JPH0382862A - ポリメチルペンテン繊維からなる長繊維不織布とその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、ポリメチルペンテン繊維からなる長繊維不織
布とその製造方法に関する。

さらに詳しくは、特に、寸法安定性、耐熱性はもちろん
のこと、耐化学薬品性、電気絶縁に優れ、かつ特異な軽
量性を有していて、各種産業用資材として非常に優れて
いるポリメチルペンテン長繊維不織布とその製造方法に
関するものである。

［従来技術］ 従来、ポリメチルペンテン繊維からなる長繊維不織布は
、溶融紡糸法により押出したフィラメントを高速回転の
ローラに巻取った後、切断して短繊維のウェッブとなし
、さらに接着固定処理をすることによって得られている
。

この不織布は、構成フィラメントが短繊維であるため、
寸法安定性に欠け、かつシートが低強度となるために産
業資材用には耐久性の点で改善が望まれていた。また、
接着固定処理においては、その低強度特性を補うために
、他の素材を添加して溶融紡糸するか、得られたウェッ
ブに他の累月を添加するか、あるいは他の布帛を積層す
る方法等によっているのか現状であり、この場合、異物
質混入による諸特性の変化、特に電気絶縁性の低下は避
けられず、ポリメチルペンテンの有する諸特性が損なわ
れているのが実状である。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明の目的は、上述したような欠点のない高強力性、
寸法安定性、耐熱性に優れていることはもちろんのこと
、耐化学薬品性、電気絶縁性に優れ、かつ、特異な軽量
性を有しているポリメチルペンテン単一成分からなる長
繊維不織布とその製造方法を提供せんとするものである
。

［課題を解決するための手段］ 上述した目的を達成する本発明の長繊維不織布は、ポリ
メチルペンテンからなる長繊維から構成され、密度０．
　１０ｇ／ｃｃ以上、引張強力０．０１ｋｇ１５ｃｍ／
ｇ／ｒｄ以上、伸度３０％以下、１−８０℃弛緩熱処理
時の面積収縮率が１．０％以下であることを特徴とする
長繊維不織布である。

かかる本発明の長繊維不織布において、好ましくは、実
質的に外部接着成分が用いられることなく、該ポリメチ
ルペンテンからなる長繊維により自己接着されているも
のである。

また、本発明の長繊維不織布の製造方法は、溶融したポ
リメチルペンテンを紡糸口金から押出して、空気エジェ
クターにより高速で吸引して細化し長繊維状となし、空
気流とともに該エジェクターの他端から噴出し、受器上
に長繊維ウェッブを捕集し、該ウェッブを温度１１０℃
ないし２２０℃の加熱でプレス処理に供することを特徴
とするものである。

［作用］ 以下、本発明のポリメチルペンテン繊維からなる長繊維
不織布とその製造方法について、さらに詳しく説明する
。

本発明において、ポリメチルペンテンとは、４メチルペ
ンテン−１を単量体として重合されてなるものであり、
このうち、本発明における繊維用として供されるものは
、特に、２６０℃におけるメルトフローレイトが、１０
ないし１００程度のものであることが好ましい。

まず、本発明の長繊維不織布を製造するプロセスから説
明すると、上述のようなポリメチルペンテン重合体は、
たとえば、通常の溶融押出機により２７０℃以上の温度
で溶融され、該溶融物を計量ポンプを経て多数の細孔を
有する紡糸口金から糸条として吐出される。該細孔の形
状は、通常は直径０．１ｍｍから０．５ｍｍの円形であ
り、該細孔が１−個の口金あたり↓Ｏないし３００個、
多い場合には２０００個程度に配置されるものである。

吐出量は、細孔１７個あたり毎分０．１ｇないし■Ｏｇ
１好適には毎分０．２ｇないし２ｇである。

口金から押出された糸条は、空気エジェクター（以下、
エジェクターと略称）によって高速で吸引させて、さら
に、細化したフィラメント流として噴出させて下方に配
置した受器上にウェッブとして捕集する。

