示す炉心により説明した第1及び第2の実施例の
効果に加えて、燃料親物質のブランケット燃料10が炉心
の中心付近に配置されることから、中性子束が平坦化さ
れ、前述のボイド反応度や高速中性子照射量を低減する
ことができるので、原子炉の安全性の向上及び燃料の長
寿命化を実現できる。
の炉心を構成した。この炉心では、本実施例の燃料集合
体30でプルトニウム富化度を比較的低くした燃料集合体
30Aを半径方向内側に、第1図〜第4図に示す第1の実
施例の燃料集合体1でプルトニウム富化度を比較的高く
した燃料集合体1Aを半径方向外側に装荷し、最外層にブ
ランケット燃料集合体26を装荷した。この場合には、第
8図に示す炉心により説明した第1及び第2の実施例の
効果に加えて、燃料親物質のブランケット燃料10が炉心
の中心付近に配置されることから、中性子束が平坦化さ
れ、前述のボイド反応度や高速中性子照射量を低減する
ことができるので、原子炉の安全性の向上及び燃料の長
寿命化を実現できる。
本発明の第4の実施例による高速炉用燃料棒及び高速
炉用燃料集合体を第17図〜第19図により説明する。本実
施例の高速炉用燃料集合体31は、第5図〜第7図の実施
例による燃料集合体20と同様に、1種類の第3の燃料棒
21Aを配置し、これをラッパ管4で覆って構成されてい
る。燃料棒21Aは、燃料充填部22Aの軸方向中心部分に劣
化ウランの酸化物からなるブランケット燃料10を充填し
て構成されている。本実施例によっても、上述した第3
の実施例(第12図〜第15図)と同様な効果が得られる。
炉用燃料集合体を第17図〜第19図により説明する。本実
施例の高速炉用燃料集合体31は、第5図〜第7図の実施
例による燃料集合体20と同様に、1種類の第3の燃料棒
21Aを配置し、これをラッパ管4で覆って構成されてい
る。燃料棒21Aは、燃料充填部22Aの軸方向中心部分に劣
化ウランの酸化物からなるブランケット燃料10を充填し
て構成されている。本実施例によっても、上述した第3
の実施例(第12図〜第15図)と同様な効果が得られる。
本発明の第5及び第6の実施例による高速炉用燃料棒
及び高速炉用燃料集合体を第20図〜第23図及び第24図〜
第26図により説明する。本実施例の高速炉用燃料集合体
32,33は、第1及び第2の燃料棒2B,3B及び第3の燃料棒
21Bのそれぞれの燃料充填部15B,16B,22Bに設けたブラン
ケット燃料10を、第3及び第4の実施例(第12図〜第15
図及び第17〜19図)で燃料充填部の中心部分に位置して
いたのを、その中心が燃料充填部15B,16B,22Bの中心よ
りも下方になるように配置したものである。
及び高速炉用燃料集合体を第20図〜第23図及び第24図〜
第26図により説明する。本実施例の高速炉用燃料集合体
32,33は、第1及び第2の燃料棒2B,3B及び第3の燃料棒
21Bのそれぞれの燃料充填部15B,16B,22Bに設けたブラン
ケット燃料10を、第3及び第4の実施例(第12図〜第15
図及び第17〜19図)で燃料充填部の中心部分に位置して
いたのを、その中心が燃料充填部15B,16B,22Bの中心よ
りも下方になるように配置したものである。
本実施例の効果を、第16図に示した高速炉の炉心の内
側領域に第3の実施例の燃料集合体30Aに代えて本実施
例の燃料集合体32又は33を装荷した場合につき説明す
る。通常の高速炉の炉心では、運転初期に、中性子の強
い吸収体(炭化硼素等)からなる制御棒27が炉心の上側
から挿入されるため、単位体積当りの出力は炉心上部で
小さく、炉心下部で大きくなる。しかし、本実施例の炉
心では、炉心の下方に、やはり中性子の吸収体であるブ
ランケット燃料10が配置されているので、出力分布を平
坦化することができ、炉心の熱的余裕の更なる向上を図
ることができる。
側領域に第3の実施例の燃料集合体30Aに代えて本実施
例の燃料集合体32又は33を装荷した場合につき説明す
る。通常の高速炉の炉心では、運転初期に、中性子の強
い吸収体(炭化硼素等)からなる制御棒27が炉心の上側
から挿入されるため、単位体積当りの出力は炉心上部で
小さく、炉心下部で大きくなる。しかし、本実施例の炉
心では、炉心の下方に、やはり中性子の吸収体であるブ
ランケット燃料10が配置されているので、出力分布を平