かかるポリメチルペンテンの長繊維からなるウェッブを
、本発明の方法においては、温度］、１０℃ないし２２
０℃の加熱下でプレス処理に供することにより、繊維相
互間の圧着と熱安定化処理を行わしめるものである。

上記のような繊維からなるウェッブ状物は、］８０℃の
加熱雰囲気中で面積収縮率が１−ないし１０％で低い特
徴を有するものである。該ウェッブ状物の目付は、１．
０ないし王００ｇ／ｉとすることが実際的で良好な長繊
維不織布を得る上で必要である。

本発明でいうエジェクターとは、溶融紡糸したポリメチ
ルペンテンの糸条を、エジェクター内に送入した加圧空
気を推進力として高速で引取り、細化しかつ高速空気流
に随伴させて噴射する機能をもったユニットを言い、該
エジェクター内でのフィラメント速度は２０００ｍ、／
分ないし６０００ｍ／分に達する。この速度は糸条細化
の指標であり、高速になるほど細化が進み低繊度となる
。

また、この速度は主として、紡糸口金からの吐出量なら
びにエジェクターの紡糸口金下位置と送入する空気の圧
力等の条件選定に支配されるが、操業」二の安定すノＬ
の点からは３０００ｍ／分ないし５０００ｍ／分が好適
である。

かかる本発明の方法においては、ウェッブ状物を構成す
るフィラメントの繊度が大きい場合においては、エジェ
クターへ導入するまでに糸条の冷却が部分的に不完全と
なりやすく、融着したウェッブ状物となる場合がある。

逆に、該フィラメントの繊度が小さい場合においては、
エジェクターによる張力に耐え切れず、フィラメントの
一部が切断してウェッブが形成され、いずれも実用性に
欠けた製品となり、本発明においては、これらの欠点が
起らない好適な繊度として、０．５デニルないし１−Ｏ
デニールのものを用いるのが好ましいものである。

該エジェクターの出口から空気流とともに噴出されるフ
ィラメント群は、さらに、その下方に設けられた移動性
多孔性受器、具体的には金属製あるいはプラスチック製
からなる定速走行の網状物上などにウェッブとして捕集
される。この場合、エジェクターから噴出されるフィラ
メント群が、紡糸口金の孔数単位すなわちエジェクター
の噴射単位などでかたまりやすく、かつ捕集されたウェ
ッブの広がりが狭く、シートとしての均一性および品位
が欠けるような傾向にある場合には、特に、フィラメン
トが相互に離れ合った状態で噴出されて捕集されるよう
工夫をすることが有効である。

そのようにフィラメントが相互に離れ合った状態で噴出
されて捕集されるようにするために、エジェクターの下
方に、衝突材を設け、該衝突材にフィラメントを衝突さ
せて摩擦帯電を起こさせる方法、あるいはエジェクター
へ誘導する直前にコロナ放電により強制帯電をさせる方
法等が知られている。なお、これらの繊維帯電手法によ
っても、捕集されたウェッブが所望の広がりに達しない
場合には、エジェクターの部材あるいは衝突材に機械的
な揺動または回転する機構を備えることも有効である。

かかるウェッブの捕集に際しては、フイラメンＩ・に随
伴して該受器にあたる空気流のために、いったん沈積し
たウェッブが吹き流れてしまい、乱れたものとなる場合
があり、この現象を防ぐためには該受器の下方から空気
を吸引する手段を採用することが望ましい。

本発明で言う上記ウェッブ状物の熱プレスは、加熱した
一対の平板あるいは加熱ローラ等を用いて行なうものの
いずれであってもよい。ただし、本発明者らの知見によ
れば、プレス処理の前後に張力を付与し、また、プレス
処理の後に冷却等の補助操作を加えることが製品の品位
保持の点から有効であるので、加熱ローラを用いた連続
の処理方式の方が好適である。