坦化することができ、炉心の熱的余裕の更なる向上を図
ることができる。
本発明の第7及び第8の実施例による高速炉用燃料棒
及び高速炉用燃料集合体を第27図〜第29図及び第30図〜
第32図により説明する。本実施例の高速炉用燃料集合体
34,35は、第1の燃料棒2C及び第3の燃料棒21Cの燃料充
填部15C,22Cに、第1及び第2の実施例(第1図〜第4
図及び第5図〜第7図)で充填したネプチニウム、アメ
リシウム、及びキュリウムのうち少なくとも1つを富化
した中実の燃料9に代え、中空のペレット状の燃料9Cを
充填したものである。燃料集合体34の第2の燃料棒3は
第1の実施例の第2の燃料棒3と同じである。
及び高速炉用燃料集合体を第27図〜第29図及び第30図〜
第32図により説明する。本実施例の高速炉用燃料集合体
34,35は、第1の燃料棒2C及び第3の燃料棒21Cの燃料充
填部15C,22Cに、第1及び第2の実施例(第1図〜第4
図及び第5図〜第7図)で充填したネプチニウム、アメ
リシウム、及びキュリウムのうち少なくとも1つを富化
した中実の燃料9に代え、中空のペレット状の燃料9Cを
充填したものである。燃料集合体34の第2の燃料棒3は
第1の実施例の第2の燃料棒3と同じである。
中実の燃料の温度はその中心で最も高くなるので、こ
こに燃料を設けずに中空とすることで、最高温度を低減
することができる。したがって、熱伝導率の低いネプチ
ニウム、アメリシウム、キュリウムの富化度を、第1及
び第2の実施例に比べ、さらに高くすることができ、一
層の長期運転・高燃焼度化が可能となる。
こに燃料を設けずに中空とすることで、最高温度を低減
することができる。したがって、熱伝導率の低いネプチ
ニウム、アメリシウム、キュリウムの富化度を、第1及
び第2の実施例に比べ、さらに高くすることができ、一
層の長期運転・高燃焼度化が可能となる。
本発明の第9及び第10の実施例による高速炉用燃料棒
及び高速炉用燃料集合体を第33図〜第36図及び第37図〜
第39図により説明する。本実施例は、本発明をブランケ
ット燃料集合体に適用したものである。
及び高速炉用燃料集合体を第33図〜第36図及び第37図〜
第39図により説明する。本実施例は、本発明をブランケ
ット燃料集合体に適用したものである。
第9の実施例による高速炉用燃料集合体36は、第33図
〜第36図に示すように、第1図〜第4図に示す実施例の
燃料集合体1と同様に第1及び第2の燃料棒2D及び3Dを
配置し、これらをラッパ管4で覆って構成されている。
第1の燃料棒2Dは、燃料充填部15Dに劣化ウランの酸化
物にネプチニウム、アメリシウム、及びキュリウムのう
ち少なくとも1つを富化したブランケット燃料37を充填
して構成されている。第2の燃料棒3Dは、燃料充填部16
Dに劣化ウランの酸化物からなるブランケット燃料10を
充填して構成されている。
〜第36図に示すように、第1図〜第4図に示す実施例の
燃料集合体1と同様に第1及び第2の燃料棒2D及び3Dを
配置し、これらをラッパ管4で覆って構成されている。
第1の燃料棒2Dは、燃料充填部15Dに劣化ウランの酸化
物にネプチニウム、アメリシウム、及びキュリウムのう
ち少なくとも1つを富化したブランケット燃料37を充填
して構成されている。第2の燃料棒3Dは、燃料充填部16
Dに劣化ウランの酸化物からなるブランケット燃料10を
充填して構成されている。
第10の実施例による高速炉用燃料集合体38は、第37図
〜第39図に示すように、第5図〜第7図に示す実施例の
燃料集合体21と同様に、1種類の第3の燃料棒21Dをラ
ッパ管4で覆って構成されている。第3の燃料棒21D
は、燃料充填部22Dの下側ほぼ半分に、劣化ウランの酸
化物にネプチニウム、アメリシウム、及びキュリウムの
うち少なくとも1つを富化したブランケット燃料37を充
填し、上側のほぼ半分に劣化ウランの酸化物からなるブ
ランケット燃料10を充填して構成されている。
〜第39図に示すように、第5図〜第7図に示す実施例の
燃料集合体21と同様に、1種類の第3の燃料棒21Dをラ
ッパ管4で覆って構成されている。第3の燃料棒21D
は、燃料充填部22Dの下側ほぼ半分に、劣化ウランの酸
化物にネプチニウム、アメリシウム、及びキュリウムの