該熱プレス処理の温度および圧力は、供給されるウェッ
ブ状物の目付、速度などの条件選択によっても適宜変更
されるべきものであり、−概には言えない点もあるが、
本発明者らの知見によれば、一般に、温度は↓１−Ｏ℃
ないし２２０℃の範囲が好適であり、また圧力は、加熱
ローラにより処理する場合には少なくとも線圧１０ｋｇ
／ｃ＋ｎ以上であることか得られる長繊維不織布の品質
安定化を図る上で好適なものである。

」二連の加熱ローラとは、その表面が平滑のもの、ある
いは模様に彫刻されたもの等を用いることができ、ある
いは、これらの同種どうしの組合わせまたは異種の組合
わせからなる複数の回転ローラの使用も可能である。

かかる熱プレス処理に際しては、ウェッブ状物が受器上
に捕集されただけのそのままの状態であれば、繊維は未
拘束状態であるので取扱い時に形態が崩れやすく、その
作業にも困難が生ずることがあり、この場合には予備熱
プレス処理に供することが好ましい。その温度は、ウェ
ッブの熱収縮を抑える点から１．８０℃を越えないこと
が好ましく、より好適には、１５０℃以下の温度で行う
のが望ましい。また、この予備熱プレス処理は、弓き続
く上述の高温熱プレス処理時における熱収縮を生じにく
くするのに効果的であり、ひいては品質の改善に効果的
である。

このようにして得られる本発明のポリメチルペンテン繊
維からなる新規な長繊維不織布では、特に、熱プレス処
理仇していることにより、一般に、密度０．　１０ｇ／
ｃｃ以上という非常に緻密なる紙状というべき長繊維不
織布が得られ、しかも該紙状長繊維不織布は、ポリメチ
ルペンテンの長繊維からなりその交点が接合されている
ために切断強度が０．　０　］、　ｋｇ１５ｃｍ／　ｇ
／ｒｒｒ以上と強く、かつ、伸度は概して３０％以下と
小さく、さらに、］−８８０℃弛緩熱処理の面積収縮率
が１０％以下であるとの各種特徴的な物性を示すもので
あって、強靭性に加えて、加熱時の寸法安定性にも優れ
ている点に大きな特徴がある。

なお、本発明は、ポリメチルペンテン単成分からなる長
繊維不織布に関するものであるが、むろん、本発明で得
られる長繊維不織布を、他の素材からなる不織布、フィ
ルム等の他のシート状材料との積層体とするか、あるい
はそれらが混在した形とし、それらの有する特性を付加
した複合体として活用することも可能であり、そのよう
な使用態様に供することもまた望ましいものである。

］１− ［実施例］ 以下、実施例により本発明の構成、効果について具体的
に説明する。

実施例１ ２６０℃のメルトフローレイトが３０のポリメチルペン
テンを３２０℃の溶融押出機で溶融し、直径０．３ｍｍ
の細孔があけられた紡糸口金から毎分単孔あたり１ｇの
割合で吐出した。

該紡糸口金の下方１５０　ｃ　ｍの位置には、空気圧力
２．　０　ｋｇ／ｃｎｆＧの圧縮空気を毎分４４．０　
Ｎ　１送入するエジェクターを設け、さらに該エジェク
ターの出口から２０ｍｍ位置には４５°の角度で固定し
た衝突板、さらにその下方４５ｃｍ位置には水平におい
た３０メツシユの金網等をそれぞれ配置して、吐出糸条
を該エジェクターに吸引して空気流とともに噴出させ、
衝突板に当てて個々のフィラメントに開繊させた状態で
金網上にウニ・ノブ状に捕集した。

得られたフィラメントの繊度は、２．５デニル、エジェ
クター内のフィラメント速度は３６０２ Ｏｍ／分であった。捕集金網は、ウェッブの目付が４５
ｇ／ｍ２となるよう水平に移動させ、かつ該金網の下方
には吸引装置を設けて捕集面にあたる空気流を４．２ｍ
／秒の速度で吸引した。該金網の末端に、金属製］、対
のカレンダーローラを配し、温度１１０℃で線圧２０ｋ
ｇ／ｃｍの予備熱プレスを行い、次いで温度１９０℃に
保たれた金属製１対のカレンダーローラで線圧５３ｋｇ
／ｃｍの熱圧着処理を行った。