うち少なくとも1つを富化したブランケット燃料37を充
填し、上側のほぼ半分に劣化ウランの酸化物からなるブ
ランケット燃料10を充填して構成されている。
第1、第2及び第3の燃料棒2D,3D,21Dのその他の構
成は第1及び第2の実施例と同じである。
成は第1及び第2の実施例と同じである。
第9及び第10の実施例の効果を、本実施例の燃料集合
体36又は38と第1の実施例(第1〜4図)による燃料集
合体1を交互に配列して構成した第40図に示す高速炉の
非均質炉心を用いて説明する。前述のボイド反応度の増
大は、仮想事故時に、ネプチニウム、アメリシウム、及
びキュリウムのうち少なくとも1つを富化した燃料を冷
却するナトリウムが沸騰することが原因であった。しか
し、本実施例の非均質炉心では、ブランケット燃料集合
体36又は38は通常の炉心燃料集合体に比べ熱出力が小さ
いので、事故時にもナトリウムの沸騰は起こらない。し
たがって、第8図に示した炉心に比べ、ボイド反応度を
低減することができる。したがって、高速炉の安全性の
向上を実現できる。これは、炉心燃料集合体1に代えネ
プチニウム、アメリシウム、キュリウムのいずれも富化
しない燃料集合体を用い、ブランケット燃料集合体36又
は38にのみネプチニウム、アメリシウム、及びキュリウ
ムのうち少なくとも1つを富化した場合には、より一層
効果的となる。
体36又は38と第1の実施例(第1〜4図)による燃料集
合体1を交互に配列して構成した第40図に示す高速炉の
非均質炉心を用いて説明する。前述のボイド反応度の増
大は、仮想事故時に、ネプチニウム、アメリシウム、及
びキュリウムのうち少なくとも1つを富化した燃料を冷
却するナトリウムが沸騰することが原因であった。しか
し、本実施例の非均質炉心では、ブランケット燃料集合
体36又は38は通常の炉心燃料集合体に比べ熱出力が小さ
いので、事故時にもナトリウムの沸騰は起こらない。し
たがって、第8図に示した炉心に比べ、ボイド反応度を
低減することができる。したがって、高速炉の安全性の
向上を実現できる。これは、炉心燃料集合体1に代えネ
プチニウム、アメリシウム、キュリウムのいずれも富化
しない燃料集合体を用い、ブランケット燃料集合体36又
は38にのみネプチニウム、アメリシウム、及びキュリウ
ムのうち少なくとも1つを富化した場合には、より一層
効果的となる。
なお、第8図、第16図及び第40図に示す炉心におい
て、炉心の最外周に通常のブランケット燃料集合体26を
配置したが、第9又は第10の実施例によるブランケット
燃料集合体36又は38を配置しても良く、この場合にはこ
の径方向のブランケット領域においても熱的余裕を確保
すると共に、ネプチニウム、アメリシウム、キュリウム
を効率的に消滅させることができる。
て、炉心の最外周に通常のブランケット燃料集合体26を
配置したが、第9又は第10の実施例によるブランケット
燃料集合体36又は38を配置しても良く、この場合にはこ
の径方向のブランケット領域においても熱的余裕を確保
すると共に、ネプチニウム、アメリシウム、キュリウム
を効率的に消滅させることができる。
また、上述した実施例においては、ネプチニウム、ア
メリシウム、及びキュリウムのうち少なくとも1つを富
化した燃料として、ウランとプルトニウムの混合酸化物
を、炉心構造材としてフェライト鋼を、制御棒の中性子
吸収材として炭化硼素を、冷却材としてナトリウムをそ
れぞれ使用したが、その他の燃料、構造材、冷却材、中
性子吸収材を使用した場合にも本発明は適用できる。ま
た、上記の実施例では、炉心燃料の上下にブランケット
燃料を充填した構成としたが、ブランケット燃料を含ま
ない構成としても本発明の効果は得られる。
メリシウム、及びキュリウムのうち少なくとも1つを富
化した燃料として、ウランとプルトニウムの混合酸化物
を、炉心構造材としてフェライト鋼を、制御棒の中性子
吸収材として炭化硼素を、冷却材としてナトリウムをそ
れぞれ使用したが、その他の燃料、構造材、冷却材、中
性子吸収材を使用した場合にも本発明は適用できる。ま
た、上記の実施例では、炉心燃料の上下にブランケット
燃料を充填した構成としたが、ブランケット燃料を含ま
ない構成としても本発明の効果は得られる。
以上説明したように、本発明の高速炉用燃料棒、高速
炉用燃料集合体及び高速炉の炉心によれば、従来技術に
比べ、熱的余裕の確保が可能となり、ネプチニウム、ア
メリシウム、キュリウムの特徴を活かした長期運転及び
高燃焼度化が実現できる。したがって、原子炉の稼動率
の向上や燃料サイクル費の低減という効果が得られる。
また、これと同時に、ネプチニウム、アメリシウム、キ
ュリウムを効率的に消滅させることができる。
炉用燃料集合体及び高速炉の炉心によれば、従来技術に
比べ、熱的余裕の確保が可能となり、ネプチニウム、ア
メリシウム、キュリウムの特徴を活かした長期運転及び
高燃焼度化が実現できる。したがって、原子炉の稼動率
の向上や燃料サイクル費の低減という効果が得られる。
また、これと同時に、ネプチニウム、アメリシウム、キ
ュリウムを効率的に消滅させることができる。
本発明のその他の高速炉用燃料棒、高速炉用燃料集合
体及び高速炉の炉心によれば、ボイド反応度や高速中性
子照射量を低減できるため、原子炉の安全性の向上や燃
料サイクルコストの低減という効果が得られる。
体及び高速炉の炉心によれば、ボイド反応度や高速中性
子照射量を低減できるため、原子炉の安全性の向上や燃
料サイクルコストの低減という効果が得られる。
第1図及び第2図は本発明の第1の実施例による高速炉
用燃料集合体を示し、第1図は第2図のI−I線に沿っ
た水平断面図、第2図は燃料集合体の斜視図であり、第
3図及び第4図はそれぞれ第1の実施例の第1及び第2
の燃料棒の垂直断面図であり、第5図及び第6図は本発
明の第2の実施例による高速炉用燃料集合体を示し、第
5図は第6図のV−V線に沿った断面図、第6図は燃料
集合体の斜視図であり、第7図は第2の実施例の第3の
燃料棒の垂直断面図であり、第8図は本発明の第1の実
施例による高速炉の炉心の1/2のみを示す水平断面図で
あり、第9図は炉心及び燃料の仕様並びに運転条件を示
す図であり、第10図は本発明の燃料集合体と従来の燃料
集合体の径方向の温度分布特性を比較して示す図であ
り、第11図は本発明の燃料集合体及び炉心と従来の燃料
集合体及び炉心の軸方向の温度分布特性を比較して示す
図であり、第12図〜第15図は本発明の第3の実施例によ
る高速炉用燃料集合体及び高速炉用燃料棒を示す第1図
〜第4図と同様な図であり、第13図に第12図の水平断面
位置をXII線で示しており、第16図は本発明の第2の実
施例による高速炉の炉心の1/2のみを示す水平断面図で
あり、第17図〜第19図は本発明の第4の実施例による高
速炉用燃料集合体及び高速炉用燃料棒を示す第5図〜第
7図と同様な図であり、第18図に第17図の水平断面位置
をXVII線で示しており、第20図〜第23図は本発明の第5
の実施例による高速炉用燃料集合体及び高速炉用燃料棒
を示す第1図〜第4図と同様な図であり、第21図に第20
図の水平断面位置をXX線で示しており、第24図〜第26図
は本発明の第6の実施例による高速炉用燃料集合体及び
高速炉用燃料棒を示す第5図〜第7図と同様な図であ
り、第25図に第24図の水平断面位置をXXIV線で示してお
り、第27図〜第29図は本発明の第7の実施例による高速
炉用燃料集合体及び高速炉用燃料棒を示す第1図〜第3
図と同様な図であり、第28図に第27図の水平断面位置を
XXVII線で示しており、第30図〜第32図は本発明の第8
の実施例による高速炉用燃料集合体及び高速炉用燃料棒
を示す第5図〜第7図と同様な図であり、第31図に第30
図の水平断面位置をXXX線で示しており、第33図〜第36
図は本発明の第9の実施例による高速炉用燃料集合体及
び高速炉用燃料棒を示す第1図〜第4図と同様な図であ
り、第34図に第33図の水平断面位置をXXXIII線で示して
おり、第37図〜第39図は本発明の第10の実施例による高
速炉用燃料集合体及び高速炉用燃料棒を示す第5図〜第
7図と同様な図であり、第38図に第37図の水平断面位置
をXXXVII線で示しており、第40図は本発明の第3の実施
例による高速炉の炉心の1/2のみを示す水平断面図であ
る。 符号の説明 1,20,30〜36,38……燃料集合体 2,2A〜2D……第1の燃料棒 3,3A〜3D……第2の燃料棒 9……核分裂性物質を含む燃料(ネプチニウム、アメリ