こうして得られたシートは、表面が平滑で、密度が０．
　５４ｇ／ｃｃで緻密性があり、高品位の長繊維不織布
であった。引張強力は０．　０８７　ｋｇ１５ｃｍ／ｇ
／ｒ′＋（、伸度は８％で強靭性があった。

さらに、１８００Ｃに無張力下で加熱した後の寸法変化
を測定すると、面積収縮率が１．５％であり、従来にな
い耐熱性および寸法安定性が認められた。

さらに、電気絶縁性、耐薬品性、低密度等の諸特徴を有
しており、耐熱包装祠、電気被覆相、成型材等の用途に
おいて非常に有用なものであると判断できるものであっ
た。

なお、上述実施例中のシート特性の測定および表示は、
以下に示す方法によるものである。

メルトフローレイト：ＡＳＴＭ　　Ｄ　　１５０５によ
る。

繊度：フィラメント長１．８ｍの重量を測定し、計算に
より算出した。

フィラメント速度：紡糸口金からの毎分吐出量と、得ら
れたフィラメントの繊度から、計算により算出した。

密度：厚さ計で測定した試料の厚さで、目付を除した値
で表示した。

引張強力および伸度：試料のつかみ間隔１０　ｃｍ１つ
かみ幅５ｃｍ、引張速度１．Ｏｃｍ／秒でテンシロン引
張試験機を用いて測定し、引張強力は用いた試料の目付
１ｇ／ｒｒ？あたりに換算して表示した。

加熱時の面積収縮率：３０ｃｍ角の試料中央部に２５ｃ
ｍ角の線引きをし、１８０℃に加熱されたオーブン中に
、無張力下で１０分間静置したあと取り出して、線引き
した面積の大きさを測定して、その収縮率を算出した。

［発明の効果］ 本発明で得られる長繊維不織布は、熱的にも非常に安定
であり、たとえば１．８０　’Ｃの無張力熱処理で面積
収縮率か１−０％以下で形態変化が少ないという特徴に
加え、軽量な特異性を有する。これらの特徴が発揮され
るゆえんは、ポリメチルペンテンの単一成分からなるこ
と、該ポリマーの密度が０．８で極めて低いこと、長繊
維からなる緻密な組織であること、構成繊維を溶融する
ことなく、その交点を圧着する方法によっていることな
どにある。

このようなポリメチルペンテン長繊維からなる不織布は
、耐熱性、絶縁性、耐薬品性、低密度性などの緒特性を
備えた他に類例をみないユニークな新規製品であり、主
として産業用の耐熱包装材、電気絶縁相、成型材等の用
途に非常に有用である。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）ポリメチルペンテンからなる長繊維から構成され
   、密度０．１０ｇ／ｃｃ以上、引張強力０．０１ｋｇ／
   ５ｃｍ／ｇ／ｍ＾２以上、伸度３０％以下、１８０℃弛
   緩熱処理時の面積収縮率が１０％以下であることを特徴
   とする長繊維不織布。
2. （２）実質的に外部接着成分が用いられることなく、ポ
   リメチルペンテンからなる長繊維により自己接着されて
   いるものであることを特徴とする特許請求の範囲第（１
   ）項記載の長繊維不織布。
3. （３）溶融したポリメチルペンテンを紡糸口金から押出
   して、空気エジェクターにより高速で吸引して細化し長
   繊維状となし、空気流とともに該エジェクターの他端か
   ら噴出し、受器上に長繊維ウエッブを捕集し、該ウエッ
   ブを温度１１０℃ないし２２０℃の加熱でプレス処理に
   供することを特徴とするポリメチルペンテンからなる長
   繊維不織布の製造方法。