シウム、キュリウム富化) 10……ブランケット燃料 15,15A〜15D……燃料充填部 16,16A〜16D……燃料充填部 17……核分裂性物質を含む燃料 21,21A〜21D……第3の燃料棒 22,22A〜22D……燃料充填部 37……ブランケット燃料(ネプチニウム、アメリシウ
ム、キュリウム富化)
用燃料集合体を示し、第1図は第2図のI−I線に沿っ
た水平断面図、第2図は燃料集合体の斜視図であり、第
3図及び第4図はそれぞれ第1の実施例の第1及び第2
の燃料棒の垂直断面図であり、第5図及び第6図は本発
明の第2の実施例による高速炉用燃料集合体を示し、第
5図は第6図のV−V線に沿った断面図、第6図は燃料
集合体の斜視図であり、第7図は第2の実施例の第3の
燃料棒の垂直断面図であり、第8図は本発明の第1の実
施例による高速炉の炉心の1/2のみを示す水平断面図で
あり、第9図は炉心及び燃料の仕様並びに運転条件を示
す図であり、第10図は本発明の燃料集合体と従来の燃料
集合体の径方向の温度分布特性を比較して示す図であ
り、第11図は本発明の燃料集合体及び炉心と従来の燃料
集合体及び炉心の軸方向の温度分布特性を比較して示す
図であり、第12図〜第15図は本発明の第3の実施例によ
る高速炉用燃料集合体及び高速炉用燃料棒を示す第1図
〜第4図と同様な図であり、第13図に第12図の水平断面
位置をXII線で示しており、第16図は本発明の第2の実
施例による高速炉の炉心の1/2のみを示す水平断面図で
あり、第17図〜第19図は本発明の第4の実施例による高
速炉用燃料集合体及び高速炉用燃料棒を示す第5図〜第
7図と同様な図であり、第18図に第17図の水平断面位置
をXVII線で示しており、第20図〜第23図は本発明の第5
の実施例による高速炉用燃料集合体及び高速炉用燃料棒
を示す第1図〜第4図と同様な図であり、第21図に第20
図の水平断面位置をXX線で示しており、第24図〜第26図
は本発明の第6の実施例による高速炉用燃料集合体及び
高速炉用燃料棒を示す第5図〜第7図と同様な図であ
り、第25図に第24図の水平断面位置をXXIV線で示してお
り、第27図〜第29図は本発明の第7の実施例による高速
炉用燃料集合体及び高速炉用燃料棒を示す第1図〜第3
図と同様な図であり、第28図に第27図の水平断面位置を
XXVII線で示しており、第30図〜第32図は本発明の第8
の実施例による高速炉用燃料集合体及び高速炉用燃料棒
を示す第5図〜第7図と同様な図であり、第31図に第30
図の水平断面位置をXXX線で示しており、第33図〜第36
図は本発明の第9の実施例による高速炉用燃料集合体及
び高速炉用燃料棒を示す第1図〜第4図と同様な図であ
り、第34図に第33図の水平断面位置をXXXIII線で示して
おり、第37図〜第39図は本発明の第10の実施例による高
速炉用燃料集合体及び高速炉用燃料棒を示す第5図〜第
7図と同様な図であり、第38図に第37図の水平断面位置
をXXXVII線で示しており、第40図は本発明の第3の実施
例による高速炉の炉心の1/2のみを示す水平断面図であ
る。 符号の説明 1,20,30〜36,38……燃料集合体 2,2A〜2D……第1の燃料棒 3,3A〜3D……第2の燃料棒 9……核分裂性物質を含む燃料(ネプチニウム、アメリ
シウム、キュリウム富化) 10……ブランケット燃料 15,15A〜15D……燃料充填部 16,16A〜16D……燃料充填部 17……核分裂性物質を含む燃料 21,21A〜21D……第3の燃料棒 22,22A〜22D……燃料充填部 37……ブランケット燃料(ネプチニウム、アメリシウ
ム、キュリウム富化)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川島 克之 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 赤木 弘子 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 石田 政義 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 井上 孝太郎 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所エネルギー研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−52493(JP,A) 特開 昭58−55789(JP,A) 特開 昭58−33181(JP,A) 特開 昭62−11193(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G21C 3/28 G21C 3/30 G21C 5/12
Claims (23)
- 【請求項1】燃料充填部に充填した核分裂性物質を含む
燃料にネプチニウム、アメリシウム、及びキュリウムの
うち少なくとも1つの元素を富化した複数の燃料棒を含
み、これら燃料棒をそれらの間を軸方向に流れる流体に
より冷却する高速炉用燃料集合体において、 前記燃料棒を少なくとも半径方向周辺部に位置する複数
の第1の燃料棒で構成し、この第1の燃料棒の燃料充填
部に充填した前記燃料の前記少なくとも1つの元素の富
化度を、半径方向のより内側に位置する複数の第2の燃
料棒のそれよりも高くしたことを特徴とする高速炉用燃
料集合体。 - 【請求項2】請求項1記載の高速炉用燃料集合体におい
て、前記第1の燃料棒を半径方向の最外層に配置したこ
とを特徴とする高速炉用燃料集合体。 - 【請求項3】燃料充填部に核分裂性物質を含む燃料を充
填した複数の第1の燃料棒及び複数の第2の燃料棒を含
みかつ軸方向に流れる流体により冷却される複数の燃料
棒を有する高速炉用燃料集合体において、 前記第1の燃料棒及び第2の燃料棒のうち第1の燃料棒
のみが、前記燃料にネプチニウム、アメリシウム、及び
キュリウムのうち少なくとも1つの元素を富化してお
り、かつ、 前記複数の第1の燃料棒を少なくとも半径方向周辺部に
配置すると共に前記複数の第2の燃料棒を半径方向のよ
り内側に配置したことを特徴とする高速炉用燃料集合
体。 - 【請求項4】燃料充填部に充填した核分裂性物質を含む
燃料にネプチニウム、アメリシウム、及びキュリウムの
うち少なくとも1つの元素を富化した複数の燃料棒を含
み、これら燃料棒をそれらの間を軸方向に流れる流体に
より冷却する高速炉用燃料集合体において、 前記燃料棒を、前記燃料充填部の少なくとも前記流体の
流入側部分に前記少なくとも1つの元素を富化した第3
の燃料棒で構成し、前記少なくとも1つの元素の富化度
を前記燃料充填部の他の部分のそれよりも高くしたこと
を特徴とする高速炉用燃料集合体。 - 【請求項5】燃料充填部に核分裂性物質を含む燃料を充
填した複数の第3の燃料棒を含むとともに軸方向に流れ
る流体により冷却される複数の燃料棒を有し、かつ前記
第3の燃料棒の前記燃料充填部は、前記流体の流入側に
位置する流入側部分と前記流入側と反対側に位置する他
の部分とを備えている高速炉用燃料集合体において、 前記燃料充填部の前記流入側部分及び他の部分のうち流
入側部分のみが、前記燃料にネプチニウム、アメリシウ
ム、及びキュリウムのうち少なくとも1つの元素を富化
していることを特徴とする高速炉用燃料集合体。 - 【請求項6】請求項1又は4記載の高速炉用燃料集合体
において、前記第1又は第3の燃料棒の燃料充填部の軸
方向中心部分に、主として燃料親物質からなるブランケ
ット燃料を充填したことを特徴とする高速炉用燃料集合
体。 - 【請求項7】請求項1又は4記載の高速炉用燃料集合体
において、前記第1又は第3の燃料棒の燃料充填部の軸
方向中心部分から変位した部分に、主として燃料親物質
からなるブランケット燃料を充填したことを特徴とする
高速炉用燃料集合体。 - 【請求項8】請求項1又は4記載の高速炉用燃料集合体
において、前記第1又は第3の燃料棒の燃料充填部に充
填した前記少なくとも1つの元素の富化度の高い燃料を
中空のペレット状としたことを特徴とする高速炉用燃料
集合体。 - 【請求項9】請求項1又は4記載の高速炉用燃料集合体
において、前記燃料充填部に、前記核分裂性物質を含む
燃料に代えて、核分裂性物質を富化しない、主として燃
料親物質からなるブランケット燃料を充填したことを特
徴とする高速炉用燃料集合体。 - 【請求項10】請求項1から請求項9記載の高速炉用燃
料集合体の少なくとも1種類を用いて構成したことを特
徴とする高速炉の炉心。 - 【請求項11】燃料充填部に充填した核分裂性物質を含
む燃料がネプチニウム、アメリシウム、及びキュリウム
のうち少なくとも1つの元素を富化して構成され、軸方
向に流れる流体により冷却される高速炉用燃料棒におい
て、 前記燃料充填部の軸方向中心部分に、主として燃料親物
質からなるブランケット燃料を充填したことを特徴とす
る高速炉用燃料棒。 - 【請求項12】燃料充填部に充填した核分裂性物質を含
む燃料がネプチニウム、アメリシウム、及びキュリウム
のうち少なくとも1つの元素を富化して構成され、軸方
向に流れる流体により冷却される高速炉用燃料棒におい
て、 前記燃料充填部の軸方向中心部分から変位した部分に、
主として燃料親物質からなるブランケット燃料を充填し
たことを特徴とする高速炉用燃料棒。 - 【請求項13】燃料充填部に充填した核分裂性物質を含
む燃料がネプチニウム、アメリシウム、及びキュリウム
のうち少なくとも1つの元素を富化して構成され、軸方
向に流れる流体により冷却される高速炉用燃料棒におい
て、 前記燃料充填部に充填した前記少なくとも1つの元素の
富化度の高い燃料を中空のペレット状としたことを特徴
とする高速炉用燃料棒。 - 【請求項14】燃料充填部に充填した核分裂性物質を含
む燃料がネプチニウム、アメリシウム、及びキュリウム
のうち少なくとも1つの元素を富化して構成され、軸方
向に流れる流体により冷却される高速炉用燃料棒におい
て、 前記燃料充填部の少なくとも前記流体の流入側部分に前
記少なくとも1つの元素を富化し、この少なくとも1つ
の元素の富化度を前記燃料充填部の他の部分のそれより
も高くしたことを特徴とする高速炉用燃料棒。 - 【請求項15】燃料充填部に充填した核分裂性物質を含
む燃料がネプチニウム、アメリシウム、及びキュリウム
のうち少なくとも1つの元素を富化して構成されるとと
もに軸方向に流れる流体により冷却され、かつ前記燃料
充填部は、前記流体の流入側に位置する流入側部分と前
記流入側と反対側に位置する他の部分とを備えている高
速炉用燃料棒において、 前記燃料充填部の前記流入側部分及び他の部分のうち流
入側部分のみが、前記燃料に前記少なくとも1つの元素
を富化していることを特徴とする高速炉用燃料棒。 - 【請求項16】請求項14記載の高速炉用燃料棒におい
て、前記燃料充填部の軸方向中心部分に、主として燃料
親物質からなるブランケット燃料を充填したことを特徴
とする高速炉用燃料棒。 - 【請求項17】請求項14記載の高速炉用燃料棒におい
て、前記燃料充填部の軸方向中心部分から変位した部分
に、主として燃料親物質からなるブランケット燃料を充
填したことを特徴とする高速炉用燃料棒。 - 【請求項18】請求項14記載の高速炉用燃料棒におい
て、前記燃料充填部に充填した前記少なくとも1つの元
素の富化度の高い燃料を中空のペレット状としたことを
特徴とする高速炉用燃料棒。 - 【請求項19】請求項14記載の高速炉用燃料棒におい
て、前記燃料充填部に、前記核分裂性物質を含む燃料に
代えて、核分裂性物質を富化しない、主として燃料親物
質からなるブランケット燃料を充填したことを特徴とす
る高速炉用燃料棒。 - 【請求項20】核分裂性物質にネプチニウム、アメリシ
ウム、及びキュリウムのうち少なくとも1つの元素を富
化した燃料を含み、これら燃料を軸方向に流れる流体に
より冷却する高速炉用燃料集合体において、前記少なく
とも1つの元素の富化度を、前記流体の温度が所定の温
度以下となる部位では大きく、前記所定の温度以上とな
る部位では小さくしたことを特徴とする高速炉用燃料集
合体。 - 【請求項21】核分裂性物質にネプチニウム、アメリシ
ウム、及びキュリウムのうち少なくとも1つの元素を富
化した燃料を含み、これら燃料を軸方向に流れる流体に
より冷却する高速炉用燃料集合体において、 前記流体の温度が所定の温度以下となる部位及び前記流
体の温度が所定の温度以上となる部位のうち、前記流体
の温度が所定の温度以下となる部位のみが、前記少なく
とも1つの元素を富化していることを特徴とする高速炉
用燃料集合体。 - 【請求項22】核分裂性物質にネプチニウム、アメリシ
ウム、及びキュリウムのうち少なくとも1つの元素を富
化した燃料を含む燃料集合体を流体で冷却する高速炉の
炉心において、前記少なくとも1つの元素の富化度を、
前記流体の温度が所定の温度以下となる部位では大き
く、前記所定の温度以上となる部位では小さくしたこと
を特徴とする高速炉の炉心。 - 【請求項23】核分裂性物質にネプチニウム、アメリシ
ウム、及びキュリウムのうち少なくとも1つの元素を富
化した燃料を含む燃料集合体を流体で冷却する高速炉の
炉心において、前記流体の温度が所定の温度以下となる
部位及び前記流体の温度が所定の温度以上となる部位の
うち、前記流体の温度が所定の温度以下となる部位のみ
が、前記少なくとも1つの元素を富化していることを特
徴とする高速炉の炉心。
Priority Applications (1)
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JP1219039A JP2774828B2 (ja) | 1989-08-25 | 1989-08-25 | 高速炉用燃料集合体及び高速炉の炉心並びに高速炉用燃料棒 |
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JP1219039A JP2774828B2 (ja) | 1989-08-25 | 1989-08-25 | 高速炉用燃料集合体及び高速炉の炉心並びに高速炉用燃料棒 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0382994A JPH0382994A (ja) | 1991-04-08 |
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---|---|---|---|
JP1219039A Expired - Fee Related JP2774828B2 (ja) | 1989-08-25 | 1989-08-25 | 高速炉用燃料集合体及び高速炉の炉心並びに高速炉用燃料棒 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101494782B1 (ko) * | 2013-06-14 | 2015-02-23 | 한국원자력연구원 | 핵연료집합체 및 이를 구비하는 고속원자로 |
Families Citing this family (2)
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JP6039524B2 (ja) * | 2013-09-25 | 2016-12-07 | 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 | 核変換用集合体およびそれを用いた高速炉原子力発電システム |
Family Cites Families (4)
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JPS5833181A (ja) * | 1981-08-21 | 1983-02-26 | 株式会社日立製作所 | 核燃料要素 |
JPS5855789A (ja) * | 1981-09-29 | 1983-04-02 | 株式会社日立製作所 | 原子炉の炉心部構造 |
JPS6211193A (ja) * | 1985-07-09 | 1987-01-20 | 三菱原子力工業株式会社 | 核燃料要素 |
JPS6252493A (ja) * | 1985-08-30 | 1987-03-07 | 株式会社日立製作所 | 燃料集合体及び炉心 |
-
1989
- 1989-08-25 JP JP1219039A patent/JP2774828B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR101494782B1 (ko) * | 2013-06-14 | 2015-02-23 | 한국원자력연구원 | 핵연료집합체 및 이를 구비하는 고속원자로 |
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JPH0382994A (ja) | 1991-04-08 |
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